キリスト教/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下のキプロス訪問始まる。キプロス大主教クリソストモス2世座下と会談(2019年8月)

 2019年8月23日、キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下(His Beatitude Theodoros II, Pope and Patriarch of Alexandria and All Africa)のキプロス共和国訪問が始まりました。

 空港では、キプロス正教会のカルパシア主教フリストフォロス座下(His Grace Bishop Christoforos of Karpasia)が出迎えた模様。
 同主教の同行によりキプロス大主教庁に到着し、キリスト教/東方正教会/キプロス正教会の首座/ノヴァ・ユスティニアナと全キプロスの大主教クリソストモス2世座下(His Beatitude Archbishop Chrysostomos II of Nova Justiniana and all Cyprus)との会談がおこなわれ、その後に昼食会が催されたようです。

 昼食会に臨席したのは、両首座とフリストフォロス主教のほか、
 キプロス正教会から、
 キティオン府主教ネクタリオス座下(His Eminence Metropolitan Nektarios of Kition)、
 メサオリア主教グリゴリオス座下(His Grace Bishop Grigorios of Mesaoria)、
 アレクサンドリア総主教庁から、
 ニトリア主教ニコデモス座下(キプロスにおける首座代理 : His Grace Bishop Nikodemos of Nitria, the Exarch of the Patriarchate of Alexandria in Cyprus)。

 

 (ギリシャ語:キプロス正教会公式サイト)Άφιξη του Πατριάρχη Αλεξανδρείας στην Κύπρο – Εκκλησία της Κύπρου

Γραφείο Ενημερώσεως και Επικοινωνίας της… – Γραφείο Ενημερώσεως και Επικοινωνίας της Εκκλησίας της Κύπρου | Facebook

 

 (英語:ルーマニア正教会通信)Patriarch of Alexandria arrived in Cyprus – Basilica.ro

 

動画:キリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)首座/キエフ府主教オヌフリー座下を支持する各独立正教会の主教らと、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会の“内紛”などの話(2019年7月)

 2019年6月25日におこなわれた、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会(モスクワ総主教庁)の管轄下で高度な自治的権限を有するウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)らの礼拝と、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】と“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“内紛”などの映像です。 

 

UOJ I Union of Orthodox Journalists:
Triumph of UOC and disgrace of schismatics: whose prayers are heard by God – YouTube

 

 ぶっちゃけていいますと、モスクワ寄りの映像です。

 冒頭などに登場する、モスクワ総主教庁系ウクライナ正教会およびオヌフリー府主教座下を支持するコメントをしている各独立正教会の主教ら(登場順)は、
 セルビア正教会 …… モラヴィツァ主教アントニイェ座下(His Grace vicar Bishop AnthonyAntonije】 of Moravica : ビデオ内表記【Bishop Anthony of Moravia】)、
 ブルガリア正教会 …… ロヴェチ府主教ガヴリール座下(His Eminence Metropolitan GabrielGavriil】 of Lovech : ビデオ内表記【Metropolitan Gabriel of Lovech】)、
 キプロス正教会 …… タマソス・オレイニ府主教イサイアス座下(His Eminence Metropolitan Isaias of Tamassos and Oreini : ビデオ内表記【Metropolitan Isaiah of Tamassos】)、
 ポーランド正教会 …… ハイノフカ主教パーヴェル座下(His Grace Bishop Paweł of Hajnówka : ビデオ内表記【Bishop Paul of Hainowka】)、
 エルサレム総主教庁 …… ボスラ府主教ティモセオス座下(The Most Reverend【His Emienence】 Metropolitan Timotheos of Bostra)、
 アレクサンドリア総主教庁 …… カルタゴ府主教メレティオス座下(His Eminence Metropolitan Meletios of Carthage)。

 

 “内紛”の話題ですが、すでに今まで取り上げたことが含まれます。
 “フィラレート総主教”の主張、彼自身への破門(Anathema)はもともと成立していないというものも出ています(これは今後一番問題になってくるポイントでしょう)。コンスタンティノープルによる破門の撤回がそもそも不要であったということです。
 キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))は、コンスタンティノープルが、ウクライナの教会法上合法でない主教らを“合法化”してくるという予想をしていました。しかし現時点において、そしておそらく今後も、おこなわれていません。これは、コンスタンティノープルが独立正教会として認めたウクライナ正教会【OCU】には、(フィラレート総主教を除いて)教会法上合法な聖職者が存在しないことを示しています(ただしフィラレート総主教への破門がそもそも成立していないとすれば教会法上合法です)。
 コンスタンティノープルを支持する聖職者・論者の中には、「そもそも独立正教会というのは、コンスタンティノープルから独立しているというわけではない」などという今となってはどーでもいーことをだらだらと述べている方もいますが、教会法上合法な聖職者や使徒継承性について語ってほしいところです。「教会法も使徒継承性もどうでもいい。すべてコンスタンティノープルのその時の気分で決まる。それが東方正教会の教え、古代より伝わる正しい教え、キリスト教だ」とそういうことなんでしょうか? いや、そうなんでしょう。それは過去において東方正教会が主張してきたこととはちと違うと思うので、今年の OCU へのトモス授与に伴い、東方正教会は崩壊し、今は組織を継承していると称する変な集団がいるだけだ、とそう結論付けるしかないのです。
 もちろん、コンスタンティノープルがどうなろうが、他にも教会集団は存在しますし、彼らは OCU を承認していないので、東方正教会が崩壊したなどというのは大袈裟だということは言えるかもしれませんが、その各教会はコンスタンティノープルと縁を切ろうとする気がないどころか(ロシア正教会ですら今より進む気はないでしょう)、「コンスタンティノープルを失ったら我々はプロテスタントと同レベルになってしまう!」と絶叫している有様。

