キリスト教/セルビア総主教ポルフィリイェ聖下への祝意を表明したコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】首座“エピファニー府主教”の名前がセルビア正教会公式サイトのリストに無い模様(2021年2月)ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)首座/キエフ・ウクライナ全土府主教オヌフリー座下の名前は掲載

 新たにセルビア総主教となった(選出着座)キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教ポルフィリイェ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Porfirije, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)ですが、セルビア正教会の公式サイトがポルフィリイェ総主教に対して祝意を表明した人々を列記しています。

 

 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)The Orthodox and the entire Christian world and people of good will congratulated Patriarch Porfirije on his election | Serbian Orthodox Church [Official web site]

 

 その中には、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の首座“エピファニー府主教”の名前はなく、ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で高度な自治的権限を有するウクライナ正教会の首座/キエフ・ウクライナ全土府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan OnufriyOnufry】 of Kiev and All Ukraine)の名前が他の自治的権限を持つ教会の首座らとともに並んでいます。

 当たり前ですね、というところですが……。

 これに関して、ウクライナの正教会系メディア UOJ と、ギリシャの正教会系メディア Orthodox Times (Romfea.grの英語版)が記事を出しています。

 (英語)UOC Primate named among Heads of Churches who congratulated Pat. Porfirije – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)The newly elected Patriarch of Serbia reveals his stance on the Ukrainian issue – Orthodox Times

 後者は、ポルフィリイェ総主教がウクライナ問題に関して“中立的でない”態度を表明したという主旨であり、また反コンスタンティノープルのバチュカ主教イリネイ座下(His Grace Bishop Irinej of Bačka)やロシア正教会の影響を抜け出せなければ総主教はこのままの態度だろうというものです。
 率直な話、ポルフィリイェ総主教の個人的意見がどんなものかはわかりませんが、コンスタンティノープルを支持することはセルビア正教会にマイナスが大きすぎる以上、ポルフィリイェ総主教がわざわざ己の率いる教会をつぶそうとする必要などまったくありません。
 当たり前ですが、セルビア正教会は、 OCU を独立正教会と認めたことはなく、またそもそもエピファニー府主教を神品(聖職者)と認めたことすらありません。
 最近になって、コンスタンティノープルの府主教が、“ウクライナ独立正教会【UAOC】”から合流した“マカリー府主教”に使徒継承性があるのではないかとか言い出しましたが、これはロシア正教会による“フィラレート総主教”と“マカリー府主教”への破門(アナテマ)を2018年にコンスタンティノープルが一方的に撤回したこと件と関係があるのでしょう。一言でいえば、コンスタンティノープルは、自分たちが破門を撤回した人物が主教である資格があるのかどうかすら事前に調べていなかったということです。そして今になって、使徒継承性が無いという結論になっている人物に対して、何も新しい情報を提示せずに「あるのではないか」と言い出しているわけです。
 もっともマカリー府主教についてはどうでもよく、それよりも首座であるエピファニー府主教が聖職者としての条件を満たしていない状況をなんとかしないといけないのではないかという見解は広まっているようで、エピファニー府主教が引きずりおろされる可能性の記事も散見されます。情報戦も含むでしょうが、真面目に言えばとっとと引きずりおろして使徒継承性のある人物を首座にすえるしかないでしょう。

 

キリスト教/キプロス正教会の聖シノドの会合がおこなわれる(2020年11月)

 キプロス正教会の聖シノドの会合がおこなわれたようですが、玉虫色の結論もいいところのコミュニケが出ただけです(記事のリンクも面倒)。
 彼らにとって、自分たちの首座が一方的に(メンバーの一部が教会法上合法でない主教とみている人物と)コミュニオンの状態に入ったことは、信仰の問題ではないそうです。じゃあ趣味の問題なんですか??、というのも大人気ないですが。
 首座(名前を書くのも面倒)の決定に「反対しない」というよくわからない決定と、また、聖シノドのメンバーを拘束する決定もなされなかったようです。

 

関連:
 本日【2020年11月23日】キリスト教/キプロス正教会が聖シノドの会合をおこなう模様。おそらくコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を承認し、その後ロシア正教会側からフル・コミュニオンを解除されるということになるのでは(2020年11月)

