キリスト教/ベラルーシでの聖シノド会合開催前にロシア正教会モスクワ総主教キリル聖下が、ベラルーシ大統領アレクサンドル・ルカシェンコ閣下と会見(2018年10月)

 2018年10月15日、ベラルーシ共和国を訪問中のキリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・全ロシア【全ルーシ】総主教キリル聖下(キリール総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)は、ベラルーシ共和国大統領アレクサンドル・グリゴーリエヴィチ・ルカシェンコ閣下(His Excellency Mr Alexander Grigoryevich Lukashenko)と会見しました。

 タス通信の記事によりますと、大統領との会見のため聖シノドの会合の時間を遅く設定していたそうです。

※大統領との会見後、すでに聖シノドの会合は始まっています。

 

russianchurch(ロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネル):
Патриарх Кирилл встретился с Президентом Республики Беларусь А.Г. Лукашенко – YouTube

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Patriarch Kirill meets with Byelorussian President Alexander Lukashenko | The Russian Orthodox Church

 (英語)TASS: Society & Culture – Russian Orthodox Church considers retaliatory moves to Constantinople decision on Ukraine

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Состоялась встреча Святейшего Патриарха Кирилла с Президентом Республики Беларусь А.Г. Лукашенко / Новости / Патриархия.ru
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Состоялась встреча Святейшего Патриарха Кирилла с Президентом Республики Беларусь А.Г. Лукашенко | Русская Православная Церковь

 (ロシア語:ベラルーシ正教会公式サイト)Состоялась встреча Святейшего Патриарха Кирилла с Президентом Беларуси Александром Григорьевичем Лукашенко | Митрополит | Белорусская Православная Церковь | Новости | Официальный портал Белорусской Православной Церкви

 (ロシア語:ベラルーシ大統領府公式サイト)Встреча с Патриархом Московским и всея Руси Кириллом | Новости | Официальный интернет-портал Президента Республики Беларусь

 

関連:
 キリスト教/ロシア正教会がベラルーシでの聖シノド会合で、コンスタンティノープルの全地総主教庁との「ユーカリスティック・コミュニオンの継続は不可能」と判断(2018年10月)

 

キリスト教/ロシア正教会モスクワ総主教キリル聖下のベラルーシ訪問始まる(2018年10月)10月15日にミンスクでロシア正教会の聖シノド開催

 2018年10月13日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・全ロシア【全ルーシ】総主教キリル聖下(キリール総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)のベラルーシ共和国訪問が始まりました。
 キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁下で自治的な権限を持つベラルーシ正教会【全ベラルーシ総主教代理区】首座/ミンスク・ザスラーヴリ府主教パーヴェル座下(His Eminence Metropolitan PaulPavel】of Minsk and Zaslavl, The Patriarchal Exarch of All Belarus)、ベラルーシ共和国副首相、ベラルーシ共和国駐箚ロシア連邦特命全権大使らが出迎えました。
 ロシア正教会より、
 サンクトペテルブルク・ラドガ府主教ヴァルソノフィー座下(His Eminence Metropolitan Varsonofy of St. Petersburg and Ladoga)、
 モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))、
 モスクワ総主教庁事務局長ソルネチノゴルスク大主教セルギー座下(His Eminence Archbishop Sergiy of Solnechnogorsk, head of the Moscow Patriarchate administrative secretariat)、
 らが同行。

 

russianchurch(ロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネル):
Святейший Патриарх Кирилл прибыл в Минск – YouTube

 

православный портал sobor.by:
Слово Патриарха Кирилла в Минске в Кафедральном соборе – YouTube

 

Россия 24:
Патриарх Кирилл призвал православных "преодолеть кризисные явления" – Россия 24 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=iCDg4bQbWWI

 

Россия 24:
Патриарх Кирилл прибыл в Минск – Россия 24 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=zds7bwqKSwo

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Patriarch Kirill arrives in Minsk | The Russian Orthodox Church

 (英語)TASS: Society & Culture – Russian Orthodox Church’s head visits Belarus
 (英語)TASS: Society & Culture – Attempts to destroy canonical Orthodoxy in Ukraine will fail — Patriarch Kirill

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Святейший Патриарх Кирилл прибыл в Минск / Новости / Патриархия.ru
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Святейший Патриарх Кирилл прибыл в Минск | Русская Православная Церковь