 ウクライナ国内の、教会無法地帯、キリスト教の墓場ぶりは失笑モノであることは確かですが、これは東方正教会の姿そのもの、伝統的なキリスト教の姿そのものであり、キリスト教どころか、キリスト教の聖堂をパクった妙な建物で聖職者なのかなんなのかわからない白人男性(宗教的理由もないのにインド人のおばちゃんとかではいけないというなら、人種差別・性差別の疑いのある行為)に結婚式を執り行ってもらって感動している日本人もまたこの茶番劇から逃げられない状況にあります。キリスト教的伝統を適当に消化して作られている漫画・アニメ・ゲームの類もまた同じですが……。

 結論は特にありませんが、現在の世界は、伝統的なキリスト教の崩壊に伴う巨大な茶番がずっと続いているのではないか、という気がしてきました。
 我々が生きている間にこの茶番は終わらないでしょう。もしや世界はウクライナ化していくのか……。

 

関連:
 キリスト教/ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系)による、エルサレム総主教庁ボスラ府主教ティモセオス座下へのインタビュー映像(2019年6月)

 

キリスト教/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下が、ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下と会見(2019年6月)

 2019年6月28日、キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下(His Beatitude Theodoros II, Pope and Patriarch of Alexandria and All Africa)は、ギリシャ共和国にて、同国を訪問中のキリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))と会見しました。

 東方正教会内部の問題について話し合われた模様。

 ギリシャ正教会よりテッサロニキ府主教アンシモス座下(His Eminence Metropolitan Anthimos of Thessaloniki)、
 アレクサンドリア総主教庁より、
 イリノポリス府主教ディミトリオス座下(His Eminence Metropolitan Dimitrios of Irinopolis)、
 ギニア府主教ゲオルギオス座下(His Eminence Metropolitan GeorgeGeorgios】 of Guinea)、
 らが同席。

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Metropolitan Hilarion of Volokolamsk meets with Patriarch Theodoros of Alexandria and All Africa | The Russian Orthodox Church

 (英語)Metropolitan Hilarion of Volokolamsk meets with Patriarch Theodore of Alexandria and All Africa – Romfea News

Romfea.newsさんのツイート: "Metropolitan #Hilarion and Patriarch T#heodore exchanged opinions on various issues pertaining to the bilateral relations between the Orthodox #Church of #Alexandria and the #Russian #Orthodox #Church #romfeanews @mospat_ru https://t.co/xBbBN0eCWB"

 

ギリシャの正教会系メディア「ΒΗΜΑ ΟΡΘΟΔΟΞΙΑΣ」が、キリスト教/ギリシャ正教会がコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を承認する見込みと報道(2019年5月~6月)

 ギリシャの正教会系メディア「ΒΗΜΑ ΟΡΘΟΔΟΞΙΑΣ」によりますと、キリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会の聖シノドに属する委員会(コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を承認するかどうかを検討)が、高位聖職者らに承認するよう提案すると決めたと報じています。
 もちろん、これは承認することが決まったことを示しているわけではありませんが、最近のキリスト教/東方正教会首席/コンスタンティノープル=新ローマ大主教・全地総主教バルソロメオス聖下(バーソロミュー1世世界総主教バルトロマイ1世ヴァルソロメオス1世 : His All-Holiness Bartholomew, Archbishop of Constantinople-New Rome and Ecumenical Patriarch)とキリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会首座/アテネ・全ギリシャ大主教イエロニモス2世座下(His Beatitude Hieronymos II, Archbishop of Athens and All Greece and Primate of the Autocephalous Orthodox Church of Greece)の会談で承認することが同意されたという報道や、委員会では承認に否定的なキリスト教/東方正教会/アルバニア正教会の首座/ティラナ・ドゥラス大主教アナスタシオス座下(His Beatitude Archbishop Anastasios of Tirana and Durres, Primate of Albania)の文書がスルーされたり、その他ギリシャ正教会がコンスタンティノープルの奴隷にすぎない説が聖職者らから出されたり(ギリシャの憲法上コンスタンティノープルに逆らえないそうです)、他教会は中立を守るべきだとしていたキリスト教/東方正教会/キプロス正教会の首座/ノヴァ・ユスティニアナと全キプロスの大主教クリソストモス2世座下(His Beatitude Archbishop Chrysostomos II of Nova Justiniana and all Cyprus)はもはやなにも行動せず(ロシア正教会のイラリオン府主教との会談予定はどうなったのか……)、全般的にみると、ギリシャ人系各教会はコンスタンティノープルに従って動くことになるという当初からの各方面の見立て通りに落ち着きそうです。
 もっとも、ロシアと絶縁するとすさまじく政治的な問題が発生するアレクサンドリア総主教庁(エジプト大統領からどんな冷遇が起こるか)とエルサレム総主教庁(イスラエル政府が対ロシア政策の一環として利用しまくることはいうまでもない)がどうするかはまだわかりませんが……。アラブ化しているアンティオキア総主教庁は、親ロシアであり動かないでしょう。

