キリスト教/コンスタンティノープル管轄権下で一方的に総主教代理区の地位を廃止され大主教区としても解体されそうなことにより事実上の離脱を決定したとみられていた西欧ロシア正教会大主教区の司祭らが、コンスタンティノープルを訪問(2019年3月)色々な駆け引きの途中か

 2019年2月23日に臨時総会がおこなわれ、組織の維持のために、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルからの離脱を事実上決定したと思われていた西欧ロシア正教会大主教区ですが、今回、2019年3月29日に、同大主教区のグレートブリテン・アイルランド司祭長区の司祭らがコンスタンティノープルの全地総主教庁を訪問、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープル=新ローマ大主教・全地総主教バルソロメオス聖下(バーソロミュー1世世界総主教バルトロマイ1世ヴァルソロメオス1世 : His All-Holiness Bartholomew, Archbishop of Constantinople-New Rome and Ecumenical Patriarch)及びフランス府主教エマニュエル座下(His Eminence Metropolitan Emmanuel of France)と会談したようです。

 

 (フランス語:西欧ロシア正教会大主教区公式サイト)Archevêché des églises russes en Europe occidentale – Communiqué du Conseil de l’Archevêché du 29 mars 2019
 (英語:西欧ロシア正教会大主教区グレートブリテン・アイルランド司祭長区公式サイト)Communiqué of the Archdiocesan Council of 29 March 2019 | Deanery of Great Britain and Ireland

 

 ぶっちゃけていいますと、歴史的経緯から、グレートブリテン・アイルランド司祭長区がロシア正教会モスクワ総主教庁に付く(戻る)可能性は低いと思うので、同大主教区のうちの親コンスタンティノープル派とみていいのではないかと思います。
 今回、その親コンスタンティノープル派を筆頭に使節がおくられているのは、コンスタンティノープル管轄権下に残るための話し合いがおこなわれているとみていいでしょう。

 

 同大主教区はロシア正教会の管轄権下に移動し、移動したくない人々は離脱してコンスタンティノープルの小教区となるか、独立するか、と思っていましたが……。
 今回のこの動きで、コンスタンティノープル側に大主教区の維持を認めさせたうえで管轄権下に残り、ロシアに付きたい人々が出ていく、という逆のパターンになる可能性も出てきました。
 また、後者になる場合、コンスタンティノープルが、次の世代の大主教となる人物を大主教区の聖職者から選び主教に叙聖するということが必要になる可能性が高いと思われます。

※この次の世代の大主教~という話ですが、こういった小規模な、あるいは首座のみが主教というグループが特別な自治的権限を持って行動している場合、それを管轄権下にむかえているほうは新世代の主教を叙聖しないことによりグループを自然消滅させるような行動を取るケースがあります。東方の教会では新たな主教の叙聖には二名の主教が必要であり、同大主教区の首位大主教ジャン座下(イオアン大主教 : ハリオポリス大主教)一人では新しい主教を叙聖できないのです。よってこのままジャン座下が永眠した場合、同大主教区は主教以上の神品【聖職者】に可能な行動を取ることができなくなります。
 オリエント正教会のコプト正教会から首座しか主教がいなかった英国正教会【イギリス正教会】が離脱した一因はあるいはこれかもしれません(同教会は離脱後に独自に首座の補佐をする主教を叙聖し、さらに続いて次世代の首座となる人物を叙聖しています。彼らはオリエント正教会の主流からは教会法上合法な主教とは見なされません)。

 

 コンスタンティノープル側とのコンタクトが発表されたわけですが、本気でコンスタンティノープルに譲歩を迫って管轄権下に残るつもりなのか、あるいはモスクワとの交渉で有利な条件を勝ち取るための行動なのか、そのあたりははっきりしません。
 コンスタンティノープルに譲歩を迫って大主教区の維持ができればそれでもいいという人々は今回の動きを見守るでしょう。
 しかし、コンスタンティノープルの管轄権下にとどまること自体に否定的な人々は、すでに同大主教区の小教区を受け入れている在外ロシア正教会【ROCOR】などに早めに移動する可能性もあります。
 6月の総会でどうするかを決めるという話になっていましたが、いろいろとその前に決まってしまいそうではあります。

 

キリスト教/コンスタンティノープル/ティアテイラ・グレートブリテン大主教グレゴリオス座下が、キプロス大統領ニコス・アナスタシアディス閣下に勲章を授与(2019年3月)

 キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルのティアテイラ・グレートブリテン大主教グレゴリオス座下(His Eminence Archbishop Gregorios of Thyateira and Great Britain)が、訪英中のキプロス共和国大統領ニコス・アナスタシアディス閣下(His Excellency Mr Nicos Anastasiades)夫妻に勲章を授与したようです。

