キリスト教/東方正教会/アンティオキア総主教ヨウハンナ10世聖下が、ロシア大統領プーチン閣下、シリア大統領アサド閣下と会見(2020年1月)

 キリスト教/東方正教会/アンティオキア・東方全土総主教ヨウハンナ10世聖下(His Beatitude Patriarch John X of Antioch and All the East)は、シリア・アラブ共和国国内情勢などを協議するために同国を訪問したロシア連邦大統領ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン閣下(His Excellency Mr Vladimir Vladimirovich Putin)およびシリア・アラブ共和国大統領バッシャール・アル・アサド閣下(His Excellency Bashar al-Assad)と会見しました。

 

Greek Orthodox Patriarchate of Antioch and all the East(東方正教会アンティオキア・東方全土総主教庁公式チャンネル):
زيارة الرئيسين فلاديمير بوتين وبشار الأسد إلى بطريركية أنطاكية وسائر المشرق للروم الأرثوذكس بدمشق ٧ – YouTube

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)President of Russia visits Patriarchal Cathedral of Our Lady of the Dormition in Damascus / News / Patriarchate.ru

 

キリスト教/“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”公式サイトに“フィラレート総主教”へのインタビューが掲載(2019年9月)コンスタンティノープルを批判

 “ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の公式サイトに、“フィラレート総主教”(キーウ・全ルーシ=ウクライナ総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)へのインタビュー記事が掲載されています。
 記事によれば、ジャーナリストによるインタビューのようです。

 

 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Патріарх Філарет: «В Українській державі повинна бути дійсно незалежна автокефальна Церква» – Українська Православна Церква Київський Патріархат

 (英語)Filaret: Pat. Bartholomew asked President to speed up liquidation of UOC-KP – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Filaret: Patriarch Bartholomew seeks absolute power in Orthodoxy – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Philaret effectively admits to election tampering, claims Epiphany became primate thanks to him / OrthoChristian.Com

 

 内容は、これまでに比べれば整理されており、この一年いうことがコロコロ変わったり、これまでの行動のまずいところがうまく(?)スルーされているような気がするようなところ、そしてそもそも教会にナショナリズムは必要なの?という根本的なことを除けば、ある程度の説得力はあるのではないかと思います。

 フィラレート総主教によれば、まず彼はロシア正教会モスクワ総主教庁に独立正教会としてくれるように請願したが、これははねつけられたということです。
 そのためコンスタンティノープルを頼ったが、彼らはずーっとグズグズしたあげく、事実上独立を認めていない内容のトモスを渡してきた。それはコンスタンティノープルを絶対的な権力として確立させるためだ、としています。数年前の東方正教会全体の会合で、ロシア正教会、アンティオキア総主教庁、ブルガリア正教会、ジョージア正教会【グルジア正教会】、が欠席しましたが、これはコンスタンティノープルが自らの権力を絶対にしようとしたためであるとし、欠席したロシア正教会などの立場を支持しています(!)。
 また、なぜ「総主教」にこだわるかといえば、ポーランド正教会のように府主教を首座とする独立正教会というのは可能だが、府主教は必ずしも独立正教会の首座というわけではない。「総主教」ならば必ずそうだ、ということです(なぜ総主教にこだわるかについてもこれまで発言が変わったりしているので話半分に聞いていけばいいのですが、確かに総主教と認めた相手にあの内容のトモスを渡すのはムチャ度が増すとは思います)。
 ポロシェンコ(元)大統領については、選挙目当てだったとまたも批判、というか事実を指摘
 その他、欧州を批判したりしていますが、結論としては、ウクライナには、モスクワからもコンスタンティノープルからも真に独立(independent)した「独立正教会(autocephalous church)」が必要だということです。

 

 理屈の展開はわからないでもありませんが、そもそも国単位で独立教会を作らねばならないというのは東方正教会全体では合意されていないというのはどうでもいいとしても、モスクワとコンスタンティノープルを共に敵に回していったいどこに独立正教会として認定してもらおうというのか。もらったとしてなんなんだというのがさっぱりわからないところです。

 

キリスト教/“フィラレート総主教”が、OCUの“エピファニー府主教”に公開書簡(2019年8月22日)「ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】は(おまえのものではない)激しい労力と悲しみによって生まれたのだ」「もしおまえが神を信じていなくても良心くらいは持て」

 2019年8月22日付で、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”(キーウ・全ルーシ=ウクライナ総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)から、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の首座“エピファニー府主教”への公開書簡が出されています。

 

 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Лист Патріарха Філарета до митрополита Епіфанія – Українська Православна Церква Київський Патріархат

 

