キリスト教/アルメニア使徒教会カトリコスのガレギン2世聖下が国内情勢を受けて声明を発表。アルメニア首相ニコル・パシニャン閣下に辞任を要求(2020年12月)

 2020年12月8日、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会/全アルメニア人のカトリコス・最高総主教ガレギン2世聖下(His Holiness Karekin IIGaregin II】, Supreme Patriarch and Catholicos of All Armenians)は、“アルツァフ”【ナゴルノカラバフ】におけるアゼルバイジャン共和国との戦闘おいて敗北し混乱している国内情勢を受けて声明を発表、アルメニア共和国首相ニコル・パシニャン閣下(His Excellency Mr Nikol Pashinyan)に辞任を要求しています。

 

Armenian Church(アルメニア使徒教会 聖エチミアジン母座 公式チャンネル):
The Message of the Catholicos of All Armenians on the Internal Political Situation in Armenia – YouTube

 

 (アルメニア語:アルメニア使徒教会 聖エチミアジン母座 公式サイト)The Armenian Church – Մայր Աթոռ Սուրբ Էջմիածին | Ն.Ս.Օ.Տ.Տ. ԳԱՐԵԳԻՆ Բ ԱՄԵՆԱՅՆ ՀԱՅՈՑ ԿԱԹՈՂԻԿՈՍԻ ՈՒՂԵՐՁԸ ՀԱՅԱՍՏԱՆՈՒՄ ՆԵՐՔԱՂԱՔԱԿԱՆ ԻՐԱՎԻՃԱԿԻ ԿԱՊԱԿՑՈՒԹՅԱՄԲ
 (英語:アルメニア使徒教会 聖エチミアジン母座 公式サイト)The Armenian Church – Mother See of Holy Etchmiadzin | Message of His Holiness Karekin II, Catholicos of All Armenians On the Domestic Situation in Armenia

 (英語)Interfax-Religion: Catholicos Karekin II of All Armenians urges PM Pashinyan to resign

 

 アルメニア使徒教会の両カトリコス座が辞任要求で一致しました。
 首相が拒める可能性は極めて低いです。

関連:
 キリスト教/アルメニア使徒教会/キリキア・カトリコスのアラム1世聖下が、“アルツァフ”【ナゴルノカラバフ】での敗戦を受けて、アルメニア首相ニコル・パシニャン閣下に辞任を要求(2020年12月)

 

キリスト教/ルーマニア総主教ダニエル聖下がルーマニア議会選挙で投票(2020年12月)

 2020年12月6日、キリスト教/東方正教会/ルーマニア正教会の首座/ルーマニア正教会総主教ダニエル聖下(ブカレスト大主教 : ムンテニア・ドブロジャ府主教 : カエサレア・カッパドキアエ座代行 : His Beatitude Daniel, Archbishop of Bucharest, Metropolitan of Muntenia and Dobrudgea, Locum tenens of the throne of Caesarea Cappadociae, Patriarch of the Romanian Orthodox Church)は、ルーマニア議会選挙での投票をおこないました。

 

TRINITAS TV:
Patriarhul României a votat la Școala Nr. 74 – YouTube

 

 (英語)Patriarch Daniel casts ballot in 2020 Romania legislative election – Basilica.ro

 

Basilica.ro (EN)さんはTwitterを使っています 「His Beatitude Patriarch Daniel cast his ballot Sunday to elect a new bicameral parliament for the next four years. https://t.co/yn9TAqQfau https://t.co/q7Nyc0rU67」 / Twitter

 

His Beatitude Patriarch Daniel cast his… – Basilica News Agency | Facebook

 

キリスト教/西欧ロシア正教会大主教区のジャン大主教座下とコンスタンティノープルのフランス府主教エマニュエル座下が共同声明(2020年12月)「お互いに気を使いましょうね」くらいの文章ですが……

 2020年12月4日付で、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で自治的な権限を持つ西欧ロシア正教会大主教区の首座大主教/ドゥブナ府主教ジャン座下(His Eminence Metropolitan JeanJohn】【Ioan】【Ioann】 of Dubna, Archbishop of the Russian Orthodox Churches in Western Europe)と、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルのフランス府主教エマニュエル座下(His Eminence Metropolitan Emmanuel of France)による共同声明が発表されています。

 

 (フランス語:西欧ロシア正教会大主教区 公式サイト)Archevêché des églises orthodoxe de tradition russe en Europe occidentale – Communiqué du Bureau de l’Archevêque du 4 décembre 2020

 (英語)ROC structures and Phanar in Europe agree on fraternal coexistence – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

ROC structures and Phanar in Europe… – Union of Orthodox Journalists – UOJ | Facebook

 

※現時点で西欧ロシア正教会大主教区側の発表と、フランスの正教会系メディア、ロシアの正教会系メディアの記事がありますが、コンスタンティノープル側からの発表はなく、ギリシャの正教会系メディアも言及していません。

