キリスト教/セルビア総主教イリネイ聖下がセルビア大統領ブチッチ閣下と会見(2019年12月)モンテネグロ新法の話題など

 2019年12月31日、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)は、セルビア共和国大統領アレクサンダル・ブチッチ閣下(ヴチッチ大統領 : His Excellency Mr Aleksandar Vučić)と会見しました。

 モンテネグロで成立した、セルビア正教会の教会財産を接収するための新法の話題などが出たようです。

 セルビア正教会側から、セルビア総主教補佐/レメジヤナ主教ステファン座下(His Grace Bishop Stefan of Remesiana, Vicar Bishop of the Serbian Patriarch)、
 政府側から、セルビア共和国外務大臣イビツァ・ダチッチ閣下(イヴィツァ・ダチッチ外相・元首相 : Ivica Dačić)、
 らが同席したようです。

 

Телевизија Храм:
Састанак Патријарха и председника у Патријаршији – YouTube

 

 (英語:セルビア正教会総主教庁公式サイト)Meeting between Serbian Patriarch and President of Serbia | Serbian Orthodox Church [Official web site]

 (セルビア語:セルビア大統領府公式サイト)Састанак у Српској Патријаршији | Председник Републике Србије

 

Predsednik Republike Srbije Aleksandar… – Budućnost Srbije – Aleksandar Vučić | Facebook

 

映像(セルビア語のため内容よくわかりませんが):キリスト教/セルビア正教会の重鎮モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下が、モンテネグロ新法に賛成投票予定の政治家を破門(anathema)宣告している映像とのこと(2019年12月)

 セルビア語のため内容よくわかりませんが、キリスト教/セルビア正教会/モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)が、2019年12月26日に、モンテネグロ新法に賛成投票予定の政治家を破門(anathema)宣告している映像とのことです。

※違うかもしれませんのでご承知ください。

関連:
 モンテネグロ議会が野党議員を18人ほど拘束してキリスト教/セルビア正教会の教会財産を大量に接収するための新法を成立(2019年12月)

 

Острог Тв Студио:
Порука Митрополита Амфилохија, 26.12.2019.љ.Г. – YouTube

 

 座下の傍らの棺は、モンテネグロ主教公ペタル1世・ペトロヴィッチ=ニェゴシュ(ツェティニェの聖ペタル)のものだそうです。

 

キリスト教/セルビア正教会/正教オフリド大主教庁(北マケドニアを管轄)聖シノドが、モンテネグロ政権を批判する声明(2019年12月)「北マケドニアでも弾圧が続いている」

 モンテネグロで、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の教会財産を摂取するための法律が成立しましたが、これに関して、セルビア正教会の管轄権下で北マケドニア共和国で自治的な権限を持つ正教オフリド大主教庁の聖シノドが声明を発表しています。

 

 (マケドニア語:正教オフリド大主教庁公式サイト)Православна Охридска Архиепископија » Свет архиерејски синод » Соопштенија

 

 モンテネグロ政権の動きを全体主義と批判、北マケドニア共和国でも正教オフリド大主教庁への弾圧が続いていること、セルビア正教会の重鎮/モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)をはじめとするモンテネグロの教会法上合法な教会に属する神品(聖職者)と信徒を支持することなどが挙げられています。

 

 モンテネグロ大統領ミロ・ジュカノヴィッチ閣下(His Excellency Mr Milo ĐukanovićМило Ђукановић)がここまで強硬な動きに走ることは、一年前には予想されていなかったことです。
 政治的な影響は置いておくとしても、東方正教会の各教会(各勢力)がこの動きに対してどのような声明を発表し、どのような動きを取るかで、来年の東方正教会の教会分裂(シスマ)の動向が決まっていくような気がします。

 

モンテネグロ議会が野党議員を18人ほど拘束してキリスト教/セルビア正教会の教会財産を大量に接収するための新法を成立(2019年12月)

 モンテネグロ議会は、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の教会財産を大量に接収するための新法を成立させました。

※法律名称としては、まあその、麗しい名前を使っていますし、理屈も別のことを言っていますが、セルビア正教会の財産を奪うのが目的の法律です。

 

 (英語)Montenegro MPs arrested in clash over religious freedom law – BBC News
 (英語)Thousands Rally Against Religion Law in Montenegro | Balkan Insight
 (英語)Serbian church warns Montenegrin authorities about backlash from new religious law – World – TASS

 

 (セルビア語:モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Полиција ноћас претукла Епископа диоклијског Методија | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 なお、セルビア正教会モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁の公式サイトが、同教会のドゥクリャ主教メトディイェ座下(His Grace Bishop Metodije of Dioclea)がモンテネグロの警官から殴打を受けたと報じています。
 モンテネグロ当局は否定していると報道されています。

 

 モンテネグロ大統領ミロ・ジュカノヴィッチ閣下(His Excellency Mr Milo ĐukanovićМило Ђукановић)は、これを“ウクライナ・モデル”としています。
 セルビア正教会の教会財産を接収し、東方正教会の教会法上合法な教会に属さない(または主流のグループに属さない)“モンテネグロ正教会(MOC)”を国家の後押しでこれまで以上に推進していくということになります。今は教会法上合法な教会でなくても、コンスタンティノープルから承認をもらえば教会法上合法な教会になるので問題はない、とウクライナで証明されているので、何も問題はありません(念のために書いておきますと、コンスタンティノープルが承認する予定はありませんが、コンスタンティノープルがなにをするかはもはやなんの信用も置けない状態です)。
 BBC の報道を中立ということで、信徒数の割合いを書いておきますと、モンテネグロの10人のうち7人はセルビア正教会の信徒だそうです。そこまで多いならなぜ反セルビア正教会のジュカノヴィッチ大統領が当選しているのかよくわからないところですので、この数字は少し大きめのような気もします。