 内容ですが、エピファニー府主教が UOC-KP を解体して、その財産を手に入れるべく、ウクライナの国家貯蓄銀行に UOC-KP の口座を閉じるよう書簡を送ったことに触れ、そこから先は今までの見解の繰り返し( UOC-KP は解体していない)という内容になっています。

 そのため最終パラグラフでは、そもそもエピファニー府主教が送った書簡が間違いという前提で、

  • ウクライナの国家貯蓄銀行に送った書簡の撤回と UOC-KP に介入しないよう要請。
  • 教会( UOC-KP )を破壊するな、(おまえのものではない)激しい労力と悲しみによって生まれたのだ。
  • 神を恐れよ!
  • もしおまえが神を信じていなくとも、人並み程度の良心を持ち合わせよ!

 ……と、いよいよこの世界で本当に言論の自由を謳歌する一人であるフィラレート総主教の本領が徐々に復活してきていることがうかがえ、これは誰のためにもなりませんが、この先もぜひ自由な発言を期待したいところです。

 

追記:
 (英語)Philaret brings lawsuit against former sidekick Evstraty Zorya, former protégé Epiphany Dumenko closes his bank accounts / OrthoChristian.Com

 

追記2:
 (英語)Kiev: Rally in support of Filaret and UOC-KP held in Mikhailovskaya Square – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 フィラレート総主教を支持する約200人が、エピファニー府主教の住居となっている修道院の前で示威集会をおこなったようです。
 「バルソロメオス(コンスタンティノープル総主教)は真のトモスをウクライナによこせ、プーチンと共謀するな」ということだそうです。
 対立する双方が相手をロシアの手先・モスクワの手先・プーチンの手先と罵り合うのは見慣れた光景ではあります。

 

キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下が、“北キプロス・ロシア正教会”を批判(2019年8月)在外ロシア正教会と、在外ロシア正教会から分離した(通称)“アガファンゲル・シノド”の区別がついていないのでは……

 キリスト教/東方正教会/キプロス正教会の首座/ノヴァ・ユスティニアナと全キプロスの大主教クリソストモス2世座下(His Beatitude Archbishop Chrysostomos II of Nova Justiniana and all Cyprus)が、“北キプロス・ロシア正教会【Russian Orthodox Church of Northern Cyprus】”を批判し、9月5日の聖シノドで議題とする考えのようです。

 これは要するに、分断されているキプロス島の、トルコ側勢力が支配する北キプロス・トルコ共和国において、ロシア人系の勢力“北キプロス・ロシア正教会”がキプロス正教会の所有する聖堂などを占有しており、ロシア政府(プーチン大統領にエルドアン大統領への仲介など、またラヴロフ外相や外務省への要請など)及びロシア正教会モスクワ総主教庁に対応を要請したもののまったくやる気が感じられないということのようです。

 しかし、キプロス正教会公式サイト(公式サイトへの転載?)の記事に依ると、(ロシア側にやる気があまりないのはそうだろうとは思いますが)、キプロス正教会側がそもそもロシア正教会について認識が適当なのではと思われる箇所があります。
 たとえば、クリソストモス2世座下は、“北キプロス・ロシア正教会”を率いているらしい司祭について、モスクワ総主教庁渉外局、つまりキリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))に問い合わせて、その司祭はロシア正教会とはまったく関係がないという回答を得ているのですが、それに関して、その司祭を叙聖したアガファンゲル府主教という人物について述べていないので不十分であるかのように指摘しています。
 これはそうかもしれないのですが、そのアガファンゲル府主教を在外ロシア正教会【ROCOR】の米国東部・ニューヨーク府主教及びタヴリダ・オデッサ大主教としているのには相当驚かされました。御存じの通り(といっていいかどうかわかりませんが)、在外ロシア正教会【ROCOR】の米国東部・ニューヨーク府主教は、同教会首位の米国東部・ニューヨーク府主教イラリオン座下(His Eminence Metropolitan Hilarion of Eastern America & New York)であって、アガファンゲル府主教ではありません。ここで指摘されている“アガファンゲル府主教”は、在外ロシア正教会がロシア正教会の管轄権下に戻ることを不服として離脱し、通称“アガファンゲル・シノド”(自称は同じく在外ロシア正教会)を結成した人物です(タヴリダ・オデッサ大主教としていることから明らか)。キプロス大主教が教会法上合法な在外ロシア正教会の首位の名前すら知らないという衝撃の事実ですが、これでは(渉外局長のほうの)イラリオン座下がやる気のない回答をしたのかまさかそんなことも知らないとは思わなかったのか判断に困ります。というか知らないとは思わないでしょう
 東方正教会のギリシャ人は本当に自分たち以外に興味ないですね……。

