訃報(2025年1月25日):キリスト教/アルバニア正教会首座/アナスタシオス大主教座下が永眠(1929~2025)

 2025年1月25日、キリスト教/東方正教会/アルバニア正教会の首座/ティラナ・ドゥラス・アルバニア全土大主教アナスタシオス座下(His Beatitude Archbishop Anastasios of Tirana, Durres, and All Albania, Primate of Albania)が永眠したと発表されました。
 1929年11月4日生まれの95歳。

 体調悪化が伝わる中、アルバニア正教会事務局のアマンティア府主教ナサニエル座下(His Eminence Metropolitan Nathanael of Amantia)より発表がありました。
 また、同発表中に、コルチャ府主教ヨアン座下(His Eminence Metropolitan Joan of Korça)がアルバニア正教会首座代行(Locum Tenens)に選出されたことが述べられています。

 

 (英語:アルバニア正教会 公式ウェブサイト)ANNOUNCEMENT – ORTHODOX AUTOCEPHALOUS CHURCH OF ALBANIA HOLY SYNOD – Orthodox Autocephalous Church of Albania
 (アルバニア語:アルバニア正教会 公式ウェブサイト)NJOFTIM – KISHA ORTHODHOKSE AUTOQEFALE E SHQIPËRISË SINODI I SHENJTË – Kisha Orthodhkose Autoqefale e Shqipërisë
 (ギリシャ語:アルバニア正教会 公式ウェブサイト)ΑΝΑΚΟΙΝΩΘΕΝ – ΟΡΘΟΔΟΞΟΣ ΑΥΤΟΚΕΦΑΛΟΣ ΕΚΚΛΗΣΙΑ ΤΗΣ ΑΛΒΑΝΙΑΣ ΙΕΡΑ ΣΥΝΟΔΟΣ – Ορθόδοξος Αυτοκέφαλος Εκκλησία της Αλβανίας

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁 渉外局 公式ウェブサイト)Condolences of His Holiness Patriarch Kirill on the passing of the Primate of the Albanian Orthodox Church
 (英語:セルビア正教会総主教庁 公式ウェブサイト)Condolence Statement by Serbian Patriarch Porfirije – Serbian Orthodox Church
 (英語:アメリカ正教会【OCA】公式ウェブサイト)His Beatitude Archbishop Anastasios of Albania Falls Asleep in the Lord – Orthodox Church in America
 (英語:ウクライナ正教会【UOC】公式ウェブサイト)His Beatitude Metropolitan Onufriy has expressed condolences to the Holy Synod of the Albanian Church in relation to the passing away of His Beatitude Archbishop Anastasios – Ukrainian Orthodox Church
 (英語:ウクライナ正教会【UOC】公式ウェブサイト)The Primate of the Albanian Orthodox Church, His Beatitude Archbishop Anastasios, passed away to the Lord – Ukrainian Orthodox Church

 (英語:ルーマニア正教会通信)The End of an Era: Archbishop Anastasios of Albania's Passing – Basilica.ro
 (英語:ルーマニア正教会通信)Patriarch Daniel’s message at the funeral service for Archbishop Anastasios: A Dynamic and Missionary Spiritual Shepherd – Basilica.ro

 (英語)Archbishop Anastasios of Albania Falls Asleep in the Lord; Funeral Services Scheduled for January 30 – Orthodoxy Cognate PAGE
 (英語)Russian Orthodox Church Delegation Attends Enthronement of New Eritrean Patriarch – Orthodoxy Cognate PAGE
 (英語)Orthodox world mourns as Archbishop Anastasios buried in Albania (+VIDEO) / OrthoChristian.Com

 (英語:ローマ教皇聖座 公式ウェブサイト)Message of the Holy Father for the death of His Beatitude Anastas, Archbishop of Tirana, Durrës and All Albania, 30.01.2025

 (英語:世界教会協議会【WCC】公式ウェブサイト)Archbishop Anastasios of Tirana dies at 95 | World Council of Churches

 (英語)Orthodox Archbishop Anastasios of Albania dies at 95 following illness | Catholic News Agency

 

葬儀の映像/
RADIO NGJALLJA:
POPULLI SHPRESËTAR I SHQIPËRISË I JEP PËRSHËNDETJEN E FUNDIT KRYEPISKOPIT ANASTAS – YouTube

 

Orthodoxy Cognate PAGE
Funeral Service| HB Archbishop Anastasios of Albania (Primate of the Albanian Orthodox Church) – YouTube

 