 

本日【2020年11月23日】キリスト教/キプロス正教会が聖シノドの会合をおこなう模様。おそらくコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を承認し、その後ロシア正教会側からフル・コミュニオンを解除されるということになるのでは(2020年11月)

 本日【2020年11月23日】、キリスト教/キプロス正教会が聖シノドの会合をおこなう模様。
 おそらくコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を承認することになると思われます。

 

ここまでの事態:
 東方正教会大分裂:キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下がコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の首座の名を礼拝中に挙げる。同教会シノドの事前同意なし(2020年10月)
 キリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)のボリスポリ・ブロヴァリー府主教アントニー座下がキプロス大主教の行動についてコメント(2020年10月)
 キリスト教/キプロス正教会のレメソス府主教、キッコス・ティリリア府主教、タマソス府主教、アマサス主教が、キプロス大主教とコンスタンティノープルを批判する声明(2020年10月)
 東方正教会大分裂:キリスト教/ロシア正教会の聖シノドがキプロス大主教クリソストモス2世座下とのユーカリスティック・コミュニオンを解除(2020年11月)

 

 レメソス府主教ら四主教がクリソストモス2世を批判していますが、それ以外の批判者が続かないところをみると、聖シノドの会合はクリソストモス2世を支持するものが多数、 OCU を独立正教会として承認して終了するでしょう。

 その後は、ロシア正教会の聖シノドが臨時会合を開き、今まではキプロス大主教とのみフル・コミュニオンを解除していましたが、キプロス正教会全体とフル・コミュニオンを解除することを決定するということになります。
 東方正教会大分裂がまた一段階進みます。
 これは単なる大分裂ではなく、原則がムチャクチャになっているので、東方正教会崩壊というほうが正しいかもしれません。

 

 さて、そんな全体のことはともかく。
 このキプロスの一件で注目なのは、レメソス府主教らが、あくまで聖シノドの決定に従わず、分離シノドを形成する可能性です。
 彼ら自身も所詮はギリシャ人なので、最終的には折れてコンスタンティノープルに従うのではないかと思っていますが……。
 しかしコンスタンティノープルを批判する声明を出した四人があっさりとまた短期間で言葉を翻すようでは、東方正教会のギリシャ人の神品(聖職者)は嘘つきばかりと大宣伝しているようなもの。
 彼らは(コンスタンティノープルやそれに続く連中と共に)、キリスト教と東方正教会とギリシャ人という人種の評判を大幅に下落させることになります。
 まあでも、そうするんじゃないでしょうか(達観)。

 

 あとは北キプロス・トルコ共和国への影響です。
 分離シノドが形成されるようなことがなければ、ロシア正教会は北キプロスにある聖堂・修道院などの接収を(ロシア政府を通じて)トルコ共和国政府および北キプロス政府に求めるでしょう(なにしろもはや正当な所有者がいないため)。
 政治・外交への影響は避けられないように思えます。

 

東方正教会大分裂:キリスト教/ロシア正教会の聖シノドがキプロス大主教クリソストモス2世座下とのユーカリスティック・コミュニオンを解除(2020年11月)

 2020年11月20日、キリスト教/ロシア正教会の聖シノドの会合がおこなわれました。

 キリスト教/東方正教会/キプロス正教会の首座/ノヴァ・ユスティニアナと全キプロスの大主教クリソストモス2世座下(His Beatitude Archbishop Chrysostomos II of Nova Justiniana and all Cyprus)とのユーカリスティック・コミュニオンの継続は不可能との結論など、最重要なのはキプロス大主教との関係解除の決定です。
関連:
 東方正教会大分裂:キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下がコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の首座の名を礼拝中に挙げる。同教会シノドの事前同意なし(2020年10月)

 東方正教会の教会法は、教会法上合法でない主教とコミュニオンに入った主教は、同じく教会法上合法でない主教になると定めています。
 よって、たいした説明もなく OCU を設置したりいろいろと雑なことをやらかしたコンスタンティノープル自体がその時点でもはや教会法上合法な存在ではないのですが、コンスタンティノープルというブランド名が外部から見るよりはるかに重いらしく、まだまだなんやかやと細かい関係解除を重ねて大分裂という既成事実に近づいているという状況です。

