キリスト教/新たなキプロス正教会の首座・キプロス大主教にパフォス府主教ゲオルギオス座下が選出された模様(2022年12月)「ゲオルギオス3世」になるか?

 2022年12月24日、キリスト教/東方正教会/キプロス正教会の新たな首座に、パフォス府主教ゲオルギオス座下(His Eminence Metropolitan Georgios of Paphos)が選出された模様。

 2022年11月7日のキプロス大主教クリソストモス2世座下の永眠に伴う後継選挙の結果です。

 着座式の日程は未定。
 歴代人物を見た限りでは、キプロス大主教ゲオルギオス3世(Archbishop George IIIGeorgios III】 of Cyprus)になりそうな気がします。
続報:
 「ゲオルギオス3世」は誤り。キリスト教/キプロス大主教庁が声明(2023年3月)

 

 (ギリシャ語:キプロス正教会 公式ウェブサイト)Ο Πανιερώτατος Μητροπολίτης Πάφου εξελέγη νέος Αρχιεπίσκοπος Κύπρου (24 Δεκεμβρίου 2022) – Εκκλησία της Κύπρου

 (英語:東方正教会エルサレム総主教庁 公式ウェブサイト)THE ELECTION OF THE NEW ARCHBISHOP OF CYPRUS GEORGIOS – Jerusalem Patriarchate News Gate

 (英語:ルーマニア正教会 情報サイト)Metropolitan Georgios of Paphos elected Archbishop of Cyprus – Basilica.ro

Basilica.ro (EN)さんはTwitterを使っています: 「Metropolitan Georgios of Paphos elected Archbishop of Cyprus https://t.co/ZvCg68ayAg https://t.co/zSO35hUx4W」 / Twitter

 

 キプロス共和国大統領ニコス・アナスタシアディス閣下(His Excellency Mr Nicos Anastasiades)による祝いの言葉:
Nicos AnastasiadesさんはTwitterを使っています: 「Συγχαρητήρια στον Μητροπολίτη Πάφου Γεώργιο για την ανάδειξη του ως Αρχιεπισκόπου Νέας Ιουστινιανής και πάσης Κύπρου. Είμαι βέβαιος πως υπό τη φωτισμένη ηγεσία του νέου Αρχιεπισκόπου η εκκλησία της Κύπρου θα συνεχίσει το σπουδαίο πνευματικό της έργο προς όφελος του ποιμνίου.」 / Twitter

訃報(2022年11月7日):キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下が永眠(1941~2022)

 2022年11月7日、キリスト教/東方正教会/キプロス正教会の首座/ノヴァ・ユスティニアナと全キプロスの大主教クリソストモス2世座下(His Beatitude Archbishop Chrysostomos II of Nova Justiniana and all Cyprus)は永眠しました。
 1941年4月10日生まれの81歳。

 キプロス共和国大統領ニコス・アナスタシアディス閣下(His Excellency Mr Nicos Anastasiades)は弔意を表明しました。

 

 (英語)Archbishop Chrysostomos dies aged 81 (update 5, videos) | Cyprus Mail

Cyprus MailさんはTwitterを使っています: 「Archbishop Chrysostomos dies overnight | Cyprus Mail https://t.co/8H78KXmpY9 https://t.co/36h6nYOaQa」 / Twitter

 

 (ギリシャ語:キプロス正教会 公式サイト)Εκοιμήθη ο Μακαριώτατος Αρχιεπίσκοπος Κύπρου κυρός Χρυσόστομος (7 Νοεμβρίου 2022) – Εκκλησία της Κύπρου
 (ギリシャ語:キプロス正教会 公式サイト)Ανακοινωθέν της Βουλής των Αντιπροσώπων για τον θάνατο του Αρχιεπισκόπου Κύπρου Χρυσοστόμου Β΄ – Εκκλησία της Κύπρου
 (ギリシャ語:キプロス正教会 公式サイト)Ὁ Μακαριστός Ἀρχιεπίσκοπος Κύπρου Χρυσόστομος Β΄ (1941-2022) – Εκκλησία της Κύπρου
 (ギリシャ語:キプロス正教会 公式サイト)Ο κυπριακός λαός πενθεί την απώλεια του Χρυσοστόμου Β’, λέει ο Πρόεδρος Αναστασιάδης – Εκκλησία της Κύπρου
 (ギリシャ語:キプロス正教会 公式サイト)Ανακοινωθέν της Ιεράς Συνόδου επι τη κοιμήσει του Αρχιεπισκόπου Κύπρου κυρού Χρυσοστόμου Β΄ (7 Νοεμβρίου 2022) – Εκκλησία της Κύπρου

 

Γραφείο Ενημερώσεως και Επικοινωνίας της Εκκλησίας της Κύπρου | Facebook

 

追記:
 (英語)Archbishop Chrysostomos of Cyprus reposes in the Lord / OrthoChristian.Com

As the senior hierarch of the Cypriot Church, Metropolitan Georgios of Paphos will serve as Locum Tenens until a new Archbishop is elected.

