キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの全地総主教バルソロメオス聖下とアルメニア使徒教会コンスタンティノープル総主教サハク2世マシャリャン座下の会談(2020年10月?)

 ギリシャの正教会系メディア Orthodox Times( Romfea.gr の英語版)が、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープル=新ローマ大主教・全地総主教バルソロメオス聖下(バーソロミュー1世世界総主教バルトロマイ1世ヴァルソロメオス1世 : His All-Holiness Bartholomew, Archbishop of Constantinople-New Rome and Ecumenical Patriarch)とキリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会コンスタンティノープル総主教サハク2世マシャリャン主教座下(His Beatitude Bishop Sahak II Mashalian, Armenian Patriarch of Constantinople)の会談がおこなわれたことを報じています。

 会談の内容ははっきりしませんが、アルメニアとアゼルバイジャンのナゴルノカラバフでの戦闘と、イスタンブールでの騒動を受けていると記事は示唆しています。
関連:
 アルメニアとアゼルバイジャンの軍事衝突を受けて、トルコ/イスタンブールのキリスト教/アルメニア使徒教会コンスタンティノープル総主教庁周辺およびアルメニア系住民居住地区で、アゼルバイジャン国旗を掲げた車両がクラクションを鳴らしながら通行する出来事が(2020年9月)

 

 (英語)The Ecumenical Patriarch meets with the Armenian Patriarch in Turkey – Orthodox Times

Orthodox TimesさんはTwitterを使っています 「.@EcuPatriarch Bartholomew had a meeting in #Phanar with the Patriarch of the #Armenians in #Turkey, Sahag Maşalyan #orthodox_times https://t.co/ODRpwCrTS5」 / Twitter

Orthodox Times – Ecumenical Patriarch Bartholomew had a… | Facebook

 

 なお、アルメニア使徒教会のコンスタンティノープル総主教とエルサレム総主教は個人の称号として主教または大主教を維持します(維持という表現が正確かはわかりませんが)。
 サハク2世マシャリャン座下は選出・着座時には主教であり、その後に大主教となったという報道を見ていませんが、なっているかもしれません。

関連:
 着座式(2020年1月11日):キリスト教/アルメニア使徒教会の第85代コンスタンティノープル総主教サハク・マシャリャン座下の着座式がおこなわれる。東方正教会/コンスタンティノープルの全地総主教バルソロメオス聖下らも参列

 

東方正教会シスマ2020:北マケドニア大統領ペンダロフスキ閣下が、キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教バルソロメオス聖下に対し、同国の教会法上合法でない“マケドニア正教会-オフリド大主教庁”を独立正教会として認めるよう要請したと報道(2020年9月)

 北マケドニア共和国大統領ステヴォ・ペンダロフスキ閣下(Stevo Pendarovski)が、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープル=新ローマ大主教・全地総主教バルソロメオス聖下(バーソロミュー1世世界総主教バルトロマイ1世ヴァルソロメオス1世 : His All-Holiness Bartholomew, Archbishop of Constantinople-New Rome and Ecumenical Patriarch)に対し、同国の教会法上合法でない集団“マケドニア正教会-オフリド大主教庁(Macedonian Orthodox Church – Ohrid Archdiocese : MOC-OA)”を独立正教会として認めるよう要請したという報道が出ています。

 

 (英語)Media: North Macedonia requests autocephaly for their "church" from Phanar – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)North Macedonia asks Constantinople for autocephaly for its schismatic church / OrthoChristian.Com
 (英語)North Macedonia asks for recognition of its Church from the Ecumenical Patriarch – Orthodox Times

 

 北マケドニア共和国(の領域)は、セルビア正教会の管轄権下であるとコンスタンティノープルは何度も何度も繰り返していますが、(彼らにとっては)彼らの気分次第でそんなものはいつどうにでも変えていいものだということが明らかになっているため、承認する可能性はあるでしょう(今回なくても常にありえます)。

 もし承認すれば、セルビア正教会側との衝突、というか教会分裂は避けられないものと思われますが……。
 しかし、もはや引くことができないのはどのプレイヤーも同じなので承認するかもしれません。

 ロシアとの友好関係を維持しつつ、欧州連合との接近やコソボとの関係改善をはかっているセルビア政府ですが、セルビア正教会ははっきりいってこの動き(コソボに関して)に反対しています。
 セルビア政府とセルビア正教会の足並みが乱れる可能性もあります。

