キリスト教/アルメニア使徒教会/キリキア・カトリコスのアラム1世聖下が、シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下を訪問(2024年3月)

 2024年3月23日、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会(アルメニア正教会)キリキア・カトリコスのアラム1世聖下(His Holiness Aram I, Catholicos of the Great House of Cilicia【Catholicos of the Holy See of Cilicia】)は、キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)を訪問しました。

 アラム1世には、ナレグ・アレメジャン大主教座下(His Eminence Archbishop Dr Nareg Alemezian)らが同行。
 会談にはシリア正教会側から、
 “モル”・セヴェリウス・ロジャー・アフラス大主教座下(His Eminence Archbishop Mor Severius Roger Akhrass, Patriarchal Vicar for Syriac Studies)
 “モル”・ウジーン・アル=クーリー・ネマト大主教座下(His Eminence Archbishop Mor Augeen Al-Khoury Nemat, Patriarchal Secretary)
 が同席。
 両教会の関係や、中東のキリスト教の現状、他教派との神学的対話についてなどが話し合われたようです。

 

 (英語:キリキア・カトリコス庁 公式ウェブサイト)Meeting between His Holiness Catholicos Aram I and Patricarch Moran Mor Ignatius Aphrem II – Armenian Church Catholicosate of Cilicia

 (英語)Patriarch Mor Ignatius Aphrem II Received Catholicos Aram – Orthodoxy Cognate PAGE

 

XユーザーのMor Aphrem IIさん: 「We were happy to receive His Holiness Aram, Catholicos of the Great House of Cilicia. We had good conversation concerning the common witness of our sister Oriental Orthodox Churches in the Middle East. #SyriacOrthodoxChurch #OrientalOrthodoxChurches https://t.co/axl1REV3K6」 / X

 

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キリスト教/シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下が、アルメニア使徒教会/キリキア・カトリコスのアラム1世聖下を訪問(2024年1月)

 2024年1月18日、キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)は、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会(アルメニア正教会)キリキア・カトリコスのアラム1世聖下(His Holiness Aram I, Catholicos of the Great House of Cilicia【Catholicos of the Holy See of Cilicia】)を訪問しました。

 降誕祭に伴う挨拶です。

 シリア正教会より、
 ベイルート大主教“モル”・クレーミス・ダニエル・クーリエフ座下(His Eminence Mor Clemis Daniel Kourieh, Archbishop of Beirut)、
 “モル・ヨセフ・バリ大主教座下(His Eminence Mor Joseph Bali, Patriarchal Assistant)
 らが同行。

 キリキア・カトリコス庁から、
 ゴミダス・オハニャン大主教座下(His Eminence Archbishop Gomidas Ohanian, Grand Sacristan of the Cathedral)
 シャハン・サルグシャン大主教座下(His Eminence Archbishop Shahan Sarkissian, Director of the “Cilicia” Library)
 らが同席。

 

 (英語:アルメニア使徒教会キリキア・カトリコス庁 公式ウェブサイト)A MEETING BETWEEN HIS HOLINESS CATHOLICOS ARAM I AND HIS HOLINESS MORAN MOR IGNATIUS APHREM II | Armenian Church Catholicosate of Cilicia

 

XユーザーのArmenian Churchさん: 「A MEETING BETWEEN HIS HOLINESS CATHOLICOS ARAM I AND HIS HOLINESS MORAN MOR IGNATIUS APHREM II https://t.co/REYF7EFOtF」 / X

 

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書籍形式PDFファイル(2022年11月 アラビア語・一部英語):キリスト教/コプト正教会首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下のスピーチを集めたもの。掲載写真のうちキリスト教指導者では、ローマ教皇フランシスコ聖下、ロシア正教会モスクワ総主教庁キリル聖下、エチオピア総主教“アブネ”・マティアス1世聖下、ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教アントニー座下を重要視か

 キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会の首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下(His Holiness Pope Tawadros II of Alexandria)のスピーチ内容を集めた書籍形式の PDF ファイル「Their words to the end of the World」(アラビア語・一部英語)が公開されています。

 

 (英語版サイト)"Their words to the end of the World" .. An Online Book for H.H. Pope Tawadros II – Coptic Orthodox Church
※↑のページから PDF をダウンロードできます。

 

 掲載文章の中に写真が織り交ぜられているのですが、キリスト教指導者の他に、イスラム教指導者や世俗の要人などの写真も当然あります。
 キリスト教指導者で、コプト正教会以外、かつ集団で並んでいるわけではなく、二人で写っている写真が掲載されている方に限定すると、

