キリスト教/東方正教会アンティオキア総主教庁が、エルサレム総主教庁とコミュニオンの状態に復帰(2023年10月)

 キリスト教/東方正教会アンティオキア総主教庁は、エルサレム総主教庁とのコミュニオンの状態に戻ることを発表しました。

 

التفاتة محبّة من كنيسة أنطاكية إلى… – Antioch Patriarchate بطريركية أنطاكية وسائر المشرق للروم الأرثوذكس | Facebook

 

 (英語)Antiochian Patriarchate restores communion with Jerusalem Patriarchate / OrthoChristian.Com

 

 エルサレム総主教庁が、アンティオキアの管轄権内であるカタールに大主教庁を設置したことにより、アンティオキア総主教庁はエルサレム総主教庁とのコミュニオンを解除していました。
 また、エルサレム総主教庁側もアンティオキア総主教庁とのコミュニオンを解除しています。

 今回、アンティオキア総主教庁は、パレスティナの人々とエルサレム総主教庁の苦難の状況を鑑みて、コミュニオンの状態に戻り支援の意思を表明し、カタールの問題については、別途協議をおこないたいようです。
 また、関係正常化には、エルサレム総主教庁側が、アンティオキア総主教庁とコミュニオンの状態に復帰、相互にコミュニオンの状態になる必要があります。

“モンテネグロ正教会”の新たな首座を称している“ボリス府主教”が礼拝でモスクワ総主教やセルビア総主教の名前を挙げたと、“ミハイロ府主教”側が非難(2023年10月)

 キリスト教/東方正教会系統の、主流の教会からはどこからも教会法上合法と認められていない、モンテネグロ正教会(MOC)で、新たな首座を称している“ボリス府主教”が礼拝でロシア正教会の首座/モスクワ総主教キリル聖下やセルビア総主教ポルフィリイェ聖下の名前を挙げたと、“ミハイロ府主教”(ツェティニェ大主教・モンテネグロ府主教ミハイロ座下 : His Beatitude Mihailo, Archbishop of Cetinje and Montenegrin Metropolitan)側が非難をしています。

 その礼拝では、ウクライナ人の司祭の“叙聖”もおこなわれたそうですが……。

 

 (モンテネグロ語:モンテネグロ正教会【ミハイロ府主教側】 公式ウェブサイト)Raščinjeni vikarni episkop se moli za srpskog i ruskog patrijarha | Crnogorska Pravoslavna Crkva

 

ミハイロ府主教側がアップロードしている動画(転載?)/
Crnogorska Pravoslavna Crkva(モンテネグロ正教会 公式チャンネル):
Bojan Bojović se moli za srpskog i ruskog patrijarha – YouTube

 

 ミハイロ府主教側の非難の根拠は、まあ予想通りなのですが……。

 ただ、ボリス府主教が、モスクワ総主教やセルビア総主教の名を礼拝で挙げたのは、東方正教会の独立正教会の首座は礼拝において自分たちが独立正教会と認めている教会の首座の名前を挙げるので、それに沿ったものでしょう。
 本気でコンスタンティノープルから独立正教会として認めるトモスを手に入れられると思っているのか、という疑問も浮かびますが、体裁を整えているつもりではあるようです。

 ミハイロ府主教は、もともとコンスタンティノープルに破門された司祭なので、近年、首座が変われば(ウクライナの OCU のように)コンスタンティノープルから独立正教会として認めるトモスがもらえるという発想があるようです。
 もともと、ミハイロ府主教は、コンスタンティノープルが自分にトモスを渡すと自信を見せていたのですが、最近では、自分たちの教会組織はそれほど大きくないことを理由にコンスタンティノープルがトモスを渡すはずがないという見解を掲載していたりします。

 

関連:
 “モンテネグロ正教会”で新たな首座が選出されたとの報道。これまでの首座“ミハイロ府主教”はこの動きを否定(2023年9月)

キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、東方正教会/エルサレム総主教セオフィロス3世聖下と会見(2023年9月)

 2023年9月29日、キリスト教/東方正教会/エルサレム・全パレスチナ総主教セオフィロス3世聖下(His Beatitude Theophilos III, Patriarch of Jerusalem and All Palestine)は、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)を訪問しました。

 

 (英語:ローマ教皇聖座 公式ウェブサイト)Audiences, 29.09.2023

– His Beatitude Theophilos III, Greek Orthodox Patriarch of Jerusalem, and entourage;

 (英語:ローマ教皇庁 キリスト教一致推進評議会 公式ウェブサイト)2023 10 02 Pope Francis meets Patriarch Theophilos of Jerusalem

