キリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下らとクルト・コッホ枢機卿座下らが会談。年次の文化的な交流に関するもの(2019年2月)

 2019年2月13日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))らは、キリスト教/ローマ・カトリック教会/ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会議長クルト・コッホ枢機卿座下(His Eminence Kurt Cardinal Koch, President of the Pontifical Council for Promoting Christian Unity)らと、年次の文化的な交流に関する会談をおこないました。

 ロシア正教会から、文化評議会議長/プスコフ・ポルホフ府主教ティーホン座下(His Eminence Metropolitan Tikhon of Pskov and Porkhov)、
 ローマ・カトリック教会側からは、ロシア連邦駐箚ローマ教皇大使チェレスティーノ・ミッリョーレ大司教座下(His Most Reverend Excellency Monsignor Archbishop Celestino Migliore, Apostolic Nuncio to Russian Federation : カノーザ名義大司教 : Titular Archbishop of Canosa)らが同席。

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Working Group for Cultural Cooperation between the Russian Orthodox Church and the Roman Catholic Church holds its regular meeting in Moscow | The Russian Orthodox Church
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Working Group for Cultural Cooperation between the Russian Orthodox Church and the Roman Catholic Church holds its regular meeting in Moscow / News / Patriarchate.ru

 

 なお、プスコフ・ポルホフ府主教ティーホン座下は、もともとカトリックへの強い批判者であり、カトリックをキリスト教とすらみなしていない主旨の発言を繰り返していましたが、東方正教会で教会分裂が起こった今、立場に変化があるのか注目されます。

 

キリスト教/カメルレンゴにケヴィン・ジョセフ・ファレル枢機卿座下が叙任される(2019年2月)

 キリスト教/ローマ・カトリック教会の首座/ローマ教皇聖座およびバチカン市国の絶対君主/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、ローマ教皇庁信徒・家庭・いのちの部署長官ケヴィン・ジョセフ・ファレル枢機卿座下(His Eminence Kevin Joseph Cardinal Farrell, Prefect of the Dicastery for the Laity, Family and Life)を新たなカメルレンゴに叙任したようです。

 カメルレンゴはローマ教皇の帰天時などの使徒座空位期間に教皇代理としていくつかの権限を持ちます。

 

 (英語:ローマ教皇聖座公式サイト)Resignations and Appointments, 14.02.2019

Appointment of Camerlengo of the Holy Roman Church

The Pope has appointed as Camerlengo of the Holy Roman Church His Eminence Cardinal Kevin Joseph Farrell, prefect of the Dicastery for the Laity, Family and Life.

 

 (英語)Card. Farrell on being named Camerlengo: I accept, if the pope speaks at my funeral | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Card. Farrell on being named Camerlengo: I accept, if the pope speaks at my funeral – YouTube

 

キリスト教/メンフィス司教の解任理由に諸説飛び交う。バチカン「教区管理の問題」、本人「有力枢機卿の野望を妨害したことの報復」、その他「虐待関連(バチカンも本人も否定)」「黒人だから」「無断で悪魔祓いをおこなった司祭を重用」(2018年10月)

 2018年10月24日に、キリスト教/ローマ・カトリック教会/アメリカ合衆国のマーティン・デイヴィッド・ホリー司教座下(Bishop Martin David Holley)がメンフィス司教を解任されました。

 この理由について、虐待関連の話が報道された枢機卿との関連の話が出ましたが、バチカン、本人ともに否定。

 本人は、 Catholic News Agency の取材に対し、2012年に当時のローマ教皇ベネディクト16世聖下(His Holiness Pope Benedict XVI)から当時のワシントン大司教ドナルド・ウィリアム・ワール枢機卿座下(His Eminence Donald William Cardinal Wuerl)の国務省長官への適性に関する質問を受けて(当時ホリー座下は同教区の補佐司教)、「職務への適性が心配」との回答をしたために、同枢機卿は国務省長官になれず、今回その報復を受けた、と回答しています。
※本当にベネディクト16世とホリー司教の間でそのようなやりとりがあったのか、またあったとしてベネディクト16世がホリー司教の回答を重要視したのかは不明。

