キリスト教/“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”公式サイトに“フィラレート総主教”へのインタビューが掲載(2019年9月)コンスタンティノープルを批判

 “ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の公式サイトに、“フィラレート総主教”(キーウ・全ルーシ=ウクライナ総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)へのインタビュー記事が掲載されています。
 記事によれば、ジャーナリストによるインタビューのようです。

 

 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Патріарх Філарет: «В Українській державі повинна бути дійсно незалежна автокефальна Церква» – Українська Православна Церква Київський Патріархат

 (英語)Filaret: Pat. Bartholomew asked President to speed up liquidation of UOC-KP – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Filaret: Patriarch Bartholomew seeks absolute power in Orthodoxy – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Philaret effectively admits to election tampering, claims Epiphany became primate thanks to him / OrthoChristian.Com

 

 内容は、これまでに比べれば整理されており、この一年いうことがコロコロ変わったり、これまでの行動のまずいところがうまく(?)スルーされているような気がするようなところ、そしてそもそも教会にナショナリズムは必要なの?という根本的なことを除けば、ある程度の説得力はあるのではないかと思います。

 フィラレート総主教によれば、まず彼はロシア正教会モスクワ総主教庁に独立正教会としてくれるように請願したが、これははねつけられたということです。
 そのためコンスタンティノープルを頼ったが、彼らはずーっとグズグズしたあげく、事実上独立を認めていない内容のトモスを渡してきた。それはコンスタンティノープルを絶対的な権力として確立させるためだ、としています。数年前の東方正教会全体の会合で、ロシア正教会、アンティオキア総主教庁、ブルガリア正教会、ジョージア正教会【グルジア正教会】、が欠席しましたが、これはコンスタンティノープルが自らの権力を絶対にしようとしたためであるとし、欠席したロシア正教会などの立場を支持しています(!)。
 また、なぜ「総主教」にこだわるかといえば、ポーランド正教会のように府主教を首座とする独立正教会というのは可能だが、府主教は必ずしも独立正教会の首座というわけではない。「総主教」ならば必ずそうだ、ということです(なぜ総主教にこだわるかについてもこれまで発言が変わったりしているので話半分に聞いていけばいいのですが、確かに総主教と認めた相手にあの内容のトモスを渡すのはムチャ度が増すとは思います)。
 ポロシェンコ(元)大統領については、選挙目当てだったとまたも批判、というか事実を指摘
 その他、欧州を批判したりしていますが、結論としては、ウクライナには、モスクワからもコンスタンティノープルからも真に独立(independent)した「独立正教会(autocephalous church)」が必要だということです。

 

 理屈の展開はわからないでもありませんが、そもそも国単位で独立教会を作らねばならないというのは東方正教会全体では合意されていないというのはどうでもいいとしても、モスクワとコンスタンティノープルを共に敵に回していったいどこに独立正教会として認定してもらおうというのか。もらったとしてなんなんだというのがさっぱりわからないところです。

 

キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、10月5日に叙任される新たな枢機卿13名を発表(2019年9月)

 2019年9月1日、キリスト教/ローマ・カトリック教会の首座/ローマ教皇聖座およびバチカン市国の絶対君主/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、10月5日に新たに枢機卿に叙任される13名を発表しました。

 80歳未満のローマ教皇選挙権を持つ枢機卿が10名(うち一人は司祭)、80歳以上の選挙権を持たない枢機卿が3名。
 

 

Vatican News – Italiano:
Papa Francesco: 5 ottobre un nuovo Concistoro – YouTube

 

 (英語)Pope announces 13 new Cardinals for the missionary Church – Vatican News

 

1. Bishop Miguel Angel Ayuso Guixot, mccj – President of the Pontifical Council for Interreligious Dialogue.

スペイン王国/
ローマ教皇庁諸宗教対話評議会議長ミゲル・アンヘル・アジュソ・ギソト司教座下(ルペルシアナ名義司教 : Bishop Miguel Ángel Ayuso Guixot, M.C.C.I., President of the Pontifical Council for Interreligious Dialogue, Titular Bishop of Luperciana)

 

2. Archbishop José Tolentino Medonça – Archivist and Librarian of the Holy Roman Church

ポルトガル共和国/
ジョゼ・トレンティーノ・カラサ・ド・メンドンサ大司教座下(Archbishop José Tolentino Calaça de Mendonça, Titular Archbishop of Suava)

 

3. Archbishop Ignatius Suharyo Hardjoatmodjo – Archbishop of Jakarta

インドネシア共和国/
ジャカルタ大司教イグナシウス・スハルヨ・ハルヨーモジョ座下(Archbishop Ignatius Suharyo Hardjoatmodjo, Archbishop of Jakarta)

 

4. Archbishop Juan de la Caridad García Rodríguez – Archbishop de San Cristóbal of Havana

キューバ共和国/
サン・クリストバル・デ・ラ・ハバナ大司教ファン・デ・ラ・カリダード・ガルシア・ロドリゲス座下(Archbishop Juan de la Caridad García Rodríguez, Archbishop of San Cristobal de la Habana)