 (英語:東方正教会エルサレム総主教庁 公式ウェブサイト)THE PATRIARCH OF JERUSALEM MEETS WITH POPE FRANCIS AND INITIATES CRUCIAL MEDIATION ON RUSSIAN-UKRAINIAN CONFLICT – Jerusalem Patriarchate News Gate
 (英語:東方正教会エルサレム総主教庁 公式ウェブサイト)PATRIARCHATE OF JERUSALEM INITIATES MEDIATION AND DIALOGUE FOR HEALING IN UKRAINE AND RUSSIA – Jerusalem Patriarchate News Gate

キリスト教/東方正教会/エルサレム総主教セオフィロス3世聖下が、コプト正教会のロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下らと会見(2023年9月)

 2023年9月19日、キリスト教/東方正教会/エルサレム・全パレスチナ総主教セオフィロス3世聖下(His Beatitude Theophilos III, Patriarch of Jerusalem and All Palestine)は、キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会/ロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下(His Eminence Archbishop Angaelos of London)と会見しました。
 アンゲロス大主教には、コプト正教会側から、エルサレム府主教アントニウス座下(His Eminence Metropolitan Antonius Metropolitan of Jerusalem & The Near East)が同行

 

 (英語:エルサレム総主教庁ニュースゲート)THE COPTIC ARCHBISHOP OF ENGLAND VISITS THE PATRIARCHATE – Jerusalem Patriarchate News Gate
 (英語)Patriarch Theophilos of Jerusalem Receives Archbishop Angaelos of London – Orthodoxy Cognate PAGE

 

Jerusalem Patriarchate | Facebook

“モンテネグロ正教会”で新たな首座が選出されたとの報道。これまでの首座“ミハイロ府主教”はこの動きを否定(2023年9月)

 2023年9月3日に、キリスト教/東方正教会系統の、主流の教会からはどこからも教会法上合法と認められていない、モンテネグロ正教会(MOC)の協議会が開かれ、新たな首座が選出されたと報道されました。

 

Portal Aktuelno:
Opštecrnogorski Zbor, himna – YouTube

 

 (モンテネグロ語)Opštecrnogorski zbor: Episkop Boris je novi mitropolit CPC

 

 この記事によれば、ボリス主教が新たな首座である府主教に選出され、これまで教会を率いていた“ミハイロ府主教”(ツェティニェ大主教・モンテネグロ府主教ミハイロ座下 : His Beatitude Mihailo, Archbishop of Cetinje and Montenegrin Metropolitan)は「引退」とされています。

 

 しかし、 MOC の公式サイトはこの動きを完全に否定。

 

 (モンテネグロ語:モンテネグロ正教会 公式サイト)Propali politički miting | Crnogorska Pravoslavna Crkva
 (モンテネグロ語:モンテネグロ正教会 公式サイト)Privremena zabrana činodjejstvovanja | Crnogorska Pravoslavna Crkva

 

 また、同教会の“シメオン大主教”という人物もこの動きを批判している記事が出、自身と同教区は賛同していないとしています。

 (モンテネグロ語:モンテネグロ正教会 公式サイト)Obraćanje Arhiepiskopa Simeona povodom skupa 03. 09. 2023. godine | Crnogorska Pravoslavna Crkva

 

 詳細は不明ですが、 MOC は2018年にも一部メンバーが離脱して新組織を結成しており、今回の件もそのようなもの(として落ち着く)かもしれません。

 

追記:
 モンテネグロを管轄する、主流の教会から教会法上合法な教会と見なされているのは、セルビア正教会です。
 上記の、新たにモンテネグロ正教会の府主教に選出されたと主張するボリス主教は、セルビア正教会の、ブエノスアイレス・中南米主教キリロ座下(His Grace Bishop Kirilo of Buenos Aires and South-Central America)の いとこ だそうです。

 

追記2:
 英語の記事を出しているところがあったのでリンクしておきます。

 At the gathering in Cetinje, Boris was elected as the metropolitan; Mihailo: A political group that has no legitimacy

 

続報:
 “モンテネグロ正教会”で新たな首座に選出されたと主張する“ボリス府主教”らが扉を破壊して聖堂に侵入したとして、“ミハイロ府主教”側が告訴をおこなったと発表。またそれに対する反論が“ボリス府主教”よりおこなわれた模様(2023年9月)
 “モンテネグロ正教会”の首座“ミハイロ府主教”ら三人の主教が、新たな首座に選出されたと主張する“ボリス主教”の聖職者としての地位を剥奪と発表(2023年9月)
 “モンテネグロ正教会”の新たな首座を称している“ボリス府主教”が礼拝でモスクワ総主教やセルビア総主教の名前を挙げたと、“ミハイロ府主教”側が非難(2023年10月)