 一方で、バチカンは教区管理の問題としており、こちらでは起こった出来事については見解の相違はないようです。
 ホリー司教座下は、教区の組織構成を大幅に変えようとしたり、側近となる司祭を呼び寄せてすぐに重要な地位に昇格させたり、ということをした模様。
 これについて座下は、組織が体をなしていなかったことと、呼び寄せた司祭はよく知っている人物なのでなんの問題もないとしています。また、黒人なので差別があったとそういうコメントもしているようです。
 これらに関して、大幅な組織構成の変更は通常あり得ないほどということと、司祭の重要役職への昇格に関しては同地への赴任から五年くらいかかるとの指摘もあります。また、この司祭が、過去に司教の許可を得ずに悪魔祓い(エクソシズム)をおこなったとの話もあります。

 真偽は不明なものの、正直なところ大物というわけではなさそうですし、支持者が多数集まっているわけでもなさそうなので、さほど興味はわきません。
 本人はスピリチュアル・バトルの始まりといっているようですが、具体的になにをやるのかはまったく見えてきません。
 ただ、もしベネディクト16世聖下が本当にホリー司教座下に適性を尋ねその回答を重要視したとするなら、聖下から評価を受けている可能性もあり、その方面で失地回復を図っていくかもしれません。

 

 (英語:ローマ教皇聖座公式サイト)Resignations and Appointments, 24.10.2018
 (英語:バチカンニュース)Pope removes Bishop of Memphis from pastoral care of his diocese – Vatican News
 (英語:Catholic News Agency)Bishop Martin Holley says Cardinal Wuerl influenced his removal from Memphis
 (英語)The mysterious removal of Bishop Holley | CatholicHerald.co.uk

 

キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、コロンビア大統領イバン・ドゥケ・マルケス閣下と会見(2018年10月)

 2018年10月22日、キリスト教/ローマ・カトリック教会の首座/ローマ教皇聖座およびバチカン市国の絶対君主/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、コロンビア共和国大統領イバン・ドゥケ・マルケス閣下(His Excellency Mr Iván Duque Márquez)と会見しました。

 ドゥケ大統領閣下は、ローマ教皇庁国務省長官ピエトロ・パロリン枢機卿座下(His Eminence Pietro Cardinal Parolin)とも会談したようです。

 

 (英語)Colombian President and pope discuss Venezuelan migration crisis and peace process | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Colombian President and pope discuss Venezuelan migration crisis and peace process – YouTube

 

 (英語:ローマ教皇聖座公式サイト)Holy See Press Office Communiqué: Audience with the President of the Republic of Colombia

 (英語)Pope, Colombian president discuss reconciliation, corruption, drug trafficking – Vatican News

 (スペイン語:コロンビア大統領府公式サイト)Ampliación / Presidente Duque fue recibido por el Papa Francisco

 

Presidencia Colombiaさんのツイート: "El presidente @IvanDuque fue recibido este lunes en audiencia por Su Santidad, el Papa Francisco @Pontifex_es. El encuentro se realizó en la Biblioteca Vaticana de la Santa Sede.… https://t.co/b3o2ViWqFp"

 

Iván Duqueさんのツイート: "#CiudadDelVaticano Tuvimos un muy grato encuentro con Su Santidad el Papa Francisco. Le agradezco la forma tan cálida con la que nos recibió. Durante la conversación me motivó a seguir trabajando por la unidad del pueblo colombiano; por concentrarnos siempre en lo que nos une.… https://t.co/lyww9yXYhK"

 

