キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教バルソロメオス聖下が、アルメニア使徒教会のコンスタンティノープル総主教代行に選出されたサハク・マシャリャン主教座下と会見(2019年8月)

 2019年8月2日、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープル=新ローマ大主教・全地総主教バルソロメオス聖下(バーソロミュー1世世界総主教バルトロマイ1世ヴァルソロメオス1世 : His All-Holiness Bartholomew, Archbishop of Constantinople-New Rome and Ecumenical Patriarch)は、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会のコンスタンティノープル総主教代行(首座代行 : Locum Tenens)に選出されたサハク・マシャリャン主教座下(Bishop Sahak Mashalian)と会見しました。

 

 (英語)The Locum Tenens of the Armenian Patriarchate in Constantinople – Romfea News

Romfea.newsさんはTwitterを使っています: 「Bishop #Sahak, accompanied by clergy of the #Armenian #Patriarchate, was received by the @EcuPatriarch #Bartholomew #romfeanews https://t.co/Pjo2jrzYfY」 / Twitter

Romfea.news – Bishop Sahak, accompanied by clergy of the… | Facebook

 

動画: UOJ による、キリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)のルーシ洗礼を祝う行進が大成功に終わったことと、対立する勢力が衰退しているとする映像(2019年8月)

 2019年7月27日におこなわれたキリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)主催のルーシ洗礼を祝う行進ですが、主催者発表の 30 万人はともかくとしても、かなりの規模の成功をおさめたのは間違いないようで、反プーチン系(というか反・宗教抑圧)のメディアでもモスクワ総主教庁系のウクライナ正教会が存在感を示したことが触れられていたりします。
  UOJ(Union of Orthodox Journalists)の動画では、ウクライナ正教会の今回の行進の成功を、昨年までのウクライナの政治家/ナショナリストらによるヒステリックな弾圧を乗り越えたものだと位置づけるようなものとなっています。
 とはいえ、ゼレンスキー大統領は、ウクライナ正教会への弾圧や聖堂や修道院などの強制接収を黙認し続けるのは確実と思われるので、まだまだ先はわかりません(使える駒がずいぶんと頼りないものになってますので、どうするのかというのはありますけど)。

 

UOJ I Union of Orthodox Journalists:
Day of Rus Baptism: Great Cross Procession and dissenters without administrative resource – YouTube

 

 ウクライナ正教会の、
 ザポロージエ・メリトポリ府主教ルカ座下(His Eminence Metropolitan Luke of Zaporizhia and Melitopol)、
 ドニエプロペトロフスク・パヴログラード府主教【ドニプロペトロウシク・パウロフラード府主教】イリネイ座下(His Eminence Metropolitan Yryney of Dnipropetrovsk and Pavlograd)、
 キロヴォグラード・ノヴォミルゴロド府主教ヨアサフ座下(His Eminence Metropolitan Ioasaf of Kirovograd and Novomirgorod)、
 が動画中でコメントしています。

 

 コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】内の権力争いに敗れた“フィラレート総主教”がいよいよ追い詰められ、バクチをやった割にはあっさりと選挙に負けたポロシェンコ(前)大統領は訴追を免れるためにアメリカのロビイストに助けを求めているという、昨年の破門撤回の時の両者の喜びようを思い出すと、涙が止まりません(訳:失笑してます)。
 この状況でコンスタンティノープルの全地総主教を称する御方はなにひとつ責任をお取りにならないようで、両者が完全に失墜した後、バルソロメオス総主教への恨み節が出るのかも注目です。

 

キリスト教/セルビア正教会の重鎮モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下が、「ローマでもコンスタンティノープルでもなく、エルサレムがすべての教会の母」(2019年7月)

 ロシアのタス通信【ТАСС / TASS】が、キリスト教/セルビア正教会/モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)へのインタビューを複数回記事にしています。
 その内容に関してのほとんどは、今まで主張されてきたものですが(モンテネグロのジュカノヴィッチ大統領はチトー主義者で無神論者なのに教会を作ろうとしている、など)、一部に注目すべき内容があります。