🇬🇷 Εκοιμήθη εν Κυρίω ο Αρχιεπίσκοπος Τιράνων, Δυρραχίου και πάσης Αλβανίας κυρός Αναστάσιος Η Ορθόδοξος Αυτοκέφαλος Εκκλησία της Αλβανίας με βαθύτατη οδύνη αναγγέλλει την εις Κύριον εκδημία του Μακαριωτάτου Αρχιεπισκόπου Τιράνων, Δυρραχίου και πάσης Αλβανίας κυρού Αναστασίου. Ο Μακαριώτατος εκοιμήθη σήμερα, 25 Ιανουαρίου 2025, στις 8:30 π.μ. (ώρα Ελλάδος) σε ηλικία 95 ετών, στο Νοσοκομείο "Ο Ευαγγελισμός" των Αθηνών συνεπεία πολυοργανικής ανεπαρκείας. Είχε προηγηθεί πολυήμερη νοσηλεία στο Νοσοκομείο "Υγεία" των Τιράνων. Καλούμε το χριστεπώνυμο πλήρωμα της Εκκλησίας της Αλβανίας να προσεύχεται για την ανάπαυση της ψυχής του εκλιπόντος Προκαθημένου. Ο μακαριστός Αρχιεπίσκοπος κυρός Αναστάσιος υπήρξε ο αναστηλωτής και ανακαινιστής της Ορθοδόξου Αυτοκεφάλου Εκκλησίας της Αλβανίας, την οποία ανέστησε κυριολεκτικώς εκ των ερειπίων μετά την πτώση του αθεϊστικού καθεστώτος. Με το θεόπνευστο όραμα και την ακάματη εργασία του, ανοικοδόμησε εκ βάθρων την εκκλησιαστική ζωή, ανήγειρε εκατοντάδες ναούς, συνέστησε εκπαιδευτικά και φιλανθρωπικά ιδρύματα και ανέδειξε νέο κλήρο, προσφέροντας αδιάλειπτη θυσιαστική διακονία επί 33 και πλέον έτη. Αιωνία αυτού η μνήμη! ——————– 🇦🇱 Fjeti më Zotin Kryepiskopi i Tiranës, Durrësit dhe Gjithë Shqipërisë, ANASTASI. Kisha Orthodhokse Autoqefale e Shqipërisë, me dhimbje të thellë, njofton fjetjen më Zotin të Kryepiskopit të Tiranës, Durrësit dhe të gjithë Shqipërisë, Fortlumturisë së Tij, Anastasit. Kryepiskopi ndërroi jetë sot, 25 Janar 2025, në orën 8:30 të mëngjesit, në moshën 95-vjeçare, në Spitalin "Evangelismos" të Athinës, si pasojë e funksionimit të pamjaftueshëm të shumë organeve. Më parë, ishte kuruar për disa ditë në Spitalin "Hygeia" të Tiranës. Ftojmë besimtarët orthodhoksë të Kishës së Shqipërisë të luten për prehjen e shpirtit të Kryebariut të ndjerë. Fortlumturia e Tij, Kryepiskopi Anastas, ishte rindërtuesi dhe rigjallëruesi i Kishës Orthodhokse Autoqefale të Shqipërisë, të cilën e ngriti tërësisht nga rrënojat pas rënies së regjimit ateist. Me vizionin hyjnor dhe punën e tij të palodhur, ai rindërtoi nga themelet jetën kishtare, ndërtoi qindra kisha, krijoi institucione arsimore dhe bamirëse, si dhe formoi një brez të ri klerikësh, duke ofruar një shërbesë të pandërprerë e sakrifikuese për më shumë se 33 vjet. I përjetshëm qoftë Kujtimi i tij! ———————- 🇬🇧 Archbishop Anastasios of Tirana, Durrës, and All Albania has fallen asleep in the Lord. The Orthodox Autocephalous Church of Albania, with the deepest of sorrow, announces the falling asleep in the Lord of His Beatitude, Archbishop Anastasios of Tirana, Durres, and All Albania. His Beatitude fell asleep in the Lord today, January 25, 2025, at 8:30 AM, at the age of 95, at “Evangelismos” Hospital in Athens, due to multiple organ failure, following a prolonged hospitalization at “Hygeia” Hospital in Tirana. We call upon the faithful of the Church of Albania *(and throughout the world) * to pray for the repose of the soul of our departed Primate. The indelible Archbishop Anastasios restored and renewed of the Orthodox Autocephalous Church of Albania, which he raised from its ruins following the fall of the atheistic regime. Through his God-inspired vision and tireless labor, he rebuilt ecclesiastical life from its very foundations, erected hundreds of churches, established educational and philanthropic institutions, and educated and ordained new clergy, offering unceasing sacrificial service for over thirty-three years. May his… – Αρχιεπίσκοπος Αναστάσιος – Kryepiskopi Anastas – Archbishop Anastasios | Facebook

キリスト教/東方正教会コンスタンティノープルの司祭が「バルソロメオス総主教のウクライナにおける行動は誤り」(2023年10月)

 (ウクライナ語)«Вважаю дії патріарха Варфоломія стосовно українського питання помилковими»

 (英語)Phanar cleric from UOC-KP: I was re-ordained, why was OCU admitted in rank? – News – news of Orthodoxy – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Phanar priest: Patriarch Bartholomew’s actions in Ukraine are a mistake – News – news of Orthodoxy – the Union of Orthodox Journalists

 (英語)Constantinople priest: The OCU is a spiritually deluded, frivolous church—Patriarch Bartholomew greatly erred / OrthoChristian.Com

 

 キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの司祭がウクライナ語のインタビューで、バルソロメオス総主教のウクライナにおける行動は誤りと述べています。

※インタビューの中には、教会法以外の現実の問題の話もありますが、とりあえずここではルールの話に絞ります。

 2018年に、バルソロメオス総主教らの主導により、ウクライナで“統合会議”なるものが開催され、教会法上合法でなかった“ウクライナ正教会キエフ総主教庁(UOC-KP)”や“ウクライナ独立正教会(UAOC)”らの“主教”らによって、“ウクライナ正教会(OCU)”が結成されました。
 2019年、バルソロメオス総主教のトモスが OCU の“首座”“エピファニー府主教”に渡され、 OCU は独立正教会となった、というのが事の流れですが……。
  OCU を独立正教会、その“主教”らを神品(聖職者)と認めているのは、コンスタンティノープルやコンスタンティノープルに追随したギリシャ人系の教会(エルサレム総主教庁を除く)だけで、元・コンスタンティノープルの聖職者が首座を務めるアルバニア正教会ですら OCU を認めるのを拒否しているという状況。
 もともと、ウクライナには、ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で自治的な権限を行使していた教会法上唯一合法なウクライナ正教会(UOC)が存在し、こちらはロシア・ウクライナ間の事態の流れにより独立正教会であることを宣言してはいますが、今もこちらをウクライナ国内の唯一の教会法上合法な教会と認めている教会が多数。そもそも、ほとんどの教会にとって、 OCU の“主教”らは神品(聖職者)でない(=せいぜい平信徒、あるいは信徒ですらない)ので、 OCU が独立正教会かどうかというのは実はどうでもいい従属の問題(そもそも平信徒は教会を率いることはできないし、信徒でないならば無関係)です。
 ところが、日本の NHK を含む各国の報道がいい加減なこともあり、何も知らない人たちには、コンスタンティノープルがアホなことをやったという、ただそれだけのことが、まったく伝わっておらず、宗教的に意味があることがおこなわれたようなことになっている。これはまあ、カトリック系のメディアとかもいい加減なので、 NHK が悪いというよりは、所詮メディアは……ということなのでしょう。

