40周年(2018年9月28日):キリスト教/第263代ローマ教皇ヨハネ・パウロ1世の帰天より40年

 2018年9月28日、ローマ教皇尊者ヨハネ・パウロ1世(The Venerable Pope John Paul I)の帰天から40年が経過しました。

 

Vatican News – Italiano:
Quarantesimo anniversario morte Papa Giovanni Paolo I, Albino Luciani, 28-09-2018 – YouTube

 

Vatican News – English:
Pope John Paul I: The smiling pope – YouTube

 

 (英語)Pope John Paul I: The 'smiling pope' – Vatican News

 

シスマ2018:キリスト教/ウクライナ駐箚ローマ教皇大使館が、ウクライナ外務省公式サイトの内容(ローマ教皇聖座がウクライナへの独立正教会設置を支持しているかのようにとれるタイトルと記事)を否定。「東方正教会内部の問題」(2018年9月)

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 2018年9月25日、ローマ教皇庁国務省外務局局長ポール・リチャード・ギャラガー大司教座下(ホデルム名義大司教 : Archbishop Paul Richard Gallagher : Titular Archbishop of Hodelm)は、ウクライナ外務大臣パウロ・クリムキン閣下(His Excellency Mr Pavlo Klimkin)と会見しました。

 ウクライナ外務省はこの会談の内容について記事を出していましたが……

 

 (ウクライナ語:ウクライナ外務省公式サイト)Святий Престол поважає рішення українського народу щодо створення Єдиної помісної церкви | Міністерство закордонних справ України

Святий Престол поважає рішення українського народу щодо створення Єдиної помісної церкви

「ローマ教皇聖座は単一の(東方正教会の独立正教会の)教会を設置するというウクライナの人々の決定を尊重する」

 

 ウクライナ駐箚ローマ教皇大使館公式サイトがこれを否定。

 

 (英語:ウクライナ駐箚ローマ教皇大使館公式サイト)Communiqué of the Apostolic Nunciature in Ukraine – Apostolic Nunciature in Ukraine

this is an internal question of the Orthodox Church, on which the Holy See never did and has no intention whatsoever of expressing any evaluation, in any venue.

 東方正教会内部の問題であるとしています。
 引用より前の「wishes to once again state」という部分から、「またいわないといけないのか……」とうんざりしているのが伝わってくるようです。

 

 ウクライナ外務省公式サイトは、 stopfake.org のバナーをはってリンクしていますが、自らがフェイクニュースを発信している有様で、ウクライナ系メディアはさらにひどく、コンスタンティノープルの全地総主教庁ですらそれに乗っかって高位の聖職者が無責任な発言をしています。
 理由の一つは、各正教会の声明や首座の発言が、それぞれの言語(要するにほかのところの人には読めない)で発信されているケースが多いことでしょう。
 そしてもちろん、ウクライナ政府やウクライナ系メディア、そして全地総主教庁も、勝たないとすべてが終わるのでフェイクニュースでもなんでも、ということは間違いありません。
 しかし、この一連のフェイクニュースが、彼らにとって少しでもプラスになっているのかどうか?

 政治的ギャンブルが前面に出て進んできた「シスマ2018」ですが、さらに形容しがたい状況に突入しています。

 

シスマ2018:キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下が、ロシア正教会系のウクライナ正教会のオデッサ教区を訪問、教会法上合法である同教会とその首座のキエフ府主教オヌフリー座下への支持をあらためて表明(2018年9月)

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 2018年9月27日、キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下(His Beatitude Theodoros II, Pope and Patriarch of Alexandria and All Africa)は、ウクライナを訪問しました。

 オデッサ国際空港では、ロシア正教会モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会の、
 オデッサ・イズマイル府主教アガファンゲル座下(アハファンヘル府主教 : His Eminence Agafangel, Metropolitan of Odessa and Izmail)、
 ドネツク・マリウポリ府主教イラリオン座下(His Eminence Hilarion【Ilarion】, Metropolitan of Donetsk and Mariupol)、
 ゴルロフカ・スラヴャンスク府主教ミトロファン座下(His Eminence Mitrofan, Metropolitan of Gorlovsky and Sloviansk)、
 ユージュネ主教ディオドル座下(His Grace Diodor, Bishop of Yuzhne)、
 アルツィス主教ヴィクトル座下(His Grace Victor, Bishop of Artsyz)、
 らが出迎えたようです。

 アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下は、オデッサ大聖堂での礼拝にてウクライナの教会法上合法な教会の聖職者と信徒たちに、ウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)率いる教会法上合法な教会に留まるようにと伝えるためにやってきたとし、9月21日にポーランド正教会の首座/ワルシャワ・全ポーランド府主教サワ座下(His Beatitude Metropolitan Sawa of Warsaw and All Poland)と署名した文書は我々が教会法上合法なウクライナの教会と常に共にあることを示したものだと語りました。

 

Одесская епархия(ウクライナ正教会オデッサ教区公式チャンネル):
Молебен о единстве Православия в Украине – YouTube

