2018年10月9日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁下で自治的な権限を保有するエストニア正教会(モスクワ総主教庁系)の首座/タリン・全エストニア府主教エフゲニー座下(His Eminence Yevgeniy, Metropolitan of Tallinn and All Estonia, Primate of the Estonian Orthodox Church of Moscow Patriarchate)は、エストニア共和国首相ユリ・ラタス閣下(Jüri Ratas)を訪問したようです。
エフゲニー座下は1957年10月9日生まれで、訪問当日に61歳を迎え、首相から祝いの言葉を受けました。
両者は国家と教会の様々な分野での協力の重要性を強調しましたが、エフゲニー座下は教会は政治とは関わらず人道上の問題で協力するということを述べたようです(この辺りはどこでもだいたいいつも通りのことです)。
一方、聖堂の所有権や、聖職者の入国に関する受け入れ人数の変更の可能性といった話が出ています。
前者については、推測ですが、エストニア共和国はコンスタンティノープルの全地総主教庁系のエストニア使徒正教会を古くからエストニアに存在した教会勢力の後継と認めているため、エストニア正教会モスクワ総主教庁系との間で、各聖堂の所有権に関する認識にずれがある、ということだと思います。
後者ですが、こちらも推測ですが、エストニア政府がロシア人聖職者の移住を食い止めたいということがありうるかもしれません(しかし、ロシアを名指ししていないので、もしロシア限定でないなら他の国の他の宗派宗教すべてにあてはまります)。
(ロシア語:エストニア正教会(モスクワ総主教庁系)公式サイト)Встреча Митрополита Таллиннского и всея Эстонии Евгения и Премьер-министра Эстонии Юри Ратаса | Эстонская Православная Церковь Московского Патриархата
(ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Состоялась встреча митрополита Таллинского и всея Эстонии Евгения и премьер-министра Эстонии Юри Ратаса / Новости / Патриархия.ru
シスマによりエストニア共和国は大きな影響をこうむる可能性もあり、そのことについて話し合われた可能性もありますが……。