 今回の司祭のインタビューでは、この件がさらに掘り下げられています。
 この人物は、上記の教会法上合法でない UOC-KP の“司祭”だったらしいのですが、 2004 年にコンスタンティノープルで叙聖を受けてコンスタンティノープルの司祭となりました。これは、 UOC-KP の“司祭”は司祭としては認められないというのがコンスタンティノープルの姿勢だったからです。つまり彼は、コンスタンティノープルの叙聖を受けるまで、教会法上合法な司祭ではなかったということです。
 ところが、2018年になって、突如上記のような事態になり、 UOC-KP や UAOC の神品(聖職者)は教会法上合法な存在だということになりました。なりましたというか、コンスタンティノープルの中でそうなったのかどうかすらわからないのですが、そう扱っているからそうなったのでしょう。しかし、これに関して、なんにも説明がないのです。なんでいきなり教会法上合法な存在になったのか? 天から何か降ってきたのか? 地から何かわいてきたのか? コンスタンティノープルは彼らを教会法上合法な存在にする行為を何もしていないのだから、元から教会法上合法な存在だったということになるしかないのですが、そうなると 2004年 にこの司祭は(コンスタンティノープルからどうこうされるまでもなく)教会法上合法な司祭だったはずです。しかし、すでに司祭になっている人物に(同格の)司祭の叙聖をおこなうのはこれまたルール違反なので、どこをつついてもコンスタンティノープルはムチャクチャという結論しか出ないのです。

 要するにコンスタンティノープルは、ロシア正教会にマウントをかけたいがために教会法を大幅に無視してムチャクチャをした、その結果多くの教会からスルーされ、今回自らの司祭から批判を受けている、それだけのことです。そして、ここで折れるともはや失墜が避けられないため、ルール違反をルール違反と知りつつ政治的に押し通そうとしているのです。
 それが成功するかどうかは、しないような気もしますが、わかりませんが、したところでだからなんなんだというしか……。

クリスマスメッセージ(2022年):キリスト教/アルバニア正教会首座/アナスタシオス大主教座下による降誕祭(クリスマス)へのメッセージ(2022年12月)

 キリスト教/東方正教会/アルバニア正教会の首座/ティラナ・ドゥラス・アルバニア全土大主教アナスタシオス座下(His Beatitude Archbishop Anastasios of Tirana, Durres, and All Albania, Primate of Albania)による降誕祭(クリスマス)へのメッセージが掲載されています。

 

 (アルバニア語:アルバニア正教会 公式ウェブサイト)Lutje për paqe – Kushtet paraprake – Krishtlindje 2022. – Kisha Orthodhkose Autoqefale e Shqipërisë
 (ギリシャ語:アルバニア正教会 公式ウェブサイト)Ικεσία ειρήνης – προαπαιτούμενα – Χριστούγεννα 2022. – Ορθόδοξος Αυτοκέφαλος Εκκλησία της Αλβανίας

Pjesë nga mesazhi i Kryepiskopit Anastas – Krishtlindje 2022 LUTJE PËR PAQE – KUSHTET PARAPRAKE | By Kisha Orthodhokse Autoqefale e Shqipërisë | Facebook

キリスト教/“ウクライナ正教会”の現状と、NHKが“ウクライナ正教会大主教”と呼ぶ人物が実はほとんどの教会に認められていないことについて(2022年9月)

注記2:
 キリスト教/東方正教会コンスタンティノープルの司祭が「バルソロメオス総主教のウクライナにおける行動は誤り」(2023年10月)

 

注記:
 ある Twitter(ツイッター) ユーザがこのページにリンクして、「コンスタンティノープルが認めたから正統性がある」と発言したり、プロフィールで「ウクライナ正教会信徒」を自称(詐称したり、「モスクワの信者は怖いね」とか言ったりしているそうです。
 信徒を詐称するのは宗教へのヘイト行為ですし、コンスタンティノープルは NHK などがいう“ウクライナ正教会”(OCU)にウクライナ国外での活動を認めていませんので、日本国内で「ウクライナ正教会信徒」などというのはコンスタンティノープルが認めていることに反しているか、あるいは別集団です。なんで「コンスタンティノープルが認めたから正統性がある」とかいってるのか、よくわからないですね。コンスタンティノープルが何を認めたか何一つ知らないでしょうが、あなたの行為をコンスタンティノープルは認めていません
 なにひとつ調べずに、不特定多数が見ることが可能な場所で、特定の宗教の信徒を詐称する時点で………(伏字)のような気がしますので、こちらこそ怖いのですが、「ネットの闇」のような人物に支持されて、コンスタンティノープルと OCU も大変ですね(ひどい結末になるでしょう)。

 