 また、さらに驚きなことに、キプロス大主教らはこの府主教に対して名前(姓)を訪ねるメールを送ったそうです。なんでも、モスクワ総主教庁系ウクライナ正教会にオデッサ・イズマイル府主教アガファンゲル座下がいるので、別人であることを確認するためのようですが……いやあの……なんで素性の知れないほうの人物に尋ねるのですか? 確実に誰だかわかっているウクライナ正教会の人物に尋ねればいいではありませんか。
 返事はないとのことですが、メールを送られた“アガファンゲル府主教”もあきれ返っているのではないでしょうか。

 ともあれ、自覚はまったくないようですが、キプロス正教会はロシア正教会(特に在外ロシア正教会)にムダな喧嘩を売ったようなものです。「容認できない!」とか言われても……。
 しかし、ロシア正教会側もこんなアホウな人違いをされているとは思っていなかったでしょうし、この後の対応はさらにやる気を無くすでしょう。

 

 あと、“北キプロス・ロシア正教会”ですが、おそらくは“アガファンゲル・シノド”の一部ではないかと思います。
関連:
 キリスト教/“在外ロシア正教会アガファンゲル・シノド【ROCOR (A)】”の“ロマン主教”が、北キプロスで礼拝(2019年7月)

 

 (ギリシャ語:キプロス正教会公式サイト)Aρχιεπίσκοπος Κύπρου: Στην Ιερά Σύνοδο το θέμα των Ρώσων – Εκκλησία της Κύπρου

Γραφείο Ενημερώσεως και Επικοινωνίας της… – Γραφείο Ενημερώσεως και Επικοινωνίας της Εκκλησίας της Κύπρου | Facebook

 

 (英語)Archbishop of Cyprus on Russian Church in Occupied Cyprus: They are scammers, the Holy Synod will consider this issue – Romfea News

Romfea.newsさんはTwitterを使っています: 「#Archbishop #Chrysostomos: The self-styled “Russian Orthodox Church of Northern Cyprus” is unacceptable and does not belong to the official #Russian #Church #romfeanews #churchofcyprus https://t.co/y8WI03AWDT」 / Twitter

Romfea.news – Archbishop Chrysostomos: The self-styled… | Facebook

 

動画: UOJ による、キリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)のルーシ洗礼を祝う行進が大成功に終わったことと、対立する勢力が衰退しているとする映像(2019年8月)

 2019年7月27日におこなわれたキリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)主催のルーシ洗礼を祝う行進ですが、主催者発表の 30 万人はともかくとしても、かなりの規模の成功をおさめたのは間違いないようで、反プーチン系(というか反・宗教抑圧)のメディアでもモスクワ総主教庁系のウクライナ正教会が存在感を示したことが触れられていたりします。
  UOJ(Union of Orthodox Journalists)の動画では、ウクライナ正教会の今回の行進の成功を、昨年までのウクライナの政治家/ナショナリストらによるヒステリックな弾圧を乗り越えたものだと位置づけるようなものとなっています。
 とはいえ、ゼレンスキー大統領は、ウクライナ正教会への弾圧や聖堂や修道院などの強制接収を黙認し続けるのは確実と思われるので、まだまだ先はわかりません(使える駒がずいぶんと頼りないものになってますので、どうするのかというのはありますけど)。

 

UOJ I Union of Orthodox Journalists:
Day of Rus Baptism: Great Cross Procession and dissenters without administrative resource – YouTube

 

 ウクライナ正教会の、
 ザポロージエ・メリトポリ府主教ルカ座下(His Eminence Metropolitan Luke of Zaporizhia and Melitopol)、
 ドニエプロペトロフスク・パヴログラード府主教【ドニプロペトロウシク・パウロフラード府主教】イリネイ座下(His Eminence Metropolitan Yryney of Dnipropetrovsk and Pavlograd)、
 キロヴォグラード・ノヴォミルゴロド府主教ヨアサフ座下(His Eminence Metropolitan Ioasaf of Kirovograd and Novomirgorod)、
 が動画中でコメントしています。

 

 コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】内の権力争いに敗れた“フィラレート総主教”がいよいよ追い詰められ、バクチをやった割にはあっさりと選挙に負けたポロシェンコ(前)大統領は訴追を免れるためにアメリカのロビイストに助けを求めているという、昨年の破門撤回の時の両者の喜びようを思い出すと、涙が止まりません(訳:失笑してます)。
 この状況でコンスタンティノープルの全地総主教を称する御方はなにひとつ責任をお取りにならないようで、両者が完全に失墜した後、バルソロメオス総主教への恨み節が出るのかも注目です。