 

Одесская епархия(ウクライナ正教会オデッサ教区公式チャンネル):
Патриарх Александрийский посетил Свято-Успенский кафедральный собор – YouTube

 

 (記事の掲載が終了しています)(ロシア語:ウクライナ正教会オデッサ教区公式サイト)Православная Одесса | В Одессу с дружеским визитом прибыл Предстоятель Александрийской Православной Церкви Блаженнейший патриарх Александрийский и всея Африки Феодор II
掲載時URL:http://eparhiya.od.ua/sobyitiya/sobyitiya/4861-v-odessu-s-drujeskim-vizitom-pribyil-predstoyatel-aleksandriyskoy-pravoslavnoy-tserkvi-blajenneyshiy-patriarh-aleksandriyskiy-i-vseya-afriki-feodor-ii
 (記事の掲載が終了しています)(ロシア語:ウクライナ正教会オデッサ教区公式サイト)Православная Одесса | Патриарх Александрийский Феодор II возглавил молебен о единстве Православия в Спасо-Преображенском кафедральном соборе г. Одессы (Видео)
掲載時URL:http://eparhiya.od.ua/sobyitiya/sobyitiya/4862-patriarh-aleksandriyskiy-feodor-ii-vozglavil-moleben-o-edinstve-pravoslaviya-v-spaso-preobrajenskom-kafedralnom-sobore-g_-odessyi-video
 (記事の掲載が終了しています)(ロシア語:ウクライナ正教会オデッサ教区公式サイト)Православная Одесса | Патриарх Александрийский Феодор II посетил Свято-Успенский Одесский кафедральный собор (Видео)
掲載時URL:http://eparhiya.od.ua/sobyitiya/sobyitiya/4863-patriarh-aleksandriyskiy-feodor-ii-posetil-svyato-uspenskiy-odesskiy-kafedralnyiy-sobor-video
 (記事の掲載が終了しています)(ロシア語:ウクライナ正教会オデッサ教区公式サイト)Православная Одесса | Патриарх Александрийский Феодор II возглавил молебен о единстве Православия в Спасо-Преображенском кафедральном соборе г. Одессы (Видео)
掲載時URL:http://eparhiya.od.ua/sobyitiya/sobyitiya/4862-patriarh-aleksandriyskiy-feodor-ii-vozglavil-moleben-o-edinstve-pravoslaviya-v-spaso-preobrajenskom-kafedralnom-sobore-g_-odessyi-video

 (ウクライナ語:ウクライナ正教会公式サイト)До Одеси прибув Патріарх Олександрійської Православної Церкви (+відео) – Українська Православна Церква
 (ウクライナ語:ウクライナ正教会公式サイト)Олександрійський Патріарх Феодор: Блаженніший Митрополит Онуфрій — глава канонічної Церкви в Україні (+відео) – Українська Православна Церква

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Блаженнейший Патриарх Александрийский Феодор посещает Одессу / Новости / Патриархия.ru

 

 9月21日にアレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下とワルシャワ・全ポーランド府主教サワ座下が署名した文書について、ウクライナ系メディアの一部が、コンスタンティノープルの全地総主教庁による一方的な独立正教会設置を支持する文書であるかのように伝えました。
追記:
 ウクライナ系メディアのみならずコンスタンティノープルの全地総主教庁の聖職者までそう発言したらしく、もはや全地総主教庁はウクライナ政府化しているといわねばならない状況。

 その後、9月24日にロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))がワルシャワにて両首座と会談しています。

 上記の文書についての言及はいうまでもなく、オデッサ教区を訪問したというのは意味合いがはっきりしています。
 オデッサ府主教のアガファンゲル座下は、現在“キエフ総主教”を称しているフィラレート聖下(ロシア正教会から破門)がかつてロシア正教会からウクライナの部分を強引に独立させようとしたときにモスクワ総主教庁のもとに留まることを主張し対立したうちの代表的人物です(親ロシア・強硬派といっていいくらい)。

 今回のセオドロス2世聖下のウクライナ訪問が事前の予定にあったものなのかどうかははっきりしませんが……(イラリオン座下の要請を受けて急遽、というのも考えにくいことですが、現在の事態が事態なのでありうるのかもしれません)。

 

追記:
 アレクサンドリア総主教庁の公式サイトが更新されアガファンゲル座下の80歳の誕生日記念式典に招待されていたとされています。

 — [ Greek Orthodox ] — | THE ALEXANDRIAN PRIMATE INVITED TO THE 80th BIRTHDAY OF METROPOLITAN AGATHANGELOS OF ODESSA

 また、細かいことはよくわからないのですが、セオドロス2世聖下は、主教叙聖前に(?)、オデッサにて「アレクサンドリア総主教のロシアにおける総主教代理」(正確な名称未確認)を務めていた模様です。

 

訪問2日目:キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下によるウクライナ正教会オデッサ教区訪問2日目(2018年9月)ロシア正教会系のウクライナ正教会及びモルドバ正教会の主教らと共同礼拝
訪問3日目:キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下がウクライナ正教会首座/キエフ府主教オヌフリー座下と共同礼拝(2018年9月)アガファンゲル府主教座下の80歳を祝う