Q:
 コンスタンティノープルが認めたら正統性がありますか?
A:
 伝統的なキリスト教の教会では、神学と教会法により、何が可能かは決まっています。
 コンスタンティノープルを旧統一教会の教祖のようなものと勘違いしているのか、コンスタンティノープルが自由にすべてを決められると思っている人がいますが、そんなことはありません。
 カトリックでも、ローマ教皇が何もかも自由に決められるわけではありませんし(だから中国当局と妥協します)、コンスタンティノープルにはローマのような権限はありません(ないというのがこれまでの話でしたが、急にあると言い出しました。ですが、ローマと同じ権限があるとしても、なんでも自由にできるわけではありません)。
 コンスタンティノープルはこれを雑に無視して行動したので、東方正教会の多数派からその行動は支持されていない状況です。

Q:
  NHK の報道に出てきた“エフストラティ大主教”は聖職者ですか?
A:
 コンスタンティノープルは神品(聖職者)として認めていませんでした。
 現在、聖職者であるとする理屈を苦心してひねりだそうとしていますが、数年たっているのに、まったくうまくいっていません
 主教である条件の根本に使徒継承(apostolic succession)というのものがあり、それを満たしていないので、どうにもなりません。
 過去や事実を捏造しまくれば説明できますが、どれほど広範囲に捏造する必要があるか見当もつきません。

Q:
 “エフストラティ大主教”による洗礼は有効ですか?
A:
 無効ですし、それがおこなわれた時にコンスタンティノープルに聞けば無効だと答えたでしょう。
 今も、コンスタンティノープルは有効だとしていませんし、前提となる“エフストラティ大主教”を聖職者だとする理屈も組み立てることができていません
 この状況では、無効としかいいようがない
 これで有効なら、教会は必要ない
 キリスト教はこの世に必要ないと思っている人が「コンスタンティノープルが認めたから正統性がある」とか恥知らずにもコメントし、信徒を自称(詐称)しているので、あきれています。

Q:
 “エフストラティ大主教”による“洗礼”を無効だとすると、“洗礼”を受けた人たちが怒るのではないですか?
A:
 誰かが怒っているからその宗教的な主張は絶対に正しい・正しくするべきだ、というのはムチャクチャなお話です。だいたい宗教分裂が起こるときは双方に怒っている人はいるわけで、こんな雑な理屈を展開する人物だから、信徒を詐称するヘイト行為をおこなうんだろうなと思うしか。
 その“洗礼”を有効としたいならば、一番厳密に言えば、それがおこなわれた時点で“エフストラティ大主教”が教会法上合法な主教でなければなりません。そのための方法は、歴史的な事実を捻じ曲げることです。それで納得できるならどうぞ、としか。
 もう一つはコンスタンティノープルが皆(東方正教会の)が納得する新たな神学理論を展開することですが、(予想通りですが)数年たってお粗末なものしか出てこず、どうにもならないでしょう。

Q:
 コンスタンティノープルの行動を認めないのは「モスクワの信者」ではないのでしょうか?
A:
 上記のようにコンスタンティノープルはルールを完全に無視しています。よって東方正教会の多数派からは認められていません。
 自分たちの行動について説明をまるでせず、批判されれば「ロシア人も雑なことをやった」で済まそうとするのは、ロシア人が悪いと主張すれば何もかも正統化できると思っているかのように見えます。その行動を支持する人の主張もまた、同じような方向を向いているのは興味深いところですが。
 「ロシア人が悪ければ神学や教会法や歴史的事実をいくらでも捻じ曲げてもいい」というのは、なんというか、キリスト教ではないような気がしますけどね。
 そもそも東方正教会は一つの教えを奉じている(ことになっている)わけであって、モスクワの信者=東方正教会の信者=コンスタンティノープルの信者になります。「モスクワの信者」というのが批判か何かだというなら、コンスタンティノープルにモスクワと縁を切るように要求してみたらいい。モスクワ側からはすでに縁を切っています。コンスタンティノープル側からは縁を切れないのです。コンスタンティノープルの主張する信徒数が一気に半分になっちゃいますからね。逆にいうとプーチン大統領はコンスタンティノープルが正統性を認めた、コンスタンティノープルの信者(信徒)のままです(コンスタンティノープル側からは)。

 


以下、過去の記事。
※いくつかの雑多な記事からひっぱてきているので、長いし読むには適しません。
 ↑で言いたいことは全部書いているので、読む必要はありません。


 

 カトリックでは、神学と教会法により、ローマ教皇にも不可能なことがあります。後付けでなんとかなる、というのは歴史の修正主義みたいなものです。
 東方正教会では、コンスタンティノープルとか一般的にいわれているトルコ共和国の少数派宗教団体(ギリシャ系トルコ人だけしかトップになれない閉鎖的な集団)にはそもそもローマ教皇に及ぶような権限がもともとありませんが、今回、彼らは自分たちは何をやってもよいとか唐突に言い出しました。神学と教会法を無視したため、これはギリシャ系トルコ人は絶対に偉い・何をしてもいいんだと言っている新興宗教のようなもの。しかも、トルコ国内の団体のため、実は彼らはエルドアン大統領が強引にやればなんでも従うしかない程度の存在です。なんだ、コンスタンティノープルというのはエルドアン大統領真理教なのか、と思ってもらってもいいくらい。