 しかし、この21世紀、いよいよ「『ギリシャ正教』と『ロシア正教』は違うもの」ということになってきたように思えます。

 

 (ギリシャ語)Ουκρανικό – "Φωτιές" άναψε η απόφαση στην Ελλαδική Εκκλησία – ΒΗΜΑ ΟΡΘΟΔΟΞΙΑΣ

 

 なお、ギリシャ正教会が OCU を承認した場合、その後の展開として、ロシア正教会側からコミュニオンの解除を検討する聖シノドの開催があるでしょうが、ギリシャ正教会内部から離脱者が出てくる可能性もあります。

 

キリスト教/ロシア正教会モスクワ総主教キリル聖下が、ロシア外務省での復活大祭の式典に臨席(2019年5月)各教会の聖職者やロシア外相セルゲイ・ラヴロフ閣下が参列

 2019年5月20日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・全ロシア【全ルーシ】総主教キリル聖下(キリール総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)は、ロシア連邦外務省でおこなわれた復活大祭の式典に臨席しました。

 ロシア正教会より、
 モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))、
 総主教補佐筆頭イストラ府主教アルセニー座下(His Eminence Metropolitan Arseniy of Istra, first vicar of the Patriarch of Moscow and All Russia)、
 東南アジアにおける総主教代理/シンガポール・東南アジア府主教セルギイ座下(His Eminence Metropolitan Sergiy of Singapore and South-East Asia, Patriarchal Exarch in South-East Asia)、
 クリン主教ステファン座下(His Grace Bishop Stefan of Klin)、
 ヴォスクレセンスク主教ディオニシー座下(His Grace Bishop Dionisiy of Voskresensk)、
 ゼレノグラード主教サッヴァ座下(His Grace Bishop Savva of Zelenograd : ※下記記事でズヴェニゴロド主教表記になってます)、

 アレクサンドリア総主教庁よりキュレネ府主教アサナシオス座下(His Eminence Athanasios, Metropolitan of Kyrini【Cyrene】)、
 アンティオキア総主教庁の駐モスクワ・メトヒオン【ポドヴォリエ】ニフォン府主教座下(His Eminence, the Most Reverend Niphon, Metropolitan of Philippople?【Chehba?】)、
 セルビア正教会よりモラヴィツァ主教アントニイェ座下(His Grace vicar Bishop AnthonyAntonije】 of Moravica)、
 
 そのほか、エルサレム総主教庁、ブルガリア正教会、チェコ・スロバキア正教会、アメリカ正教会【OCA】、ジョージア正教会【グルジア正教会】より聖職者、ローマ・カトリック教会及びオリエント正教会の各教会の聖職者、イスラム教法学者、ロシア連邦外務大臣セルゲイ・ヴィクトロヴィチ・ラヴロフ閣下(ラブロフ外相:His Excellency Mr Sergey Viktorovich Lavrov)らも参列。

 

russianchurch(ロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネル):
Святейший Патриарх Кирилл принял участие в Пасхальном приеме в Министерстве иностранных дел – YouTube

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Primate of the Russian Orthodox Church attends Paschal reception at the Ministry of Foreign Affairs | The Russian Orthodox Church

 (英語:ロシア連邦外務省公式サイト)Foreign Minister Sergey Lavrov’s speech at a gala reception for Orthodox Easter, Moscow, May 20, 2019 – News – The Ministry of Foreign Affairs of the Russian Federation

 

MFA Russia 🇷🇺さんのツイート: "FM Sergey #Lavrov: 💬#Russia will continue promoting an international agenda that takes into account the identity of nations and builds trust between representatives of different religions, civilisations and cultures ⬇️⬇️⬇️ https://t.co/iZtum8Z4Ti… https://t.co/tjMZFcYY1u"

 

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