キリスト教/ルーマニア正教会が、「ウクライナ・ルーマニア正教会」を“設置”(2024年2月)

 2024年2月29日、キリスト教/東方正教会/ルーマニア正教会総主教庁の聖シノドの会合がおこなわれました。
 発表文のうち、

追記(2024年3月5日):
 英訳版の発表文が出ているのであらためてリンク。またその他の記事へのリンクを追加。

 

 (英語)Romanian Orthodox Church Holy Synod meets for first time this year: main decisions – Basilica.ro

XユーザーのBasilica.ro (EN)さん: 「Romanian Orthodox Church Holy Synod meets for first time this year: main decisions https://t.co/fEV1qeNy4Z https://t.co/XN8adTsE92」 / X

11. To bless, encourage and support the initiatives of Romanian Orthodox communities in Ukraine to re-establish communion with the Mother Church – the Romanian Patriarchate – through their legal organisation in a religious structure called the Romanian Orthodox Church in Ukraine.

 

 (ルーマニア語)Comunicat: Noi hotărâri ale Sfântului Sinod al Bisericii Ortodoxe Române – Basilica.ro

XユーザーのBasilica.roさん: 「Comunicat: Noi hotărâri ale Sfântului Sinod al Bisericii Ortodoxe Române https://t.co/0OXQIEdLTz https://t.co/ap3iSPn6DG」 / X

11. binecuvântarea, încurajarea și susținerea inițiativelor comunităților ortodoxe românești din Ucraina de a reface comuniunea cu Biserica Mamă, Patriarhia Română, prin organizarea lor juridică în structura religioasă numită Biserica Ortodoxă Română din Ucraina.

 ウクライナにいる、ルーマニア総主教庁とコミュニオンを回復したいルーマニア系住民のために「Biserica Ortodoxă Română din Ucraina」という組織を通じて支援をおこなうとしています。
 この組織がいかなるものなのかは大っぴらにはなっていませんが、英訳では「Romanian Orthodox Church in Ukraine」とされています。日本語では「ウクライナ・ルーマニア正教会」とでもなるでしょうか。

 

 (英語)Romanian Synod establishes “Romanian Orthodox Church of Ukraine,” Ukrainian hierarch responds / OrthoChristian.Com
 (英語)Romanian Patriarchate establishes the "Romanian Orthodox Church of Ukraine" – News – news of Orthodoxy – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)UOC comments on the creation of "Romanian Orthodox Church of Ukraine" – News – news of Orthodoxy – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)OCU calls creation of Romanian Church of Ukraine "brazen invasion" – News – news of Orthodoxy – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)The Synod of the Romanian Church established the “Romanian Orthodox Church of Ukraine” – Raskolam.net
 (英語)The UOC commented on the decision of the Romanian Church to create the “Romanian Church of Ukraine” – Raskolam.net
 (英語)A religious scholar said that the Romanian Church’s decision is a very bad signal for the OCU – Raskolam.net
 (英語)The OCU accused the Romanian Church of working for the FSS over the establishment of the Romanian Orthodox Church of Ukraine – Raskolam.net
 (英語)Controversial decision by Romanian Patriarchate on Ukraine | Orthodox Times (en)
 (英語)Romanian Orthodox Church Opens Door to Ukrainian Communities – Orthodoxy Cognate PAGE
 (英語)Romanian Orthodox Church seeks to establish a canonical branch in Ukraine’s territory – RISU

 

 さて、ここからは管轄権の話ですが。
 現在、東方正教会で主流とみなされる教会のうち、ウクライナの管轄権を主張しているのは、

  • ロシア正教会モスクワ総主教庁
  • ウクライナ正教会(UOC) … モスクワ総主教庁系とも呼ばれますが、現在、独立を宣言しています(教会法上の扱いは難しい状況)。
  • OCU … コンスタンティノープルが教会法をいい加減に取り扱って設置した教会。コンスタンティノープルと、ギリシャ、キプロス、アレクサンドリアが独立正教会として認めていますが、他の教会からは独立がどうとかいう以前にまともな教会組織としてすら認められていません(2019年にトモスを受取りもう五年……)。

