キリスト教/クレタ正教会首座のクレタ大主教イリネオス座下が解任される(2021年12月)

 2021年12月2日、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの管轄権下で自治的な権限を持つクレタ正教会の首座/クレタ大主教イリネオス座下(His Eminence Archbishop Irinaios of Crete)が、健康問題を理由に解任されたようです。

 

 (英語)Archbishop of Crete officially retired by Holy Synod of Constantinople / OrthoChristian.Com

 

続報:
 着座式(2022年2月5日):キリスト教/クレタ正教会首座のクレタ大主教エウゲニオス2世座下の着座式

着座式(2021年9月5日):キリスト教/セルビア正教会/モンテネグロ府主教ヨアニキイェ座下の着座式がおこなわれる

 2021年9月5日、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会のモンテネグロ・沿海府主教に選出されているヨアニキイェ座下(His Eminence Metropolitan Joanikije of Montenegro and the Littoral)の着座式がモンテネグロのツェティニェ修道院でおこなわれました。

追記:
 なお、ヨアニキイェの名を持つモンテネグロ府主教が歴代二人目のため、ヨアニキイェ2世Joanikije II)としている表記があります。今のところ、教会公式サイトなどでは見かけていません。

 、セルビア総主教ポルフィリイェ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Porfirije, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)により司式され、礼拝ではクルシェヴァツ主教ダヴィド座下(His Grace Bishop David of Kruševac)が参加したようです。

※なお、反セルビア正教会の抗議活動を警戒してか、ポルフィリイェ総主教とヨアニキイェ府主教はヘリコプターにより同地に到着した後、軍の兵士(?)に警護されてツェティニェ修道院に入ったようです。

 その後、ポドゴリツァのハリストス復活大聖堂での礼拝や、式典がおこなわれました。

 

ライブ映像/
Радио Светигора:
Устоличења Митрополита Јоаникија – 05. 09. 2021. – YouTube

 

 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Patriarch Porfirije has arrived to Cetinje Monastery | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Metropolitan Joanikije of Montenegro and the Littoral enthroned | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Biography of Metropolitan Joanikije of Montenegro and the Littoral | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Patriarch Porfirije: Metropolitan Joanikije has the support of our entire Church, all our Orthodox people wherever they live and all the brothers hierarchs without a shred of reserve | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Patriarch Porfirije at the Podgorica airport: I pray to God for this country, for this people and for all people, and I ask them to pray for me, because they are closer to God | Serbian Orthodox Church [Official web site]

 (セルビア語:セルビア正教会 モンテネグロ・沿海府主教庁 公式サイト)Митрополит Јоаникије свечано устоличен у трон Светог Петра Цетињског: Јеванђеље Христово ће бити темељ свега што ћу радити и градити | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)
 (セルビア語:セルビア正教会 モンテネグロ・沿海府主教庁 公式サイト)Приступна бесједа Митрополита црногорско-приморског г. Јоаникија | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 

Телевизија Храм:
Беседа Патријарха Порфирија на устоличењу Митрополита Црногорско-приморског Г. Јоаникија – YouTube

 

Телевизија Храм:
Приступна беседа Митрополита Црногорско-приморског Г. Јоаникија – YouTube

 

Телевизија Храм:
Песма посвећена устоличењу Митрополита црногорско-приморског Г. ЈОАНИКИЈА – YouTube

 

Телевизија Храм:
Посета Патријарха Порфирија Митрополији црногорско-приморској – YouTube

 

Novosti:
Ustoličen mitropolit Joanikije – YouTube

 

Novosti:
POČELO USTOLIČENJE MITROPOLITA JOANIKIJA – YouTube

 

Novosti:
"DOSTOJAN": Ustoličenje mitropolita Joanikija na Cetinju – YouTube

 

Novosti:
Patrijarh Porfirije i mitropolit Joanikije stigli na Cetinje – YouTube

 

Патријарх ПорфиријеはInstagramを利用しています:「Растајем се, надам се не за дуго, са овом благословеном земљом и народом, са двоструким осећањима. Срећан сам веома јер смо извршили дело…」

 

参列した高位聖職者:
エルサレム総主教庁/
 カタール大主教マカリオス座下(His Eminence Archbishop Makarios of Qatar)

ロシア正教会/
 トヴェリ・カシン府主教アンヴロシー座下(His Eminence Metropolitan AmbroseAmvrosiy】 of Tver and Kashin)

ブルガリア正教会/
 ロヴェチ府主教ガヴリール座下(His Eminence Metropolitan GabrielGavriil】 of Lovech)

アルバニア正教会/
 ジロカストラ府主教ジミタル座下(His Eminence Metropolitan Dhimiter of Gjirokastra)

ポーランド正教会/
 シェミャティチェ主教ヴァルソノフィウシュ座下(His Grace Bishop Warsonofiusz of Siemiatycze)

チェコ・スロバキア正教会/
 ミハロウツェ・コシツェ大主教ユライ座下(His Eminence Archbishop GeorgeJuraj】 of Michalovce and Košice)

在外ロシア正教会/

ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系):

セルビア正教会/

 シュマディヤ主教ヨヴァン座下(His Grace Bishop Jovan of Šumadija)

 クルシェヴァツ主教ダヴィド座下(His Grace Bishop David of Kruševac)

 ニシュ主教アルセニイェ座下(His Grace Bishop Arsenije of Niš)

 (元)カナダ主教ゲオルギイェ座下(His Grace Bishop Georgije, retired Bishop of Canada)
 マルカ主教に選出されているサワ掌院(Archimandrite Sava, elected Bishop of Marca)
 フヴォスノ主教に選出されているユスティン掌院(Archimandrite Justin, elected Bishop of Hvosno)
 聖地アトス山のヒランダル修道院の修道院長メトディイェ掌院(Archimandrite Metodije, abbot of the Chilandar Monastery)

