動画: UOJ による、キリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)のルーシ洗礼を祝う行進が大成功に終わったことと、対立する勢力が衰退しているとする映像(2019年8月)

 2019年7月27日におこなわれたキリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)主催のルーシ洗礼を祝う行進ですが、主催者発表の 30 万人はともかくとしても、かなりの規模の成功をおさめたのは間違いないようで、反プーチン系(というか反・宗教抑圧)のメディアでもモスクワ総主教庁系のウクライナ正教会が存在感を示したことが触れられていたりします。
  UOJ(Union of Orthodox Journalists)の動画では、ウクライナ正教会の今回の行進の成功を、昨年までのウクライナの政治家/ナショナリストらによるヒステリックな弾圧を乗り越えたものだと位置づけるようなものとなっています。
 とはいえ、ゼレンスキー大統領は、ウクライナ正教会への弾圧や聖堂や修道院などの強制接収を黙認し続けるのは確実と思われるので、まだまだ先はわかりません(使える駒がずいぶんと頼りないものになってますので、どうするのかというのはありますけど)。

 

UOJ I Union of Orthodox Journalists:
Day of Rus Baptism: Great Cross Procession and dissenters without administrative resource – YouTube

 

 ウクライナ正教会の、
 ザポロージエ・メリトポリ府主教ルカ座下(His Eminence Metropolitan Luke of Zaporizhia and Melitopol)、
 ドニエプロペトロフスク・パヴログラード府主教【ドニプロペトロウシク・パウロフラード府主教】イリネイ座下(His Eminence Metropolitan Yryney of Dnipropetrovsk and Pavlograd)、
 キロヴォグラード・ノヴォミルゴロド府主教ヨアサフ座下(His Eminence Metropolitan Ioasaf of Kirovograd and Novomirgorod)、
 が動画中でコメントしています。

 

 コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】内の権力争いに敗れた“フィラレート総主教”がいよいよ追い詰められ、バクチをやった割にはあっさりと選挙に負けたポロシェンコ(前)大統領は訴追を免れるためにアメリカのロビイストに助けを求めているという、昨年の破門撤回の時の両者の喜びようを思い出すと、涙が止まりません(訳:失笑してます)。
 この状況でコンスタンティノープルの全地総主教を称する御方はなにひとつ責任をお取りにならないようで、両者が完全に失墜した後、バルソロメオス総主教への恨み節が出るのかも注目です。

 

キリスト教/セルビア正教会の重鎮モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下が、「ローマでもコンスタンティノープルでもなく、エルサレムがすべての教会の母」(2019年7月)

 ロシアのタス通信【ТАСС / TASS】が、キリスト教/セルビア正教会/モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)へのインタビューを複数回記事にしています。
 その内容に関してのほとんどは、今まで主張されてきたものですが(モンテネグロのジュカノヴィッチ大統領はチトー主義者で無神論者なのに教会を作ろうとしている、など)、一部に注目すべき内容があります。

 

 (ロシア語:ほかにも記事があります)Митрополит: попытка повторить украинский раскол на Балканах станет объявлением войны СПЦ – Общество – ТАСС

 (英語)SOC hierarch: Jerusalem's mother of all Churches not Rome or Constantinople – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

 タス通信の記事が複数で長いのですべて読めていないのですが、その一分を引用している UOJ の英語記事によりますと(訳が少しあやしいですが)、アンフィロヒイェ座下は、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世より前の時代に戻るべきであり、すべての問題は公会議によって解決されるべきと主張しているようです。

 

 また、ローマでもコンスタンティノープルでもなく、東方正教会のすべての教会の母はエルサレムであるとしています。

 最近、エルサレム総主教庁の聖職者から、「エルサレムはすべての教会の母」という文言が挨拶に盛られることが多いのですが、今回のアンフィロヒイェ座下のコメントはそれを支持するかのようにも見えます。

 ただ、エルサレム総主教庁およびアンフィロヒイェ座下のコメントにどのような意味が込められているのかは、いまだはっきりとしない段階です。
 比喩的に用いられるならさして問題とならないものですが、「だからコンスタンティノープルではなくエルサレムが首位となるべき」というのであればこれはまた一つ大問題の発生でしょう。
 しかし、繰り返しますが、現状ではエルサレム総主教庁およびアンフィロヒイェ座下のコメントにどのような意味が込められているのかははっきりしません。

 

キリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下が、第73回 国際連合総会【国連総会】議長マリア・フェルナンダ・エスピノサ・ガルセス閣下と会見(2019年7月)

 2019年7月29日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))は、第73回 国際連合総会【国連総会】議長マリア・フェルナンダ・エスピノサ・ガルセス閣下(Her Excellency María Fernanda Espinosa Garcés)と会見しました。