 今回のルーマニア正教会の決定は、上記の三教会のいずれとも事前に話をしたという形跡はありません。
 つまり、ルーマニア正教会は他の教会の管轄権を侵害しています。

 これをルーマニア正教会側から見ると、ロシア正教会と話をするのは政治的にリスクが高い上にウクライナ国内においてはまったく無意味であり、モスクワの手先としてウクライナ政府に弾圧されているウクライナ正教会(UOC)と話をするのも意味がなさそうです。
 また、ルーマニア正教会は OCU を認めておらず、話をする必要がある相手ではありません(上記ニュース記事によれば、その OCU の聖職者はルーマニア正教会をモスクワの手先と罵りはじめましたが……)。

 よって、すべて無視して勝手に決めて発表するのが最善なのでそうした、というのが一つの見方でしょう。

 ただ、ウクライナ国内のルーマニア系住民のうち、今回のこの取り組みに賛同している人々がどれだけいるのかはよくわからないところです。

 また、ルーマニア正教会が、上記三教会とこれからも話をしないかはよくわからないところです。これは同教会の長期的な方針があるのかないのか、あるとしたらどういうものかなのにもよります。
 モスクワ総主教庁と一定程度の友好関係を保とうとするのか、 OCU を承認することがありうるのか、また歴史的にはルーマニアの一部でもあったブコビナ(ブコヴィナ)などのウクライナ側の地域を自教会の管轄権内に入れたいのか、など。

 ロシア正教会やウクライナ正教会(UOC)が今回のこの件(管轄権侵害)だけでルーマニア正教会とのコミュニオンを解除するとは思えませんが、ロシア正教会とはモルドバの管轄権を巡って問題が続いており、想定外の事態が発生すればそこまでいってしまうこともありえます。

 

追記:
 この事態がどのように進むかはわかりませんが、一つだけ重要なことを追記しておきます。
 ローマ教皇聖座駐箚のウクライナ特命全権大使アンドリー・ユラシュ閣下(His Excellency Mr Andrii Vasyliovych Yurash)という人物がいて、彼は 2011年(この時は大使ではない)に以下のように述べています。

 (英語)Religious Expert: Russian Orthodox Church Cannot Keep Romanian Orthodox Church From Coming to Ukraine – RISU

“From the viewpoint of the law, the position of the Romanian Patriarchate in Ukraine can be the same as those of the Kyivan Patriarchate. The Ukrainian laws do not and cannot prohibit in any way the development of communities and, later, eparchies of any patriarchate here,” explained Andrii Yurash.


The Ukrainian laws do not and cannot prohibit in any way the development of communities and, later, eparchies of any patriarchate here,
 要するにウクライナには信教の自由があるから、ロシア正教会が教会法違反だと言おうが、ルーマニア総主教庁(ルーマニア正教会)がウクライナでどう活動しても自由だ、ということです。
 これだけ聞くと「その通りだ」と思うかもしれませんが、これは、ルーマニア総主教庁がウクライナに進出すると、ルーマニア系住民が所属しているモスクワ総主教庁系のウクライナ正教会(UOC)から教区を奪うので、「ざまあ」と言いたいという、ざっくり言えばそれだけのことです。
 この記事が出ているのが 2011年。
 そして13年後の2024年、まさしくルーマニア総主教庁がルーマニア系の信徒のためにウクライナで自由に活動しようという表明をしたところ、このユラシュ閣下が熱烈に支援している=反モスクワの OCU の“聖職者”は、ルーマニア総主教庁を「教会法違反」「モスクワの手先」と罵る事態になっています。

 

追記(2024年3月7日):

 (英語)Creation of the "Romanian Church of Ukraine": the first conclusions – Faith Protection – news of Orthodoxy – the Union of Orthodox Journalists