 

関連(世界の王室ニュース):
 キリスト教/セルビア正教会のモンテネグロ府主教ヨアニキイェ座下の着座式典に、現在セルビア王室を称するユーゴスラビア王室のフィリップ王子殿下夫妻と(なぜか)ムフラニ系ジョージア王室【グルジア王室】当主/ジョージア皇太子ダヴィト殿下夫妻が参列(2021年9月)ダヴィト殿下は副首相と会談も

キリスト教/コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の“ミハイル府主教”が総主教の外套を着用(2021年6月)

 キリスト教/コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の“ミハイル府主教”(ルーツク・ヴォリン府主教ミハイル座下 : His Eminence Metropolitan Mikhail of Lutsk and Volyn)が、モスクワ総主教・ブルガリア総主教・セルビア総主教らが着用する緑色の外套を着用したという報道が出ています。

 この人物は、2018年の統合会議において有力な“首座”候補とされながら、“フィラレート総主教”が腹心の“エピファニー府主教”を操り人形として首座にそえるために選挙戦からの撤退を要求されました(その後エピファニー府主教とフィラレート総主教は激しい対立に落ち込んでいますが)。
 最近の言動からは、(エピファニー府主教を押しのけて) OCU の首座となる意思を隠していないようにも思われます。

 また、ミハイル府主教は、今月【2021年6月】、コンスタンティノープルのバルソロメオス総主教を訪問しています。

 コンスタンティノープル総主教との会談と同月に総主教を詐称したようなもので、ムチャクチャな話ですが、ウクライナの教会情勢全体がムチャクチャですし、コンスタンティノープルはローマに完全に屈するのが時間の問題と見る人もいる情勢ですので、どの関係者にとってももうどうでもいいのかもしれません。
 正直、ギリシャ系とギリシャ系に屈服する教会は、ローマに管轄してもらったほうが(伝統的な教会としては)まだマシになると思います。実質的にもうどうにもならないダメな政治集団と化しているので。

 

 (英語)"Hierarch" of OCU Mikhail Zinkevich holds a "service" in patriarchal mantle – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

キリスト教/チェコ・スロバキア正教会のシュムペルク主教イザヤシュ座下が、教会の意向に逆らって行動している模様(2021年3月)同教会も教会分裂に入る可能性が

 キリスト教/東方正教会/チェコ・スロバキア正教会のシュムペルク主教イザヤシュ座下(His Grace Bishop IsaiaIzaiáš】 of Šumperk)が、同教会の指示を度々無視しているそうです。
 同主教派、一部の司祭らの支持を得ているようで、チェコ・スロバキア正教会の教会分裂の可能性も出てきているとか(あくまで下記記事からですが)。

 

 (英語)Bishop of OCCLS, who served with Dumenko, tries to seize parish in Brno – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

 2019年に同主教は、同教会が禁じている、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】との共同礼拝をおこなっており、これに続きブルノ・オロモウツ教区の一部を勝手に率いているという状況があります。
 親コンスタンティノープル派として、教会から分離するつもりなのか……とも思われますが……。

 ブルノ・オロモウツ教区を管轄するシメオン大主教座下(Archbishop Simeon of Brno and Olomouc)は、かつては親コンスタンティノープルとしてチェコ・スロバキア正教会内で親ロシア派と対立していましたが、現在ではこのイザヤシュ主教の行動に同調している様子はないようです。
 もっとも、シメオン座下のこれからの行動がどうなるのかいまいちよめないところではありますが……。

追記:
 シメオン座下が隠居状態であるという話もあるようです。
 いずれにせよ、情報が少ないので、よくわかりません。

キリスト教/セルビア総主教ポルフィリイェ聖下がコンスタンティノープルのバルソロメオス総主教のウクライナにおける行為を「教会法にそっていない」とコメントした件で、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の聖職者がセルビア総主教を非難(2021年3月)着座後すぐに泥沼の気配

 新たに着座したキリスト教/東方正教会/セルビア正教会は、セルビア総主教ポルフィリイェ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Porfirije, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)は、インタビューでの答えの中で、コンスタンティノープルのバルソロメオス総主教のウクライナにおける行為(一方的に独立正教会を設置したことなど)を「我々はロシア正教会の見方をしているわけではなく教会法を守っているだけ。コンスタンティノープルのやり方は教会法・慣習に沿っていない」とコメントしました。
 これに関して、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の“聖職者”が、「セルビア総主教は教会法の専門家でも、ウクライナにおける専門家でもなんでもない」と非難しているようです。

 

 (英語)Schismatic bishop fires back: Serbian Patriarch is no expert on canons, he’s pretending to be an oracle / OrthoChristian.Com
 (英語)OCU claims Patriarch Porfirije is not an expert on canons – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

 ウクライナにおける現在の東方正教会の問題は多々ありますが、まず OCU の首座である“エピファニー府主教”について、ポーランド正教会は「彼は主教ではない」と回答しており、キプロス正教会でコンスタンティノープルを批判している府主教らは「彼は神品(聖職者)ではない」と発言しています。
 ポルフィリイェ総主教にいたっては、かつて「彼は信徒ですらない」としていました。

 ポルフィリイェ総主教からしてみれば、なんで首座を自称する「信徒ですらない人物」のよくわからない手下からこんなことを言われねばならんのかという話で、コンスタンティノープルがこれに対して(ポルフィリイェ聖下のコメント及び、それに対する OCU の人物のコメントに対して)何か反応するのか注目です。

 

 それにしても、ああ、泥沼……。