 ギリシャ共和国は憲法によってファナル(コンスタンティノープルのこと)とコミュニオンにある教会を国教のような扱いとしている為、その政治家は隣国トルコの宗教団体の影響から逃れられません。隣国の新興宗教によって政治家がどうこう、というのは最近聞いたような気がしますね。そう、旧統一教会です。「(神学と教会法を無視しても)コンスタンティノープルが認めたから正統性がある」というのは、「旧統一教会のまことのお母さまが認めたから正統性がある」というのと変わりません(旧統一教会は興味ないので良く知りませんけど)。 Mother Church という言葉を見るたびに、「まことのお母さまの教会」と訳したくなります。これは旧統一教会のせいではなく、ルールを無視したファナルが旧統一教会と同レベルに見えるせいですが。
 話がずれましたが、ファナルの行動に問題があると思わない人が多いから旧統一教会の規制が難しいというのははっきりと感じます。これは日本だけでなく世界中でそうですが。というかまあ無理なんだろうなと思います。信教の自由というのは、旧統一教会の自由であり、ファナルがいきなり適当な発言や行動をしだす自由だということなんでしょう。

 伝統的なキリスト教の教会は使徒継承(apostolic succession)というのを重視します。
 これは使徒からの叙階・叙聖が連綿と続いているという考えで、これが成立していなければ聖職者などなく(他の信者と違いがないので、彼らだけが可能なことがありえない)、従ってローマ教皇が偉いとか、ファナルが認めたとかは成立しません。使徒継承がないなら、他の人間が認めても一緒旧統一教会が認めても一緒。
 ファナルは、ウクライナにオーソドックス・チャーチ・オブ・ユクレイン【OCU】(“ウクライナ正教会”とか報道されていますが、すでに別組織で、2018年までファナルも認めていた集団があります)という、使徒継承が成立していない人物をトップに据えた集団を独立正教会と認めました
 使徒継承が成立していない人物を聖職者と認めるのはファナルには不可能です。したくても不可能だというのがルールです。ルールを無視していいなら、キリスト教系インチキ宗教です。もちろん、しっかり考えて変更してプロテスタントになるならインチキ宗教ではありませんが、ギリシャ系の人種がいうのは「コンスタンティノープルを失ったら、適当に寄り集まっているだけのルター派と同レベルになってしまう!」(=ファナルがどんなルール違反をしてもついていかなければならない)という、ひどすぎる思想
 ファナルが、使徒継承が成立していない人物を今から聖職者にするのは可能ですが、過去からすでに聖職者だったとできるというのは歴史の修正主義です。根拠とする事実がまったくないので。あるいは過去改変能力でもあるのでしょうか? 「(神学と教会法を無視しても)コンスタンティノープルが認めたから正統性がある」というのは、歴史修正主義を支持しているか過去改変能力があると信じているかという話で、この人たち( NHK を含む)の頭は大丈夫かと思われます。いや、単に宗教というのは教祖さまが自由になんでもできるもの、教祖さまに逆らうなバーカと思っているのでしょう。したがって教祖さまのために献金しろ、当然のことだバーカということになるわけで、なんだ、あなたたち( NHK を含む)は旧統一教会を支持してるのか結局。旧統一教会に入信したらいいじゃないか。

 


 以下、過去の記事。

 

  NHK がいう「ウクライナ正教会」、すなわちコンスタンティノープルが2019年に一方的に独立正教会として承認した OCU (Orthodox Church of UKraine)は、現時点(2022年10月31日時点)で
 コンスタンティノープル
 アレクサンドリア総主教庁
 ギリシャ正教会
 キプロス正教会
という、コンスタンティノープルに逆らえない教会(逆らえなかった教会)からしか承認を受けておらず、承認していないのは、
 ロシア正教会の他、
 アンティオキア総主教庁、
 エルサレム総主教庁、
 ジョージア正教会【グルジア正教会】、
 ルーマニア正教会、
 セルビア正教会、
 ブルガリア正教会、
 ポーランド正教会、
 チェコ・スロバキア正教会、
 アルバニア正教会、
 (マケドニア正教会-オフリド大主教庁、)
 (アメリカ正教会)
 の11(or13)の独立正教会教会(=多数派)となっています。

 ロシア正教会だけでも東方正教会の信徒数の半分くらい
 コンスタンティノープルとそれに追随する教会群の信徒数は全体の一割くらい

 また、上記の11の独立正教会は OCU を独立正教会として認めていないのみならず、教会法上合法な教会としても認めていないため、これらの11教会にとって OCU の“聖職者”( NHK がウクライナ正教会大主教とした “エフストラティ大主教”や“司祭”らを含む)は聖職者の格好をしたただの平信徒にすぎません。あるいは東方正教会の信者ですらないとの判断すらあります
 共同で礼拝をおこなわないのみならず、エルサレム総主教などは一方的に訪問してきた彼らに会うことを拒否しています。好ましからざる人物あつかいということです(そもそも一方的に訪問してくる時点で失礼ですが)。

 この状況はウクライナ国内にも反映されています。
 もともとロシア正教会系の教会法上合法なウクライナ正教会【UOC = Ukrainian Orthodox Church、今年、状況により仕方なくモスクワからの“独立”を宣言】という別組織があるためです。
 そもそももともとコンスタンティノープルは UOC を正統だと認めていたんですが……唐突に言うことを変えて、コンスタンティノープルの言うことは絶対(=新興宗教の教祖が好き勝手いうようなもの)だと言い出して、反感を買って、上記の如くの有様。
 この UOC の主教らは現在でもコンスタンティノープルを含むすべての独立正教会から教会法上合法な聖職者と認められており、また、コンスタンティノープルを含む少数派以外からは、ウクライナの唯一の教会法上合法な教会と認められています(ただし、どちらについても、“独立”の宣言によりモスクワ総主教庁からの扱いがどうなっているかは当方は把握していません)。
 アンティオキア総主教は今年に UOC の首座オヌフリー府主教座下へ支持するメッセージを出しており、エルサレム総主教はかつてオヌフリー府主教を「神がこの難局を乗り越えるために選んだ人物」とまでたたえています。実はアンティオキアとエルサレムの間には管轄権をめぐって争いがありますが、ウクライナにおいてはコンスタンティノープルの強引なやり方を支持しないことで一致しています。

 このようにウクライナにはもともと教会法上合法であり、今も多数の独立正教会から支持されている教会= UOC という組織があるにも関わらず、 NHK はこの現実を無視して報道して、11の独立正教会が支持していない OCU が唯一存在する広範囲な支持を受けている教会であるかのように報道しています(し続けています)。おまえなぜウソをつくんだい?