 

シスマ2018:キリスト教/アメリカ府主教ティーホン座下が、コンスタンティノープルの全地総主教庁がウクライナに独立正教会を設置しようとしている件について大主教教書を発布(2018年9月)汎正教会会合の開催呼びかけと、現行のロシア正教会系のウクライナ正教会支持

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 2018年9月26日、キリスト教/東方正教会/アメリカ正教会【OCA】の首座/ワシントン大主教、全アメリカ・カナダ府主教ティーホン座下(His Beatitude Metropolitan Tikhon of All America and Canada, Archbishop of Washington)は、コンスタンティノープルの全地総主教庁がウクライナに独立正教会を設置しようとしている件について大主教教書を発布しました。

 

 (英語:アメリカ正教会【OCA】公式サイト)Metropolitan Tikhon issues Archpastoral Letter concerning recent developments in Ukraine – Orthodox Church in America

 

 汎正教会会合の開催呼びかけと、現行のロシア正教会系のウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)の支持、ということで、特に驚きはなく、また特に影響はないでしょう。
 また、ロシア正教会が全地総主教庁とユーカリスト・コミュニオンを停止することへの懸念は強いようです。

 ロシア正教会が主教らの交流を停止したことにより、アメリカ合衆国教会法上合法主教会議(Assembly of Canonical Orthodox Bishops of the United States of America)などのアセンブリーは重要な決定がくだせない状況にあると思います(議長が全地総主教庁から出ているのでロシア正教会の主教が出席しない)。
 そして、ユーカリスト・コミュニオンが停止されると(その重要性はともかくとして同会議としては)8月に新しく出したばかりの主教・教区情報が、一部の人たちには無意味なものになってしまうということもあります。
 また、アメリカ正教会【OCA】は全地総主教庁からは独立を認められていないものの、同協議会では独立した管轄権を持つものとして扱われており、今後全地総主教庁側がアメリカ正教会自体をどう位置づけていくのかというのも気になるところではあります。

 

キリスト教/セルビア正教会のザフムリェ・ヘルツェゴビナ・プリモルスカ主教【ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、クロアチア、モンテネグロのそれぞれ一部を管轄】に選出されたディミトリイェ掌院が主教叙聖・着座(2018年9月)

 2018年5月に、キリスト教/セルビア正教会のザフムリェ・ヘルツェゴビナ・プリモルスカ主教に選出されたディミトリイェ掌院(Bishop-elect Dimitrije of Zahumlje-Herzegovina and the Littoral)の叙聖・着座がおこなわれたようです。ディミトリイェ座下はモンテネグロ出身。

 同主教区は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ(のおそらくスルプスカ共和国【セルビア人共和国】を中心とした地域)とクロアチアとモンテネグロの一部を管轄しているようです。
 主教を務めていたグリゴリイェ座下は、デュッセルドルフ・全ドイツ主教に着座しており、その後任となります。

 キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)、
 キリスト教/セルビア正教会/モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイトに、セルビア共和国の「Политика(Politika)」によるモンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)、
 らが臨席。

 

※一部違う動画がまじっているかもしれません。

Телевизија Храм:
Хиротонисан и устоличен нови Епископ захумско херцеговачки г дин Димитрије – YouTube

 

Телевизија Храм:
Увођење у трон и приступна беседа Владике захумско херцеговачког Димитрија – YouTube

 

Телевизија Храм:
Беседа Патријарха Иринеја на устоличењу Владике захумско херцеговачког Димитрија – YouTube

 

Телевизија Храм:
Обраћање Владике Григорија на дан устоличења новоизабраног Епископа захумско-херцеговачког Димитрија – YouTube

 

Телевизија Храм:
Хиротонија и устоличење Епископа захумско-херцеговачког и приморског г-дина Димитрија – YouTube

 

 (英語:セルビア正教会公式サイト)Proclamation of the Bishop-elect Dimitrije of Zahumlje-Herzegovina and the Littoral | Serbian Orthodox Church [Official web site]

 (セルビア語:セルビア正教会ザフムリェ・ヘルツェゴビナ・プリモルスカ主教区公式サイト)Наречење изабраног Епископа ЗХиП Господина Димитрија | Епархија ЗХиП
 (セルビア語:セルビア正教会ザフムリェ・ヘルツェゴビナ・プリモルスカ主教区公式サイト)Хиротонија и устоличење Епископа Захумско-херцеговачког и приморског Господина Димитрија | Епархија ЗХиП

 (セルビア語:セルビア正教会モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Наречење изабраног Епископа захумско-херцеговачког и приморског г. Димитрија | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)
 (セルビア語:セルビア正教会モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Хиротонија и устоличење Епископа Захумско-херцеговачког и приморског Господина Димитрија | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)
 (セルビア語:セルビア正教会モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Приступна беседа Епископа захумско-херцеговачког и приморског г. Димитрија | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)