(速報気味の情報ですが)キリスト教/ギリシャ正教会の常任聖シノドはコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を独立正教会として承認するかどうかを10月の全主教団聖シノド会合で決定することにしたという情報(2019年8月)

 ギリシャの正教会系メディア Romfea によりますと、キリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会の常任聖シノドは、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を独立正教会として承認するかどうかを10月の全主教団聖シノド会合で審議すると決めたようです。

 

 (英語)The Hierarchy of the Church of Greece to decide on the issue of Ukrainian autocephaly (upd) – Romfea News

 

 唖然とさせられるのは Romfea の報道です。
 彼らは、10月の全主教団聖シノド会合ではこの問題は議題にあがっていないと報じていました。
 そして、今回の常任聖シノドで決定されると報じながら、一転してやっぱり10月の全主教団聖シノド会合で決定されるようだと報じています。
 あなたがたの情報元はどのくらい正しいんですか……?
 もちろん、今回のものは、コンスタンティノープル寄りの Romfea による希望的観測記事が外れただけのことかもしれませんが……。

 ともあれ、今回の報道が事実ならば、問題はやはり先送りされたということでしょう。
 詳細は理解していないのですが、ギリシャ正教会の常任聖シノドの議席配合はコンスタンティノープル側に管轄権がある主教(アテネ大主教庁に管轄権が預けられているという建前が主張されることもありますが)らと、アテネ大主教庁に管轄権がある主教らにわかれており、両者が同調する必要があるらしく、したがってアテネ大主教庁側がコンスタンティノープルに同調するのをまたも拒否したとみていいのではないでしょうか。
 このあたりの詳細は、ロシアの正教会系メディアが解説してくれると思いますが……。

 

追記:

 (英語)Archbishop Ieronymos: I cannot take responsibility on my own – Romfea News

 Romfea の続報によりますと、キリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会首座/アテネ・全ギリシャ大主教イエロニモス2世座下(His Beatitude Hieronymos II, Archbishop of Athens and All Greece and Primate of the Autocephalous Orthodox Church of Greece)は、 OCU を独立正教会として承認するかどうかについて、「責任を負えない」と述べたそうです。
 これは主教団聖シノド会合で投票にかけた結果なら自分の責任ではないということなんでしょうか。
 独立正教会の首座とはいったい……。
 いやもちろん、すべての主教は平等(?)だというのが東方の教会の原則らしいですが。

 

キリスト教/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下が、キプロス大統領ニコス・アナスタシアディス閣下と会見(2019年8月)

 キプロス共和国を訪問中のキリスト教/東方正教会/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下(His Beatitude Theodoros II, Pope and Patriarch of Alexandria and All Africa)は、キプロス共和国大統領ニコス・アナスタシアディス閣下(His Excellency Mr Nicos Anastasiades)と会見しました。

 

 (英語)Meeting of the Patriarch of Alexandria with the President of Cyprus – Romfea News

Romfea.newsさんはTwitterを使っています: 「Patriarch Theodore of Alexandria claims that he feels at home when in Cyprus and thanks Archbishop Chrysostomos for his constant support to the Patriarchate of Alexandria. #romfeanews https://t.co/6ddyAgIwHp」 / Twitter

Romfea.news – Patriarch Theodore of Alexandria claims that… | Facebook

 

キリスト教/ギリシャ正教会が、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を承認するかどうかを議論する模様(2019年8月)

 ギリシャの正教会系メディア Romfea によりますと、2019年8月26日~8月28日におこなわれるキリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会の常任聖シノドで、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を独立正教会として承認するかどうかが議論されるという話です(同様の話はこれまでも出ては消えてましたが)。

 

 (英語)The Church of Greece decides on Ukraine – Romfea News

 

 今回決まるのかどうかはわかりませんが、いずれにせよ長期的にコンスタンティノープルに逆らえるギリシャ人系教会はないだろうというのが主な見方ですし、まして管轄権とギリシャ共和国憲法が原因でコンスタンティノープルに“浸食”されているギリシャ正教会が一番最初になるだろうというのもほぼ共通の見方です。

 ギリシャ正教会が承認を決定した場合、ロシア正教会モスクワ総主教庁の聖シノドはギリシャ正教会とフル・コミュニオンの解除を決議するほかなく(モスクワ総主教庁は積極的にしたくはないでしょうが、モスクワ総主教庁系ウクライナ正教会が我慢する可能性は低い)、ギリシャ正教とロシア正教の分離、そして東方正教会の崩壊へとつながっていきます。
 皮肉なことにギリシャ正教とロシア正教の分離を最後に“認定”するのはローマ・カトリック教会で、彼らがコンスタンティノープルとモスクワを完全に別に扱い始めれば、その二つはもう一つの教えを奉じていないとみなされることになります。

