着座25周年:キリスト教/“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”の着座25周年(2020年10月)

 2020年10月22日、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”首座/“フィラレート総主教”(キーウ・ルーシ=ウクライナ全土総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)は着座25周年を迎え、24~25日には祝いの意味を含めた礼拝がおこなわれました。

 同総主教庁の、
 “アンドリー大主教”(ペレヤースラウとビーラ・ツェールクヴァ大主教アンドリー座下 : His Eminence Archbishop Andriy of Pereyaslav and Bila Tserkva)、
 “ダニール主教”(ドニプロとクルィヴィーイ・リーフ主教ダニール座下 : His Grace Bishop Daniil of Dnipro and Kryvyi Rih)、
 “ヴァルソノフィー主教”(フメリニツキー・カメネツ=ポドリスク主教ヴァルソノフィー座下 : His Grace Bishop Varsonofy of Khmelnytsky and Kamyanets-Podilsky)、
 “ニコン主教”(オデッサ・バルタ主教ニコン座下 : His Grace Bishop Nikon of Odessa and Balta)、
 が礼拝に参列。

 説教では、フィラレート総主教を「裏切った」、ロシア正教会モスクワ総主教庁、モスクワ総主教庁下の故・ウクライナ府主教ヴォロディーミル【ボロジミル】座下、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の“エピファニー府主教”・“エヴストラティー大主教”らへの批判を述べた箇所もあるようです。

 着座25周年にはウクライナの国会議長が祝意を表明しています。

 

 (ウクライナ語:キエフ総主教庁 公式サイト)Святкування 25-ї річниці інтронізації Святійшого Патріарха Філарета – Українська Православна Церква Київський Патріархат

 

Київський Патріархат(キエフ総主教庁 公式チャンネル):
Святкове богослужіння з нагоди 25-ї річниці інтронізації Святійшого Патріарха Філарета – YouTube

 

#Молитва_з_Патріархом у неділю 20-ту… – УПЦ Київський Патріархат | Facebook

 

Патріарх Філарет – Святкове богослужіння з нагоди 25-ї річниці інтронізації Святійшого Патріарха Філарета | Facebook

 

Українська Православна Церква Київський ПатріархатさんはTwitterを使っています 「Святкування 25-ї річниці інтронізації Святійшого Патріарха Філарета https://t.co/4WmnHr49jY https://t.co/9uQy2fBfRz」 / Twitter

 

Святкування 25-ї річниці інтронізації… – Патріарх Філарет | Facebook

 

キリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)首座/キエフ府主教オヌフリー座下が、前首座であるボロジミル座下の永眠から5周年の礼拝をおこなう(2019年7月)

 2019年7月5日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の管轄権下で高度に自治的な権限を保有するウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)は、同教会の前首座であるキエフ・全ウクライナ府主教ボロジミル座下(ヴォロディーミル府主教 : ウラジーミル府主教 : His Beatitude Metropolitan VolodymyrVladimir】 of Kiev and All Ukraine)の永眠5周年の礼拝をおこないました。

関連:
 訃報(2014年7月5日):キリスト教/キエフ・全ウクライナ府主教ボロジミル座下、永眠(1935~2014)

 

Українська Православна Церква(ウクライナ正教会公式チャンネル):
5-та річниця смерті Блаженнішого Митрополита Володимира – YouTube

 

キリスト教/ロシア正教会/東南アジアにおける総主教代理/シンガポール・東南アジア府主教セルギイ座下が叙任後初の礼拝をおこなう(2019年2月)

 2019年2月10日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会/東南アジアにおける総主教代理/シンガポール・東南アジア府主教セルギイ座下(His Eminence Metropolitan Sergiy of Singapore and South-East Asia, Patriarchal Exarch in South-East Asia)が叙任後初の礼拝をシンガポールにておこなったようです。

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Head of the Patriarchal Exarchate in South-East Asia celebrates Divine Liturgy at Dormition church in Singapore | The Russian Orthodox Church
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Head of the Patriarchal Exarchate in South-East Asia celebrates Divine Liturgy at Dormition church in Singapore / News / Patriarchate.ru
 (英語)Interfax-Religion: Russian Orthodox Church’s Asian exarch assumes office created in response to Constantinople’s actions

 

 東南アジアにおける総主教代理区は、シンガポール、ベトナム、インドネシア、カンボジア、北朝鮮【朝鮮民主主義人民共和国】、韓国【大韓民国】、ラオス、マレーシア、フィリピン、タイ王国を管轄。
 セルギイ座下はモスクワ総主教庁事務局長ですが、一時的にこの職務は停止ということになっているようです。