 セルビア政府が教会と歩調を合わせる場合、ギリシャ政府とセルビア政府の間も緊張し、最近ギリシャへの配慮(?)を見せているロシア連邦の姿勢も再転換というか本音というかに戻るかもしれません。
 トルコ政府との対立のために味方を多く確保したいギリシャ政府ですが、北マケドニアやそれを支援するブルガリアなどとっくの昔からギリシャの経済的植民地であり、たいして役に立ちません(ブルガリアは親ロシア派を抱えていますし)。

 

キリスト教/コンスタンティノープルが、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”を、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の一員としてリストに掲載(2020年1月)

 キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルが、コンスタンティノープル批判を繰り返す“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”首座/“フィラレート総主教”(キーウ・ルーシ=ウクライナ全土総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)を、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】の一員として掲載したリストを出したようです。
 OCU首座“エピファニー府主教”を別にすると、一番目で、もう何が何やら。御機嫌を取っているつもりなのでしょうか。
 ちなみに二番目は、元 UAOC【ウクライナ独立正教会】首座“マカリー府主教”、三番目は、ウクライナ正教会モスクワ総主教庁系【UOC-MP】から離脱した“シメオン府主教”です。

 なお、ロシア正教会の聖職者を掲載するリストのところに、ウクライナ正教会モスクワ総主教庁系【UOC-MP】の主教らも掲載されているそうです。なんでも載せればいいってもんやないんやで……。

 

 (英語)Phanar officially calls Filaret a member of OCU – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

Офіційне видання Вселенського… – Юрій Чорноморець | Facebook

 

キリスト教/“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”が、「キエフ総主教庁の再生」と題した記者会見(2020年1月)ほぼコンスタンティノープル批判一色

 2020年1月20日、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”首座/“フィラレート総主教”(キーウ・ルーシ=ウクライナ全土総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)は、「キエフ総主教庁の再生」と題した記者会見をおこないました。
 主張はだいたい今まで通りで、ほぼコンスタンティノープル批判一色という、この人は少し前までどこと闘争していたのかと疑問がわくほどです。

 また、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】が、ウクライナ東方典礼カトリック教会【UGCC】とユーカリスティック・コミュニオンに入ることを望んでいる発言をしていることについては、「それは単にローマ教皇に従う東方典礼カトリック教会の一員になるだけ」とシンプルに否定(まあ、そうなんですが)。

 

Інтерфакс-Україна(Interfax-Ukraine):
Відродження Київського Патріархату – YouTube

 

Київський Патріархат(キエフ総主教庁【UOC-KP】公式チャンネル):
Прес-конференція Патріарха Філарета щодо ситуації в Українському Православ'ї – YouTube

 

 (ウクライナ語:キエフ総主教庁【UOC-KP】公式ウェブサイト)Відбулася прес-конференція Патріарха Філарета щодо ситуації в Українському Православ’ї – Українська Православна Церква Київський Патріархат

 (英語)Interfax-Religion: Filaret demands that Constantinople return original of decree issued by UOC-KP assembly on its dissolution

 (英語)Filaret: Patriarch Bartholomew seeks to destroy Kiev Patriarchate – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Head of UOC-KP: OCU has no right to enter into Eucharistic unity with UGCC – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Head of UOC-KP: Tomos from Phanar divided Kiev Patriarchate into two parts – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)Phanar’s advance, UOC-KP’s future greatness & other revelations of Filaret – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

キリスト教/“モンテネグロ正教会”の“ミハイロ府主教”が、コンスタンティノープルからの独立正教会としての承認に自信をみせたとの報道(2020年1月)

 キリスト教/東方正教会の教会法上合法な教会に属さない(または主流のグループに属さない)“モンテネグロ正教会(MOC)”首座の“ミハイロ府主教”(ツェティニェ大主教・モンテネグロ府主教ミハイロ座下 : His Beatitude Mihailo, Archbishop of Cetinje and Montenegrin Metropolitan)は、コンスタンティノープルの全地総主教庁から独立正教会として認めるトモスを取得することに自信をみせたとの報道。
 コンスタンティノープル側は、モンテネグロはセルビア正教会の管轄権下にあるとしてたびたび否定していますが、彼ら自身のいうことはまったくあてにならないので渡すかもしれませんとしか……。

※ミハイロ府主教は、ついでに「マケドニア正教会-オフリド大主教庁【MOC-OA】もトモスをもらえるだろう」というように受け取れるように発言しているように書かれていますが、マケドニア正教会のほうは本当に交渉しています

 

 (英語)Mass media: Head of “Montenegrin church” says his structure would get Tomos – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

関連:
 モンテネグロ議会が野党議員を18人ほど拘束してキリスト教/セルビア正教会の教会財産を大量に接収するための新法を成立(2019年12月)