キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の聖シノドは、セルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)の永眠に伴う一時的な体制について発表しました。
英文を読んだ限りでは、首座代行(Locum Tenens)の表記はなく、聖シノドが総主教の権限を代行し、ダバル=ボスニア府主教フリゾストム座下(His Eminence Metropolitan Hrizostom of Dabar-Bosnia)が聖シノドの議長を務めるとのことです。
追記:
ローマ・カトリック教会は、フリゾストム府主教を首座代行として認識しており、議長を務めること=首座代行となったとしていいかもしれません。
追記2:
アルバニア大主教は、フリゾストム府主教を首座代行(His Eminence Chrysostomos, Metropolitan of Dabrobosnia, Locum Tenens of the Patriarchate of Serbia)としています。
(英語:アルバニア正教会 公式サイト)Letter of condolences to the Orthodox Church of Serbia – Orthodox Autocephalous Church of Albania
また、聖シノドは総主教が務めるベオグラード・カルロヴツィ教区の一時的な管理者として、シュマディヤ主教ヨヴァン座下(His Grace Bishop Jovan of Šumadija)を任命しました。
2019年5月31日~2019年6月8日の日程で、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)は、キリスト教/東方正教会/アンティオキア・東方全土総主教ヨウハンナ10世聖下(ジョン10世 : His Beatitude Patriarch John X of Antioch and All the East)を訪問しました。
セルビア正教会側から、重鎮であるモンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)およびシュマディヤ主教ヨヴァン座下(His Grace Bishop Jovan of Šumadija)が同行。
アンティオキア総主教庁より、ビブロス・バトルン府主教シルアン座下(His Eminence, the Most Reverend Metropolitan Silouan of Byblos, Batroun and Dependencies)が出迎え、また多数の聖職者が会見しました。
6月1日の式典では、両教会のほか、
キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran MorIgnatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)、
キリスト教/ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/メルカイト東方典礼カトリック教会首座/アンティオキア・東方全土(、アレクサンドリア、エルサレム)総大司教ユーセフ・アブシ座下(His Beatitude Patriarch Youssef Absi, S.M.S.P., Patriarch of Antioch【Antiochia】 and All the East, of Alexandria and Jerusalem of the Melkite Greek Catholic Church)、
らが同席(歴史をたどるとアンティオキア総主教庁らと同じ)。
また、シリア正教会より、総主教管轄ダマスカス大主教区総主教代理“モル”・ティモセオス・マッタ・アル・クーリー座下(His Eminence MorTimotheos Matta Al-Khoury, Patriarchal Vicar of the Patriarchal Archdiocese of Damascus)、
“モル”・アンティモス・ジャック・ヤコブ座下(His Eminence MorAnthimos Jack Yakoub, Patriarchal Vicar for Youth Affairs and Religious Education)、
が同席。
イスラム教法学者のシリアの最高ムフティーアフマド・バドル・アル・ディン・ハスーン師の訪問もあったようです。
6月3日には、両総主教は、シリア・アラブ共和国大統領バッシャール・アル・アサド閣下(His Excellency Bashar al-Assad)を訪問、
6月6日には、レバノン共和国大統領ミシェル・アウン大将閣下(His Excellency General Michel Aoun)を訪問しました。
2019年1月に、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の米国西部主教マクシム座下(His Grace Bishop Maxim【Maksim】 of Western America)が、インタビューを受けるという出来事がありました。
これはシスマに関連するもの以外も含むものです(ものらしいです)。
その内容なのですが、ウクライナ問題に関連してコンスタンティノープルを支持といいますか、コンスタンティノープルがウクライナに独立正教会を設置したのはセルビア正教会が独立正教会となったのと同じという内容が含まれており、教会法上非合法な集団をルールを完全に無視して独立正教会としたことをセルビア正教会の設立と同様に言及したことでセルビア正教会の800年の歴史の中でかかる暴言を受けたことはないという怒りの声が報道されたりしていたのですが、今月の同教会の聖シノドにおいて本人が釈明・否定をしたという内容の発表がされていました。
ところが、5月22日付の報道で、この発表の内容がバチュカ主教イリネイ座下による捏造だというものが出たらしく、またまた教会側が報道を否定する声明を発表する騒ぎになっています。
2019年3月10日、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)は、セルビア共和国ベオグラードの総主教庁にて、
セルビア共和国大統領アレクサンダル・ブチッチ閣下(ヴチッチ大統領 : His Excellency Mr Aleksandar Vučić)、
セルビア共和国首相アナ・ブルナビッチ閣下(Her Excellency Ms Ana Brnabić)、
セルビア共和国外務大臣イビツァ・ダチッチ閣下(イヴィツァ・ダチッチ外相・元首相 : Ivica Dačić)、
と会見、コソボ共和国【コソボ・メトヒヤ】に関する情勢についてセルビア側の立場に関する説明(コソボ政府は2013年のブリュッセル合意に違反している、など)を受けたようです(細かいことを確認していませんが、コソボにいるセルビア人への犯罪について、コソボ政府側が正しい対応をしていない、とされる事件があったとのセルビア側の報道をちらりと見た気がします)。
また、イリネイ聖下は、国と宗教がこの問題について見解を共有することは重要だと述べたようです。
Захавалан сам патријарху и члановима Синода СПЦ, који су имали воље да нас саслушају. Ми смо донели патријарху и осталима текст палтформе коју су косовски Албанци усвојили за потребе прекида дијалога са Београдом и рекли колико је тешка ситуација у којој се Србија налази. pic.twitter.com/OCCW1tDN0D