 (ロシア語:ベラルーシ正教会公式サイト)Святейший Патриарх Кирилл прибыл в Минск | Митрополит | Белорусская Православная Церковь | Новости | Официальный портал Белорусской Православной Церкви
 (ロシア語:ベラルーシ正教会公式サイト:写真一覧)Святейший Патриарх Кирилл прибыл в Минск | Фоторепортажи | Новости | Официальный портал Белорусской Православной Церкви
 (ロシア語:ベラルーシ正教会公式サイト)В канун праздника Покрова Пресвятой Богородицы Святейший Патриарх Кирилл совершил утреню всенощного бдения в Свято-Духовом кафедральном соборе города Минска | Митрополит | Белорусская Православная Церковь | Новости | Официальный портал Белорусской Православной Церкви

 (ロシア語)Святейший Патриарх Кирилл прибыл в Минск
 (ロシア語)ПАТРИАРХ КИРИЛЛ ВЕРИТ, ЧТО УКРАИНСКАЯ ПРАВОСЛАВНАЯ ЦЕРКОВЬ УСТОИТ ПЕРЕД НАТИСКОМ СВЕТСКИХ ВЛАСТЕЙ. СЛОВО ПАТРИАРХА КИРИЛЛА В МИНСКЕ. ВИДЕО

 

続報:
 キリスト教/ベラルーシでの聖シノド会合開催前にロシア正教会モスクワ総主教キリル聖下が、ベラルーシ大統領アレクサンドル・ルカシェンコ閣下と会見(2018年10月)
 キリスト教/ロシア正教会がベラルーシでの聖シノド会合で、コンスタンティノープルの全地総主教庁との「ユーカリスティック・コミュニオンの継続は不可能」と判断(2018年10月)

 

シスマ2018:キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教庁が、ロシア正教会による“キエフ総主教フィラレート聖下”及び“ウクライナ独立正教会首座マカリー座下”への Anathema(簡単にいうと破門の重いほう)撤回を正式発表(2018年10月)モスクワ総主教庁「コンスタンティノープルはレッドラインを超えた」10月15日の聖シノドで対応を決定。コンスタンティノープルを破門する可能性も

【シスマ2018】東方正教会大分裂: ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事及びその他のシスマ的な出来事の記事一覧

 

 すでに先行してギリシャの正教会系メディアが報道していましたが、正式発表です。

 2018年10月11日、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの全地総主教庁聖シノドは、ロシア正教会によっておこなわれた教会法上合法でない“キエフ総主教フィラレート聖下”及び“ウクライナ独立正教会首座マカリー座下”への Anathema(簡単にいうと破門の重いほう)を撤回することを決定。
 フランス府主教エマニュエル座下(His Eminence Metropolitan Emmanuel of France)、
 「キエフにおける総主教代理」アメリカ合衆国ウクライナ正教会(Ukrainian Orthodox Church of the USA)のパンフィロン大主教ダニエル座下(His Eminence Archbishop Daniel, Archbishop of Pamphilon)、
 「キエフにおける総主教代理」カナダ・ウクライナ正教会(Ukrainian Orthodox Church of Canada)のエドモントン・西部教区主教イラリオン座下(His Grace, the Right Reverend Bishop Ilarion, Bishop of Edmonton and the Western Eparchy)、
 らが発表。

 

 (英語:コンスタンティノープルの全地総主教庁公式サイト)Announcement (11/10/2018). – Announcements – The Ecumenical Patriarchate

 

Ecumenical Patriarchateさんがライブ動画を作成しました。 – Ecumenical Patriarchate

 

 ロシア正教会モスクワ総主教庁側は、2018年10月15日に、ベラルーシのミンスクで聖シノドを開催、ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)関係者は、(興奮しているのかもしれませんが) キリスト教/東方正教会首席/コンスタンティノープル=新ローマ大主教・全地総主教バルソロメオス聖下(バーソロミュー1世世界総主教バルトロマイ1世ヴァルソロメオス1世 : His All-Holiness Bartholomew, Archbishop of Constantinople-New Rome and Ecumenical Patriarch)への Anathema もありうるとしているとのこと。

 