 

 内容は「お互いに気を配りましょうね」くらいのもので、特に意味はありません
 コンスタンティノープルが(コンスタンティノープルの管轄権下にあった)西欧ロシア正教会大主教区をつぶそうとしたときに、モスクワ総主教庁の管轄権下に移ったジャン大主教座下らとコンスタンティノープルの管轄権下の小教区に移った人々がおり、この両者の間でケンカをなるべくしないようにしましょうねということです。
 モスクワ総主教庁がコンスタンティノープルとのコミュニオンを解除している以上、西欧ロシア正教会大主教区もまたコンスタンティノープル系の神品(聖職者)らと礼拝はおこなえず、せいぜいケンカしないくらいが限界ですが……。

 今回の合意文書がなぜ出されたかについては、判断できかねるところがあります。
 そもそも決裂して出ていったわけで、ケンカをする必要はないものの、もう距離をおいてしまえばいいはずです。そうしていないとすると、距離が取れていないし、取れない理由があるのでしょう。聖堂などの施設を今も共同で使用していたりするケースがあったり、片方がそれを自分たちだけのものにしようとしていたりという、そういう争いごとがあるのかもしれません。

 また、あるいはモスクワ総主教庁自体が大主教区になんらかの圧力をかけてきている可能性があります。
関連:
 キリスト教/ロシア正教会/西欧における総主教代理アントニー府主教座下と、西欧ロシア正教会大主教区首座/ジャン府主教座下が会見(2020年10月)
 ↑ の記事において、両者の関係に関する問題点が話し合われたことが伝えられたように、大主教区とモスクワ総主教庁の西欧における総主教代理区になにか問題があることは秘密でも何でもない様子。
 ジャン大主教が、コンスタンティノープルとの融和姿勢を見せて、モスクワ総主教庁を牽制している可能性もあります。

 

追記:
 ロシアの正教会系メディア ORTHODOX CHRISTIANITY も今回の件を伝えています。

 (英語)Moscow-Constantinople agreement in France signals end of Met. Emmanuel’s legal threats / OrthoChristian.Com

 この見解は、コンスタンティノープルのエマニュエル府主教が自身の主張を諦め、ジャン大主教の立場を認めたというようなものです。
 これはコンスタンティノープルに善意(?)があるとすれば一つの見方でしょう。
 しかしコンスタンティノープル側にメリットがなく(ないというか見えてこないというか)、そもそも東方正教会全体での絶対的な首位権を主張しているコンスタンティノープルが何かを諦める必要など毛頭ないというのが現在の前提である以上、あまり説得力はないのかなと思います(書いた人も信じているのかどうか)。

 

キリスト教/セルビア正教会首座代行のダバル=ボスニア府主教フリゾストム座下が新型コロナウイルス感染症【COVID-19】感染検査で陽性・入院とのこと(2020年12月)

 2020年12月4日、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座代行/ダバル=ボスニア府主教フリゾストム座下(His Eminence Metropolitan Hrizostom of Dabar-Bosnia)が、新型コロナウイルス感染症【COVID-19】感染検査で陽性の結果が出、入院したと発表されました。

 

 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Press Release | Serbian Orthodox Church [Official web site]

 

 東方正教会では、感染や永眠(セルビア総主教を含む)が続出しており、セルビア正教会では後継総主教選出をいつおこなうかの目途も立っていません。

 

続報:
 新型コロナウイルス感染症【COVID-19】感染検査で陽性・入院していたキリスト教/セルビア正教会首座代行のダバル=ボスニア府主教フリゾストム座下が退院との情報(2020年12月)

 

関連:
 訃報(2020年11月20日):キリスト教/セルビア総主教イリネイ聖下が永眠(1930~2020)新型コロナウイルス感染症【COVID-19】
 訃報(2020年10月30日):キリスト教/セルビア正教会の重鎮/モンテネグロおよび沿海の府主教アンフィロヒイェ座下が永眠(1938~2020)新型コロナウイルス感染症【COVID-19】の治療で入院との既報

 

インタビュー動画(セルビア語):キリスト教/セルビア正教会首座代行のダバル=ボスニア府主教フリゾストム座下へのインタビュー映像(2020年12月)

 キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座代行/ダバル=ボスニア府主教フリゾストム座下(His Eminence Metropolitan Hrizostom of Dabar-Bosnia)へのインタビュー動画です。

 

Телевизија Храм:
Разговор са Митрополитом дабробосанским и мјестобљуститељем патријарашког трона Г. Хризистомом – YouTube

 

 セルビア正教会の次の首座(総主教)が誰になるか読めない状況です。
 フリゾストム座下は、ボスニア・ヘルツェゴビナ国籍のようです。