キリスト教/東方正教会/エルサレム総主教庁のイリネオス前総主教がギリシャのアテネで治療を受けることに合意(2019年8月)

 ギリシャの正教会系メディア Romfea 英語版が別のメディアからの情報として記事にしているところによりますと、先月に修道士への降格撤回と“前総主教”の称号の承認がおこなわれたイリネオス元エルサレム総主教(Eirinaios, Former Patriarch of Jerusalem)ですが、治療のためのギリシャ行きに同意したようです。

 

 (英語)Former Patriarch of Jerusalem finally comes to Athens – Romfea News

 

 経緯がいまいちはっきりしないのですが、

  • イリオネス修道士の健康状態悪化
  • 同修道士の姉か妹が、エルサレム総主教庁系の医療機関からひどい扱いを受けている(床に転がされているとか)と発言、ギリシャの総領事館に助けを求める
  • ギリシャ正教会のアテネ大主教が、新設した関連医療機関での受け入れ準備が出来ていると発言
  • ギリシャ総領事館「パスポートが“イリネオス総主教”になっているので無効。なんとかしてもらいたい」
  • エルサレム総主教庁が“前総主教”の称号を承認(いくつかのメディアによるとこれでパスポートが有効になったことになるらしいです)。そして適切なケアがおこなわれていると抗議声明
  • イリオネス前総主教がギリシャに行きたくない(エルサレムにとどまりたい)という意思を示す
  • 今回 → イリオネス前総主教がギリシャ行きに同意(記事からはパスポートの発効を申請する書類にサインしたように読めますが……)

 ということになりますが、今回申請したとすると、パスポートがどうたらという話は結局申請しなおさないといけないという当たり前の結論になったということなんでしょうか。よくわかりません。

 

 まだこの問題は引きずるかもしれません。
 イリネオス前総主教は、教会法上合法でない教会の中に「解任は無効で今も正当な総主教」とする勢力もあります。
 エルサレム総主教庁や報道からは、もう教会指導者としての職務をやるなど不可能な体調であるという前提が感じられますが、世の中なにが起こるかわかりません。

 

キリスト教/シリア正教会/アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下、東方正教会/アンティオキア総主教ヨウハンナ10世聖下、メルカイト東方典礼カトリック教会/アンティオキア総大司教ユーセフ・アブシ座下らが会見(2019年8月)

 2019年8月12日、キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)の招待により、
 キリスト教/東方正教会/アンティオキア・東方全土総主教ヨウハンナ10世聖下(ジョン10世 : His Beatitude Patriarch John X of Antioch and All the East)、
 キリスト教/ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/メルカイト東方典礼カトリック教会首座/アンティオキア・東方全土(、アレクサンドリア、エルサレム)総大司教ユーセフ・アブシ座下(His Beatitude Patriarch Youssef Absi, S.M.S.P., Patriarch of Antioch【Antiochia】 and All the East, of Alexandria and Jerusalem of the Melkite Greek Catholic Church)、
 シリア・アラブ共和国駐箚ローマ教皇大使【ローマの使徒座使節】マリオ・ゼナリ枢機卿座下(His Eminence Mario Cardinal Zenari, Apostolic Nuncio to Syria)、
 らが会見しました。

 シリアにおけるテロリストとの戦いへの団結の呼びかけや、拉致されたまま行方のわかっていない、
 シリア正教会のアレッポ大主教“モル”・グレゴリウス・ヨウハンナ・イブラヒム座下(Mor Gregorius Youhanna Ibrahim, Archbishops of Aleppo)、
 東方正教会/アンティオキア総主教庁のアレッポ府主教ブーロス・ヤジジ座下(ポール・ヤジジ大主教Boulos Yaziji【Paul Yazigi】, Metropolitan of Aleppo)、
 の無事の救出を祈ったようです。

 

 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)Statement of the Meeting of the Heads of the Christian Churches in Damascus | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch

Statement of the Meeting of the Heads of… – His Holiness Patriarch Mor Ignatius Aphrem II | Facebook

 

キリスト教/セルビア正教会の重鎮モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下が、「ローマでもコンスタンティノープルでもなく、エルサレムがすべての教会の母」(2019年7月)

 ロシアのタス通信【ТАСС / TASS】が、キリスト教/セルビア正教会/モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)へのインタビューを複数回記事にしています。
 その内容に関してのほとんどは、今まで主張されてきたものですが(モンテネグロのジュカノヴィッチ大統領はチトー主義者で無神論者なのに教会を作ろうとしている、など)、一部に注目すべき内容があります。

 

 (ロシア語:ほかにも記事があります)Митрополит: попытка повторить украинский раскол на Балканах станет объявлением войны СПЦ – Общество – ТАСС

 (英語)SOC hierarch: Jerusalem's mother of all Churches not Rome or Constantinople – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

 タス通信の記事が複数で長いのですべて読めていないのですが、その一分を引用している UOJ の英語記事によりますと(訳が少しあやしいですが)、アンフィロヒイェ座下は、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世より前の時代に戻るべきであり、すべての問題は公会議によって解決されるべきと主張しているようです。

 

 また、ローマでもコンスタンティノープルでもなく、東方正教会のすべての教会の母はエルサレムであるとしています。

 最近、エルサレム総主教庁の聖職者から、「エルサレムはすべての教会の母」という文言が挨拶に盛られることが多いのですが、今回のアンフィロヒイェ座下のコメントはそれを支持するかのようにも見えます。

