キリスト教/ギリシャ正教会聖シノド会合が終了(2019年3月7日)2019年3月19日から会合を開くことを決定

 キリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会の聖シノドの会合が終了しましたが、大したことは決まらず、2019年3月19日~21日に(おそらく全主教出席の)会合を開くことが決定されたようです。

 

 (英語)The decisions will be taken by the meeting of the Hierarchs on March 19 – Romfea News

 

Romfea.newsさんのツイート: "The meeting of the #Hierarchs will have the last word on March 19 #romfeanews #ChurhOfGreece https://t.co/GDmrLxAZ8K"

 

 現在、ギリシャ正教会は発狂寸前ではないかという状態です。

 コンスタンティノープルとモスクワの対立をもう引き返せないところまでにしてしまったウクライナの件に加え、SYRIZAを率いるギリシャ共和国首相アレクシス・ツィプラス閣下(チプラス首相 : His Excellency Mr Alexis Tsipras)による国家と教会の分離(平たく言えば教会排除の方針)。また首相・SYRIZAによってマケドニア問題に関して国名を「北マケドニア共和国」で認めることや、トルコ共和国とのなんだかよくわからない関係の構築(ギリシャ正教会の府主教からは首相をトルコ系ユダヤ人とする発言も出ています。首相自身がトルコ紙に語ったことがベースになっているようですが)、そして、アフガニスタン・パキスタンなどからのイスラム教徒【ムスリム】への選挙権付与により票の上積みをはかっているなど。トルコ系ユダヤ人の無神論者がイスラム教徒から支持を受けるということでどこまで本当かわかりませんが、ツィプラス政権でギリシャと教会は滅ぶと恐怖しているようにみえます。
 なお、いろいろありましが、ギリシャの世論調査を信じるならば、今年【2019年】中におこなわれる(首相はかつて10月と発言)ギリシャ議会選挙で SYRIZA に投票すると答えた人は微増している状況です。この調査結果は、選挙までの残り半年以上で首相がさらになにかをやらかす可能性を上昇させています。

 また、欧州全体の景気後退が始まったのではないかという観測に加えて、仮にロシア正教会からフル・コミュニオンを解除されると、ロシア人巡礼観光客はさらに減少し(某府主教はロシア正教会を批判する一方で「365日ロシア人をもてなす」とかのんきなことをいってましたが)、ギリシャ経済は悪化、首相によって教会に責任が押しつけられるという展開もありえます。
 これはギリシャだけでなく、モスクワとの関係は、キプロスやエルサレムもそれぞれの国の経済・政治・外交に直結する問題なので、正直どこも頭が痛いでしょう。

 

キリスト教/ギリシャ正教会首座アテネ大主教イエロニモス2世座下が、会合がおこなわれている聖シノドについてコメント。国家と教会の関係、ウクライナの件(2019年3月)

 キリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会首座/アテネ・全ギリシャ大主教イエロニモス2世座下(His Beatitude Hieronymos II, Archbishop of Athens and All Greece and Primate of the Autocephalous Orthodox Church of Greece)が、現在会合がおこなわれている同教会の聖シノドに関して、国家と教会の分離を推進するツィプラス政権に対する決定や、ウクライナに関する件などについて結論を目指していることなどをコメントしています。

 

 (英語)Archbishop Ieronymos: Τhe State, the Church, and the priests, will make the final decision – Romfea News

 

 国家と教会の分離については、ギリシャ共和国の国内問題である部分も多いので、結局は政治家や選挙結果とのかかわりで進むと思いますが、ウクライナの件についてはギリシャ系の独立正教会はコンスタンティノープルに逆らうことはないだろうと思います。
 タイミングはともかくコンスタンティノープルが認めたほうの「ウクライナ正教会(AOCU : OCU)」を承認し、そしてロシア正教会側からフル・コミュニオンが解除され、東方正教会の教会分裂が確定的になっていくのではないでしょうか。

 まあ……もうしょうがないでしょうね。

 

 聖シノドは、2019年3月7日(木)が最終日ですが、どちらの問題も持ち越すかもしれません。

 

関連:
 キリスト教/ギリシャ正教会聖シノド会合が終了(2019年3月7日)2019年3月19日から会合を開くことを決定

 

キリスト教/東方正教会/アンティオキア総主教庁のブエノスアイレス・全アルゼンチン府主教ヤコブ座下が着座(2019年3月)共同礼拝ではコンスタンティノープルを排除?

