キリスト教/21人の新たな枢機卿の叙任式(2023年9月)

 2023年9月30日、キリスト教/ローマカトリック教会の21人の新たな枢機卿の叙任式がおこなわれました。

 

 教皇、21人の新枢機卿を発表 | カトリック中央協議会

ロバート・フランシス・プレボスト大司教(教皇庁司教省長官、聖アウグスチノ修道会、米国、67歳)
クラウディオ・グジェロッティ大司教(教皇庁東方教会省長官、イタリア、67歳)
ビクトル・マヌエル・フェルナンデス大司教(教皇庁教理省長官、アルゼンチン、60歳)
エミール・パウル・チェリッヒ大司教(駐イタリア・サンマリノ教皇庁大使、スイス、76歳)
クリストフ・ルイ・イブ・ジョルジュ・ピエール大司教(駐米教皇庁大使、フランス、77歳)
ピエルバッティスタ・ピッツァバッラ大司教(ラテン典礼エルサレム総大司教、フランシスコ会、イタリア、58歳)
スティーブン・ブリスリン大司教(南アフリカ・ケープタウン教区、南アフリカ、66歳)
アンヘル・シクスト・ロッシ大司教(アルゼンチン・コルドバ教区、イエズス会、アルゼンチン、64歳)
ルイス・ホセ・ルエダ・アパリシオ大司教(コロンビア・ボゴタ教区、コロンビア、61歳)
グジェゴルシュ・リシ大司教(ポーランド・ウッジ教区、ポーランド、59歳)
スティーブン・アメユ・マーティン・ムラ大司教(南スーダン・ジュバ教区、南スーダン、59歳)
ホセ・コボ・カノ大司教(スペイン・マドリード教区、スペイン、57歳)
プロターズ・ルガンブワ協働大司教(タンザニア・タボラ教区、タンザニア、63歳)
セバスティアン・フランシス司教(マレーシア・ペナン教区、マレーシア、71歳)
スティーブン・チャウ・サウヤン(周守仁)司教(香港教区、イエズス会、香港、63歳)
フランソワ・グザビエ・ブスティジョ司教(フランス・アジャクシオ教区、コンベンツアル聖フランシスコ修道会、スペイン、54歳)
アメリコ・マヌエル・アルベス・アギラール補佐司教(ポルトガル・リスボン教区、ポルトガル、49歳)
アンヘル・フェルナンデス・アルティメ神父(サレジオ修道会総長、同会、スペイン、62歳)
〔80歳以上の3人〕

アゴスティーノ・マルケット大司教(元教皇庁大使、元教皇庁難民移住・移動者司牧評議会事務局長、イタリア、82歳)
ディエゴ・ラファエル・パドロン・サンチェス名誉大司教(ベネズエラ・クマナ教区、ベネズエラ、84歳)
ルイス・パスクアル・ドリ神父(アルゼンチン・ブエノスアイレス・ポンペイの聖母巡礼聖堂聴罪司祭、カプチン・フランシスコ修道会、アルゼンチン、96歳)

 

