ロシア連邦司法省に、キリスト教の「古儀式派世界連合」が登録される(2019年8月)

 ロシア連邦司法省に、古儀式派世界連合(World Union of Old Believers)という団体が登録されたようです。

 

 (英語)Interfax-Religion: World Union of Old Believers set up in Moscow

 

 団体の代表レオニード・セヴァスチャノフ氏(Leonid Sevastyanov)は、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁の古儀式派教区の常任委員のようです。団体の目的は、教義には干渉せず、活動を手助けするということにあるとしています。

 

 同氏は、ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下が、モスクワ総主教庁下の古儀式派教区の主教に推挙された件(イラリオン府主教は主教の必要性に否定的な見解)などで名前が出たりしていました。

 

キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下が、“北キプロス・ロシア正教会”を批判(2019年8月)在外ロシア正教会と、在外ロシア正教会から分離した(通称)“アガファンゲル・シノド”の区別がついていないのでは……

 キリスト教/東方正教会/キプロス正教会の首座/ノヴァ・ユスティニアナと全キプロスの大主教クリソストモス2世座下(His Beatitude Archbishop Chrysostomos II of Nova Justiniana and all Cyprus)が、“北キプロス・ロシア正教会【Russian Orthodox Church of Northern Cyprus】”を批判し、9月5日の聖シノドで議題とする考えのようです。

 これは要するに、分断されているキプロス島の、トルコ側勢力が支配する北キプロス・トルコ共和国において、ロシア人系の勢力“北キプロス・ロシア正教会”がキプロス正教会の所有する聖堂などを占有しており、ロシア政府(プーチン大統領にエルドアン大統領への仲介など、またラヴロフ外相や外務省への要請など)及びロシア正教会モスクワ総主教庁に対応を要請したもののまったくやる気が感じられないということのようです。

 しかし、キプロス正教会公式サイト(公式サイトへの転載?)の記事に依ると、(ロシア側にやる気があまりないのはそうだろうとは思いますが)、キプロス正教会側がそもそもロシア正教会について認識が適当なのではと思われる箇所があります。
 たとえば、クリソストモス2世座下は、“北キプロス・ロシア正教会”を率いているらしい司祭について、モスクワ総主教庁渉外局、つまりキリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))に問い合わせて、その司祭はロシア正教会とはまったく関係がないという回答を得ているのですが、それに関して、その司祭を叙聖したアガファンゲル府主教という人物について述べていないので不十分であるかのように指摘しています。
 これはそうかもしれないのですが、そのアガファンゲル府主教を在外ロシア正教会【ROCOR】の米国東部・ニューヨーク府主教及びタヴリダ・オデッサ大主教としているのには相当驚かされました。御存じの通り(といっていいかどうかわかりませんが)、在外ロシア正教会【ROCOR】の米国東部・ニューヨーク府主教は、同教会首位の米国東部・ニューヨーク府主教イラリオン座下(His Eminence Metropolitan Hilarion of Eastern America & New York)であって、アガファンゲル府主教ではありません。ここで指摘されている“アガファンゲル府主教”は、在外ロシア正教会がロシア正教会の管轄権下に戻ることを不服として離脱し、通称“アガファンゲル・シノド”(自称は同じく在外ロシア正教会)を結成した人物です(タヴリダ・オデッサ大主教としていることから明らか)。キプロス大主教が教会法上合法な在外ロシア正教会の首位の名前すら知らないという衝撃の事実ですが、これでは(渉外局長のほうの)イラリオン座下がやる気のない回答をしたのかまさかそんなことも知らないとは思わなかったのか判断に困ります。というか知らないとは思わないでしょう
 東方正教会のギリシャ人は本当に自分たち以外に興味ないですね……。

 また、さらに驚きなことに、キプロス大主教らはこの府主教に対して名前(姓)を訪ねるメールを送ったそうです。なんでも、モスクワ総主教庁系ウクライナ正教会にオデッサ・イズマイル府主教アガファンゲル座下がいるので、別人であることを確認するためのようですが……いやあの……なんで素性の知れないほうの人物に尋ねるのですか? 確実に誰だかわかっているウクライナ正教会の人物に尋ねればいいではありませんか。
 返事はないとのことですが、メールを送られた“アガファンゲル府主教”もあきれ返っているのではないでしょうか。