 2019年3月2日、キリスト教/東方正教会/アンティオキア総主教庁の、ブエノスアイレス・全アルゼンチン府主教ヤコブ座下(ジャック府主教 : His Eminence Metropolitan Jacques of Metropolitan of Buenos Aires and All Argentine)が着座したようです(2018年10月5日選出)。
 臨席のなかったキリスト教/東方正教会/アンティオキア・東方全土総主教ヨウハンナ10世聖下(His Beatitude Patriarch John X of Antioch and All the East)にかわり、メキシコ・ベネズエラ・中米・カリブ海諸島府主教イグナティウス座下(His Eminence, the Most Reverend Metropolitan Ignatius of Mexico, Venezuela, Central America and the Islands of the Caribbean Sea)が聖下からの挨拶を読み上げた模様。

 着座式には、東方正教会以外にも、ローマ・カトリック教会、オリエント正教会の各教会から多数が参列(高位聖職者についてはあとで主な出席者を追記します 追記済みです)。

 翌3月3日は東方正教会の主教らによる共同礼拝がおこなわれたようで、アンティオキアのほかに、在外ロシア正教会、ロシア正教会モスクワ総主教庁、セルビア正教会の主教らが共に礼拝を執り行ったようです。しかし、ブエノスアイレス・全アルゼンチン府主教区の Facebook アカウントの文章によれば、コンスタンティノープルの大主教(府主教?)が、臨席したものの共同で礼拝を執り行っていない(そこにいただけ)とも取れる書き方になっています。ロシア正教会モスクワ総主教庁の公式サイトではコンスタンティノープルについてまったく触れていません。
 ロシア正教会がコンスタンティノープルとフル・コミュニオンを解除しているので、ロシア正教会の主教らと共同で礼拝をおこなう場合、コンスタンティノープル側に参加させるわけにはいかないということに理屈上はなります。しかし、わざわざ呼んでおいて仲間外れにするということをアンティオキアが本当にやったのか、いまいちはっきりしないところです(こちらもあとで主な出席者を追記していきます 追記済みです)。

 

Entronozacion de Monseñor Santiago el Khoury – Iglesia Ortodoxa en Argentina – Patriarcado de Antioquia

 

Entronozacion de Monseñor Santiago El Khoury – Iglesia Ortodoxa en Argentina – Patriarcado de Antioquia

 

Primera Divina Liturgia de Monseñor Santiago – Iglesia Ortodoxa en Argentina – Patriarcado de Antioquia

 

En la tarde del sabado 3 de marzo, se… – Iglesia Ortodoxa en Argentina – Patriarcado de Antioquia | Facebook

 

El día domingo 3 de Marzo, en la… – Iglesia Ortodoxa en Argentina – Patriarcado de Antioquia | Facebook

 

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Иерарх Русской Православной Церкви принял участие в интронизации митрополита Буэнос-Айресского и всей Аргентины / Новости / Патриархия.ru

 (セルビア語:セルビア正教会モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Владика Кирило на устоличењу антиохијског Митрополита за Аргентину Јакова | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 

 (スペイン語:カトリック系メディア)AICA: Nuevo arzobispo ortodoxo de Antioquía en Buenos Aires

AICAさんのツイート: "#Ecumenismo Nuevo arzobispo ortodoxo de Antioquía en Buenos Aires https://t.co/SPlfyybKnN… "

[ECUMENISMO] El sábado 3 de marzo asumió… – AICA -Agencia Informativa Católica Argentina | Facebook

 

共同礼拝:
 東方正教会/アンティオキア総主教庁/
 ブエノスアイレス・全アルゼンチン府主教ヤコブ座下、
 メキシコ・ベネズエラ・中米・カリブ海諸島府主教イグナティウス座下、
 サンティアゴ・全チリ府主教セルギオス座下(His Eminence, the Most Reverend Metropolitan Sergios of Santiago and all Chile)、
 サンパウロ・全ブラジル府主教ダマスキノス座下(His Eminence, the Most Reverend Metropolitan Damaskinos of Sao Paulo and all Brazil)、
 リオデジャネイロにおける総主教代理セオドル主教座下(His Grace, the Right Reverend Bishop Theodor, Patriarchal Vicar in Rio de Janeiro)

 在外ロシア正教会【ROCOR】/カラカス・南米主教イオアン座下(His Grace Bishop John【Ioann】 of Caracas and South America)、
 ロシア正教会/アルゼンチン・南米府主教イグナティー座下(His Eminence Metropolitan Ignaty【Ignatiy】 of Argentina and South America)、
 セルビア正教会/ブエノスアイレス・中南米主教キリロ座下(His Grace Bishop Kirilo of Buenos Aires and South-Central America)、

