インタビュー記事(イタリア語):キリスト教/カトリック教会/リヴィウ大司教ミェチスワフ・クシツキ座下「ロシアの言語と教会を禁止するのは間違い」(2022年11月)

 (イタリア語)L’arcivescovo di Leopoli: un errore proibire la lingua e la Chiesa russa

𝐀𝐯𝐯𝐞𝐧𝐢𝐫𝐞さんはTwitterを使っています: 「Ucraina. L’arcivescovo di Leopoli: un errore proibire la lingua e la Chiesa russa https://t.co/TUS2Wfqgid (dal nostro inviato @GiacomoGamb」 / Twitter

 

 イタリアの新聞「Avvenire」(発行部数:11万弱らしいです)による、キリスト教/ローマ・カトリック教会/リヴィウ大司教ミェチスワフ・クシツキ座下(Archbishop Mieczysław Mokrzycki, Archbishop of Lviv)へのインタビュー記事です。
 同大司教はラテン典礼の大司教で、ポーランド出身です。

・今日のウクライナでは「ロシア人」はすべて敵だとみなされていることについて「理解できる反応」とし、あらためて戦争に抗議。
・だが、リヴィウに到着する避難民のほとんどはロシア語を話し、親族や友人が最前線で戦っている場合もある。国のレベルでロシア語を禁止するのには危険。
・四つの公用語があるスイスをモデルに出来る。
・モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会(UOC、注:今年やむなく「独立」を宣言)は依然として「人々の教会」である
・ UOC の活動が禁止されている地域もあるが、ローマ教皇大使と同じくこのように教会活動を制限することに反対。
・「ウクライナの人々は交渉を望んでいるか?」という問いには、「妥協」の準備はできていないだろうと回答。

 なお、プーチン大統領とキリル総主教への批判の部分もあり、全体として、バランスの取れた見方であると思います。

 

 と、ここで終われば「へー」という話という範囲なのですが、なんとわざわざウクライナ東方典礼カトリック教会の司祭がすぐさまこれを取り上げてウクライナ語で批判。
 内容には納得できるものもありますが、少々唖然。

 Юрій Бойко – ХОЖДЕНІЄ ПО ВІСТРІ МЕЧА (спецоперація… | Facebook

キリスト教/“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”が、イタリアで上訴審の始まるヴィタリー・マルキウ被告を無罪にしてくれるようにローマ教皇フランシスコ聖下に要請(2020年9月)

 “ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”首座/“フィラレート総主教”(キーウ・ルーシ=ウクライナ全土総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)は、2020年9月29日にイタリア共和国で上訴審の始まるヴィタリー・マルキウ被告(Vitalii Markiv)に関して、「その権威とすべての可能な手段を使って無罪にしてくれるように」キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)に要請する文書を公開しています。

 

 (ウクライナ語:キエフ総主教庁【UOC-KP】公式ウェブサイト)Патріарх Філарет звернувся до Папи Римського Франциска на підтримку Віталія Марківа – Українська Православна Церква Київський Патріархат

 

 ヴィタリー・マルキウ被告は、ウクライナ国家警護隊の元・隊員で、ドンバス戦争においてイタリアの報道写真家らを殺害したとして、2019年にイタリアで有罪・24年の実刑判決が出ています(なお、イタリア市民権を保有している模様)。
 これに関しては、すべてロシアの陰謀で彼は無罪との説もウクライナなどから出ており、ゼレンスキー大統領らがイタリアに働きかけていました。

 

 真偽はともかくとして、ローマ教皇の力でイタリア共和国の裁判をなんとかしようという、フィラレート総主教の要請は……なんというかウクライナらしいといったらウクライナ人に怒られるのかもしれませんが、率直に言ってムチャを申される!、という気がします。

 なお、今のところですが、ロシア正教会モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会【UOC】はもとより、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】やウクライナ東方典礼カトリック教会【UGCC】からは、ローマ教皇への要請などは出ておりません。

 

キリスト教/コンスタンティノープルが、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”を、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の一員としてリストに掲載(2020年1月)

 キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルが、コンスタンティノープル批判を繰り返す“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”首座/“フィラレート総主教”(キーウ・ルーシ=ウクライナ全土総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)を、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の一員として掲載したリストを出したようです。
 OCU首座“エピファニー府主教”を別にすると、一番目で、もう何が何やら。御機嫌を取っているつもりなのでしょうか。
 ちなみに二番目は、元 UAOC【ウクライナ独立正教会】首座“マカリー府主教”、三番目は、ウクライナ正教会モスクワ総主教庁系【UOC-MP】から離脱した“シメオン府主教”です。

 なお、ロシア正教会の聖職者を掲載するリストのところに、ウクライナ正教会モスクワ総主教庁系【UOC-MP】の主教らも掲載されているそうです。なんでも載せればいいってもんやないんやで……。

 

 (英語)Phanar officially calls Filaret a member of OCU – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

Офіційне видання Вселенського… – Юрій Чорноморець | Facebook

 

ウクライナ法務省当局のサイトに、キリスト教/コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】が、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の後継団体として登録されていない模様(2020年1月)登録されていなかったらどうなのかは不明

 ウクライナ法務省当局のウェブサイトに、キリスト教/コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】が、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の後継団体として登録されていない模様です。
  OCU の“エピファニー府主教”の問い合わせに同省が「そういう内容を掲載してほしければ、しかるべき人が後継団体として示す書類を持ってきて手続きしてね」というような回答をしているみたいです。

 登録されていなかったらどうなのかは不明ですが、そこまでの騒ぎになっていないところをみると、この件だけでなにかが起こるというわけではないように思いますが……。
 しかし後継団体として登録されていないことが、後継団体として認められていないということにつながると、 UOC-KP 自体が消滅していなければ教会財産を返還しなければならなくなるかもしれませんし、 UOC-KP が消滅しているとすると教会財産は場合によってはすべて国家のものになるのではないかという気がしますが……。

 

 (英語)Ministry of Justice: OCU is still not registered as a successor of UOC-KP – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

Ministry of Justice: OCU is still not… – Union of Orthodox Journalists – UOJ | Facebook

 

追加リンク:
 “キエフ総主教庁”も記事を出しています。

 (ウクライナ語:キエフ総主教庁【UOC-KP】公式ウェブサイト)Православна Церква України не є правонаступником Української Православної Церкви Київського Патріархату – Українська Православна Церква Київський Патріархат

 (英語)UOC-KP: OCU has no right to use property of the Kiev Patriarchate – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

キリスト教/“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”が、「キエフ総主教庁の再生」と題した記者会見(2020年1月)ほぼコンスタンティノープル批判一色

 2020年1月20日、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”首座/“フィラレート総主教”(キーウ・ルーシ=ウクライナ全土総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)は、「キエフ総主教庁の再生」と題した記者会見をおこないました。
 主張はだいたい今まで通りで、ほぼコンスタンティノープル批判一色という、この人は少し前までどこと闘争していたのかと疑問がわくほどです。

 また、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】が、ウクライナ東方典礼カトリック教会【UGCC】とユーカリスティック・コミュニオンに入ることを望んでいる発言をしていることについては、「それは単にローマ教皇に従う東方典礼カトリック教会の一員になるだけ」とシンプルに否定(まあ、そうなんですが)。

 

Інтерфакс-Україна(Interfax-Ukraine):
Відродження Київського Патріархату – YouTube

 

Київський Патріархат(キエフ総主教庁【UOC-KP】公式チャンネル):
Прес-конференція Патріарха Філарета щодо ситуації в Українському Православ'ї – YouTube

 

 (ウクライナ語:キエフ総主教庁【UOC-KP】公式ウェブサイト)Відбулася прес-конференція Патріарха Філарета щодо ситуації в Українському Православ’ї – Українська Православна Церква Київський Патріархат

 (英語)Interfax-Religion: Filaret demands that Constantinople return original of decree issued by UOC-KP assembly on its dissolution

 (英語)Filaret: Patriarch Bartholomew seeks to destroy Kiev Patriarchate – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Head of UOC-KP: OCU has no right to enter into Eucharistic unity with UGCC – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Head of UOC-KP: Tomos from Phanar divided Kiev Patriarchate into two parts – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Phanar’s advance, UOC-KP’s future greatness & other revelations of Filaret – UOJ – the Union of Orthodox Journalists