 

 (英語:ロシア正教会 モスクワ総主教庁 公式サイト)Holy Synod states the impossibility of Eucharistic communion with Archbishop Chrysostomos of Cyprus / News / Patriarchate.ru
 (ロシア語:ロシア正教会 モスクワ総主教庁 公式サイト)ЖУРНАЛЫ заседания Священного Синода от 20 ноября 2020 года / Официальные документы / Патриархия.ru

 (英語)Patriarch Kirill ceases commemoration of Archbishop of Cyprus / OrthoChristian.Com

 (英語)Interfax-Religion: Patriarch Kirill ceases liturgical commemoration of archbishop of Cyprus for backing schism in Ukraine

 

 聖シノドのメンバー:

 議長:
 キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・ロシア全土【ルーシ全土】総主教キリル聖下(キリール総主教キリイル総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)

 常任メンバー:

  • ウクライナ正教会の首座/キエフ・ウクライナ全土府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)
  • クルチツィ・コロムナ府主教ユヴェナリー座下(His Eminence Metropolitan Juvenaly of Krutitsy and Kolomna)
  • モルドバ正教会の首座/キシナウ・モルドバ全土府主教ヴラジミール座下(His Eminence Metropolitan Vladimir of Chişinău and All Moldova)
  • アスタナ・カザフスタン府主教アレクサンドル座下(His Eminence Metropolitan Alexander of Astana and Kazakhstan)
  • タシケント・ウズベキスタン府主教ヴィケンティー座下(His Eminence Metropolitan Vikentiy of Tashkent and Uzbekistan)
  • サンクトペテルブルク・ラドガ府主教ヴァルソノフィー座下(His Eminence Metropolitan Varsonofy of St. Petersburg and Ladoga)
  • ベラルーシ全土における総主教代理(ベラルーシ正教会首座)のミンスク・ザスラーヴリ府主教ヴェニャミン座下(His Eminence Metropolitan BenjaminVeniamin】of Minsk and Zaslavl, the Patriarchal Exarch of All Belarus)
  • モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))
  • ヴォスクレセンスク府主教ディオニシー座下(His Eminence Metropolitan Dionisiy of Voskresensk)

 その他、冬季(9月~2021年2月)メンバーが五名います。

 

キリスト教/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下が、ロシア連邦駐箚ドイツ連邦共和国特命全権大使ゲーザ・アンドレアス・フォン・ガイヤー閣下と会見(2020年10月)

 2020年10月13日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))は、ロシア連邦駐箚ドイツ連邦共和国特命全権大使ゲーザ・アンドレアス・フォン・ガイヤー博士閣下(His Excellency Dr Géza Andreas von Geyr)と会見しました。

 会談では東西ドイツ統合30周年、ドイツでのロシア正教会の活動、モスクワ総主教庁とドイツのキリスト教教会の関係、新型コロナウイルス感染症【COVID-19】、 中東のキリスト者の現状、ウクライナの正教会の状態、ロシア人とドイツ人の関係強化などが話題に挙がったようです。

 

 (ロシア語:ロシア正教会 モスクワ総主教庁 公式サイト)Митрополит Волоколамский Иларион провел встречу с послом Германии в России / Новости / Патриархия.ru

 

ПосольствоГерманииРФさんはTwitterを使っています 「Посол #фонГайр встретился с Митрополитом Иларионом в Отделе внешних церковных связей Московского Патриархата, обсуждались вопросы 🇩🇪-🇷🇺 межобщественных отношений и межрелигиозного диалога. (1/2) https://t.co/JG2J3QegOE」 / Twitter

ПосольствоГерманииРФさんはTwitterを使っています 「Кстати: Православная церковь в Германии объединяет около 2 миллионов верующих и является таким образом 3-й по величине христианской конфессией в стране. Всего в 🇩🇪 насчитывается свыше 70 русских православных общин. (2/2) https://t.co/odEarBqvvH」 / Twitter

 

Посол фон Гайр встретился с Митрополитом… – Посольство Германии в Москве – Deutsche Botschaft Moskau | Facebook

 

Посольство Германии в Москве(@german_embassy_msk) • Instagram写真と動画