 (礼拝には参加せず?)
 コンスタンティノープル/ブエノスアイレス府主教・南米における首座代理タラシオス座下(His Eminence Metropolitan Tarasios of Buenos Aires and Exarch of South America)、

着座式参列者:
 ローマ・カトリック教会/
 ブエノスアイレス大司教マリオ・アウレリオ・ポリ枢機卿座下(His Eminence Mario Aurelio Cardinal Poli, Archbishop of Buenos Aires)、

 オリエント正教会/アルメニア使徒教会/(エチミアジン系かキリキア系かちょっとわかりません)/
 キサク・ムラジャン大主教座下(His Eminence Archbishop Kissag Mouradián)、

 オリエント正教会/シリア正教会/
 アルゼンチンにおける総主教代理クリソストモス・ヨウハンナ・ガッサリー大主教座下(His Eminence Mor Chrysostomos Youhanna Ghassaly, Archbishop and Patriarchal Vicar in Argentina)、

 ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/マロン東方典礼カトリック教会(マロン派)/
 サン・チャーベル・エン・ブエノス・アイレス使徒座管理ファン・アビブ・チャミー司教座下(Bishop Juan Habib Chamieh, O.M.M., Apostolic Administrator of San Charbel en Buenos Aires : ノメントゥム名義司教 : Titular Bishop of Nomentum)、

 ローマ・カトリック教会/
 アルゼンチン共和国駐箚ローマ教皇大使レオン・カレンガ・バディケベレ大司教座下(Archbishop Léon Kalenga Badikebele, Apostolic Nuncio to Argentina : マグネトゥム名義大司教 : Titular Archbishop of Magnetum)、
 サンタフェデラベラクルス名誉大司教ホセ・マリア・アランセド座下(Archbishop José María Arancedo, Archbishop Emeritus of Santa Fe de la Vera Cruz)、

 ほか、コプト正教会の聖職者らしく見える人物も写っているような気がしますが……??

 

キリスト教/コンスタンティノープル下のアメリカの小教区から、在外ロシア正教会に移動した信徒がいる模様(2019年3月)

 ロシア側の発表なのと、規模がいまいちはっきりしませんが、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープル/アメリカ東方正教会のテキサスの小教区から離脱して、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会下で自治的な権限を保有する在外ロシア正教会【ROCOR】に移動した信徒たちがいるようです。

 

 (英語)ROCOR opens mission in Texas to minister to families that left Greek Constantinople parish / OrthoChristian.Com

 

 在外ロシア正教会は今回の一連の事態に対し、なぜかモスクワ総主教庁よりも憤っているようなところがありますが、それがなにに起因するのか、部外者にはよくわからないところです。

 

キリスト教/ウクライナ東方典礼カトリック教会の聖堂がひとつ、コンスタンティノープルによって承認されたほうの「ウクライナ正教会」に移った模様(2019年3月)追記:「ウクライナ正教会」の広報担当者は「受け入れられない」

 ウクライナのリヴィウにある、ウクライナ東方典礼カトリック教会の聖堂と小教区の信徒が、コンスタンティノープルに承認されたほうの「ウクライナ正教会(AOCU : OCU)」に移ったようです。

 

 (ロシア語)Интерфакс-Религия: Ликвидированный приход УГКЦ во Львове присоединился к ПЦУ

 

 なんだかよくわかりませんが、小教区の信徒たちの間で争いごと(?)があって、ウクライナ東方典礼カトリック教会が司祭を引上げさせ、小教区を廃止した後、信徒たちによる投票で決まったようです。

 前々からの確執でもあったのか、それとも興奮状態が続くウクライナでのさして気にする必要も理由も原因もない小さな争いごとの一つなのか。

 

追記:
 (英語)Ukrainian schismatics say they won’t accept Catholic communities that want to transfer / OrthoChristian.Com

 そのコンスタンティノープル側の「ウクライナ正教会(AOCU : OCU)」の広報担当者によると、「このカトリックの小教区は受け入れられない」そうです。首座の“エピファニー府主教”も一連の動きを承認していないとのこと。

 ただ、上記の記事からは、誰だかわかりませんが、主教と司祭がその小教区に現れてなにかをおこなったらしいので、意思の疎通に問題があったのか、組織としていまだしっかりしていないのか。