 この記事だけではありませんが、パフォス府主教ゲオルギオス座下(His Eminence Metropolitan Georgios of Paphos)を首座代行(Locum Tenens)とする/なるだとうとしています(キプロス正教会のルール上どうなっているのかは不明)。

 

続報:
 キリスト教/新たなキプロス正教会の首座・キプロス大主教にパフォス府主教ゲオルギオス座下が選出された模様(2022年12月)

キリスト教/セルビア総主教ポルフィリイェ聖下がコンスタンティノープルのバルソロメオス総主教のウクライナにおける行為を「教会法にそっていない」とコメントした件で、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の聖職者がセルビア総主教を非難(2021年3月)着座後すぐに泥沼の気配

 新たに着座したキリスト教/東方正教会/セルビア正教会は、セルビア総主教ポルフィリイェ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Porfirije, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)は、インタビューでの答えの中で、コンスタンティノープルのバルソロメオス総主教のウクライナにおける行為(一方的に独立正教会を設置したことなど)を「我々はロシア正教会の見方をしているわけではなく教会法を守っているだけ。コンスタンティノープルのやり方は教会法・慣習に沿っていない」とコメントしました。
 これに関して、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の“聖職者”が、「セルビア総主教は教会法の専門家でも、ウクライナにおける専門家でもなんでもない」と非難しているようです。

 

 (英語)Schismatic bishop fires back: Serbian Patriarch is no expert on canons, he’s pretending to be an oracle / OrthoChristian.Com
 (英語)OCU claims Patriarch Porfirije is not an expert on canons – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

 ウクライナにおける現在の東方正教会の問題は多々ありますが、まず OCU の首座である“エピファニー府主教”について、ポーランド正教会は「彼は主教ではない」と回答しており、キプロス正教会でコンスタンティノープルを批判している府主教らは「彼は神品(聖職者)ではない」と発言しています。
 ポルフィリイェ総主教にいたっては、かつて「彼は信徒ですらない」としていました。

 ポルフィリイェ総主教からしてみれば、なんで首座を自称する「信徒ですらない人物」のよくわからない手下からこんなことを言われねばならんのかという話で、コンスタンティノープルがこれに対して(ポルフィリイェ聖下のコメント及び、それに対する OCU の人物のコメントに対して)何か反応するのか注目です。

 

 それにしても、ああ、泥沼……。

本日【2020年11月23日】キリスト教/キプロス正教会が聖シノドの会合をおこなう模様。おそらくコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を承認し、その後ロシア正教会側からフル・コミュニオンを解除されるということになるのでは(2020年11月)

 本日【2020年11月23日】、キリスト教/キプロス正教会が聖シノドの会合をおこなう模様。
 おそらくコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を承認することになると思われます。

 

ここまでの事態:
 東方正教会大分裂:キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下がコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の首座の名を礼拝中に挙げる。同教会シノドの事前同意なし(2020年10月)
 キリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)のボリスポリ・ブロヴァリー府主教アントニー座下がキプロス大主教の行動についてコメント(2020年10月)
 キリスト教/キプロス正教会のレメソス府主教、キッコス・ティリリア府主教、タマソス府主教、アマサス主教が、キプロス大主教とコンスタンティノープルを批判する声明(2020年10月)
 東方正教会大分裂:キリスト教/ロシア正教会の聖シノドがキプロス大主教クリソストモス2世座下とのユーカリスティック・コミュニオンを解除(2020年11月)

 

 レメソス府主教ら四主教がクリソストモス2世を批判していますが、それ以外の批判者が続かないところをみると、聖シノドの会合はクリソストモス2世を支持するものが多数、 OCU を独立正教会として承認して終了するでしょう。

 その後は、ロシア正教会の聖シノドが臨時会合を開き、今まではキプロス大主教とのみフル・コミュニオンを解除していましたが、キプロス正教会全体とフル・コミュニオンを解除することを決定するということになります。
 東方正教会大分裂がまた一段階進みます。
 これは単なる大分裂ではなく、原則がムチャクチャになっているので、東方正教会崩壊というほうが正しいかもしれません。

 

