キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教バルソロメオス聖下とギリシャ正教会首座アテネ大主教イエロニモス2世座下の会談が突如キャンセルとのこと(2018年10月)

 ギリシャ系正教会メディア「ΡΟΜΦΑΙΑ(Romfea.gr)」によりますと、2018年10月4日に予定されていたキリスト教/東方正教会首席/コンスタンティノープル=新ローマ大主教・全地総主教バルソロメオス聖下(バーソロミュー1世世界総主教バルトロマイ1世ヴァルソロメオス1世 : His All-Holiness Bartholomew, Archbishop of Constantinople-New Rome and Ecumenical Patriarch)とキリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会首座/アテネ・全ギリシャ大主教イエロニモス2世座下(His Beatitude Hieronymos II, Archbishop of Athens and All Greece and Primate of the Autocephalous Orthodox Church of Greece)の会談が突如キャンセルされ、理由も開示されていないそうです。

 

 (ギリシャ語)ΑΠΟΚΛΕΙΣΤΙΚΟ: Ακυρώνεται η συνάντηση Ιερωνύμου – Βαρθολομαίου

 

 とりあえずですが、ウクライナを巡るロシア正教会との問題とは関係なさそうです。

 

キリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下が、セルビアのロシア連邦駐箚大使と会見(2018年10月)

 2018年10月4日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))は、ロシア連邦駐箚セルビア共和国特命全権大使スラヴェンコ・テルジッチ閣下(His Excellency Slavenko Terzić)と会見しました。

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)DECR chairman meets with Serbian ambassador to Russia | The Russian Orthodox Church

 

シスマ2018:キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教庁クリストポリス主教マカリオス座下が、現在“キエフ総主教”を称するフィラレート聖下が1990年にロシア正教会の首座になれなかったのは「ウクライナ人だったから」と発言していた模様(2018年9月)ロシア正教会系メディアは選出されたアレクシー2世聖下はドイツ人とスウェーデン人の血を引くエストニア人であると(微妙な)反論

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 先月、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの全地総主教庁のクリストポリス主教マカリオス座下(His Grace Bishop Makarios of Christoupolis)が、1990年のロシア正教会の首座選出において、現在“キエフ総主教”を称しているフィラレート聖下が選出されなかったのは「ウクライナ人だから」と発言していたようです。

 ロシア正教会系メディアは、選出されたモスクワ総主教アレクシー2世聖下もまたドイツ人とスウェーデン人の血を引くエストニア人であり、ロシア人ではないとしています(もっともこれは、ウクライナ人だから排除されたという主張への反論にするには微妙でもありますが)。

 

 (英語)Constantinople hierarch fuels nationalistic enmity, claims Philaret was not chosen as Russian patriarch because of Ukrainian origin / OrthoChristian.Com

 

 いずれにせよ、全地総主教庁はソ連崩壊後にロシア正教会の社会的地位を大幅に躍進させた故アレクシー2世の選出まで否定的に扱い始めました。
 なんといいますか……そろそろ分裂するのも仕方ないねという状況が完全に整いつつあるような気がします。

 

追記:
 なお、マカリオス座下は後に(ウクライナのメディアのサイトに掲載された)この発言記事は自分の承認を経たものでもないとしています(1週間もたってからギリシャ系正教会メディアで情報が出る有様ですが)。

 (ギリシャ語)Ο Χριστουπόλεως Μακάριος απαντά στον Βολοκολάμσκ Ιλαρίωνα

 

着座11周年(2018年9月30日):キリスト教/ルーマニア総主教ダニエル聖下の着座11周年

 2018年9月30日、キリスト教/東方正教会/ルーマニア正教会の首座/ルーマニア正教会総主教ダニエル聖下(ブカレスト大主教 : ムンテニア・ドブロジャ府主教 : カエサレア・カッパドキアエ座代行 : His Beatitude Daniel, Archbishop of Bucharest, Metropolitan of Muntenia and Dobrudgea, Locum tenens of the throne of Caesarea Cappadociae, Patriarch of the Romanian Orthodox Church)は、ルーマニア総主教着座より11周年を迎えました。

 式典がおこなわれ、
 プロイェシュティ主教ヴァルラアム座下(His Grace Varlaam, Bishop of Ploiești)、
 がスピーチ。

 

TRINITAS TV:
11 ani de la întronizarea Patriarhului Daniel – YouTube

 

TRINITAS TV – Sfânta Liturghie arhierească de la Catedrala…

 

 (英語:ルーマニア正教会通信)His Beatitude Daniel celebrates 11th anniversary of the enthronement as Romanian Patriarch – Basilica.ro
 (英語:ルーマニア正教会通信)‘First we owe to give thanks to God’: Patriarch Daniel on his 11th enthronement anniversary – Basilica.ro
 (英語:ルーマニア正教会通信)Romanian Patriarch Daniel prayerfully celebrates 11th enthronement anniversary – Basilica.ro

 (ルーマニア語:ルーマニア正教会ベッサラビア府主教庁公式サイト)Ierarhii Mitropoliei Basarabiei prezenți la slujba aniversară a PF Părinte Patriarh Daniel | Mitropolia

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)His Holiness Patriarch Kirill greets Primate of Romanian Orthodox Church with 11th anniversary of his elevation to the Patriarchal throne | The Russian Orthodox Church
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)DECR chairman sends greetings to His Beatitude Patriarch Daniel of Romania on the 11th anniversary of his enthronement | The Russian Orthodox Church
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Поздравление Святейшего Патриарха Кирилла Предстоятелю Румынской Православной Церкви по случаю одиннадцатой годовщины возведения на Патриарший престол | Русская Православная Церковь
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Председатель ОВЦС направил Блаженнейшему Патриарху Румынскому Даниилу поздравление по случаю одиннадцатой годовщины интронизации | Русская Православная Церковь

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Поздравление Святейшего Патриарха Кирилла Предстоятелю Румынской Православной Церкви по случаю одиннадцатой годовщины возведения на Патриарший престол / Патриарх / Патриархия.ru

 

シスマ2018:ウクライナのNGOがポロシェンコ政権がウクライナ憲法の政教分離を無視して宗教に介入しているとしてキエフの地区裁判所(?)に提訴した模様(2018年10月)

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

 ウクライナのNGO「法の支配」が、ペトロ・ポロシェンコ政権の政治家たちなどがコンスタンティノープルの全地総主教庁にウクライナへの独立正教会設置を求めたのは、ウクライナ憲法の政教分離を無視しての宗教への介入にあたるとしてキエフの地区裁判所(?)に提訴した模様です(9月末)。
 2018年10月1日、裁判所はこれを受理し、11月13日に審査かなにかがおこなわれるようです。

※いろいろ間にあわないのでは……?

 

 (ウクライナ語:キエフ地区裁判所?公式サイト)До суду звернулись щодо компетенції органів влади втручатися у діяльність церкви шляхом підписання та направлення звернення до Вселенського Патріарха Варфоломія про надання Томосу | Окружний адміністративний суд міста Києва

 (ロシア語)За что против Порошенко подали иск в суд и на каких основаниях | ВЕСТИ

 (ウクライナ語:ウクライナ正教会公式サイト)Київський суд розгляне позов про втручання Президента у церковні справи (оновлено) – Українська Православна Церква
 (ロシア語:ウクライナ正教会公式サイト)Киевский суд рассмотрит иск о вмешательстве Президента в церковные дела – Українська Православна Церква

 

 このNGOの立ち位置がわかりませんが、ポロシェンコ政権の政治家らからは「ロシアの手先」といわれるのは間違いないでしょう。スパイ疑惑で逮捕されるかもしれません。