 ある程度のまとめ記事のようなものです。

 最後の方にある見立てですが。

 コンスタンティノープルが沈黙しているのは、 OCU (コンスタンティノープルがウクライナについて管轄権を認めた)のトップがコメントを出すのを待っているか、あるいはすでにルーマニア正教会とコンスタンティノープルで“取引”が出来ておりルーマニア正教会が OCU を承認する前提での対価になっているという見方です。後者の場合、ルーマニア正教会を批判している OCU の聖職者らは事実を知らされていないということになるでしょうか。そしてこれも後者の場合ですが、ロシア正教会はルーマニア正教会とのコミュニオンを解除することになるでしょう。

 

追記(2024年3月8日):
 UOC と OCU のコメント。
 OCU はルーマニア正教会を批判し、コンスタンティノープル総主教とルーマニア総主教に書簡を送ることを決定したようです。

 (英語:UOC 公式ウェブサイト)Commentary by the UOC Information and Education Department in connection with the intention of the Romanian Orthodox Church to establish her entity on the territory of Ukraine – Ukrainian Orthodox Church
 (英語)The UOC commented on the intention of the Romanian Orthodox Church to open its structure on the territory of Ukraine – Raskolam.net
 (英語)UOC urges Romanian Church to reconsider its decision on Ukraine – News – news of Orthodoxy – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Ukrainian Church Denounces Romanian Orthodox Church's Move to Establish Entity in Ukraine – Orthodoxy Cognate PAGE

 (英語)The OCU condemned the decision of the Romanian Church to establish its structure in Ukraine – Raskolam.net
 (英語)Synod of OCU condemns the establishment of 'Romanian Church in Ukraine’ – News – news of Orthodoxy – the Union of Orthodox Journalists

キリスト教/マランカラ正教シリア教会【インド正教会】の首座/東方カトリコスのバセリオス・マルトマ・マシューズ3世聖下が、ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教アントニー座下と会見(2024年2月)

 キリスト教/オリエント正教会/マランカラ正教シリア教会【インド正教会】首座/東方カトリコス・マランカラ府主教“モラン”・“マル”・バセリオス・マルトマ・マシューズ3世聖下(シロ・マランカル典礼カトリコスバゼリオス・マルトマ・マテウス3世 : His Holiness Moran Mar Baselios Marthoma【Mar Thoma】 Mathews III)が、インドを訪問中のキリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教アントニー座下(His Eminence Metropolitan Anthony of Volokolamsk, Chairman of the Department for External Church Relations of the Moscow Patriarchate)と会見しました。

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁 渉外局 公式ウェブサイト)Metropolitan Anthony holds talks with Primate of Malankara Church

 

റഷ്യൻ പ്രതിനിധി സംഘം ദേവലോകം… – Catholicate News | Facebook

キリスト教/エストニア正教会モスクワ総主教庁系が緊急集会、首座/タリン・エストニア全土府主教エフゲニー座下の滞在許可延長を要求(2024年1月)当局の滞在許可延長拒否を受けて

 エストニア共和国当局が、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁下で自治的な権限を保有するエストニア正教会(モスクワ総主教庁系)の首座/タリン・エストニア全土府主教エフゲニー座下(His Eminence Evgeny【Yevgeniy】, Metropolitan of Tallinn and All Estonia, Primate of the Estonian Orthodox Church of Moscow Patriarchate)の滞在許可延長を拒否した件について、同教会は緊急集会を開催(2024年1月30日)、滞在許可延長を要求しています。

 

 (ロシア語:エストニア正教会モスクワ総主教庁系 公式ウェブサイト)В Таллине состоялось чрезвычайное заседание Собора ЭПЦ МП » Эстонская Православная Церковь Московского Патриархата
 (ロシア語:エストニア正教会モスクワ総主教庁系 公式ウェブサイト)В Таллине состоялось чрезвычайное заседание Собора ЭПЦ МП » Эстонская Православная Церковь Московского Патриархата
 (ロシア語:エストニア正教会モスクワ総主教庁系 公式ウェブサイト)MPEÕK täiskogu otsus / Постановление Собора ЭПЦ МП » Эстонская Православная Церковь Московского Патриархата

 (英語)Estonian Church holds emergency Council meeting / OrthoChristian.Com

 