 

追記:
 (速報気味の情報ですが)キリスト教/ギリシャ正教会の常任聖シノドはコンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を独立正教会として承認するかどうかを10月の全主教団聖シノド会合で決定することにしたという情報(2019年8月)

 

キリスト教/東方正教会/エルサレム総主教庁のイリネオス前総主教がギリシャのアテネで治療を受けることに合意(2019年8月)

 ギリシャの正教会系メディア Romfea 英語版が別のメディアからの情報として記事にしているところによりますと、先月に修道士への降格撤回と“前総主教”の称号の承認がおこなわれたイリネオス元エルサレム総主教(Eirinaios, Former Patriarch of Jerusalem)ですが、治療のためのギリシャ行きに同意したようです。

 

 (英語)Former Patriarch of Jerusalem finally comes to Athens – Romfea News

 

 経緯がいまいちはっきりしないのですが、

  • イリオネス修道士の健康状態悪化
  • 同修道士の姉か妹が、エルサレム総主教庁系の医療機関からひどい扱いを受けている(床に転がされているとか)と発言、ギリシャの総領事館に助けを求める
  • ギリシャ正教会のアテネ大主教が、新設した関連医療機関での受け入れ準備が出来ていると発言
  • ギリシャ総領事館「パスポートが“イリネオス総主教”になっているので無効。なんとかしてもらいたい」
  • エルサレム総主教庁が“前総主教”の称号を承認(いくつかのメディアによるとこれでパスポートが有効になったことになるらしいです)。そして適切なケアがおこなわれていると抗議声明
  • イリオネス前総主教がギリシャに行きたくない(エルサレムにとどまりたい)という意思を示す
  • 今回 → イリオネス前総主教がギリシャ行きに同意(記事からはパスポートの発効を申請する書類にサインしたように読めますが……)

 ということになりますが、今回申請したとすると、パスポートがどうたらという話は結局申請しなおさないといけないという当たり前の結論になったということなんでしょうか。よくわかりません。

 

 まだこの問題は引きずるかもしれません。
 イリネオス前総主教は、教会法上合法でない教会の中に「解任は無効で今も正当な総主教」とする勢力もあります。
 エルサレム総主教庁や報道からは、もう教会指導者としての職務をやるなど不可能な体調であるという前提が感じられますが、世の中なにが起こるかわかりません。

 

キリスト教/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下のキプロス訪問始まる。キプロス大主教クリソストモス2世座下と会談(2019年8月)

 2019年8月23日、キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下(His Beatitude Theodoros II, Pope and Patriarch of Alexandria and All Africa)のキプロス共和国訪問が始まりました。

 空港では、キプロス正教会のカルパシア主教フリストフォロス座下(His Grace Bishop Christoforos of Karpasia)が出迎えた模様。
 同主教の同行によりキプロス大主教庁に到着し、キリスト教/東方正教会/キプロス正教会の首座/ノヴァ・ユスティニアナと全キプロスの大主教クリソストモス2世座下(His Beatitude Archbishop Chrysostomos II of Nova Justiniana and all Cyprus)との会談がおこなわれ、その後に昼食会が催されたようです。

 昼食会に臨席したのは、両首座とフリストフォロス主教のほか、
 キプロス正教会から、
 キティオン府主教ネクタリオス座下(His Eminence Metropolitan Nektarios of Kition)、
 メサオリア主教グリゴリオス座下(His Grace Bishop Grigorios of Mesaoria)、
 アレクサンドリア総主教庁から、
 ニトリア主教ニコデモス座下(キプロスにおける首座代理 : His Grace Bishop Nikodemos of Nitria, the Exarch of the Patriarchate of Alexandria in Cyprus)。

 

 (ギリシャ語:キプロス正教会公式サイト)Άφιξη του Πατριάρχη Αλεξανδρείας στην Κύπρο – Εκκλησία της Κύπρου

Γραφείο Ενημερώσεως και Επικοινωνίας της… – Γραφείο Ενημερώσεως και Επικοινωνίας της Εκκλησίας της Κύπρου | Facebook

 

 (英語:ルーマニア正教会通信)Patriarch of Alexandria arrived in Cyprus – Basilica.ro