映像(セルビア語のため内容よくわかりませんが):キリスト教/セルビア正教会の重鎮モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下が、モンテネグロ新法に賛成投票予定の政治家を破門(anathema)宣告している映像とのこと(2019年12月)

 セルビア語のため内容よくわかりませんが、キリスト教/セルビア正教会/モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)が、2019年12月26日に、モンテネグロ新法に賛成投票予定の政治家を破門(anathema)宣告している映像とのことです。

※違うかもしれませんのでご承知ください。

関連:
 モンテネグロ議会が野党議員を18人ほど拘束してキリスト教/セルビア正教会の教会財産を大量に接収するための新法を成立(2019年12月)

 

Острог Тв Студио:
Порука Митрополита Амфилохија, 26.12.2019.љ.Г. – YouTube

 

 座下の傍らの棺は、モンテネグロ主教公ペタル1世・ペトロヴィッチ=ニェゴシュ(ツェティニェの聖ペタル)のものだそうです。

 

キリスト教/セルビア正教会/正教オフリド大主教庁(北マケドニアを管轄)聖シノドが、モンテネグロ政権を批判する声明(2019年12月)「北マケドニアでも弾圧が続いている」

 モンテネグロで、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の教会財産を摂取するための法律が成立しましたが、これに関して、セルビア正教会の管轄権下で北マケドニア共和国で自治的な権限を持つ正教オフリド大主教庁の聖シノドが声明を発表しています。

 

 (マケドニア語:正教オフリド大主教庁公式サイト)Православна Охридска Архиепископија » Свет архиерејски синод » Соопштенија

 

 モンテネグロ政権の動きを全体主義と批判、北マケドニア共和国でも正教オフリド大主教庁への弾圧が続いていること、セルビア正教会の重鎮/モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)をはじめとするモンテネグロの教会法上合法な教会に属する神品(聖職者)と信徒を支持することなどが挙げられています。

 

 モンテネグロ大統領ミロ・ジュカノヴィッチ閣下(His Excellency Mr Milo ĐukanovićМило Ђукановић)がここまで強硬な動きに走ることは、一年前には予想されていなかったことです。
 政治的な影響は置いておくとしても、東方正教会の各教会(各勢力)がこの動きに対してどのような声明を発表し、どのような動きを取るかで、来年の東方正教会の教会分裂(シスマ)の動向が決まっていくような気がします。

 

モンテネグロ議会が野党議員を18人ほど拘束してキリスト教/セルビア正教会の教会財産を大量に接収するための新法を成立(2019年12月)

 モンテネグロ議会は、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の教会財産を大量に接収するための新法を成立させました。

※法律名称としては、まあその、麗しい名前を使っていますし、理屈も別のことを言っていますが、セルビア正教会の財産を奪うのが目的の法律です。

 

 (英語)Montenegro MPs arrested in clash over religious freedom law – BBC News
 (英語)Thousands Rally Against Religion Law in Montenegro | Balkan Insight
 (英語)Serbian church warns Montenegrin authorities about backlash from new religious law – World – TASS

 

 (セルビア語:モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Полиција ноћас претукла Епископа диоклијског Методија | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 なお、セルビア正教会モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁の公式サイトが、同教会のドゥクリャ主教メトディイェ座下(His Grace Bishop Metodije of Dioclea)がモンテネグロの警官から殴打を受けたと報じています。
 モンテネグロ当局は否定していると報道されています。

 

 モンテネグロ大統領ミロ・ジュカノヴィッチ閣下(His Excellency Mr Milo ĐukanovićМило Ђукановић)は、これを“ウクライナ・モデル”としています。
 セルビア正教会の教会財産を接収し、東方正教会の教会法上合法な教会に属さない(または主流のグループに属さない)“モンテネグロ正教会(MOC)”を国家の後押しでこれまで以上に推進していくということになります。今は教会法上合法な教会でなくても、コンスタンティノープルから承認をもらえば教会法上合法な教会になるので問題はない、とウクライナで証明されているので、何も問題はありません(念のために書いておきますと、コンスタンティノープルが承認する予定はありませんが、コンスタンティノープルがなにをするかはもはやなんの信用も置けない状態です)。
 BBC の報道を中立ということで、信徒数の割合いを書いておきますと、モンテネグロの10人のうち7人はセルビア正教会の信徒だそうです。そこまで多いならなぜ反セルビア正教会のジュカノヴィッチ大統領が当選しているのかよくわからないところですので、この数字は少し大きめのような気もします。