 

 (ロシア語:ほかにも記事があります)Митрополит: попытка повторить украинский раскол на Балканах станет объявлением войны СПЦ – Общество – ТАСС

 (英語)SOC hierarch: Jerusalem's mother of all Churches not Rome or Constantinople – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

 タス通信の記事が複数で長いのですべて読めていないのですが、その一分を引用している UOJ の英語記事によりますと(訳が少しあやしいですが)、アンフィロヒイェ座下は、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世より前の時代に戻るべきであり、すべての問題は公会議によって解決されるべきと主張しているようです。

 

 また、ローマでもコンスタンティノープルでもなく、東方正教会のすべての教会の母はエルサレムであるとしています。

 最近、エルサレム総主教庁の聖職者から、「エルサレムはすべての教会の母」という文言が挨拶に盛られることが多いのですが、今回のアンフィロヒイェ座下のコメントはそれを支持するかのようにも見えます。

 ただ、エルサレム総主教庁およびアンフィロヒイェ座下のコメントにどのような意味が込められているのかは、いまだはっきりとしない段階です。
 比喩的に用いられるならさして問題とならないものですが、「だからコンスタンティノープルではなくエルサレムが首位となるべき」というのであればこれはまた一つ大問題の発生でしょう。
 しかし、繰り返しますが、現状ではエルサレム総主教庁およびアンフィロヒイェ座下のコメントにどのような意味が込められているのかははっきりしません。

 

ウクライナ文化省がキリスト教/“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”が清算されている(コンスタンティノープル派ウクライナ正教会【OCU】に合流している)と宣言。“フィラレート総主教”は訴訟を起こすとの話も(2019年7月~8月)

 ウクライナ文化省が、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”は、2018年12月の統合会議によってコンスタンティノープル派ウクライナ正教会【OCU】に合流し清算されていると声明を出したようです。

 

※なお、これはウクライナという国に登録されている団体のことであって、当たり前ですが、教会法上の組織の分類に国が介入できるものではない、というのが教会の建前になります。ウクライナの現状は、国の法も神の法もないような有様ですので、どうでもいいっちゃどうでもいいですけど。

 

 この間、“フィラレート総主教”(キーウ・全ルーシ=ウクライナ総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)は、ゼレンスキー大統領に UOC-KP を守るよう誓願を出したり、 UOC の“エピファニー府主教”が「別の教会に介入しようとしている」と非難したり、いろいろしていたようですが、これで UOC-KP は聖堂や財産を失う(というかもう存在しないということになるので失うというのもおかしいですが)ことになるのではないでしょうか(ただ、フィラレート総主教による告訴が受理されれば長引くかもしれませんが)。

 フィラレート総主教もこれで年貢の納め時となりそうな気配です。
 聖職者(神品)は大量生産(多人数を叙聖)すれば済みますが、お金と建物がなければなにもできないでしょう。
  OCU を支持する暴徒 が UOC-KP の聖堂などを占拠し続けている現状、暴徒や国と内戦を起こしてまでフィラレート総主教についていく人々もいないでしょう。
 これで終わりと仮定して彼の敗因について述べれば、コンスタンティノープルという外部の、それも自分を 100 % 支持しているわけではないどころか取り除こうとしている権威に頼ったこと、そしていざ自分が排除される方向にあると悟ったときにバクチ(破門の乱発とか)に出なかったことでしょう。

 

 (ウクライナ語:ウクライナ文化省公式サイト)Міністерство культури України :: Заява Міністерства культури України щодо особливостей державної реєстрації низки православних релігійних організацій після проведення Помісного Об'єднавчого Собору 15 грудня 2018 року

 (英語)Kiev Patriarchate now officially liquidated following OCU Synod decision, says Ukrainian Ministry of Culture / OrthoChristian.Com

 (英語)Filaret accuses Epiphany of interfering in the affairs of another "Church" – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Filaret accuses Culture Ministry of illegal liquidation of UOC KP Statute – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Ministry of Culture sets its seal on liquidation of Kiev Patriarchate – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Filaret sues the Ministry of Culture of Ukraine – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Filaret asks Vladimir Zelensky to protect UOC-KP – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