 イラリオン府主教座下は、モスクワ総主教庁は国連について重大な注目と敬意を持っていること、中東地域のキリスト者に対する脅威、ウクライナ国内においてのモスクワ総主教庁系ウクライナ正教会への圧迫などについて語ったようです。

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Metropolitan Hilarion of Volokolamsk meets with Ms. María Fernanda Espinosa Garcés, President of 73rd session of UN General Assembly | The Russian Orthodox Church

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Состоялась встреча митрополита Волоколамского Илариона с председателем 73-й сессии Генеральной Ассамблеи ООН Марией Фернандой Эспиносой | Русская Православная Церковь
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Состоялась встреча митрополита Волоколамского Илариона с председателем 73-й сессии Генеральной Ассамблеи ООН Марией Фернандой Эспиносой / Новости / Патриархия.ru

 

UN GA PresidentさんはTwitterを使っています: 「I visited the seat of the Moscow Patriarchate of the Russian Orthodox Church today where I stressed the responsibility of all faiths and religions to work with the @UN to prevent intolerance and hate speech. #UN4ALL https://t.co/inTLatbZk6」 / Twitter

 

キリスト教/“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”が同庁の“主教協議会”を開催(2019年7月)「コンスタンティノープルのトモスの目的は UOC-KP をつぶすことであり、モスクワはこれを喜んでいる」

 2019年7月27日、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”(キーウ・全ルーシ=ウクライナ総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)は、 UOC-KP の主教協議会を開催、七項目からなる文章を発表しました。

 ものすごくざっくり書きますと、

  1. コンスタンティノープルのトモスの目的は UOC-KP をつぶすことであり、モスクワはこれを喜んでいる
  2. コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】は UOC-KP をつぶそうとしている。
  3. 我々は OCU による UOC-KP の聖堂や修道院の占領を非難する。
  4. ウクライナ文化省の UOC-KP に対する措置は違法。
  5. ウクライナ文化省は東方正教会を壊そうとしている
  6. ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナ文化省の違法介入行為を停止させるよう求める。
  7. 人権団体や知識人、コサックと全市民に対し、ウクライナ人の真の精神的守護者である UOC-KP をつぶそうとする行為を防ぐよう求める。

 ……ということで、ついにコンスタンティノープル&モスクワ結託論のようなものが出されるにいたりました。
 いや、良かったですね。モスクワとコンスタンティノープルのシスマなどなかった!

 

 そんなどうでもいい話はともかくとして、今回の出席者は、フィラレート総主教を含めて五人のようです。
 他の四方は、

  • ヨアサフ府主教”(ベルゴロド・オボヤンスキー府主教ヨアサフ座下 : His Eminence Metropolitan Ioasaf of Belgorod and Oboyansky)
  • イッリャ主教”(ハルキウ・ボホドヒウ主教イッリャ座下 : His Grace Bishop Illya of Kharkiv and Bohodukhiv)
  • ペトロ主教”(ヴァルイスキー主教ペトロ座下 : His Grace Bishop Petro of Valuysky)
  • アンドリー主教”(ヴァシルキウカ主教アンドリー座下 : His Grace Bishop Andriy of Vasylkivka)

 教区名からすると、ロシア連邦及びウクライナ国内の聖職者に思えます。
 主教全員ではないような……モルドバの方が見当たらない?

 

 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Відбулося засідання Архієрейського Собору Української Православної Церкви Київського Патріархату – Українська Православна Церква Київський Патріархат

УПЦ КП – Відбулося засідання Архієрейського Собору… | Facebook

 

インタビュー動画:キリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下へのインタビュー(2019年7月)

 キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で高度な自治的権限を有するウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufry of Kiev and All Ukraine)が、ルーシ洗礼や現在のウクライナのシスマについて語っているようです。

 

Телеканал Интер (Inter TV channel):
Интервью с Блаженнейшим Митрополитом Киевским и всея Украины Онуфрием – YouTube

 

 (英語:ウクライナ正教会公式サイト)Extensive interview of His Beatitude Metropolitan Onufriy on "Inter" TV regarding celebration of Baptism of Holy Ruś (video) – Українська Православна Церква
 (ウクライナ語:ウクライナ正教会公式サイト)Велике інтерв’ю Блаженнішого Митрополита Онуфрія на «Інтері» до Дня Хрещення Русі (відео) – Українська Православна Церква

 (英語)Metropolitan Onuphry: Fighting UOC is a part of overall war on Christ – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)His Beatitude explains the gap between canonical and non-canonical churches – UOJ – the Union of Orthodox Journalists