 

5. Archbishop Fridolin Ambongo Besungu, o.f.m. cap – Archbishop of Kinshasa

コンゴ民主共和国/
キンシャサ大司教フリドリン・アンボンゴ・ベスング座下(Archbishop Fridolin Ambongo Besungu, O.F.M. Cap., Archbishop of Kinshasa)

 

6. Archbishop Jean-Claude Höllerich, sj – Archbishop of Luxembourg

ルクセンブルク大公国/
ルクセンブルク大司教ジャン=クロード・オロリッシュ座下(Archbishop Jean-Claude Höllerich, S.J., Archbishop of Luxembourg)

 

7. Bishop Alvaro L. Ramazzini Imeri – Bishop di Huehuetenamgo

グアテマラ共和国/
ウェウェテナンゴ司教アルバロ・レオネル・ラマツィーニ・イメリ座下(Bishop Alvaro Leonel Ramazzini Imeri, Bishop of Huehuetenango)

 

8. Archbishop Matteo Zuppi – Archbishop of Bologna.

イタリア共和国/
ボローニャ大司教マッテオ・マリア・ツッピ【ズッピ】座下(Archbishop Matteo Maria Zuppi, Archbishop of Bologna)

 

9. Archbishop Cristóbal López Romero, sdb – Archbishop of Rabat

モロッコ王国/
ラバト大司教クリストバル・ロペス・ロメロ座下(タンジェ使徒座管理 : Archbishop Cristóbal López Romero, S.D.B., Archbishop of Rabat, Apostolic Administrator of Tanger)

 

10. Father Michael Czerny, sj – Undersecretary of the Migrants and Refugees Section of the Dicastery for Promoting Integral Development

チェコスロバキア生まれのカナダ人/
ローマ教皇庁人間開発のための部署・移住者部門次官補マイケル・チェルニー司祭(The Reverend Father Michael Czerny, S.J., Under Secretary of the Dicastery for Promoting Integral Human Development)

 

以下は80歳以上。

1. Archbishop Michael Louis Fitzgerald – Archbishop Emeritus of Nepte

英国/
名誉ローマ教皇大使(エジプト駐箚)マイケル・ルイス・フィッツジェラルド大司教座下(ネプテ名義大司教 : Archbishop Michael Louis Fitzgerald, M. Afr., Apostolic Nuncio Emeritus to Egypt, Titular Archbishop of Nepte)

 

2. Archbishop Sigitas Tamkevicius, sj – Archbishop Emeritus of Kaunas

リトアニア共和国/
カウナス名誉大司教シギタス・タンケヴィチウス大司教座下(Archbishop Sigitas Tamkevičius, S.J., Archbishop Emeritus of Kaunas)

 

3. Bishop Eugenio Dal Corso, psdp – Bishop Emeritus of Benguela

アンゴラ共和国/
ベンゲラ名誉司教エウジェニオ・ダル・コルソ司教座下(Bishop Eugenio Dal Corso, P.S.D.P., Bishop Emeritus of Benguela)

 

追記:

 「教皇、エレベーターに25分閉じ込められた後に、13人の新枢機卿を発表」

 (英語)Pope announces 13 new cardinals, after being stuck in elevator 25 minutes | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Pope announces 13 new cardinals, after being stuck in elevator 25 minutes – YouTube

 

追記2:

 (英語)These are the 13 new members of the College of Cardinals | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
These are the 13 new members of the College of Cardinals – YouTube

 

追記3:

 教皇、13人の新枢機卿の任命発表 – バチカン・ニュース

[80歳未満の有権枢機卿]
・ミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット(教皇庁諸宗教対話評議会議長、1952年、スペイン)

・ジョゼ・トレンティーノ・デメンドンサ(バチカン図書館・機密文書館館長、1965年、ポルトガル)

・イグナチウス・スハルヨ・ハルジョアトモジョ(ジャカルタ大司教、1950年、インドネシア)

・ホァン・デ・ラ・カリダ・ガルシア・ロドリゲス(サン・クリストバル・デ・ラ・ハバナ大司教、1948年、キューバ)

・フリドリン・アンボンゴ・ベスング(キンサシャ大司教、1960年、コンゴ民主共和国(旧ザイール))

・ジャン・クロード・オロリッシュ(ルクセンブルク大司教、1958年、ルクセンブルク)

・アルバロ・レオネル・ラマッツィーニ・イメリ(ウエウエテナンゴ司教、1947年、グアテマラ)

・マテオ・ズッピ(ボローニャ大司教、1955年、イタリア)

・クリストバル・ロペス・ロメロ(ラバト(モロッコ)大司教、1952年、スペイン)

・マイケル・チェルニー(教皇庁人間開発のための部署・移住者部門次官補、1946年、チェコスロバキア)

[80歳以上の枢機卿]
・マイケル・ルイス・フィッツジェラルド(ネプテ名誉名義大司教、1937年、英国)

・シジタス・タンケビチウス(ビリニュス名誉大司教、1938年、リトアニア)

