キリスト教/東方正教会/エルサレム総主教セオフィロス3世聖下がロシア正教会のサンクトペテルブルク・ラドガ府主教ヴァルソノフィー座下と会見、勲章を授与(2018年9月)

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 2018年9月17日、キリスト教/東方正教会/エルサレム・全パレスチナ総主教セオフィロス3世聖下(His Beatitude Theophilos III, Patriarch of Jerusalem and All Palestine)は、エルサレム巡礼中のキリスト教/東方正教会/ロシア正教会/サンクトペテルブルク・ラドガ府主教ヴァルソノフィー座下(His Eminence Metropolitan Varsonofy of St. Petersburg and Ladoga)と会見しました。
 エルサレム総主教庁から、コンスタンティナ大主教アリスタルコス座下(Geronda Secretary-General Most Reverend Archbishop Aristarchos of Constantina)らが同席。

 セオフィロス3世聖下は、ヴァルソノフィー府主教座下に聖十字勲章【聖墳墓十字勲章?】第一等を授与。
 府主教座下は、モスクワ総主教キリル聖下からの挨拶を伝え、また、セオフィロス3世聖下が、モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)を支持していることに感謝しました。

※セオフィロス3世聖下は、まだコンスタンティノープル全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の間がここまで悪化する前に、オヌフリー座下について「神がウクライナの難局を乗り越えるために選んだ人物」という発言をしています。今では「しまった」と思っているかもしれません。

 

Jerusalem Patriarchate(東方正教会エルサレム総主教庁公式チャンネル):
O ΜΑΚΑΡΙΩΤΑΤΟΣ ΠΑΡΑΣΗΜΟΦΟΡΕΙ ΤΟΝ ΣΕΒΑΣΜΙΩΤΑΤΟ ΜΗΤΡΟΠΟΛΙΤΗ ΑΓΙΑΣ ΠΕΤΡΟΥΠΟΛΕΩΣ Κ. ΒΑΡΣΑΝΟΥΦΙΟ – YouTube

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Chancellor of the Moscow Patriarchate meets with Primate of the Orthodox Church of Jerusalem | The Russian Orthodox Church

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Управляющий делами Московской Патриархии встретился с Предстоятелем Иерусалимской Православной Церкви / Новости / Патриархия.ru
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Управляющий делами Московской Патриархии встретился с Предстоятелем Иерусалимской Православной Церкви | Русская Православная Церковь

 

O ΜΑΚΑΡΙΩΤΑΤΟΣ ΠΑΡΑΣΗΜΟΦΟΡΕΙ ΤΟΝ… – Jerusalem-Patriarchate | Facebook

 

 このほか、ヴァルソノフィー座下は、エルサレム総主教庁のエレノポレオス府主教イオアキム座下(His Eminence Metropolitan Ioachim of Helenoupolis)と共同礼拝をおこないました。

 

キリスト教/アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下が、ポーランド正教会首座サワ府主教座下を訪問(2018年9月)

 2018年9月19日、キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下(His Beatitude Theodoros II, Pope and Patriarch of Alexandria and All Africa)は、ポーランド共和国訪問を開始しました。
 キリスト教/東方正教会/ポーランド正教会の首座/ワルシャワ・全ポーランド府主教サワ座下(His Beatitude Metropolitan Sawa of Warsaw and All Poland)と会見し、式典が催されたようです。

 アレクサンドリア総主教庁より、ヌビア大主教サヴァス座下(His Eminence Archbishop Savvas of Nubia【Nouvias】)が同行。

 

 (ギリシャ語:東方正教会アレクサンドリア総主教庁公式サイト)— [ Greek Orthodox ] — |Ο ΑΛΕΞΑΝΔΡΙΝΟΣ ΠΡΟΚΑΘΗΜΕΝΟΣ ΣΤΗΝ ΕΚΚΛΗΣΙΑ ΤΗΣ ΠΟΛΩΝΙΑΣ
 (英語:東方正教会アレクサンドリア総主教庁公式サイト)— [ Greek Orthodox ] — | THE ALEXANDRIAN PRIMATE AT THE CHURCH OF POLAND

