キリスト教/アルメニア使徒教会カトリコスのガレギン2世聖下が、大統領・首相らと独立記念日の式典へ(2018年9月)

 2018年9月21日、キリスト教/アルメニア使徒教会/全アルメニア人のカトリコス・最高総主教ガレギン2世聖下(His Holiness Karekin II, Supreme Patriarch and Catholicos of All Armenians)は、アルメニア共和国大統領アルメン・サルグシャン閣下(サルキシャン大統領 : His Excellency Mr Armen Sargsyan【Sarkissian】)、アルメニア共和国首相ニコル・パシニャン閣下(His Excellency Mr Nikol Pashinyan)らと、アルメニア共和国独立記念日の式典に臨みました。

 

Armenian Church(アルメニア使徒教会 聖エチミアジン母座 公式チャンネル):
Independence Day of the Republic of Armenia – YouTube

 

キリスト教/セルビア正教会の重鎮モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下へのインタビュー記事(2018年9月)

 キリスト教/セルビア正教会/モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイトに、セルビア共和国の「Политика(Politika)」によるモンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)へのインタビュー記事が掲載されています。

※同ニュースの公式サイトに記事が見当たらないので、元記事は今のところ紙媒体なのかと思います。教会の公式サイトに転載したら意味ない気もしますが……。

 

 (セルビア語:セルビア正教会モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Политика: Интервју Митрополита црногорско-приморског г. Амфилохија | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 

 内容ですが、モンテネグロ政府との地所の返還かなにかに関する問題について、カトリックや、イスラム教、ユダヤ教も絡んで解決していない、という問題が最初に出ていますが、以降はモンテネグロ大統領ミロ・ジュカノヴィッチ閣下(His Excellency Mr Milo ĐukanovićМило Ђукановић)への批判、大統領への批判、そして大統領への批判、と最後に少しだけシスマの話という内容でした。
 シスマの内容メインかなと思ったんですが……まだまだ他人事のようです。

 大統領への批判の内容ですが、大統領がセルビア正教会のモンテネグロ・プリモルスカ府主教庁を「大セルビア主義」「ロシアの手先」などとしていることについて、大統領を「チトー系のマルクス主義者」「教会についてなにもわかっていない」と応酬しているようです。
 また、「私にとってはモンテネグロはペトロヴィッチ=ニェゴシュ王朝のニコラ1世王まで続く東方正教会の国だが、ジュカノヴィッチ大統領にとってはチトーによる反宗教・反東方正教会の国だ」というようなことも述べていると思います(モンテネグロ王国もチトーのユーゴスラビアも滅んでいるじゃないかということはさておき)。
 (ちなみに「大統領は私の友で、私の兄弟で、セルビア人の兄弟だ」とも述べています)

 セルビア共和国から“独立”したコソボについては極めて批判的かつ否定的(詳細がよくわかりませんが【読解力不足】、モンテネグロ人に関連する聖堂がいくつか破壊されたのだと思います)。

 

 さて、“シスマ”に関するコメントですが、

関連:
 【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 末尾に少しだけあるだけです。
 記者がウクライナでの問題のモンテネグロへの影響を尋ねたのに対し、そもそも“キエフ総主教庁”が、モンテネグロにおける教会法上合法でない教会「モンテネグロ正教会(Montenegrin Orthodox Church : MOC : CPC)」とフル・コミュニオンの状態に、ずっと前になっていることを指摘しています。
 また、コンスタンティノープルの全地総主教バルソロメオス聖下は、ウクライナに独立正教会を設置しようとしているものの、仮にキエフ総主教庁が独立を認められても、それとフル・コミュニオンにある上記の「モンテネグロ正教会」の首座ミハイロ府主教との関係回復はありえないという見通しを述べています。
※ミハイロ府主教は、コンスタンティノープルの全地総主教庁から、 excommunication と anathema を受けており(要は完全に破門されており)、これの撤回はありえない、ということです。