 ともあれ、自覚はまったくないようですが、キプロス正教会はロシア正教会(特に在外ロシア正教会)にムダな喧嘩を売ったようなものです。「容認できない!」とか言われても……。
 しかし、ロシア正教会側もこんなアホウな人違いをされているとは思っていなかったでしょうし、この後の対応はさらにやる気を無くすでしょう。

 

 あと、“北キプロス・ロシア正教会”ですが、おそらくは“アガファンゲル・シノド”の一部ではないかと思います。
関連:
 キリスト教/“在外ロシア正教会アガファンゲル・シノド【ROCOR (A)】”の“ロマン主教”が、北キプロスで礼拝(2019年7月)

 

 (ギリシャ語:キプロス正教会公式サイト)Aρχιεπίσκοπος Κύπρου: Στην Ιερά Σύνοδο το θέμα των Ρώσων – Εκκλησία της Κύπρου

Γραφείο Ενημερώσεως και Επικοινωνίας της… – Γραφείο Ενημερώσεως και Επικοινωνίας της Εκκλησίας της Κύπρου | Facebook

 

 (英語)Archbishop of Cyprus on Russian Church in Occupied Cyprus: They are scammers, the Holy Synod will consider this issue – Romfea News

Romfea.newsさんはTwitterを使っています: 「#Archbishop #Chrysostomos: The self-styled “Russian Orthodox Church of Northern Cyprus” is unacceptable and does not belong to the official #Russian #Church #romfeanews #churchofcyprus https://t.co/y8WI03AWDT」 / Twitter

Romfea.news – Archbishop Chrysostomos: The self-styled… | Facebook

 

キリスト教/ロシア正教会モスクワ総主教キリル聖下らが、ルーシ洗礼を祝う礼拝(2019年7月)

 2019年7月28日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・全ロシア【全ルーシ】総主教キリル聖下(キリール総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)は、亜使徒聖ウラジーミル大公・ルーシ洗礼の日を祝う礼拝をおこないました。

 

russianchurch(ロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネル):
Проповедь Святейшего Патриарха в день памяти св. равноап. кн. Владимира, День Крещения Руси – YouTube

 

russianchurch(ロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネル):
Святейший Патриарх Кирилл совершил молебен у памятника равноап. кн. Владимиру – YouTube

 

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Слово Святейшего Патриарха Кирилла после молебна у памятника святому равноапостольному князю Владимиру в Москве / Патриарх / Патриархия.ru
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)В день памяти святого равноапостольного князя Владимира Предстоятель Русской Церкви совершил Литургию в Успенском соборе Московского Кремля / Новости / Патриархия.ru
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)В День Крещения Руси Святейший Патриарх Кирилл совершил молебен у памятника равноапостольному князю Владимиру в Москве / Новости / Патриархия.ru

 