  • (顔写真を並べたもの)ローマ・カトリック教会/ローマ名誉教皇ベネディクト16世聖下(His Holiness Benedict XVI, Pope Emeritus)
  • ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis
  • (故)オリエント正教会/シリア正教会首座/第122代アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・ザッカー1世イワス聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Zakka I Iwas, the Patriarch of Antioch and All the East, The Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)
  • 東方正教会/ロシア正教会首座/モスクワ・ロシア全土【ルーシ全土】総主教キリル聖下(キリール総主教キリイル総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)
  • オリエント正教会/エチオピア正教会首座/エチオピア総主教・カトリコス“アブネ”・マティアス1世聖下(His Holiness Abune Mathias I, Patriarch and Catholicos of Ethiopia)
  • クリストフ・シェーンボルン枢機卿座下(His Eminence Christoph Cardinal Schönborn, O.P., Archbishop of Vienna)>
  • 東方正教会/ギリシャ正教会首座/アテネ・ギリシャ全土大主教イエロニモス2世座下(His Beatitude Hieronymos II, Archbishop of Athens and All Greece and Primate of the Autocephalous Orthodox Church of Greece)
  • (二人ではありませんが)オリエント正教会/シリア正教会首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)とオリエント正教会/アルメニア使徒教会(アルメニア正教会)キリキア・カトリコスアラム1世聖下(His Holiness Aram I, Catholicos of the Great House of Cilicia【Catholicos of the Holy See of Cilicia】)
  • ↑の“イグナティウス”・アフレム2世と二人の写真
  • 東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教アントニー座下(His Eminence Metropolitan Anthony of Volokolamsk, Chairman of the Department for External Church Relations of the Moscow Patriarchate)

※なお、周囲に人はいますが、ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/マロン東方典礼カトリック教会【マロン派】のアンティオキア・全レバント総大司教ベカラ・ブートロス・ライ枢機卿座下(His Beatitude and Eminence Moran Mor Béchara Boutros Cardinal Raï, O.M.M. , Patriarch of Antioch【Antiochia】 and the Whole Levant (Maronite))との写真もあります。

 訪問国の都合上ウィーン大司教とアテネ大主教は当然程度の扱い。
 また、シリア正教会とアルメニア使徒教会キリキア・カトリコス庁は同じオリエント正教会で近場=準・身内=重要なのは前提のようなものです。

 残りの方々のうち、フランシスコ教皇の取り扱いが一番多いです。
 続いて、エチオピア総主教、モスクワ総主教、ヴォロコラムスク府主教。
 カトリックに、ロシア正教会、エチオピア正教会、と、この辺りは当然のことでしょうか。

 エチオピア正教会は同じオリエント正教会で、コプト正教会側から20世紀に独立正教会と認められたとはいえ、信徒数はエチオピア正教会の方が多く、またエルサレムのスルタン修道院の件では争いも続いています。なかなか身内と言い切れない、そのような状況もあります。
 三者会合による声明からすると、シリア正教会およびアルメニア使徒教会キリキア・カトリコス庁はこの件においてコプト正教会側を支持しているようなので、この二教会のほうが立場が近い。
 また、オリエント正教会と東方正教会全体の会合はもう止まって終わったようなものですが、コプト正教会とシリア正教会はそれぞれロシア正教会と神学的対話を続けています。その観点からは、コプト正教会と一番近い立場にいる教会はシリア正教会となるでしょう。

 それにしても、アラビア語部分の最後が、ロシア正教会のアントニー府主教の来訪、ロシア正教会側からのメダルの授与、となっているのは示唆的ではあります。
 というか、率直に言って、驚きました。

関連:
 キリスト教/コプト正教会首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下が、ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教アントニー座下と会見(2022年11月)
 キリスト教/東方正教会シスマ2022:アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下が、モスクワ総主教キリル聖下の名を礼拝で挙げることを停止(2022年11月)ロシア側からは2019年に停止済み。相互に関係停止へ

 

 なお、 PDF の 89 ページは、タワドロス教皇の日本訪問時のものとなっています。

関連:
 キリスト教/コプト正教会首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下の来日、日本国外相 河野太郎 閣下と会見(2017年8月)

キリスト教/アルメニア使徒教会/キリキア・カトリコスのアラム1世聖下が、アルメニア東方典礼カトリック教会首座/キリキア総大司教カトリコスのラファエル・ベドロス21世ミナシャン座下と会見(2022年11月)

 2022年11月19日、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会(アルメニア正教会)キリキア・カトリコスのアラム1世聖下(His Holiness Aram I, Catholicos of the Great House of Cilicia【Catholicos of the Holy See of Cilicia】)は、キリスト教/ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/アルメニア東方典礼カトリック教会首座/キリキア総大司教カトリコスのラファエル・ベドロス21世ミナシャン座下(ベイルート司教 : His Beatitude Patriarch Raphaël Bedros XXI Minassian, I.C.P.B., Patriarch Catholicos of Cilicia, Bishop of Beirut)と会見しました。

 聖ネルセス4世恩寵者(Saint Nerses IV the Gracious : アルメニア使徒教会とカトリックで列聖)の永眠850年、アルメニア系の人々の関係、レバノン大統領選挙、などについての会談となったようです。

 両者の情報の取り扱い(アラム1世側は記事に小さい写真のみでソーシャルメディアでの配信なし、東方典礼側はサイト更新がのんびりなのでまだですが Facebook に写真複数)の差に状況、あるいは温度差がなんとなく感じられます。