Iván Duqueさんのツイート: "#Vaticano El mensaje que hemos recibido del Santo Padre es de respaldo frente a la política de brazos abiertos con los hermanos venezolanos y los esfuerzos por convocar ayuda multilateral. Ese apoyo muestra que estamos haciendo lo correcto y que debemos seguir por ese camino.… https://t.co/zgXVNrIOM7"

 

El presidente Iván Duque fue recibido… – Presidencia de la República de Colombia | Facebook

 

シスマ2018:キリスト教/カトリックのシノドスでロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下が演説。ローマ教皇に挨拶。クルト・コッホ枢機卿座下と会談、コンスタンティノープルとのコミュニオン解除に関して説明した模様(2018年10月)

 2018年10月18日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))は、キリスト教/ローマ・カトリック教会の「世界代表司教会議(シノドス)第15回通常総会(テーマ:若者、信仰そして召命の識別)」にて演説をおこないました(シノドスにはカトリックの司教250人以上が参列)。
 その際、ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)と挨拶をかわしたほか、ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会議長クルト・コッホ枢機卿座下(His Eminence Kurt Cardinal Koch, President of the Pontifical Council for Promoting Christian Unity)と会談した模様。

 クルト・コッホ枢機卿座下がローマ教皇聖座とロシア正教会の交流プロジェクトの重要性を強調したほか、イラリオン府主教座下は2018年10月15日のロシア正教会聖シノドによるコンスタンティノープルの全地総主教庁とのユーカリスティック・コミュニオンの解除決定について詳細を説明し文書を手渡したようです。

 

 (英語:カトリックのシノドスでのイラリオン府主教の演説テキスト:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Greetings from Metropolitan Hilarion of Volokolamsk to the participants of the 15th Ordinary General Assembly of the Synod of Bishops of the Catholic Church | The Russian Orthodox Church
 (英語:クルト・コッホ枢機卿とイラリオン府主教の会談:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Metropolitan Hilarion meets with Cardinal Kurt Koch | The Russian Orthodox Church

 (ロシア語:カトリックのシノドスにイラリオン府主教が参列・演説したこと:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Митрополит Волоколамский Иларион выступил на заседании Синода епископов Католической Церкви | Русская Православная Церковь
 (ロシア語:カトリックのシノドスでのイラリオン府主教の演説テキスト:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Приветствие митрополита Волоколамского Илариона участникам XV Генеральной ассамблеи Синода епископов Католической Церкви | Русская Православная Церковь
 (ロシア語:クルト・コッホ枢機卿とイラリオン府主教の会談:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Митрополит Волоколамский Иларион встретился с кардиналом Куртом Кохом | Русская Православная Церковь

渉外局公式サイトと同内容:
 (英語:クルト・コッホ枢機卿とイラリオン府主教の会談:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Metropolitan Hilarion meets with Cardinal Kurt Koch / News / Patriarchate.ru
 (ロシア語:カトリックのシノドスにイラリオン府主教が参列・演説したこと:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Митрополит Волоколамский Иларион выступил на заседании Синода епископов Католической Церкви / Новости / Патриархия.ru
 (ロシア語:カトリックのシノドスでのイラリオン府主教の演説テキスト:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Приветственное слово митрополита Волоколамского Илариона участникам XV Генеральной ассамблеи Синода епископов Католической Церкви / Статьи / Патриархия.ru
 (ロシア語:クルト・コッホ枢機卿とイラリオン府主教の会談:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Председатель ОВЦС встретился с кардиналом Куртом Кохом / Новости / Патриархия.ru

 

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翌日の会見:
 シスマ2018:キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下がロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下と会見(2018年10月)ロシア正教会はカトリックとの関係発展は続けるものの、カトリックと東方正教会全体の神学に関する対話には参加しないと通知

インタビュー情報:
 シスマ2018:イタリア紙がキリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下にインタビュー「ウクライナの教会分裂の背後にアメリカの影」(2018年10月)「コンスタンティノープルは金を受け取ったと思うか?」という質問に「わからないが1924年のポーランドの時には彼らは受け取った」