イーロン・マスクが、タッカー・カールソンによるインタビュー動画をリポスト、5000万 近くの閲覧数(2023年10月)

 タッカー・カールソンTucker Carlson)によるインタビュー動画、内容は、ウクライナの政権がキリスト教のウクライナ正教会(UOC)を弾圧している、というようなものです。

 イーロン・マスクによるリポストが(当たり前ですが)ものすごく閲覧されております。
 閲覧数は動画再生数や最後まで動画を見た人を示すわけではありませんが、この記事を書いている時点でも 5000万 に迫っています。
 もっとも、これによる影響があるのかどうかは、当方には判断できかねます。

 

XユーザーのElon Muskさん: 「Priests are being imprisoned?」 / X

 

関連:
 Fox Newsのコメンテーターによる、「ゼレンスキー大統領は『修道院を襲撃』『聖堂を占領』『司祭を逮捕する』男」と語る映像(2022年12月)
 Fox Newsのコメンテーターによる、ゼレンスキー大統領がキリスト教徒を乱暴に扱っているとの主張(2022年12月)

キリスト教/ロシア正教会の、アフリカにおける総主教代理代行にザライスク主教コンスタンティン座下が任命される(2023年10月)

 2023年10月11日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会のアフリカにおける総主教代理の代行にザライスク主教コンスタンティン座下(His Grace Bishop ConstantineKonstantin】 of Zaraisk)が任命されました。

 クリン府主教レオニード座下(His Eminence Metropolitan Leonid of Klin, Patriarchal Exarch of Africa)は、総主教代理としては退任となります。

 

 (英語:アフリカにおける総主教代理庁 公式ウェブサイト)Acting Patriarchal Exarch of Africa appointed – Exarchate of Africa

キリスト教/ラトビア正教会の代表団が、モスクワ総主教庁より聖油を受け取る(2023年10月)

 2023年10月5日~10月7日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で自治的な権限を行使するラトビア正教会(ただし国内の政治の要求により独立正教会であることを宣言)の代表団が、ロシア連邦のモスクワを訪問したようです。

 一行は、ロシア正教会の高位の聖職者のうち、
 クルチツィ・コロムナ府主教パーヴェル座下(His Eminence Metropolitan Pavel of Krutitsa and Kolomna)、
 ヴォスクレセンスク府主教ディオニシー座下(His Eminence Metropolitan DionysiusDionisiy】 of Voskresensk)、
 モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教アントニー座下(His Eminence Metropolitan Anthony of Volokolamsk, Chairman of the Department for External Church Relations of the Moscow Patriarchate)、
 らと会談したようです。

 

 (ロシア語:ラトビア正教会 公式ウェブサイト)Встреча в Отделе внешних церковных связей. | Официальный сайт Латвийской Православной Церкви

 

 また、モスクワ総主教庁より聖油を受け取っていることが、最後のパラグラフにさりげなく書かれています。

 この辺りの理屈がまったくわからないと、訪問して何か受け取って帰った、というだけのことになりますが。

 

 (英語)Latvian Church receives Chrism from Moscow just months after consecrating bishop without Moscow’s blessing / OrthoChristian.Com

 

 上記の記事にあるように、この聖油を受け取るという行為は、自らが渡す相手の教会の一部であることを示す、というのがロシア正教会の見解です。
 一方、これもまた上記の記事にあるように、コンスタンティノープルは他の独立正教会にも渡しています(コンスタンティノープルにとって他の独立正教会というのがどういうものなのかもうわからなくなっていますが、それはともかく)。

 ラトビア正教会は、ロシア正教会から許可を得ずに主教の叙聖をおこないました。

関連:
 キリスト教/ロシア正教会から、分離して独立正教会であることを宣言したラトビア正教会が独自に主教を叙聖(2023年8月)ロシア正教会の聖シノドは反発

 この件に関する審議がおこなわれますが……。

 仮に主教叙聖が後付けで承認されるとなると、聖油を受け取っていることを含め、ロシア正教会側から見てラトビア正教会は変わらずロシア正教会の一部であり、問題はあったが後から(ある程度は)修復されているし、残りも後からどうにでもなるということになるのではないでしょうか。

 ラトビア正教会側がどう考えているかはわかりませんが、ラトビアの政治家の目を欺いて教会独立偽装をおこなっておりロシア正教会から独立するつもりはさらさらないか、あるいは情勢がどうなってもいいようにできるだけ綱渡りをしているのか。

キリスト教/東方正教会コンスタンティノープルの司祭が「バルソロメオス総主教のウクライナにおける行動は誤り」(2023年10月)

 (ウクライナ語)«Вважаю дії патріарха Варфоломія стосовно українського питання помилковими»

 (英語)Phanar cleric from UOC-KP: I was re-ordained, why was OCU admitted in rank? – News – news of Orthodoxy – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Phanar priest: Patriarch Bartholomew’s actions in Ukraine are a mistake – News – news of Orthodoxy – the Union of Orthodox Journalists

 (英語)Constantinople priest: The OCU is a spiritually deluded, frivolous church—Patriarch Bartholomew greatly erred / OrthoChristian.Com

 

 キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの司祭がウクライナ語のインタビューで、バルソロメオス総主教のウクライナにおける行動は誤りと述べています。