  NHK のせいか、 OCU を認めていないのはモスクワだけなどという何の根拠もない思い込みを語っている人や、認めない連中はモスクワの信者だけなどと語る人もおりますが、上記のロシア以外の10教会が本当にモスクワの信者とでも思っているのでしょうか? 仮にそうならコンスタンティノープルを追い出すなり、モスクワがトップだと宣言するなりしても差し支えないでしょうに。なんでそうしないんですか? 現実は「コンスタンティノープルがルール違反なことをしたが、さすがにコンスタンティノープルを追放することは不可能なので、その決定(= OCU )に反対したりスルーしたりしている」という状況です。
(個人的にはコンスタンティノープルの行動は完全に異端なので破門するべきと思ってますし、そうしないのならば東方正教会はもはや古代から続く使徒継承教会と見なせません。カトリック教会は彼らを「プロテスタント」か「キリスト教に含まれない宗教団体」のどちらかに分類しなおすべきです。真面目にやりたいならですが。まあ、やりたくないなら、やらなくんていいんじゃないでしょうか。ただ、伝統的な教会がこれでは、旧統一教会も、伝統的なキリスト教も大差ないとしか)

 つまり、 NHK の報道は、特定の宗教の現状に関して異論が噴出し、それが原因でウクライナ社会の分断が深まった/深まり続けているのに、その現実を無視した極めて不誠実で一方的な前提にもとづいているものであるといえます(いちおう言っておきますと、教会法や聖職者の地位以外の内容部分、ロシアの行動を取り扱った部分について批判や否定をしているわけではありません)。
  NHK には、他の立場の人々はまったく見えてない、というのはいつものことかもしれませんが。
関連:
 インタビュー記事(イタリア語):キリスト教/カトリック教会/リヴィウ大司教ミェチスワフ・クシツキ座下「ロシアの言語と教会を禁止するのは間違い」(2022年11月)
※ウクライナ国内のロシア語話者とロシア正教会系(再度言いますが今年やむなく“独立”を宣言)の UOC の置かれている立場を憂慮しているポーランド人のカトリック大司教によるインタビュー記事です。
※なお、当然のことながら、 UOC はもともとウクライナの唯一の教会法上合法な教会なので、ロシア語話者しか信徒がいないわけではありません。

  NHK は21世紀に入っても、ロシア語講座の母国語講師にウクライナ人を起用するなどロシアとウクライナを適当に、あるいは「兄弟国」として扱い、いざ状況が変わればまた別の方向へ雑なことをおこなっているように見えます。まあこれもいつものことなんでしょう。他の分野でもこんなもんなんでしょう。そんなんだから NHK ~党(?)というところが勢力を持つのでしょう。自滅

 雑な行動の結果、コンスタンティノープルは調停者役としての資格を失いつつあります。教会の本拠地別でいえばギリシャとキプロスとトルコ(コンスタンティノープル=イスタンブール)とエジプト(=アレクサンドリアがある)しか従っていない。

 また、コンスタンティノープルが、もともとモスクワ総主教庁系の UOC を正統と認めていたことも考えてみれば、 OCU をあっさりと見捨てて処分する可能性すらあります。一般常識として、自分たちが重要としてきたルールについて適当なことを言いだした宗教団体なんてなんにも信用できないんですよ。次にどんないい加減なことを言い出すかわかったものではない。

 

追記:
 なお、ギリシャ人系の人々が、たいして確認もせずに他の人々に対してきわめて雑に行動している例は過去にもありました。

 キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下が、“北キプロス・ロシア正教会”を批判(2019年8月)在外ロシア正教会と、在外ロシア正教会から分離した(通称)“アガファンゲル・シノド”の区別がついていないのでは……

 

追記2:
 ローマ教皇聖座と中華人民共和国の司教任命に関する暫定合意がさらに2年間延長(2022年10月)
 上記からリンクしたバチカンニュース英語版の記事(Cardinal Tagle: A decision to safeguard apostolic succession for Chinese Catholics – Vatican News)で、フィリピンのタグレ枢機卿座下は、カトリック教会・教皇と、営利企業とその CEO の比較のたとえを出した後、この二つが同じようなものであるということを否定し、司教(ビショップ)ひとりひとりが使徒の継承者であることを強調、それを維持することの必要性を説いています。
 そうでなければ、機密(秘跡 : 秘蹟)は有効にならず、よって使徒継承性を満たす司教を中国に存在させ、信徒に有効な秘跡を受け続けさせるために、バチカンは中華人民共和国と(いやいやながら)合意を結んでいるわけです。
 この理由を理解していないのか、中国側はしょっちゅう合意を破って勝手な決定をしています。「後でローマ教皇が認めたら正統性があることになるから、先にマウントとっちまえばいいだろ」(=中国共産党は「後からでもコンスタンティノープルが認めたから正統性がある」とか主張する連中と同レベル)ということです。が、神学と教会法により、ローマ教皇でも後から正統化することができないことというものが当然あり、それゆえに決定にその時点でローマ教皇が関わることが重要だと言っているわけです。

 コンスタンティノープルにこのレベルの行動はまったくありません。唐突に無意味なことをしただけ。よって OCU の“聖職者”は聖職者ではないですし、彼らのおこなう秘跡は無効です(11の独立正教会=多数派にとって)。無効だとコンスタンティノープルはずっとずっと言ってきたうえに、今も有効だとできる理由を示せていない。
 中国の司教は聖職者なのでその秘跡は有効です(カトリックにとって)。
 ローマとコンスタンティノープルのこの違い!