 セルビア正教会の重鎮/モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)は(以前から言っていますが)無神論者(ジュカノヴィッチ大統領のこと)が教会を作った歴史上最初の例と批判しています(それ以外にもクソミソに罵ってますけど)。
 同座下は、ウクライナ問題を巡ってはコンスタンティノープルへの批判を繰り返していますので、今回の事態を受けて最終的に何を発言するかは注目ではあります。
 しかし、それ以前に火薬庫が活性化してきているのが不安なところです。

 

関連:
 映像(セルビア語のため内容よくわかりませんが):キリスト教/セルビア正教会の重鎮モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下が、モンテネグロ新法に賛成投票予定の政治家を破門(anathema)宣告している映像とのこと(2019年12月)
 キリスト教/セルビア正教会/正教オフリド大主教庁(北マケドニアを管轄)聖シノドが、モンテネグロ政権を批判する声明(2019年12月)「北マケドニアでも弾圧が続いている」
 キリスト教/セルビア総主教イリネイ聖下がセルビア大統領ブチッチ閣下と会見(2019年12月)モンテネグロ新法の話題など
 キリスト教/“モンテネグロ正教会”の“ミハイロ府主教”が、コンスタンティノープルからの独立正教会としての承認に自信をみせたとの報道(2020年1月)

 

キリスト教/コンスタンティノープルとコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の府主教らが、教会法上非合法な“モンテネグロ正教会【MOC】”の聖職者と共同礼拝をしていた【2019年5月】と報道(2019年6月)

 2019年5月26日に、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルのフランス府主教エマニュエル座下(His Eminence Metropolitan Emmanuel of France)、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の首座“エピファニー府主教”らが、教会法上非合法な“モンテネグロ正教会【MOC】”の聖職者と共同で礼拝をおこなっていたと正教会系メディアが報道しています。

 モンテネグロを管轄権下に置くセルビア正教会は(どの程度の強さかわかりませんが)事態に関して不快感を表明、コンスタンティノープル側は「(MOCの参加を)知らなかった」としているようではありますが……。

 

ギリシャ系メディア:
 (英語)Representative of the schismatic “Montenegrin Orthodox Church” in the Divine Liturgy in Kiev – Romfea News

Romfea.newsさんのツイート: "A representative of the so-called schismatic “Montenegrin Orthodox Church” concelebrated the Divine Liturgy on May 26, in Kiev #romfeanews https://t.co/QNXgbEuJpG"

 

 (ギリシャ語:英語版より現在のところ長文)Σχισματικός κληρικός του Μαυροβουνίου συλλειτούργησε στο Κίεβο

 

ロシア系メディア:
 (英語)Constantinople hierarchs concelebrate with cleric from schismatic Montenegrin church / OrthoChristian.Com
 (英語)OCU and Phanar hierarchs concelebrate in Kiev with Montenegrin schismatics – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

 付言しておけば、OCU のほうは、前身の一つである“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”が MOC とコミュニオンの状態にありました。
 OCU の成立に伴い、 UOC-KP は解体されたことになっていましたが、 UOC-KP のコミュニオンがどうなったかについてはなにも言及はなく、現在の OCU もまた、MOC とコミュニオンの状態にあると OCU の聖職者ら自身が認識しているということなのかもしれません。
 ただ、エピファニー府主教と対立をはじめ反コンスタンティノープル色を鮮明にしている“フィラレート名誉総主教”が「UOC-KP は解体されていない・存続しているしし続ける」と言明している現在において、エピファニー府主教らが UOC-KP 時代のコミュニオンをコンスタンティノープルの意向に逆らって尊重するとも思えません。
 コンスタンティノープル側の意向を断言できる段階ではありませんが、 OCU の聖職者らは、コンスタンティノープルが MOC を独立正教会として認めると確信しているということなのでしょう。