エストニア語:
Mo… – Эстонская Православная Церковь Московского Патриархата | Facebook

キリスト教/東方正教会/アンティオキア総主教ユーハンナ10世聖下が、ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教アントニー座下と会見(2024年1月)

 2024年1月29日、キリスト教/東方正教会/アンティオキア・東方全土総主教ユーハンナ10世聖下(His Beatitude Patriarch John X of Antioch and All the East)は、同地を訪問したキリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教アントニー座下(His Eminence Metropolitan Anthony of Volokolamsk, Chairman of the Department for External Church Relations of the Moscow Patriarchate)と会見しました。

 アンティオキア総主教庁より、
 セレウキア主教ロマノス座下(His Grace Bishop Romanos of Seleucia)、
 ダラヤ主教ムーサ座下(His Grace, the Right Reverend Bishop Moussa, Bishop of Daraya)、
 セルギオポリス主教ユーハンナ座下(His Grace Bishop John of Sergiopolis)、
 が同席。

 シリア・アラブ共和国駐箚ロシア連邦特命全権大使アレクサンドル・エフィーモフ閣下(His Excellency Mr Alexander Yefimov)、
 元・ロシア連邦駐箚シリア・アラブ共和国特命全権大使ハッサン・リーシャ教授(Prof Hassan Risheh)、
 らも同席しました。

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁 渉外局 公式ウェブサイト)DECR chairman meets with the Primate of the Orthodox Church of Antioch
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁 渉外局 公式ウェブサイト)DECR chairman concelebrates Liturgy with Patriarch of Antioch at Russian Church’s Metochion in Damascus

 

البطريرك يوحنا العاشر مستقبلاً رئيس قسم العلاقات الخارجية في الكنيسة الروسية: "نشدد على عمق العلاقة التي تربط كنيستينا ونعمل معاً لمواجهات كل التحديات" دمشق، 29 كانون الثاني 2024 استقبل بطريركُ أنطاكية وسائر المشرق للروم الأرثوذكس يوحنا العاشر المطران أنطونيوس رئيس قسم العلاقات الخارجية في بطريركية موسكو وسائر روسيا وذلك في الدار البطريركية بدمشق. وحضر اللقاء من الجانب الروسي السفير الروسي في دمشق الكسندر يفيموف، الأب نقولا بالاشوف، الأرشمندريت فيليب فاسيلتسف ممثل البطريرك الروسي لدى البطريرك الأنطاكي، الأب إيغر ياكيمتشوك والأب الكسندر يرشوف. ومن الجانب الأنطاكي حضر الأساقفة: رومانوس (الحناة)، موسى (خوري)، يوحنا بطش والسيد د. حسان ريشة. نقل المطران أنطونيوس إلى غبطته وإلى الكنيسة الأنطاكية محبة وتحية البطريرك كيريل بطريرك موسكو وسائر روسيا. وحمّل غبطته المطران أنطونيوس محبة وأدعية أبناء الكنيسة الأنطاكية إلى الكنيسة الروسية وعلى رأسها البطريرك كيريل. ونوه غبطته بالدور الذي لعبته كنيسة روسيا في الوقوف إلى جانب الكنيسة الأنطاكية وفي مد يد العون والمساعدة إلى الكنيسة الأنطاكية لترسيخ الوجود المسيحي في الشرق الأوسط وللوقوف إلى جانب الإنسان من كافة الأطياف رغم قساوة الظروف ورغم الحرب والدمار والهجرة. وجرى خلال اللقاء استعراض الوضع العام الحالي في الشرق الأوسط. وجرى عرضٌ للعلاقات التاريخية التي تجمع الكنيستين وللدور المحوري لهذه العلاقات لمواجهة سائر التحديات. وشدد الجانبان على عمق ومتانة هذه العلاقات التاريخية وعلى ضرورة العمل على تعزيزها بكافة السبل. وتطرق اللقاء إلى المستجدات العالمية الكنسية التي تواجه الكنيسة على الصعيد المسيحي والأرثوذكسي وإلى التحديات الأخلاقية التي تواجه وتضرب أسس العائلة المسيحية وتفكّكُ المجتمعات. Patriarch John X welcoming the Chairman of the Department of Foreign Relations in the Russian Church: "We emphasize the depth of the relationship between our churches and work together to confront all challenges." Damascus, January 29, 2024 His Beatitude Patriarch John X received the Most Reverend Metropolitan Anthony, Chairman of the Department of Foreign Relations at the Patriarchate of Moscow and All Russia, at the Patriarchal Headquarters in Damascus. The meeting was attended by the Russian Ambassador to Damascus, His Excellency Alexander Yefimov, Archpriest Nicolay Balashov, the Rt.Rev. Archimandrite Philip Vasiliev, representing the Russian Patriarch to the Antiochian Patriarch, Father Igor Yakimchuk, and Father Alexander Yershov. On the Antiochian side, Their Graces bishops Romanos (Al-Hannat), Moussa (Al-Khoury), Ioannis Batach, and Dr. Hassan Risha attended. His Eminence Anthony conveyed the love and greetings of Patriarch Kirill of Moscow and All Russia to His Beatitude and to the Antiochian Church. His Beatitude Patriarch John tasked Metropolitan Anthony with conveying the love and prayers of the children of the Antiochian Church to the Russian Church, led by His Holiness Patriarch Kirill. He praised the role played by the Russian Church in standing by the Antiochian Church, extending a helping hand to consolidate Christian presence in the Middle East and standing by humanity of all backgrounds despite the harsh conditions, war, destruction, and displacement. The meeting reviewed the current situation in the Middle East and highlighted the historical relations between the two churches and the pivotal role of these relations in facing all challenges. Both sides emphasized the depth and strength of these historical relations and the need to work to enhance them in every possible way. The meeting also addressed global ecclesiastical developments facing the Church on Christian and Orthodox levels, as well as the moral challenges affecting and undermining the foundations of the Christian family and the disintegration of… – Antioch Patriarchate بطريركية أنطاكية وسائر المشرق للروم الأرثوذكس | Facebook