 ロシア正教会より、下記の主教らが共同で礼拝。

  • クルチツィ・コロムナ府主教ユヴェナリー座下(His Eminence Metropolitan Juvenaly of Krutitsy and Kolomna)
  • モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))
  • トヴェリ・カシンスキー府主教サッヴァ座下(His Eminence Metropolitan Savva【Sawa】 of Tver and Kashinsky)
  • ヴォログダ・キリルロフスキー府主教イグナチー座下(His Eminence Metropolitan IgnatiusIgnatiy】 of Vologda and Kirillov)
  • カシラ大主教フェオグノスト座下(His Eminence Archbishop TheognostFeognost】 of Kashira)
  • ヴェレヤ大主教アンヴロシー座下(His Eminence Archbishop Ambrose【Amvrosiy】 of Verea【Vereya】)
  • ヴィドノフスキー主教ティーホン座下(His Grace Bishop Tikhon of Vidnovsky)
  • ドミトロフ主教フェオフィラクト座下(His Grace Bishop TheophylactFeofilakt】 of Dmitrov)
  • セルプホフ主教ロマン座下(His Grace Bishop Roman of Serpukhov)
  • オレホヴォ=ズエヴォ主教パンテレイモン座下(His Grace Bishop Panteleimon of Orekhovo-Zuyevo)
  • ヴォスクレセンスク主教ディオニシー座下(His Grace Bishop Dionisiy of Voskresensk)
  • バラシハ主教ニコライ座下(His Grace Bishop Nikolay of Balashikha)
  • ザライスク主教コンスタンティン座下(His Grace Bishop ConstantineKonstantin】 of Zaraisk)
  • モジャイスク主教レオニード座下(His Grace Bishop Leonid of Mozhaysk)
  • セルギエフ=ポサード主教パラモン座下(His Grace Bishop Paramon of Sergiev-Posad)
  • パヴロヴォ=ポサード主教フォマ座下(His Grace Bishop FomaThomas】 of Pavlovo-Posad)
  • ルホヴィツィ主教ピョートル座下(His Grace Bishop PeterPetr】 of Lukhovitsy)
  • ブロンニツィ主教フォマ座下(His Grace Bishop FomaThomas】 of Bronnitsy)
  • イストラ主教セラフィム座下(His Grace Bishop Seraphim of Istra)
  • ゼレノグラード主教サッヴァ座下(His Grace Bishop Savva of Zelenograd)
  • ソルネチノゴルスク主教アレクシー座下(His Grace Bishop AlexyAleksiy】 of Solnechnogorsk)

 他の独立正教会より、下記の聖職者らが共同で礼拝。

  • アンティオキア総主教庁の駐モスクワ・メトヒオン【ポドヴォリエ】ニフォン府主教座下(His Eminence, the Most Reverend Niphon, Metropolitan of Philippople?【Chehba?】)
  • セルビア正教会のモラヴィツァ主教アントニイェ座下(His Grace vicar Bishop AnthonyAntonije】 of Moravica)
  • アメリカ正教会【OCA】のサンタローザ主教ダニエル座下(His Grace【The Right Reverend】 Daniel, Bishop of Santa Rosa)
  • ブルガリア正教会及びチェコ・スロバキア正教会より掌院

 

キリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下が、第73回 国際連合総会【国連総会】議長マリア・フェルナンダ・エスピノサ・ガルセス閣下と会見(2019年7月)

 2019年7月29日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))は、第73回 国際連合総会【国連総会】議長マリア・フェルナンダ・エスピノサ・ガルセス閣下(Her Excellency María Fernanda Espinosa Garcés)と会見しました。

 イラリオン府主教座下は、モスクワ総主教庁は国連について重大な注目と敬意を持っていること、中東地域のキリスト者に対する脅威、ウクライナ国内においてのモスクワ総主教庁系ウクライナ正教会への圧迫などについて語ったようです。

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Metropolitan Hilarion of Volokolamsk meets with Ms. María Fernanda Espinosa Garcés, President of 73rd session of UN General Assembly | The Russian Orthodox Church

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Состоялась встреча митрополита Волоколамского Илариона с председателем 73-й сессии Генеральной Ассамблеи ООН Марией Фернандой Эспиносой | Русская Православная Церковь
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Состоялась встреча митрополита Волоколамского Илариона с председателем 73-й сессии Генеральной Ассамблеи ООН Марией Фернандой Эспиносой / Новости / Патриархия.ru

 

UN GA PresidentさんはTwitterを使っています: 「I visited the seat of the Moscow Patriarchate of the Russian Orthodox Church today where I stressed the responsibility of all faiths and religions to work with the @UN to prevent intolerance and hate speech. #UN4ALL https://t.co/inTLatbZk6」 / Twitter

 

インタビュー記事(英語):RIA NOVOSTIによるキリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下へのインタビュー記事英訳版(2019年7月)

 RIA NOVOSTI【リアノーボスチ】によるキリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))へのインタビュー記事英訳版が、モスクワ総主教庁渉外局公式サイトに掲載されています。

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Metropolitan Hilarion: Recognition of the OCU by any Church will only deepen the division | The Russian Orthodox Church