 (ポーランド語:ポーランド正教会公式サイト)ORTHODOX | Rozpoczęła się wizyta patriarchy Teodora w PAKP

 (英語)Patriarch of Alexandria begins 5-day visit to Polish Orthodox Church / OrthoChristian.Com

 

Orthodox Christianityさんがリンクをシェアしました。 – Orthodox Christianity | Facebook

 

追記:
 記事へのリンクを追加。

 (英語:ルーマニア正教会通信)Patriarch of Alexandria begins 5-day visit to Polish Orthodox Church – Basilica.ro

Basilica.ro (EN)さんのツイート: "Patriarch of Alexandria begins 5-day visit to Polish Orthodox Church https://t.co/I7UTM418w6… "

The Alexandrian delegation was greeted… – Basilica News Agency | Facebook

 

関連:
 シスマ2018:キリスト教/アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下とポーランド正教会首座サワ府主教座下が共同声明(2018年9月)

 

キリスト教/セルビア正教会のフランクフルト・全ドイツ主教にグリゴリイェ座下が着座(2018年9月)

 2018年9月16日、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会のフランクフルト・全ドイツ主教にグリゴリイェ座下(His Grace Bishop Grigorije of Frankfurt and All Germany)が着座したようです(着座式はデュッセルドルフでおこなわれた模様)。
追記(記事の修正点):
 グリゴリイェ座下より、「フランクフルト・全ドイツ主教」ではなく「デュッセルドルフ・全ドイツ主教」に変わったようです。これが着座と同時に変更されたのか、着座後一瞬でも「フランクフルト・全ドイツ主教」であった時期があるのかはよくわかりませんが、その後の資料をみると「デュッセルドルフ・全ドイツ主教」になっているので、とりあえず着座と共に変更されたと理解しておきます(違うかもしれませんが)。

 同教会より、シャバツ主教ラヴレンティイェ座下(His Grace Bishop Lavrentije of Šabac)が臨席。

 また、(おそらく)グリゴリイェ座下がボスニア・ヘルツェゴビナの教区の主教を長期間に務めていたことから、ボスニア・ヘルツェゴビナ/スルプスカ共和国【セルビア人共和国】大統領ミロラド・ドディク閣下(His Excellency Mr Milorad Dodik)が参列しています。
 ギリシャ正教会やロシア正教会、カトリック教会、イスラム教指導者、ドイツの政治家の参列もあったようです。

 西欧への難民流入として、シリアなどからの人々が多く挙げられますが、東欧からの移民人口も多く、西欧の東方正教会の信徒数は増加しています。

 

Телевизија Храм:
Устоличен Епископ франкфуртски и све Немачке г-дин Григорије – YouTube

 

На устоличењу Владике Григорија у Немачкој орило се "Ој Косово,Косово" – YouTube

 

На устоличењу Владике Григорија у Диселдорфу дечији хорови из Херцеговине певали "Тамо далеко" – YouTube

 

Срби заиграли коло око Цркве у Диселдорфу на устоличењу Владике Григорија – YouTube

 

Беседа Епископа шабачког Лаврентија на устоличењу Епископа Григорија – YouTube

 

Приступна беседа Епископа франкфуртског и све Немачке г-дина Григорија – YouTube

 

Радост верника у Немачкој због устоличења Епископа Григорија – YouTube

 

 (英語:セルビア正教会総主教庁公式サイト)His Grace Bishop Grigorije of Frankfurt and All Germany enthroned | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (セルビア語:セルビア正教会総主教庁公式サイト)Устоличен Епископ франкфуртски и све Немачке Григорије | Српскa Православнa Црквa [Званични сајт]

 (セルビア語:セルビア正教会モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Устоличен Епископ франкфуртски и све Немачке Григорије | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 

 

シスマ2018~:キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教庁からウクライナに送られた「キエフにおける総主教代理」二名がウクライナ大統領を訪問(2018年9月)