 バチカンで21人の新枢機卿の叙任式 – バチカン・ニュース

 80歳未満の新枢機卿

 1.ロバート・フランシス・プレヴォスト大司教(68)(教皇庁司教省長官・米国出身、聖アウグスティノ会)
 2.クラウディオ・グジェロッティ大司教(67)(教皇庁東方教会省長官・イタリア出身)
 3.ヴィクトール・マヌエル・フェルナンデス大司教(61)(教皇庁教理省長官、アルゼンチン出身)
 4.エミル・ポール・チェリッグ大司教(76)(教皇大使、スイス出身)
 5.クリストフ・ルイ・イヴ・ジョルジュ・ピエール大司教(77)(教皇大使、フランス出身)
 6.ピエルバッティスタ・ピッツァバッラ大司教(58)(エルサレム・ラテン典礼総大司教、イタリア出身、フランシスコ会)
 7.ステファン・ブリスリン大司教(67)(ケープタウン大司教区、南アフリカ出身)
 8. アンヘル・シクスト・ロッシ大司教(65)(コルドバ大司教区、アルゼンチン出身)
 9.ルイス・ホセ・ルエダ・アパリシオ大司教(61)(ボゴタ大司教区、コロンビア出身)
 10.グルゼゴルズ・リシ大司教(59)(ウッチ大司教区、ポーランド出身)
 11.ステファン・アメユ・マーティン・ムラ大司教(59)(ジュバ大司教区、南スーダン出身 )
 12.ホセ・コボ・カノ大司教(58)(マドリッド大司教区、スペイン出身)
 13.プロタセ・ルガンブワ大司教(63)(タボラ大司教区・協働大司教、タンザニア出身)
 14.セバスティアン・フランシス司教(71)(ペナン教区、マレーシア出身)
 15.周守仁司教(64)(香港教区、香港出身、イエズス会)
 16.フランソワ・グザヴィエ・ブスティジョ司教(55)(アジャクシオ教区(フランス)、スペイン出身、コンベンツアル聖フランシスコ修道会)
 17.アメリコ・マヌエル・アルヴェス・アグイアル司教(49)(リスボン大司教区・補佐司教、ポルトガル出身)
 18.アンヘル・フェルナンデス・アルティメ神父(63)(サレジオ修道会総長、スペイン出身、サレジオ修道会)

 80歳以上の新枢機卿

 1.アゴスティーノ・マルケット大司教(83)(教皇大使・イタリア出身)
 2.ディエゴ・ラファエル・パドロン・サンチェス大司教(84)(クマナ大司教区・名誉大司教、ベネズエラ出身)
 3.ルイス・パスクアル・ドリ神父(96)(ブエノスアイレスのポンペイの聖母巡礼聖堂・聴罪司祭、アルゼンチン出身、カプチン・フランシスコ修道会)

 (英語:ローマ教皇聖座 公式ウェブサイト)Assignation of Titles and Deaconries to the new Cardinals, 30.09.2023

 

Vatican News – English:
Vatican Media Live – English – YouTube

 

 (英語)Excitement fills St. Peter's Square as Pope Francis creates 21 new cardinals – Rome Reports

ROME REPORTS in English:
Excitement fills St. Peter's Square as Pope Francis creates 21 new cardinals – YouTube

キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、東方正教会/エルサレム総主教セオフィロス3世聖下と会見(2023年9月)

 2023年9月29日、キリスト教/東方正教会/エルサレム・全パレスチナ総主教セオフィロス3世聖下(His Beatitude Theophilos III, Patriarch of Jerusalem and All Palestine)は、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)を訪問しました。

 

 (英語:ローマ教皇聖座 公式ウェブサイト)Audiences, 29.09.2023

– His Beatitude Theophilos III, Greek Orthodox Patriarch of Jerusalem, and entourage;

 (英語:ローマ教皇庁 キリスト教一致推進評議会 公式ウェブサイト)2023 10 02 Pope Francis meets Patriarch Theophilos of Jerusalem

 (英語:東方正教会エルサレム総主教庁 公式ウェブサイト)THE PATRIARCH OF JERUSALEM MEETS WITH POPE FRANCIS AND INITIATES CRUCIAL MEDIATION ON RUSSIAN-UKRAINIAN CONFLICT – Jerusalem Patriarchate News Gate
 (英語:東方正教会エルサレム総主教庁 公式ウェブサイト)PATRIARCHATE OF JERUSALEM INITIATES MEDIATION AND DIALOGUE FOR HEALING IN UKRAINE AND RUSSIA – Jerusalem Patriarchate News Gate

キリスト教/マランカラ正教シリア教会【インド正教会】の首座/東方カトリコスのバセリオス・マルトマ・マシューズ3世が、ローマ教皇フランシスコ聖下を訪問(2023年9月)

 2023年9月11日、キリスト教/オリエント正教会/マランカラ正教シリア教会【インド正教会】首座/東方カトリコス・マランカラ府主教“モラン”・“マル”・バセリオス・マルトマ・マシューズ3世聖下(シロ・マランカル典礼カトリコスバゼリオス・マルトマ・マテウス3世 : His Holiness Moran Mar Baselios Marthoma【Mar Thoma】 Mathews III)は、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)を訪問しました。