 もっとも、これらの内容は、興味のある人ならだいたい知ってることであり、新しい情報はなに一つありません。
※あえていえば、“キエフ総主教庁”と「モンテネグロ正教会」のフル・コミュニオンが現時点でも継続しているであろうことが確認できたくらい。

 また、全地総主教とミハイロ府主教との関係回復はないとしていますが、個人的な意見としては、今の全地総主教庁ならなにをやっても不思議ではない気がします。

※もともとミハイロ府主教を主教に叙聖したのはブルガリア正教会から分離した「ブルガリア正教会代替シノド(Bulgarian Orthodox Church – Alternative Synod)」の主教だったと思いますが、このシノドがブルガリア正教会との関係正常化を図っていたはずで(どうなったのかいまいちわからないのですが)、仮に叙聖した主教がブルガリア正教会に戻っているとするとミハイロ府主教の主教叙聖が有効化される可能性があるかもしれません。

 

シスマ2018:キリスト教/アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下とポーランド正教会首座サワ府主教座下が共同声明(2018年9月)

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 2018年9月21日付で、ポーランド共和国訪問中のキリスト教/東方正教会/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下(His Beatitude Theodoros II, Pope and Patriarch of Alexandria and All Africa)とキリスト教/東方正教会/ポーランド正教会の首座/ワルシャワ・全ポーランド府主教サワ座下(His Beatitude Metropolitan Sawa of Warsaw and All Poland)は、コンスタンティノープルが独立正教会を設置しようとしていることにともなうウクライナの東方正教会の現状に関する共同声明を発表しました。

 

 (ギリシャ語:東方正教会アレクサンドリア総主教庁公式サイト)— [ Greek Orthodox ] — | EKΚΛΗΣΗ ΤΩΝ ΔΥΟ ΠΡΟΚΑΘΗΜΕΝΩΝ

 (ポーランド語:ポーランド正教会公式サイト)ORTHODOX | Komunikat Kancelarii Metropolity
 (PDFファイル直接リンクApel-Ukraina.pdf

 

 両方とも画像ファイル(片方はPDFですがスキャンしただけみたいで、しかも文字がかすれています)です。
 内容自体も遠回しなものですが(どうしたらいいか良い智慧がないからでしょうが)、全地総主教庁によるウクライナへの独立正教会設置は、東方正教会全体にとっていかがなものかというような意味合いになるでしょうか。

 

 (英語)Alexandrian and Polish primates call for peace in Ukraine over autocephaly issue / OrthoChristian.Com

 

 (ウクライナ語:ウクライナ正教会公式サイト)Предстоятелі Олександрійскої та Польської Церков звернулися із закликом допомогти спільно вирішити «церковні непорозуміння, пов’язані з наданням автокефалії Українській Церкві» – Українська Православна Церква

 

 (ルーマニア語:ルーマニア正教会通信)Declarație comună privind situația Ucrainei semnată de Patriarhul Alexandriei și Mitropolitul Poloniei – Basilica.ro
 (英語:ルーマニア正教会通信)Joint declaration of Patriarch Theodoros of Alexandria and Metropolitan Sawa of Warsaw regarding the situation of Ukraine – Basilica.ro

Declarația comună a fost semnată la… – Agenția de știri Basilica | Facebook

Basilica.roさんのツイート: "Declarația comună a fost semnată la finalul Sfintei Liturghii concelebrate vineri la Biserica Nașterea Maicii Domnului din Bielsko Podlaski. https://t.co/p5wbmbTfvW"

 

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Предстоятели Александрийской и Польской Православных Церквей выступили с призывом в связи с событиями, касающимися положения Православия на Украине / Новости / Патриархия.ru
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Предстоятели Александрийской и Польской Православных Церквей выступили с призывом в связи с событиями, касающимися положения Православия на Украине | Русская Православная Церковь
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Primates of the Church of Alexandria and Polish Orthodox Church issue appeal concerning the situation of Orthodoxy in Ukraine | The Russian Orthodox Church

 