 ただ、エルサレム総主教庁およびアンフィロヒイェ座下のコメントにどのような意味が込められているのかは、いまだはっきりとしない段階です。
 比喩的に用いられるならさして問題とならないものですが、「だからコンスタンティノープルではなくエルサレムが首位となるべき」というのであればこれはまた一つ大問題の発生でしょう。
 しかし、繰り返しますが、現状ではエルサレム総主教庁およびアンフィロヒイェ座下のコメントにどのような意味が込められているのかははっきりしません。

 

キリスト教/東方正教会/エルサレム総主教セオフィロス3世聖下が、ギリシャ外相ニコス・デンディアス閣下と会見(2019年7月)

 キリスト教/東方正教会/エルサレム・全パレスチナ総主教セオフィロス3世聖下(His Beatitude Theophilos III, Patriarch of Jerusalem and All Palestine)は、同地を訪問した、新任のギリシャ共和国外務大臣ニコス・デンディアス閣下(His Excellency Nikos Dendiasニコラオス・デンディアスNikolaos Dendias)と会見しました。

 

Jerusalem Patriarchate(エルサレム総主教庁公式チャンネル):
Ο ΥΠΟΥΡΓΟΣ ΕΞΩΤΕΡΙΚΩΝ ΤΗΣ ΕΛΛΑΔΟΣ Κ. ΝΙΚΟΛΑΟΣ ΔΕΝΔΙΑΣ ΕΠΙΣΚΕΠΤΕΤΑΙ ΤΟ ΠΑΤΡΙΑΡΧΕΙΟ ΙΕΡΟΣΟΛΥΜΩΝ – YouTube

 

 (英語:エルサレム総主教庁公式サイト)THE VISIT OF THE MINISTER OF FOREIGN AFFAIRS OF GREECE AT THE PATRIARCHATE

 

Nikos DendiasさんはTwitterを使っています: 「Κατά την επίσκεψή μου στο Ισραήλ συναντήθηκα με τον Πατριάρχη Ιεροσολύμων Θεόφιλο Γ', με τον οποίο είχαμε μία εξαιρετική συζήτηση. https://t.co/sco6YsTcfQ」 / Twitter

 

Υπουργείο ΕξωτερικώνさんはTwitterを使っています: 「Συνάντηση ΥΠΕΞ @NikosDendias με τον Πατριάρχη Ιεροσολύμων Θεόφιλο Γ΄ @JPatriarchate / FM @NikosDendias meets w/ Patriarch of #Jerusalem Theophilos III https://t.co/ICSS7nBKsR」 / Twitter

 

 (英語)The Greek Foreign Minister visited the Patriarch of Jerusalem – Romfea News

Romfea.newsさんはTwitterを使っています: 「Foreign Minister @NikosDendias held a meeting with Patriarch Theophilos III of @JPatriarchate on Sunday, July 28 #romfeanews https://t.co/xxtxif6dao」 / Twitter

Romfea.news – Foreign Minister Νίκος Δένδιας held a… | Facebook

 

着座式(2019年7月27日):キリスト教/シリア東方典礼カトリック教会/ダマス大司教ヨウハンナ・ジハード・ムタノス・バッター座下の着座式がおこなわれる。同教会総大司教、メルカイト東方典礼カトリック教会総大司教、マリオ・ゼナリ枢機卿座下、シリア正教会総主教らが臨席(2019年7月)

 2019年7月27日、キリスト教/ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/シリア東方典礼カトリック教会/ダマス大司教“モル”・ヨウハンナ・ジハード・ムタノス・バッター座下(His Most Reverend Excellency Archbishop Mor Youhanna Jihad Mtanos Battah, Archbishop of Damas)の着座式がおこなわれました。

 キリスト教/東方典礼カトリック教会/シリア東方典礼カトリック教会の首座/アンティオキア・東方全土総大司教“モラン”・“モル”・イグナティウス・ヨセフ3世ヨナン座下(His Beatitude Patriarch Moran Mor Ignatius Youssef III Younan, the Patriarch of Antioch and All the East for Syriac Catholic Church)が、司式。

 キリスト教/ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/メルカイト東方典礼カトリック教会の首座/アンティオキア・東方全土(、アレクサンドリア、エルサレム)総大司教ユーセフ・アブシ座下(His Beatitude Patriarch Youssef Absi, S.M.S.P., Patriarch of Antioch【Antiochia】 and All the East, of Alexandria and Jerusalem of the Melkite Greek Catholic Church)、
 シリア・アラブ共和国駐箚ローマ教皇大使【ローマの使徒座使節】マリオ・ゼナリ枢機卿座下(His Eminence Mario Cardinal Zenari, Apostolic Nuncio to Syria)、
 キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)及び総主教管轄ダマスカス大主教区総主教代理“モル”・ティモセオス・マッタ・アル・クーリー座下(His Eminence Mor Timotheos Matta Al-Khoury, Patriarchal Vicar of the Patriarchal Archdiocese of Damascus)、
 らが臨席したようです。

 

 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)Installation of the New Syriac Catholic Archbishop of Damascus | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch

 

قداسة سيدنا البطريرك يحضر رتبة تولية… – His Holiness Patriarch Mor Ignatius Aphrem II | Facebook