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 2018年9月17日、キリスト教/東方正教会/全地総主教庁から、「キエフにおける総主教代理」に叙任された二名、
 アメリカ合衆国ウクライナ正教会(Ukrainian Orthodox Church of the USA)のパンフィロン大主教ダニエル座下(His Eminence Archbishop Daniel, Archbishop of Pamphilon)、
 カナダ・ウクライナ正教会(Ukrainian Orthodox Church of Canada)のエドモントン・西部教区主教イラリオン座下(His Grace, the Right Reverend Bishop Ilarion, Bishop of Edmonton and the Western Eparchy)、
 は、
 ウクライナ大統領ペトロ・ポロシェンコ閣下(His Excellency Mr Petro Poroshenko)を訪問しました。

 

Адміністрація Президента України(ウクライナ大統領府公式チャンネル):
Зустріч Президента з Екзархами Вселенського патріархату в Україні – YouTube

 

 (英語:ウクライナ大統領府公式サイト)We came to work on the fait accompli – meeting of the President with the Exarchs of the Ecumenical Patriarchate in Ukraine — Official website of the President of Ukraine
 (英語)We are on an “extraordinary mission” Constantinople exarchs tell Poroshenko / OrthoChristian.Com

 

 両座下は、「キエフ総主教庁」および「ウクライナ独立正教会」以外にも、ロシア正教会系のウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)を含む他の団体(といってもこの三つ以外は少数団体もいいところでしょうが)にも会う用意があるとしています。
 これは、全地総主教庁はウクライナに複数の独立正教会を容認する用意はないとみてもいいのではないでしょうか(合流させた一つの教会を独立正教会と認めると)。

 さて、オヌフリー座下は、座下の許諾なしに管轄権内に入った総主教代理二名とは会わないと声明を出しています。
 しかし、歴史上何人もの高位聖職者が前言を翻し、新たな立場に身を置いてきました。
 また、オヌフリー座下が会わないとしても、同教会から裏切り者が出る可能性もあります。

 

この記事を書いている時点で、会見のライブ動画の再生数は 19万回 となっています:
Петро Порошенко – Зустріч з Екзархами Вселенського Патріархату | Facebook

 

Петро Порошенкоさんのツイート: "Початок місії Екзархів Вселенського патріархату в Україні Архієпископа Даниїла та Єпископа Іларіона є надзвичайно важливою подією для усіх православних в Україні.… https://t.co/049VVeE4VQ"

 

Петро Порошенкоさんのツイート: "Дякую за великий особистий внесок Архієпископа Памфільського і Західної Єпархії УПЦ в США Даніїла і Єпископа Едмонтону і Захiдної Єпархії УПЦ в Канаді Іларіона, щоб Єдина Помісна Православна Церква наблизилася. Ми віримо, що вона точно стане можливою.… https://t.co/s6mEL99Uyp"

 

シスマ2018~:キリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下が「コンスタンティノープルが総主教代理を二名送ってきたのは主教叙聖には二名必要だから」(2018年9月)「教会法上合法でない教会の主教たちを“合法化”できる」

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 (英語)Constantinople exarchs in Ukraine could be planning to reconsecrate schismatic bishops—Met. Hilarion (Alfeyev) / OrthoChristian.Com

 

 キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))は、インタビューに答え、コンスタンティノープルの全地総主教庁が二名の総主教代理を送ってきたことについて、

 「通常、同じ地への総主教代理は一名」

 「主教叙聖には最低でも二名の主教が必要」

 「教会法上合法でない教会(“キエフ総主教庁”と“ウクライナ独立正教会”)の“主教”を合法な主教とするため二名来ているのだろう」

 と述べているようです。

 

 「二名」が送られてきたことから全地総主教庁側が本気であることを想定しているようです。両者のコミュニオンの完全な解除は間違いないと思ってもいいでしょう。

 とはいうものの、そうなってもまた結びなおすことはできるわけで、これはまだ割とよくある段階です。大きなものでも歴史上何回かはあるものです。

 しかし、これからの動きの中で、コンスタンティノープルの全地総主教庁の権威が完全に失墜した場合、東方正教会という枠組みはどうなるのか、これはわかりません。