 使徒継承は、ローマ・カトリック教会、東方正教会、オリエント正教会、アッシリア東方教会、つまり古代から続く各教会に共通する根本的なルールといってもいいほどです。
 コンスタンティノープルは OCU の承認によって、使徒継承を否定したようなものです。
 タグレ枢機卿座下のコメントを読んだ後では(あるいはその前でも)、カトリックと現在の東方正教会を同格に並べるなど使徒に対して失礼としか言えません。

 

 そういうわけで。
 「コンスタンティノープルが認めたんだから正統性がある」などというのは理屈のうちにも入っておらず、「社長が決めてんだから黙って従えよバーカ笑」というレベルの悪口・おどしでしかありません。
 神と関係ありません
 キリスト教と関係ありません
 使徒と関係ありません
 単なる政治力にぎってる人間によるパワハラの類。
 いや、新興宗教の教祖さまが決めたのだから絶対だという話。バカバカしい。旧統一教会とコンスタンティノープルの区別もついていないのか。いや同類だと思っているのか。まあ同類(同じキリスト教)なのかもしれませんが。

 

追記(2022年11月):
 コンスタンティノープルの司祭(掌院)がテッサロニキ神学校で提出した論文に対して、反論する形でアルバニア正教会の聖シノドが声明を発表。あらためてコンスタンティノープルの行動を批判、 OCU は教会法上合法でない、その“主教”は主教ではないと指摘するような形となっています。
 論文の中身でアルバニア正教会に触れられている事柄が不正確で誤解を招くとしての発表のようです。
 (ギリシャ語:アルバニア正教会 公式サイト)Σχετικά μέ τή μεταπτυχιακή ἐργασία τοῦ Ἀρχιμανδρίτoυ π. Γρηγορίου Φραγκάκη γιά «τό ἐν Οὐκρανίᾳ ἐκκλησιαστικό ζήτημα». – Ορθόδοξος Αυτοκέφαλος Εκκλησία της Αλβανίας
 (英語:アルバニア正教会 公式サイト)Regarding the Master’s Paper Of the Archimandrite Fr. Grigorios Frangakis On “The Ecclesiastical Issue in the Ukraine”. – Orthodox Autocephalous Church of Albania

※アルバニア正教会の公式サイト、あまり更新の無い英語版にも掲載されました。
 英語版も掲載したのは、読める人の多い英語版を掲載しておかないといけない(=そうしないと一部のギリシャ人が勝手なことを言い出す)との判断でしょう。
 コンスタンティノープルの聖職者が唐突に新発明した神学的珍論(一部は完全に歴史の歪曲を含む)に対応するむなしさが感じられるとても良い文章だと思います。いや本当に。この(論文を書いたコンスタンティノープルの)聖職者は、カトリックの(本筋に関係ない)神学まで持ち出して主張をおこなっているようで、これではカトリック系新興宗教団体(なんだやっぱり東方正教会というのは、ただローマ・カトリック教会から分離したいい加減な少数集団だったのか! 早く帰一したらどうです?)。

 アルバニア正教会の府主教の一人はかつて「旧統一教会に一切かかわるな」と発言していましたが、伝統的な宗教団体(のはずのコンスタンティノープル)が自分で宣言していたルールも守らないようでは大変ですねとしか。旧統一教会が勢力を伸ばす理由の一端もわかるものです。

 21世紀にもなって、ムチャクチャにルールを破る伝統的なキリスト教と、それを支持するかのように「(自分たちが言っていたルールをいきなり破っても)コンスタンティノープルが認めたから正統性がある(だから信者は黙って献金しろ)」などといういい加減な人々。旧統一教会への規制が難航しているのは当然ですし、最終的に失敗するでしょう。

 

追記2:
 書籍形式PDFファイル(2022年11月 アラビア語・一部英語):キリスト教/コプト正教会首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下のスピーチを集めたもの。掲載写真のうちキリスト教指導者では、ローマ教皇フランシスコ聖下、ロシア正教会モスクワ総主教庁キリル聖下、エチオピア総主教“アブネ”・マティアス1世聖下、ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教アントニー座下を重要視か

 コプト正教会がロシア正教会を重視し、コンスタンティノープルはかけらも気にしていない写真構成だったという話です。というか、東方正教会の古代からの四大総主教庁はすべてスルー気味=その他大勢扱い。

 もっとも、そもそも非カルケドン派(=オリエント正教会)が五大総主教庁(ペンタルキー)をありがたがる理由は全然ないんですが。
 ローマとアンティオキアとアレクサンドリアは重要かもしれませんが、後二者はオリエント正教会に存在するので、後はローマ教皇だけになると。
 他は、東方正教会の信徒数の半分を占めるロシア正教会くらいしか重要なところがない、とまで思っているかはわかりませんが、アントニー府主教まで重要に扱っているところを見ると、コンスタンティノープル総主教というのは、結局のところロシア正教会モスクワ総主教庁の渉外局長を務める府主教よりはるかに下なのかと。