 (英語)TASS: Society & Culture – Ecumenical Patriarchate lifts anathema against leaders of two Ukrainian churches
 (英語)TASS: Society & Culture – Constantinople cancels 1686 decision on Kiev Metropolia
 (英語)TASS: Society & Culture – Moscow patriarch comments on decision to lift anathema against Ukrainian church leaders
 (英語)TASS: Society & Culture – Russian Orthodox Church’s Holy Synod to assess Constantinople moves on October 15
 (英語)TASS: Society & Culture – Patriarch Bartholomew must be anathematized — Ukrainian Orthodox Church
 (英語)TASS: Society & Culture – Russian Orthodox Church official vows ‘firm and tough’ response to Constantinople’s move

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)В.Р. Легойда: Константинопольским Патриархатом совершено беспрецедентное антиканоническое действие / Новости / Патриархия.ru

 (セルビア語:セルビア正教会モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Цариград почео процес признавања аутокефалности УПЦ, из Московске патријаршије кажу да је то легализација раскола | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 

インタビュー映像(2018年8月19日/ロシア語):キリスト教/アメリカ正教会【OCA】首座ティーホン府主教座下へのインタビュー映像(2018年)

 キリスト教/東方正教会/アメリカ正教会【OCA】の首座/ワシントン大主教、全アメリカ・カナダ府主教ティーホン座下(His Beatitude Metropolitan Tikhon of All America and Canada, Archbishop of Washington)へのインタビューの映像がアップロードされています。
 座下の発言は英語ですが、ロシア語ナレーションが重ねられています。

 2018年8月19日、ティーホン座下のポーランド正教会訪問の間に収録されたもののようです。

 

православный портал sobor.by:
Архиепископ Вашингтонский Тихон в программе "Архипастырь" – YouTube

 

 なお、上記の動画の YouTube のチャンネルは、ベラルーシの正教会系メディアのものです。

 

シスマ2018~:キリスト教/ベラルーシ独立正教会【BAOC】(ロシア正教会系のベラルーシ正教会とは無関係)の首座が、自分たちも独立正教会と認められるべき存在と述べる(2018年9月)

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 キリスト教/東方正教会の教会法上合法とみなされていないベラルーシ独立正教会【BAOC】の首座/ナヴァフルダク大主教スヴャタスラウ座下(His Eminence Archbishop Sviataslaŭ of Novogrudok)が、ウクライナのニュースサイトのインタビューに答え、ベラルーシ独立正教会もまた独立正教会と認められるべき存在と述べたようです。

 

 (ウクライナ語)Церква Білорусі має канонічні підстави для оголошення автокефалії – архієпископ Святослав Логін
 (英語)Belarusian schismatics emboldened by Constantinople’s actions in Ukraine, hope for autocephaly too / OrthoChristian.Com

 

 この教会は、教会法上合法やらうんぬん以前に組織の体をなしていないという報道もされていたりします(とはいえその報道もあてになるかどうかわかりませんが)。
 スヴャタスラウ座下はウクライナ独立正教会【UAOC】と関わりを持っていた人物です。
 インタビューは理屈やきれいごとが多くて、実情がつかめないところがありますが、ベラルーシ独立正教会の独立を承認できるのはコンスタンティノープル全地総主教庁か“キエフ府主教庁”と述べており、必ずしも全地総主教庁ではなく、自らがすでに関わりを持っているウクライナ独立正教会から独立正教会として承認されるという選択もありうるということでしょう。これは全地総主教庁も想定しない状況(彼らが独立を認めたウクライナの正教会が、反ロシアのためにポンポンと他の独立正教会を認める)に入ってくる可能性が出てきました。
 エストニアも例示(同じように独立正教会として認められるべき)として出ていますが、全地総主教庁はそのつもりがない上に、大統領がモスクワ総主教直轄の女子修道院を訪問して友好を示そうとしている時期にこんなことを勝手にいわれても、エストニア共和国の政治家もうれしくもなんともないでしょう。数年前の反ロシアバブル時代ならともかく、バルト三国とフィンランドの政治家は、ウクライナの対ロシア政治情勢に巻き込まれることを望んでいません。

 ともあれ、状況はどんどん混沌へと向かうか、あるいはロシアのプーチン大統領をはじめとする政治家たちの手打ちによって押さえつけられるか、どちらかになりそうです。
 しかし、統一は失われる可能性が高いのではないでしょうか。
 ロシア正教会は、全地総主教庁とのフル・コミュニオンが必要ない理由をひねり出すでしょうし、Eastern Orthodox Church は終わり、Eastern Orthodox Churchesの時代になる、そんな気がします。
 もちろん数十年かかる気もしますが。