 

 (英語:アルメニア使徒教会 キリキア・カトリコス庁 公式サイト)A MEETING BETWEEN ARAM I AND RAPHAËL BEDROS XXI | Armenian Church Catholicosate of Cilicia

Այսօր՝ Շաբաթ, 19 Նոյեմբեր 2022-ին,… – armeniancatholic.org | Facebook

キリスト教/オリエント正教会の首座三人、コプト正教会首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下、シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下、アルメニア使徒教会/キリキア・カトリコスのアラム1世聖下による会合(2022年10月)

 2022年10月17日~19日にかけて、キリスト教/オリエント正教会のコプト正教会、シリア正教会、アルメニア使徒教会キリキア・カトリコス庁の代表による会合がエジプトでおこなわれました。

 コプト正教会の首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下(His Holiness Pope Tawadros II of Alexandria)、
 シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)、
 アルメニア使徒教会(アルメニア正教会)キリキア・カトリコスのアラム1世聖下(His Holiness Aram I, Catholicos of the Great House of Cilicia【Catholicos of the Holy See of Cilicia】)
 らが参列しています。

 

 会合の結果、他教会(オリエント正教会以外の教会)との関係に関する部分では(大意)、

  • 東方正教会との対話が止まっているので、エマニュエル府主教に問い合わせる
  • コプト正教会とシリア正教会は、ロシア正教会との対話を進めている
  • ローマ・カトリック教会との対話も進んでいる
  • アングリカン・コミュニオンとの対話も進めたい

 というような部分があります(全部、「対話」と書いてしまいましたが、こう言い切っていいかはわかりません)。

 ともあれ、エマニュエル府主教というのは、ファナル(東方正教会のコンスタンティノープル)のカルケドン府主教エマニュエル座下(His Eminence Elder Metropolitan Emmanuel of Chalcedon)のことでしょう。
 次のロシア正教会との項目とあわせて考えると、ファナルがウクライナで一方的な行為(教会法違反)をおこなったことにより、モスクワ総主教庁との関係が断絶しているので、東方正教会全体との対話が出来なくなっていることを前提に、和解(ファナルがモスクワ総主教庁に謝罪し、ウクライナでやったことを取り消す)ように求めているようにも取れます(それはファナルには絶対に無理でしょうが)。
 もっとも、ロシア正教会との対話に、キリキア・カトリコス庁が含まれていないので、これは温度差のあることでしょう。
 東方正教会全体とオリエント正教会の各教会の対話はもう進むことはないかもしれません(各教会同士の対話は進むでしょうが)。

 カトリックとの対話に関しては特に感想もないですが、もし東方正教会との対話が停止したまま、オリエント正教会とアングリカン・コミュニオンの対話が進んでいくとするなら興味深いところです。

 

 また、これとは別に、エチオピア正教会が“占拠”しているエルサレムのスルタン修道院に関して、コプト正教会に権利があるという立場をシリア正教会とキリキア・カトリコス庁が支持することも確認されています。
 関連:
 映像(アラビア語・英語字幕):キリスト教/コプト正教会の修道士がイスラエル警察に“暴力”を受けた件でアレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下がそもそもの問題を説明する動画(2018年10月)イスラエル政府とエチオピア正教会を批判

 

 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)Arrival to Egypt | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch
 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)13th Meeting – Heads of the Oriental Orthodox Churches in the ME | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch
 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)Joint Statement of the 13th Meeting of the Heads of the Oriental Orthodox Churches in the Middle East | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch
 (英語:アルメニア使徒教会 キリキア・カトリコス庁 公式サイト)A MEETING IN EGYPT BETWEEN HIS HOLINESS CATHOLICOS ARAM I, HIS HOLINESS PATRIARCH MOR IGNATIUS APHREM II AND HIS HOLINESS POPE TAWADROS II | Armenian Church Catholicosate of Cilicia

 

 コプト正教会より、
 アルクサヤ・ミール主教“アンバ”・トマス座下(His Grace Anba Thomas, Bishop of Alqousaya and Meer)、
 北シュブラ教会代表主教“アンバ”・アンゲロス座下(His Grace Anba Angelos, General Bishop of North Shoubra Churches)、

 シリア正教会より、
 レバノン山脈・トリポリ大主教“モル”・セオフィルス・ゲオルゲス・サリバ座下(His Eminence Mor Theophilus Georges Saliba, Archbishop of Mount Lebanon and Tripoli)、
 ベイルート大主教“モル”・クレーミス・ダニエル・クーリエフ座下(His Eminence Mor Clemis Daniel Kourieh, Archbishop of Beirut)、

 アルメニア使徒教会キリキア・カトリコス庁より、
 テヘラン教区長セブフ・サルキシャン大主教座下(His Eminence Archbishop Sebouh Sarkissian, Prelate of Tehran)、
 シリア駐箚使徒座使節マガル・アシュカリャン主教座下(His Grace Bishop Magar Ashkarian, Pontifical Nuncio to the Prelacy of Syria)
 らが同席。

 

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