キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、マランカラ・マル・トマ・シリア教会の補佐府主教と会見(2022年11月)

 2022年11月22日、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、インドの、マランカラ・マル・トマ・シリア教会の補佐府主教ジョセフ・マル・バルナバス座下(His Eminence Joseph Mar Barnabas, Suffragan Metropolitan of the Mar Thoma Syrian Church)と会見しました。

 フランシスコ教皇との会見の後、補佐府主教は、ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会次官ブライアン・ファレル司教座下(アビティナエ名義司教 : Bishop Brian Farrell, L.C., Secretary of the Pontifical Council for Promoting Christian Unity, Titular Bishop of Abitinae)およびオリエント正教会担当の司祭と会談したようです。
 マランカラ・マル・トマ・シリア教会は、オリエント正教会のシリア正教会との関係が深いですが、現在はアングリカン・コミュニオンの一員です(アングリカンとは分類しないような気もしますが)。

 

 (英語:ローマ教皇聖座 公式サイト)Audiences, 23.11.2022

His Eminence Joseph Mar Barnabas, Suffragan Metropolitan of the Mar Thoma Syrian Church (Syro-Malankara Church in communion with the Anglican Communion);

 (英語:ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会 公式サイト)2022 11 28 Pope Francis audience Metropolita Barnabas

キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、シリア正教会のアンティモス・ジャック・ヤコブ座下と会見(2021年4月)

 2021年4月16日【17日?】、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の青年・宗教教育担当総主教補佐“モル”・アンティモス・ジャック・ヤコブ座下(His Eminence Mor Anthimos Jack Yakoub, Patriarchal Vicar for Youth Affairs and Religious Education)と会見しました。
 シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下よりの親書が手渡されたようです。

 また、座下は、
 ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会議長クルト・コッホ枢機卿座下(His Eminence Kurt Cardinal Koch, President of the Pontifical Council for Promoting Christian Unity)、
 ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会次官ブライアン・ファレル司教座下(アビティナエ名義司教 : Bishop Brian Farrell, L.C., Secretary of the Pontifical Council for Promoting Christian Unity, Titular Bishop of Abitinae)、
 とも会見した模様。

 

 (ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会 公式サイト)2021 04 20 Visit Mor Anthimos Jack Yakoub
 
 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁 公式ウェブサイト)Private Message from His Holiness Patriarch Aphrem II to His Holiness Pope Francis | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch

キリスト教/ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会次官ブライアン・ファレル司教座下が、ウクライナ問題によりカトリックと東方正教会の対話が手詰まりになっていることを語る(2019年5月)1054年以来最も重大な教会分裂

 キリスト教/ローマ・カトリック教会の、ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会次官ブライアン・ファレル司教座下(アビティナエ名義司教 : Bishop Brian Farrell, L.C., Secretary of the Pontifical Council for Promoting Christian Unity, Titular Bishop of Abitinae)が、東方正教会の分裂に伴い、カトリックと東方正教会全体の対話が停止していると語ったようです。

 

 (英語)New Orthodox schism stalls ecumenical dialogue, Vatican official says

 

 座下によれば、コンスタンティノープルが一方的にウクライナに独立正教会を設置したことにより、モスクワとコンスタンティノープルの間で、1054年以来最も重大な教会分裂が起こっているとのことです。
 また、カトリックと東方正教会全体の対話はロシア正教会なしで継続するのは可能だが、ロシア抜きでのものにどれだけの影響があるのか極めて懐疑的なようです。

 とはいえ、記事の末尾では(よくある構成ですが)座下は東方正教会内の問題が解決することを期待する前向きなコメントをしています。
 そんなすぐに解決するかもしれない問題が1054年以来最も重大であるというのは、キリスト教を知る者にとっては驚きを隠せないところでしょう。 いやまあ、立場上、後ろ向きなこともいえないのでしょう。

 

 それにしても、このままで事態が推移すれば、東西の対話が不可能、というか“東”というものの意味がなくなってしまいますね。
 ウクライナのポロシェンコ大統領は、東方正教会をつぶし、それに伴い東方正教会圏内の王政復古の可能性を完全につぶしただけでなく(教会が動くのに慎重になっているのに王政復古なんぞできるわけがない)、東西教会の再統合の道も完全につぶしたことになるわけですが……。いや、いずれこうなるものだったのでしょう。

 東方正教会信徒のうちインテリ層には、自分たちが信じていた正しい教えが、新興宗教コンスタンティノープル真理教に一夜にして変わったことへのバカバカしさを隠せない人もいます(「heresy」という言葉をよく見かけますが、「異端」とかじゃなくて「クソが!」みたいな意味合いにしか思えない)。
 また、世俗化やローマ接近、暦の変更などに反発して、教会法上合法な教会(というよりもはや第一派閥ロシアと第二派閥コンスタンティノープル、そしてかつて多数派でいまや立場不明瞭な人たちの仲間)をかなり前に抜けていた方々のうち、これまで自分たちの意見を表明していた人々も、最初のうちはコンスタンティノープルもモスクワも変わらぬなどとおちょくっていましたが、だんだん元気がなくなっていっています。コンスタンティノープルが使徒継承すら雑に扱う現状では、なにを語るのも無力感が募るということなのでしょうか。