 また、ロシア正教会はコンスタンティノープルとのシスマ(教会分裂)を受け、昨年末に「西欧における総主教代理区(Patriarchal Exarchate in Western Europe)」を設置しており、ボゴロツク主教イオアン座下がコールスニ・西欧府主教(Metropolitan of Korsun and Western Europe)として西欧における総主教代理(Patriarchal Exarch in Western Europe)となっています(1990年に廃止されていましたが再設置。廃止当時の総主教代理は、後にモスクワ総主教庁下でウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教となる故ボロジミル座下です。一連の事態がすべてつながっていることを感じさせます)。

 どちらもあわただしい叙任で、特に後者は主教から大主教を経ずに府主教に昇叙がなされたとのことで、教会分裂を受けて動きが活発化していることをうかがわせます(さらに少し前に別の地位で赴任予定だったアメリカ合衆国で入国を拒否されるという事態があったとか……)。

 なお、どちらも気が付いたら正教会表記(「西欧正教会」「東南アジア正教会」)がされているかもしれません(ベラルーシの例に倣って)。

 

 「西欧における総主教代理区」については、コンスタンティノープル管轄権下に属し昨年後半に総主教代理区(西欧ロシア伝統正教小教区総主教代理区)としての地位を一方的に剥奪された「西欧ロシア正教会大主教区」との区別がややこしいところもあります。
 どちらも現在の首座は(ロシア語では) Иоанн ですし。

 また、その総主教代理区としての地位を剥奪された西欧ロシア正教会大主教区は今月に臨時総会を開き、今後の活動方針を決定する模様です。
関連:
 キリスト教/コンスタンティノープル管轄下で一方的に総主教代理区としては廃止された西欧ロシア正教会大主教区の臨時総会が開催、集団としての解体を認めないと決定(2019年2月)

 

シスマ2018:キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教庁クリストポリス主教マカリオス座下が、現在“キエフ総主教”を称するフィラレート聖下が1990年にロシア正教会の首座になれなかったのは「ウクライナ人だったから」と発言していた模様(2018年9月)ロシア正教会系メディアは選出されたアレクシー2世聖下はドイツ人とスウェーデン人の血を引くエストニア人であると(微妙な)反論

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 先月、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの全地総主教庁のクリストポリス主教マカリオス座下(His Grace Bishop Makarios of Christoupolis)が、1990年のロシア正教会の首座選出において、現在“キエフ総主教”を称しているフィラレート聖下が選出されなかったのは「ウクライナ人だから」と発言していたようです。

 ロシア正教会系メディアは、選出されたモスクワ総主教アレクシー2世聖下もまたドイツ人とスウェーデン人の血を引くエストニア人であり、ロシア人ではないとしています(もっともこれは、ウクライナ人だから排除されたという主張への反論にするには微妙でもありますが)。

 

 (英語)Constantinople hierarch fuels nationalistic enmity, claims Philaret was not chosen as Russian patriarch because of Ukrainian origin / OrthoChristian.Com

 

 いずれにせよ、全地総主教庁はソ連崩壊後にロシア正教会の社会的地位を大幅に躍進させた故アレクシー2世の選出まで否定的に扱い始めました。
 なんといいますか……そろそろ分裂するのも仕方ないねという状況が完全に整いつつあるような気がします。

 

追記:
 なお、マカリオス座下は後に(ウクライナのメディアのサイトに掲載された)この発言記事は自分の承認を経たものでもないとしています(1週間もたってからギリシャ系正教会メディアで情報が出る有様ですが)。

 (ギリシャ語)Ο Χριστουπόλεως Μακάριος απαντά στον Βολοκολάμσκ Ιλαρίωνα

 

永眠したキリスト教/キエフ・全ウクライナ府主教ボロジミル座下の生前の映像(2014年7月)

 YouTube のロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネルに、2014年7月5日に永眠したキリスト教/東方正教会/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)の首座/キエフ・全ウクライナ府主教ボロジミル座下(ヴォロディーミル府主教 : ウラジーミル府主教 : His Beatitude Metropolitan VolodymyrVladimir】 of Kiev and All Ukraine)の生前の映像がアップロードされていたので貼り付けておきます。

 キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・全ロシア【全ルーシ】総主教キリル聖下(キリール総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)と共に映っている場面も多いです。

 

russianchurch(ロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネル):
Памяти Блаженнейшего митрополита Киевского Владимира – YouTube

 

追記:
関連してモスクワ総主教キリル聖下のインタビューもアップロードされました(ロシア語)/
russianchurch(ロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネル):
Интервью Патриарха Кирилла для фильма "Блаженнейший Владимир" – YouTube

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Интервью Святейшего Патриарха Кирилла для телефильма «Блаженнейший Владимир» / Видеоматериалы / Патриархия.ru
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Интервью Святейшего Патриарха Кирилла для телефильма «Блаженнейший Владимир» / Патриарх / Патриархия.ru