 さて、そんな全体のことはともかく。
 このキプロスの一件で注目なのは、レメソス府主教らが、あくまで聖シノドの決定に従わず、分離シノドを形成する可能性です。
 彼ら自身も所詮はギリシャ人なので、最終的には折れてコンスタンティノープルに従うのではないかと思っていますが……。
 しかしコンスタンティノープルを批判する声明を出した四人があっさりとまた短期間で言葉を翻すようでは、東方正教会のギリシャ人の神品(聖職者)は嘘つきばかりと大宣伝しているようなもの。
 彼らは(コンスタンティノープルやそれに続く連中と共に)、キリスト教と東方正教会とギリシャ人という人種の評判を大幅に下落させることになります。
 まあでも、そうするんじゃないでしょうか(達観)。

 

 あとは北キプロス・トルコ共和国への影響です。
 分離シノドが形成されるようなことがなければ、ロシア正教会は北キプロスにある聖堂・修道院などの接収を(ロシア政府を通じて)トルコ共和国政府および北キプロス政府に求めるでしょう(なにしろもはや正当な所有者がいないため)。
 政治・外交への影響は避けられないように思えます。

 

東方正教会大分裂:キリスト教/ロシア正教会の聖シノドがキプロス大主教クリソストモス2世座下とのユーカリスティック・コミュニオンを解除(2020年11月)

 2020年11月20日、キリスト教/ロシア正教会の聖シノドの会合がおこなわれました。

 キリスト教/東方正教会/キプロス正教会の首座/ノヴァ・ユスティニアナと全キプロスの大主教クリソストモス2世座下(His Beatitude Archbishop Chrysostomos II of Nova Justiniana and all Cyprus)とのユーカリスティック・コミュニオンの継続は不可能との結論など、最重要なのはキプロス大主教との関係解除の決定です。
関連:
 東方正教会大分裂:キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下がコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の首座の名を礼拝中に挙げる。同教会シノドの事前同意なし(2020年10月)

 東方正教会の教会法は、教会法上合法でない主教とコミュニオンに入った主教は、同じく教会法上合法でない主教になると定めています。
 よって、たいした説明もなく OCU を設置したりいろいろと雑なことをやらかしたコンスタンティノープル自体がその時点でもはや教会法上合法な存在ではないのですが、コンスタンティノープルというブランド名が外部から見るよりはるかに重いらしく、まだまだなんやかやと細かい関係解除を重ねて大分裂という既成事実に近づいているという状況です。

 

 (英語:ロシア正教会 モスクワ総主教庁 公式サイト)Holy Synod states the impossibility of Eucharistic communion with Archbishop Chrysostomos of Cyprus / News / Patriarchate.ru
 (ロシア語:ロシア正教会 モスクワ総主教庁 公式サイト)ЖУРНАЛЫ заседания Священного Синода от 20 ноября 2020 года / Официальные документы / Патриархия.ru

 (英語)Patriarch Kirill ceases commemoration of Archbishop of Cyprus / OrthoChristian.Com

 (英語)Interfax-Religion: Patriarch Kirill ceases liturgical commemoration of archbishop of Cyprus for backing schism in Ukraine

 

 聖シノドのメンバー:

 議長:
 キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・ロシア全土【ルーシ全土】総主教キリル聖下(キリール総主教キリイル総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)

 常任メンバー:

  • ウクライナ正教会の首座/キエフ・ウクライナ全土府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)
  • クルチツィ・コロムナ府主教ユヴェナリー座下(His Eminence Metropolitan Juvenaly of Krutitsy and Kolomna)
  • モルドバ正教会の首座/キシナウ・モルドバ全土府主教ヴラジミール座下(His Eminence Metropolitan Vladimir of Chişinău and All Moldova)
  • アスタナ・カザフスタン府主教アレクサンドル座下(His Eminence Metropolitan Alexander of Astana and Kazakhstan)
  • タシケント・ウズベキスタン府主教ヴィケンティー座下(His Eminence Metropolitan Vikentiy of Tashkent and Uzbekistan)
  • サンクトペテルブルク・ラドガ府主教ヴァルソノフィー座下(His Eminence Metropolitan Varsonofy of St. Petersburg and Ladoga)
  • ベラルーシ全土における総主教代理(ベラルーシ正教会首座)のミンスク・ザスラーヴリ府主教ヴェニャミン座下(His Eminence Metropolitan BenjaminVeniamin】of Minsk and Zaslavl, the Patriarchal Exarch of All Belarus)
  • モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))
  • ヴォスクレセンスク府主教ディオニシー座下(His Eminence Metropolitan Dionisiy of Voskresensk)

 その他、冬季(9月~2021年2月)メンバーが五名います。