 

 (英語)Catholic Church and Syro-Malankara Orthodox Church continue to forge closer ties – Rome Reports

ROME REPORTS in English:
Catholic Church and Syro Malankara Orthodox Church continue to forge closer ties – YouTube

 

 マランカラ正教シリア教会側から、
 米国北東部府主教ザカライアー・“マル”・ニコロヴォス座下(His Eminence Metropolitan Zachariah Mar Nicholovos of Northeast America)
 ニラナム府主教ユハノン・“マル”・クリソストモス座下(His Eminence Metropolitan Yuhanon Mar Chrisostomos of Niranam and Secretary of the Holy Synod)
 デリー府主教ユハノン・“マル”・デメトリオス座下(His Eminence Metropolitan Youhanon Mar Demetrios of Delhi and President of the Department of Ecumenical Relations)
 英国・欧州・アフリカ府主教アブラハム・“マル”・ステファノス座下(His Eminence Metropolitan Abraham Mar Stephanos of UK, Europe, and Africa)
 らが同行。

 会談など、カトリック教会側から、
 ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会議長クルト・コッホ枢機卿座下(His Eminence Kurt Cardinal Koch, Prefect of the Dicastery for Promoting Christian Unity)
 ローマ教皇庁キリスト教一致推進評議会次官ブライアン・ファレル司教座下(アビティナエ名義司教 : Bishop Brian Farrell, L.C., Secretary of the Dicastery for Promoting Christian Unity, Titular Bishop of Abitinae)
 らが同席。

 

 (英語:バチカン・ニュース)Pope Francis welcomes Catholicos Baselios Marthoma Mathews III in shared journey of faith – Vatican News
 教皇、マランカラ・シリア正教会のカトリコスと会見 – バチカン・ニュース

 (ローマ教皇庁 キリスト教一致推進協議会 公式サイト)2023 09 14 Visit to Rome by Catholicos Baselios Marthoma Mathews III
 (ローマ教皇庁 キリスト教一致推進協議会 公式サイト)2023 09 14 Meeting between Pope Francis and Catholicos Mathews III

 

XユーザーのVatican Newsさん: 「Pope Francis extends a warm welcome to the Malankara Orthodox Syrian Church, emphasizing unity, shared faith in Christ, and the need to heal past divisions. Read more: https://t.co/v4vwRB8QhD」 / X

 

ルイ・マヌエル・ソウザ・ヴァレリオ司教座下がリスボン総大司教ルイ1世に(2023年8月~9月)

 2023年8月10日、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、リスボン総大司教マヌエル・ジョゼ・マカリオ・ド・ナシメント・クレメンテ枢機卿座下(His Eminence Manuel José Cardinal Macário do Nascimento Clemente, Patriarch of Lisbon【Lisboa】 : 総大司教マヌエル3世 : Patriarch Manuel III)の総大司教座からの引退を許可、ポルトガル従軍司教ルイ・マヌエル・ソウザ・ヴァレリオ座下(Bishop Rui Manuel Sousa Valério)を新たな総大司教に叙任しました。
 9月2日、新たな総大司教ルイ1世Rui I)の着座がおこなわれました。

 

 (英語:ローマ教皇聖座 公式サイト)Resignations and Appointments, 10.08.2023
 (英語:バチカンニュース)Pope Francis names Montfort Missionary as new Patriarch of Lisbon – Vatican News
 (ポルトガル語)Novo Patriarca de Lisboa saúda vítimas ″de todo o tipo de abusos″

 

Patriarcado de Lisboa(リスボン総大司教庁 公式チャンネル):
Celebração da Tomada de Posse do Patriarca de Lisboa D. Rui Valério – YouTube

 

Patriarcado de Lisboa(リスボン総大司教庁 公式チャンネル):
Entrada solene do Patriarca de Lisboa D. Rui Valério – YouTube

キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下の、ロシアの若者へのメッセージにウクライナ政府などが反発。バチカンはウクライナ政府側の見解を拒否(2023年8月)

 2023年8月25日、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、ロシア青年の日に、サンクトペテルブルクに集まった若者たちへメッセージを送りました。

 このメッセージの末尾、

 (ロシア語:)«Вы собрались, чтобы быть единой Церковью». Телемост российской молодёжи с Папой Франциском – Римско-католическая Архиепархия Божией Матери в Москве

Перед благословением Святейший Отец завершил встречу следующими словами: «Никогда не забывайте о наследии. Вы наследники великой России: великой России святых, правителей, большой России Петра I, Екатерины II, той империи – великой, просвещенной, [страны] большой культуры и большой человечности. Никогда не отказывайтесь от этого наследства, вы наследники великой Матушки России, идите вперёд с этим. И спасибо вам. Спасибо за ваш способ быть, за ваш способ быть россиянами».

(Google翻訳に一部手入れ)
「あなたたちは偉大なロシアの相続人です。聖人・統治者たちの偉大なロシア、ピョートル1世・エカチェリーナ2世の偉大なロシア、偉大で啓蒙された、偉大な文化と偉大な人間性を備えた帝国の子孫です。 この遺産を決して手放さないでください。あなた方は偉大で母なるロシアの相続人です。これを進めてください。そしてありがとう。あなたの生き方、ロシア人のあり方に感謝します」

 

 この部分にウクライナ政府などが激怒。

 ローマ教皇、ロシア皇帝に好意的言及 ウクライナが批判|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
 ウクライナ、ローマ教皇の演説に反発 「帝国主義的プロパガンダ」 – CNN.co.jp

 しかし、ローマ教皇聖座側はこのような見解を拒絶しました。

 (英語:バチカンニュース)Holy See Press Office: Pope did not exalt imperialist logic in remarks about Russia – Vatican News

 

 今回のメッセージは、お偉方にありがちな、さしたる理由も意味もないリップサービスかもしれません。

 しかし、現今の世界状況の中(そうでなければ別に流しても良いようなものですが)で、ローマ教皇によって、ロシア正教会ではなく(あるいはのみならず)ロシアのキリスト教文化そのものとそれを牽引した皇帝たちが称揚されたことは注目すべきことでしょう。

 東西教会(カトリック教会と東方正教会)の融和というのは、名目上(ローマとコンスタンティノープル)と実質上(ローマとモスクワ)の二つがわかれているのがこれまで度々問題となってきましたが、1453年以降の状況を考えれば、コンスタンティノープルなどオスマン帝国下で見苦しい行動をしていたにすぎないというのが大半の状況であり、それにくらべて、「正教の中心はモスクワに移った」と言われたのがロシア
 今回のフランシスコ教皇の発言、そのロシアの実質は「決して東方正教会というくくり」におさまるものではないというのが含意されている発言である、と理解してもよさそうです。
 つまり、ウクライナどうこうの反応は教皇にとってもウクライナ政府自身にとっても直接はどうでもよく、これはコンスタンティノープルにとって(長い目で見れば)衝撃となるものでしょう。もう500年以上、あなたたちコンスタンティノープルに実質の価値はないんですよ。

 

 さて、ウクライナ政府はカトリックの活動を国内で禁止するでしょうか? するべきだと思いますね。トップがロシアを支持したのですから。でも、すると西側諸国の支援は削られますね。できませんね。国内で「ロシアにつながりがある」とウクライナ正教会(UOCのほう)に色々やってきましたが、西側諸国に見捨てられるのは怖いでしょう。だからカトリックには何もしないでしょう。なんて信教の自由がある平等で民主的な国家なんでしょう。

 あと、コンスタンティノープルが認めた方のウクライナ正教会(OCU)に異論が多数存在しているという事実を言っただけで、他人をモスクワの手先扱いする方々がネットには満ちていますが、そういう方々には「ローマ教皇はモスクワの手先だ! ウクライナでカトリックを禁止しろ!!」とぜひ言っていただきたいものです。言う人が増えるほどウクライナ政府が困るだけですけどね。