フィラレート総主教の記者会見(文化省の決定によりチャンネル・動画などの所有者に変動が出る可能性があります)/
Українська Церква:
Прес-конференція Святійшого Патріарха Філарета щодо останніх подій в Українському Православ'ї – YouTube

 

文化省の決定によりドメイン・サイトの所有者に変動が出る可能性があります
 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Звернення Святійшого Патріарха Філарета до української православної пастви – Українська Православна Церква Київський Патріархат
 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Звернення Святійшого Патріарха Філарета до Блаженнійшого митрополита Епіфанія – Українська Православна Церква Київський Патріархат
 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Патріарх Філарет просить ОБСЄ захистити права віруючих Української Православної Церкви Київського Патріархату – Українська Православна Церква Київський Патріархат
 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Патріарх Філарет звернувся до Президента України з проханням захистити Київський Патріархат від рейдерства ПЦУ – Українська Православна Церква Київський Патріархат
 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Патріарх Філарет просить Міністерство юстиції продовжити існуючу реєстрацію УПЦ Київського Патріархату – Українська Православна Церква Київський Патріархат
 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Відбулася прес-конференція Патріарха Київського і всієї Руси-України Філарета щодо останніх подій в Українському Православ’ї – Українська Православна Церква Київський Патріархат

 

Київський Патріархат(キエフ総主教庁公式チャンネル):
Патріарх Філарет звернувся до вірян: "Захистіть Церкву і Патріарха" – YouTube

 

キリスト教/“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”が同庁の“主教協議会”を開催(2019年7月)「コンスタンティノープルのトモスの目的は UOC-KP をつぶすことであり、モスクワはこれを喜んでいる」

 2019年7月27日、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”(キーウ・全ルーシ=ウクライナ総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)は、 UOC-KP の主教協議会を開催、七項目からなる文章を発表しました。

 ものすごくざっくり書きますと、

  1. コンスタンティノープルのトモスの目的は UOC-KP をつぶすことであり、モスクワはこれを喜んでいる
  2. コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】は UOC-KP をつぶそうとしている。
  3. 我々は OCU による UOC-KP の聖堂や修道院の占領を非難する。
  4. ウクライナ文化省の UOC-KP に対する措置は違法。
  5. ウクライナ文化省は東方正教会を壊そうとしている
  6. ゼレンスキー大統領に対し、ウクライナ文化省の違法介入行為を停止させるよう求める。
  7. 人権団体や知識人、コサックと全市民に対し、ウクライナ人の真の精神的守護者である UOC-KP をつぶそうとする行為を防ぐよう求める。

 ……ということで、ついにコンスタンティノープル&モスクワ結託論のようなものが出されるにいたりました。
 いや、良かったですね。モスクワとコンスタンティノープルのシスマなどなかった!

 

 そんなどうでもいい話はともかくとして、今回の出席者は、フィラレート総主教を含めて五人のようです。
 他の四方は、

  • ヨアサフ府主教”(ベルゴロド・オボヤンスキー府主教ヨアサフ座下 : His Eminence Metropolitan Ioasaf of Belgorod and Oboyansky)
  • イッリャ主教”(ハルキウ・ボホドヒウ主教イッリャ座下 : His Grace Bishop Illya of Kharkiv and Bohodukhiv)
  • ペトロ主教”(ヴァルイスキー主教ペトロ座下 : His Grace Bishop Petro of Valuysky)
  • アンドリー主教”(ヴァシルキウカ主教アンドリー座下 : His Grace Bishop Andriy of Vasylkivka)

 教区名からすると、ロシア連邦及びウクライナ国内の聖職者に思えます。
 主教全員ではないような……モルドバの方が見当たらない?

 

 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Відбулося засідання Архієрейського Собору Української Православної Церкви Київського Патріархату – Українська Православна Церква Київський Патріархат

УПЦ КП – Відбулося засідання Архієрейського Собору… | Facebook