※インタビューの中には、教会法以外の現実の問題の話もありますが、とりあえずここではルールの話に絞ります。

 2018年に、バルソロメオス総主教らの主導により、ウクライナで“統合会議”なるものが開催され、教会法上合法でなかった“ウクライナ正教会キエフ総主教庁(UOC-KP)”や“ウクライナ独立正教会(UAOC)”らの“主教”らによって、“ウクライナ正教会(OCU)”が結成されました。
 2019年、バルソロメオス総主教のトモスが OCU の“首座”“エピファニー府主教”に渡され、 OCU は独立正教会となった、というのが事の流れですが……。
  OCU を独立正教会、その“主教”らを神品(聖職者)と認めているのは、コンスタンティノープルやコンスタンティノープルに追随したギリシャ人系の教会(エルサレム総主教庁を除く)だけで、元・コンスタンティノープルの聖職者が首座を務めるアルバニア正教会ですら OCU を認めるのを拒否しているという状況。
 もともと、ウクライナには、ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で自治的な権限を行使していた教会法上唯一合法なウクライナ正教会(UOC)が存在し、こちらはロシア・ウクライナ間の事態の流れにより独立正教会であることを宣言してはいますが、今もこちらをウクライナ国内の唯一の教会法上合法な教会と認めている教会が多数。そもそも、ほとんどの教会にとって、 OCU の“主教”らは神品(聖職者)でない(=せいぜい平信徒、あるいは信徒ですらない)ので、 OCU が独立正教会かどうかというのは実はどうでもいい従属の問題(そもそも平信徒は教会を率いることはできないし、信徒でないならば無関係)です。
 ところが、日本の NHK を含む各国の報道がいい加減なこともあり、何も知らない人たちには、コンスタンティノープルがアホなことをやったという、ただそれだけのことが、まったく伝わっておらず、宗教的に意味があることがおこなわれたようなことになっている。これはまあ、カトリック系のメディアとかもいい加減なので、 NHK が悪いというよりは、所詮メディアは……ということなのでしょう。

 今回の司祭のインタビューでは、この件がさらに掘り下げられています。
 この人物は、上記の教会法上合法でない UOC-KP の“司祭”だったらしいのですが、 2004 年にコンスタンティノープルで叙聖を受けてコンスタンティノープルの司祭となりました。これは、 UOC-KP の“司祭”は司祭としては認められないというのがコンスタンティノープルの姿勢だったからです。つまり彼は、コンスタンティノープルの叙聖を受けるまで、教会法上合法な司祭ではなかったということです。
 ところが、2018年になって、突如上記のような事態になり、 UOC-KP や UAOC の神品(聖職者)は教会法上合法な存在だということになりました。なりましたというか、コンスタンティノープルの中でそうなったのかどうかすらわからないのですが、そう扱っているからそうなったのでしょう。しかし、これに関して、なんにも説明がないのです。なんでいきなり教会法上合法な存在になったのか? 天から何か降ってきたのか? 地から何かわいてきたのか? コンスタンティノープルは彼らを教会法上合法な存在にする行為を何もしていないのだから、元から教会法上合法な存在だったということになるしかないのですが、そうなると 2004年 にこの司祭は(コンスタンティノープルからどうこうされるまでもなく)教会法上合法な司祭だったはずです。しかし、すでに司祭になっている人物に(同格の)司祭の叙聖をおこなうのはこれまたルール違反なので、どこをつついてもコンスタンティノープルはムチャクチャという結論しか出ないのです。

 要するにコンスタンティノープルは、ロシア正教会にマウントをかけたいがために教会法を大幅に無視してムチャクチャをした、その結果多くの教会からスルーされ、今回自らの司祭から批判を受けている、それだけのことです。そして、ここで折れるともはや失墜が避けられないため、ルール違反をルール違反と知りつつ政治的に押し通そうとしているのです。
 それが成功するかどうかは、しないような気もしますが、わかりませんが、したところでだからなんなんだというしか……。

着座式(2023年10月22日):キリスト教/日本正教会首座/全日本府主教セラフィム座下の着座式

 2023年10月22日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で自治正教会として活動する日本正教会【日本ハリストス正教会】の新たな首座に選出された(9月28日)日本正教会首座/東京大主教・全日本府主教セラフィム座下(His Eminence Seraphim, Archbishop of Tokyo, Metropolitan of All Japan : 辻永昇つじえ のぼるNoboru Tsujie)の着座式がおこなわれました。
 ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教アントニー座下(His Eminence Metropolitan Anthony of Volokolamsk, Chairman of the Department for External Church Relations of the Moscow Patriarchate)らが臨席。

 

 2023年10月22日(日)セラフィム府主教着座式 | 日本正教会|ハリストス正教会 The Orthodox Church in Japan

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁 公式ウェブサイト)Enthronement of Primate of the Japanese Autonomous Orthodox Church takes place / News / Patriarchate.ru
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁 渉外局 公式ウェブサイト)Enthronement of Primate of the Japanese Autonomous Orthodox Church takes place.

 (英語)New primate of Japanese Church enthroned / OrthoChristian.Com
 (英語)Metropolitan Seraphim Enthroned as the Primate of the Japanese Autonomous Orthodox Church

 

関連:
 訃報(2023年8月10日):キリスト教/日本正教会首座/全日本府主教ダニイル座下が永眠(1938~2023)
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