追記:
 なお、曖昧な内容なため、例によってウクライナ系メディアが自分に都合のいいように(二人は独立正教会設置支持だと)報道しているようです。
 はっきりいって現時点でこんな曖昧な声明を出す両首座も無責任で、ニュートラルでいられるということはもはやありえないと思います。

 

キリスト教/東方正教会/エルサレム総主教セオフィロス3世聖下がロシア正教会のサンクトペテルブルク・ラドガ府主教ヴァルソノフィー座下と会見、勲章を授与(2018年9月)

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 2018年9月17日、キリスト教/東方正教会/エルサレム・全パレスチナ総主教セオフィロス3世聖下(His Beatitude Theophilos III, Patriarch of Jerusalem and All Palestine)は、エルサレム巡礼中のキリスト教/東方正教会/ロシア正教会/サンクトペテルブルク・ラドガ府主教ヴァルソノフィー座下(His Eminence Metropolitan Varsonofy of St. Petersburg and Ladoga)と会見しました。
 エルサレム総主教庁から、コンスタンティナ大主教アリスタルコス座下(Geronda Secretary-General Most Reverend Archbishop Aristarchos of Constantina)らが同席。

 セオフィロス3世聖下は、ヴァルソノフィー府主教座下に聖十字勲章【聖墳墓十字勲章?】第一等を授与。
 府主教座下は、モスクワ総主教キリル聖下からの挨拶を伝え、また、セオフィロス3世聖下が、モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)を支持していることに感謝しました。

※セオフィロス3世聖下は、まだコンスタンティノープル全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の間がここまで悪化する前に、オヌフリー座下について「神がウクライナの難局を乗り越えるために選んだ人物」という発言をしています。今では「しまった」と思っているかもしれません。

 

Jerusalem Patriarchate(東方正教会エルサレム総主教庁公式チャンネル):
O ΜΑΚΑΡΙΩΤΑΤΟΣ ΠΑΡΑΣΗΜΟΦΟΡΕΙ ΤΟΝ ΣΕΒΑΣΜΙΩΤΑΤΟ ΜΗΤΡΟΠΟΛΙΤΗ ΑΓΙΑΣ ΠΕΤΡΟΥΠΟΛΕΩΣ Κ. ΒΑΡΣΑΝΟΥΦΙΟ – YouTube

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Chancellor of the Moscow Patriarchate meets with Primate of the Orthodox Church of Jerusalem | The Russian Orthodox Church

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Управляющий делами Московской Патриархии встретился с Предстоятелем Иерусалимской Православной Церкви / Новости / Патриархия.ru
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Управляющий делами Московской Патриархии встретился с Предстоятелем Иерусалимской Православной Церкви | Русская Православная Церковь

 

O ΜΑΚΑΡΙΩΤΑΤΟΣ ΠΑΡΑΣΗΜΟΦΟΡΕΙ ΤΟΝ… – Jerusalem-Patriarchate | Facebook

 

 このほか、ヴァルソノフィー座下は、エルサレム総主教庁のエレノポレオス府主教イオアキム座下(His Eminence Metropolitan Ioachim of Helenoupolis)と共同礼拝をおこないました。

 

キリスト教/ロシア正教会モスクワ総主教キリル聖下が、モスクワ市長ソビャーニン閣下と会見(2018年9月)

 2018年9月20日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・全ロシア【全ルーシ】総主教キリル聖下(キリール総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)は、再選を果たしたモスクワ市長セルゲイ・セミョーノヴィチ・ソビャーニン閣下(Sergey Semyonovich Sobyanin)と会見しました。
 この後、市と総主教庁が共同で運用している財団に関する会合がおこなわれたようです。

 

russianchurch(ロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネル):
Состоялась беседа Святейшего Патриарха Кирилла с мэром Москвы С.С. Собяниным – YouTube

 

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Состоялась беседа Святейшего Патриарха Кирилла с мэром Москвы С.С. Собяниным / Новости / Патриархия.ru