・エウジェニオ・ダル・コルソ(ベンゲラ(アンゴラ)名誉司教、1939年、イタリア)

キリスト教/シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下とシリア東方典礼カトリック教会首座/アンティオキア総大司教イグナティウス・ヨセフ3世ヨナン座下、マロン東方典礼カトリック教会アンティオキア総大司教ベカラ・ブートロス・ライ枢機卿座下が、ハンガリー首相オルバーン閣下と会見(2019年8月)

 2019年8月23日、ポルトガル共和国ファティマを訪問中の、
 キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)、
 キリスト教/ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/シリア東方典礼カトリック教会首座/アンティオキア・東方全土総大司教“モラン”・“モル”・イグナティウス・ヨセフ3世ヨナン座下(His Beatitude Patriarch Moran Mor Ignatius Youssef III Younan, the Patriarch of Antioch and All the East for Syriac Catholic Church)、
 キリスト教/ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/マロン東方典礼カトリック教会のアンティオキア・全レバント総大司教ベカラ・ブートロス・ライ枢機卿座下(His Beatitude and Eminence Moran Mor Béchara Boutros Cardinal Raï, O.M.M. , Patriarch of Antioch【Antiochia】 and the Whole Levant (Maronite))は、
 ハンガリー首相オルバーン・ヴィクトル博士閣下(オルバン首相 : His Excellency Dr Viktor Orbán)と会見しました。

 中東情勢などが話し合われたようです。

 

 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)Meeting with Prime Minister of Hungary Mr Viktor Orban | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch

قداسة سيدنا البطريرك يلتقي رئيس الوزراء… – His Holiness Patriarch Mor Ignatius Aphrem II | Facebook

 

 (アラビア語:シリア東方典礼カトリック教会アンティオキア総大司教庁公式サイト)Syriac Catholic Patriarchate Official Website | غبطة أبينا البطريرك يلتقي رئيس وزراء هنغاريا السيّد فيكتور أوربان، فاتيما – البرتغال

 

キリスト教/シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下とシリア東方典礼カトリック教会首座/アンティオキア総大司教イグナティウス・ヨセフ3世ヨナン座下が、アメリカ合衆国大統領首席補佐官代行ミック・マルヴェイニー閣下と会見(2019年8月)

 2019年8月23日、ポルトガル共和国ファティマを訪問中のキリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)及びキリスト教/ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/シリア東方典礼カトリック教会首座/アンティオキア・東方全土総大司教“モラン”・“モル”・イグナティウス・ヨセフ3世ヨナン座下(His Beatitude Patriarch Moran Mor Ignatius Youssef III Younan, the Patriarch of Antioch and All the East for Syriac Catholic Church)は、アメリカ合衆国大統領首席補佐官代行ミック・マルヴェイニー閣下(マルバニー首席補佐官代行Mick Mulvaney)と会談しました。
 シリア・イラクをはじめとする中東情勢について意見交換がなされたようです。

 

 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)Meeting with Acting Chief of Staff of the White House Mr. Mick Mulvaney | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch

قداسة سيدنا البطريرك يلتقي رئيس موظّفي… – His Holiness Patriarch Mor Ignatius Aphrem II | Facebook

 

 (アラビア語:シリア東方典礼カトリック教会アンティオキア総大司教庁公式サイト)Syriac Catholic Patriarchate Official Website | غبطة أبينا البطريرك يلتقي رئيس الديوان وكبير الموظَّفين في البيت الأبيض بالوكالة السيّد مايك مالفيني

 

信頼性は?ですが、欧州で10万人中のキリスト教の司祭(Priest)数はギリシャが一番多いとのこと(2018年10月)最下位はブルガリア……え?

 欧州で10万人中のキリスト教の司祭数はギリシャが一番多い約88人だということです。

※抜けている国もあります。

 

 (英語)Number of priests per 100,000 people • Jo Di

Jo Di 🏳️‍🌈さんのツイート: "Παράγουμε περισσότερους παπάδες από όσους μπορούμε να καταναλώσουμε! https://t.co/4qOOKlUTNI"

 

 参照データが、Catholic-Hierarchy、Wikipedia(ウィキペディア)、OrthodoxWiki、スウェーデン国教会の公式サイト、となっているので、これらのサイトのデータをつぎはぎしたものだと思われます(ざっと見た限り、結構こういうせこいことをやっているニュース?サイトのようです)。

 

※なお、プロテスタントには司祭は存在しないという話を読んだ方も多いかと思いますが、欧州のルター派の多くの教会には司祭(Priest)が存在します(この Priest は司祭なのかという疑問がわいた方は、泥沼にはまってしまうので他のことを考えましょう)。

 

 それにしても、欧州で一番「無宗教」が多いとされるチェコ(18.9人)よりも、国民の四分の三がブルガリア正教会を含む東方正教会の信徒とされるブルガリア(12人)のほうが司祭が少ないというのは、そんなバカな……。これで教会が運営できるなら、ギリシャは司祭を七分の一に削減可能だということになりますが……。