 セルビア正教会の重鎮/モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)は(以前から言っていますが)無神論者(ジュカノヴィッチ大統領のこと)が教会を作った歴史上最初の例と批判しています(それ以外にもクソミソに罵ってますけど)。
 同座下は、ウクライナ問題を巡ってはコンスタンティノープルへの批判を繰り返していますので、今回の事態を受けて最終的に何を発言するかは注目ではあります。
 しかし、それ以前に火薬庫が活性化してきているのが不安なところです。

 

関連:
 映像(セルビア語のため内容よくわかりませんが):キリスト教/セルビア正教会の重鎮モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下が、モンテネグロ新法に賛成投票予定の政治家を破門(anathema)宣告している映像とのこと(2019年12月)
 キリスト教/セルビア正教会/正教オフリド大主教庁(北マケドニアを管轄)聖シノドが、モンテネグロ政権を批判する声明(2019年12月)「北マケドニアでも弾圧が続いている」
 キリスト教/セルビア総主教イリネイ聖下がセルビア大統領ブチッチ閣下と会見(2019年12月)モンテネグロ新法の話題など
 キリスト教/“モンテネグロ正教会”の“ミハイロ府主教”が、コンスタンティノープルからの独立正教会としての承認に自信をみせたとの報道(2020年1月)

 

キリスト教/“モンテネグロ正教会”の“ミハイロ府主教”が、イタリア王妃エレナ(モンテネグロ出身)の彫像設置のためモンテネグロを訪問したイタリア王室(直系)継嗣ヴェネツィア公エマヌエーレ・フィリベルト殿下と会見・同行(2019年9月)

※この記事は世界の王室ニュースと一部重複します。

 

 キリスト教/東方正教会の教会法上合法な教会に属さない(または主流のグループに属さない)“モンテネグロ正教会(MOC)”首座の“ミハイロ府主教”(ツェティニェ大主教・モンテネグロ府主教ミハイロ座下 : His Beatitude Mihailo, Archbishop of Cetinje and Montenegrin Metropolitan)は、曾祖母の故イタリア王妃エレナ陛下(Her Majesty Queen Elena of Italy : モンテネグロ出身)の彫像設置のためにモンテネグロを訪問したイタリア王室継嗣のヴェネツィア公/ピエモンテ公/サヴォイア公子エマヌエーレ・フィリベルト殿下(His Royal Highness Prince Emanuele Filiberto of Savoy, Prince of Venice and Piedmont)と会見、同行しました。

 

 エマヌエーレ・フィリベルト殿下とモンテネグロ文化大臣のアレクサンダル・ボグダノヴィッチ閣下(Aleksandar Bogdanović)の会見:

会談と、その後の大臣と殿下それぞれのコメント。殿下のコメントは4:49辺りから、
冒頭などで出てくる白ヒゲの聖職者がミハイロ府主教/
Ministarstvo kulture Crne Gore(モンテネグロ文化省公式チャンネル):
2019 09 07 Cetinje – Ministar kulture Aleksandar Bogdanović – Princ Emanuel Filiberto di Savoja – YouTube

 

向かって左から、エマヌエーレ・フィリベルト殿下、ミハイロ府主教、文化大臣:
Aleksandar Bogdanović – Princ Emanuel Filiberto di Savoja,… | Flickr
Aleksandar Bogdanović - Princ Emanuel Filiberto di Savoja, Cetinje

 

 (モンテネグロ語【セルビア語】ラテン文字:モンテネグロ文化省公式サイト)Detalji | Ministarstvo kulture podržava inicijativu o podizanju spomenika kraljici Jeleni u Podgorici
 (写真)Aleksandar Bogdanović – Princ Emanuel Filiberto di Savoja, Cetinje (07.09.2019.) | Flickr

 

 

 エマヌエーレ・フィリベルト殿下とポドゴリツァ市長イヴァン・ヴコヴィッチ閣下(Ivan Vuković)の会見(ミハイロ府主教が同行):

 (モンテネグロ語【セルビア語】ラテン文字:写真あり)Podrška Glavnog grada za podizanje spomenika kraljici Jeleni – Glavni Grad Podgorica

📢|Podrška Glavnog grada za podizanje… – Glavni grad Podgorica | Facebook

Con il sindaco di Podgorica per… – Emanuele Filiberto | Facebook

 

 

エマヌエーレ・フィリベルト殿下と“モンテネグロ正教会(MOC)”のコトルの教区の聖職者ら:
ПОĆЕТА ПРИНЦА ЕМАНУЕЛА ФИЛБЕРТА… – Епископија Которско-приморска – ЦПЦ | Facebook

 

エマヌエーレ・フィリベルト殿下、モンテネグロ駐箚イタリア共和国特命全権大使、ミハイロ府主教:
Con SE l’Ambasciatore d’Italia in… – Emanuele Filiberto | Facebook

 

追記:
 記事が二つ出ていたのでリンク。

 (英語)Prince Emanuele Filiberto di Savoia: Montenegro has great potential – CdM
 (モンテネグロ語:セルビア語ラテン文字)Crna Gora je preporođena država | Analitika – Informativni Portal

 記事によれば、今回の訪問はミハイロ府主教の招待によるもののようです。なぜか“モンテネグロ正教会”と関係が深いようです。
 モンテネグロ政府の協力などは、対セルビアの戦略の一環でしょうか。
 また、セルビア正教会と“モンテネグロ正教会”との問題について殿下は、知識がないとしてコメントを控えたようです。