 


 

 コンスタンティノープルを東方の教会の代表のように扱い、そこと宥和することにより東西教会全体が宥和したかのように見せかけるというローマの目論見(?)は破綻しつつありますが、なんにせよどこももうムチャクチャなので、気のすむようにしたらいいんじゃないでしょうか。

着座式(2021年9月5日):キリスト教/セルビア正教会/モンテネグロ府主教ヨアニキイェ座下の着座式がおこなわれる

 2021年9月5日、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会のモンテネグロ・沿海府主教に選出されているヨアニキイェ座下(His Eminence Metropolitan Joanikije of Montenegro and the Littoral)の着座式がモンテネグロのツェティニェ修道院でおこなわれました。

追記:
 なお、ヨアニキイェの名を持つモンテネグロ府主教が歴代二人目のため、ヨアニキイェ2世Joanikije II)としている表記があります。今のところ、教会公式サイトなどでは見かけていません。

 、セルビア総主教ポルフィリイェ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Porfirije, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)により司式され、礼拝ではクルシェヴァツ主教ダヴィド座下(His Grace Bishop David of Kruševac)が参加したようです。

※なお、反セルビア正教会の抗議活動を警戒してか、ポルフィリイェ総主教とヨアニキイェ府主教はヘリコプターにより同地に到着した後、軍の兵士(?)に警護されてツェティニェ修道院に入ったようです。

 その後、ポドゴリツァのハリストス復活大聖堂での礼拝や、式典がおこなわれました。

 

ライブ映像/
Радио Светигора:
Устоличења Митрополита Јоаникија – 05. 09. 2021. – YouTube

 

 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Patriarch Porfirije has arrived to Cetinje Monastery | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Metropolitan Joanikije of Montenegro and the Littoral enthroned | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Biography of Metropolitan Joanikije of Montenegro and the Littoral | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Patriarch Porfirije: Metropolitan Joanikije has the support of our entire Church, all our Orthodox people wherever they live and all the brothers hierarchs without a shred of reserve | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Patriarch Porfirije at the Podgorica airport: I pray to God for this country, for this people and for all people, and I ask them to pray for me, because they are closer to God | Serbian Orthodox Church [Official web site]

 (セルビア語:セルビア正教会 モンテネグロ・沿海府主教庁 公式サイト)Митрополит Јоаникије свечано устоличен у трон Светог Петра Цетињског: Јеванђеље Христово ће бити темељ свега што ћу радити и градити | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)
 (セルビア語:セルビア正教会 モンテネグロ・沿海府主教庁 公式サイト)Приступна бесједа Митрополита црногорско-приморског г. Јоаникија | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 

Телевизија Храм:
Беседа Патријарха Порфирија на устоличењу Митрополита Црногорско-приморског Г. Јоаникија – YouTube

 

Телевизија Храм:
Приступна беседа Митрополита Црногорско-приморског Г. Јоаникија – YouTube

 

Телевизија Храм:
Песма посвећена устоличењу Митрополита црногорско-приморског Г. ЈОАНИКИЈА – YouTube

 

Телевизија Храм:
Посета Патријарха Порфирија Митрополији црногорско-приморској – YouTube

 

Novosti:
Ustoličen mitropolit Joanikije – YouTube

 

Novosti:
POČELO USTOLIČENJE MITROPOLITA JOANIKIJA – YouTube

 

Novosti:
"DOSTOJAN": Ustoličenje mitropolita Joanikija na Cetinju – YouTube

 

Novosti:
Patrijarh Porfirije i mitropolit Joanikije stigli na Cetinje – YouTube

 

Патријарх ПорфиријеはInstagramを利用しています:「Растајем се, надам се не за дуго, са овом благословеном земљом и народом, са двоструким осећањима. Срећан сам веома јер смо извршили дело…」

 

参列した高位聖職者:
エルサレム総主教庁/
 カタール大主教マカリオス座下(His Eminence Archbishop Makarios of Qatar)

ロシア正教会/
 トヴェリ・カシン府主教アンヴロシー座下(His Eminence Metropolitan AmbroseAmvrosiy】 of Tver and Kashin)

ブルガリア正教会/
 ロヴェチ府主教ガヴリール座下(His Eminence Metropolitan GabrielGavriil】 of Lovech)

アルバニア正教会/
 ジロカストラ府主教ジミタル座下(His Eminence Metropolitan Dhimiter of Gjirokastra)

ポーランド正教会/
 シェミャティチェ主教ヴァルソノフィウシュ座下(His Grace Bishop Warsonofiusz of Siemiatycze)

チェコ・スロバキア正教会/
 ミハロウツェ・コシツェ大主教ユライ座下(His Eminence Archbishop GeorgeJuraj】 of Michalovce and Košice)

在外ロシア正教会/

ウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系):

セルビア正教会/

 シュマディヤ主教ヨヴァン座下(His Grace Bishop Jovan of Šumadija)

 クルシェヴァツ主教ダヴィド座下(His Grace Bishop David of Kruševac)

 ニシュ主教アルセニイェ座下(His Grace Bishop Arsenije of Niš)

 (元)カナダ主教ゲオルギイェ座下(His Grace Bishop Georgije, retired Bishop of Canada)
 マルカ主教に選出されているサワ掌院(Archimandrite Sava, elected Bishop of Marca)
 フヴォスノ主教に選出されているユスティン掌院(Archimandrite Justin, elected Bishop of Hvosno)
 聖地アトス山のヒランダル修道院の修道院長メトディイェ掌院(Archimandrite Metodije, abbot of the Chilandar Monastery)

 

関連(世界の王室ニュース):
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