エストニア当局が、キリスト教/エストニア正教会モスクワ総主教庁系首座/タリン・エストニア全土府主教エフゲニー座下の滞在許可延長を拒否(2024年1月)

 エストニア共和国当局は、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁下で自治的な権限を保有するエストニア正教会(モスクワ総主教庁系)の首座/タリン・エストニア全土府主教エフゲニー座下(His Eminence Evgeny【Yevgeniy】, Metropolitan of Tallinn and All Estonia, Primate of the Estonian Orthodox Church of Moscow Patriarchate)の滞在許可延長を認めませんでした。
 これは、エフゲニー府主教の、ロシア政権寄りの発言を理由とするもののようです。

※エフゲニー府主教はロシア国籍。

 これにより、同府主教は、2024年2月6日までにエストニア共和国を退去することになります。

 エストニア正教会モスクワ総主教庁系には、他に、
 ナルヴァ・ペイプシヴェーレ主教ラーザリ【ラザル】座下(His Grace Bishop Lazar of Narva and Peipsiveere)、
 マールドゥ主教セルギイ座下(His Grace Bishop Sergiy of Maardu, vicar of the Tallinn diocese)、
 の二人がおり、先代首座コルニリー座下永眠の際には、ラーザリ主教が首座の代行的役職を務めていました。

 

 (英語)Estonia forcing Russian head of church to leave the country by February 6 | News | ERR
 (英語)Metropolitan of Estonia must leave country in February—residence permit not renewed / OrthoChristian.Com
 (英語)Metropolitan of Estonia appeals decision not to renew his residence permit / OrthoChristian.Com

 

 (エストニア語・ロシア語:エストニア正教会モスクワ総主教庁系 公式ウェブサイト)Palume tugevdada palveid / Просим сугубых молитв » Эстонская Православная Церковь Московского Патриархата

 

続報:
 キリスト教/エストニア正教会モスクワ総主教庁系が緊急集会、首座/タリン・エストニア全土府主教エフゲニー座下の滞在許可延長を要求(2024年1月)当局の滞在許可延長拒否を受けて