 

Archbishop Gregorios of Thyateira and Great Britain met with the President of Cyprus – Romfea News

 

Romfea.newsさんのツイート: "The President of Cyprus @AnastasiadesCY and his spouse awarded by the Archbishop of Great Britain #romfeanews https://t.co/5u3Cjog9vD"

 

Romfea.news – The President of Cyprus and his spouse… | Facebook

 

インタビュー記事(ロシア語):キリスト教/コンスタンティノープル管轄権下からの事実上の離脱を決めた西欧ロシア正教会大主教区のジャン【イオアン】大主教座下「理想的な教会は無い。ローマ・カトリック教会の現状を見るがいい」(2019年2月)

 2019年2月23日に臨時総会【EGA】がおこなわれ、事実上、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルからの離脱を決定した西欧ロシア正教会大主教区。

 この大主教区は、もともとロシア帝国崩壊後のソ連での弾圧から逃れた人々らにより結成され、その後ロシア正教会モスクワ総主教庁を完全に離れてコンスタンティノープルの管轄権下に入っていたものです(ものすごく簡単にいいましたが)。
 1999年には、コンスタンティノープルより総主教代理区として認めるトモスを与えられましたが、2018年11月27日にコンスタンティノープルより突如として一方的に廃止を宣告されました。また、これは大主教区自体の廃止を要求するものでした。
 一方、大主教区側は、これに対し、総主教代理区として認めるかどうかはコンスタンティノープルが決めるものだが、大主教区の将来を決めるのは大主教区自体の総会【GA : General Assembly】であるとし、2019年2月23日、臨時総会【EGA : Extraordinary General Assembly】を開催、コンスタンティノープルからの要求を拒否することを投票で決定しています。
関連:
 キリスト教/コンスタンティノープル管轄下で一方的に総主教代理区としては廃止された西欧ロシア正教会大主教区の臨時総会が開催、集団としての解体を認めないと決定(2019年2月)

 また、これから大主教区が、コンスタンティノープルではないどこの教会法上合法な教会に属するかですが、ロシア正教会モスクワ総主教庁、(ロシア正教会の管轄権下で自治的な権限を保有する)在外ロシア正教会、ルーマニア正教会、アメリカ正教会【OCA】の名前が挙がっていました。

  Orthodoxie.com によりますと、投票でコンスタンティノープルの要求の拒否が決まった後、同大主教区のジャン大主教座下(イオアン大主教 : ハリオポリス大主教)は、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会のウィーン・ブダペスト大主教アントニー座下(His Eminence Archbishop Anthony【Antoniy】 of Vienna and Budapest)からの書簡を読み上げ、すでにロシア正教会モスクワ総主教庁との間の対話が進んでいることをあきらかにしています。
関連:
 キリスト教/コンスタンティノープル管轄下で一方的に総主教代理区としては廃止され、事実上の離脱を決定した西欧ロシア正教会大主教区は、すでにロシア正教会モスクワ総主教庁との話を進めている模様(2019年2月)

 今回、さらに別のメディアがジャン座下へのインタビューをおこなっています。

 (ロシア語)Парижский архиепископ о перспективе перехода к РПЦ: «Идеальных церквей нет» – РОССИЯ – RFI

 今までの状況の確認ですが、興味深いものになっています。

 新しく属する教会として連絡を取った先として(ロシア正教会以外)、在外ロシア正教会とルーマニア正教会へも連絡を取ったことがあきらかにされていますが、在外ロシア正教会では大主教区側の要求が通りにくそうなこと、ルーマニア正教会ははっきりしないようです。アメリカ正教会【OCA】については言及がありません。
※なお、ルーマニア正教会が前向きに検討しているとする報道もありますが……。

 また、現在の政治情勢のもとで、ロシア正教会の管轄権下に入ることについては、「政治とは距離を置くこと」という状況によっては厳しいもののよくある聖職者的なコメントに加え、ロシアの聖堂や修道院が復興していることに心動かされている様子がうかがわれます。
 加えて、離脱者が出る可能性についても認めています。西欧は自由な国々なので立ち去るのも自由ということですが……これは東方正教会の聖職者として果たして良いのかとも思われます。
 しかし、次のようなコメントも面白いところです。
「スキャンダルなどの問題はすべて教会にある。ローマ・カトリック教会の現状を見よ(このインタビューより時間としては後ですが、本日、オーストラリアの枢機卿が複数の児童への性的虐待で有罪宣告)」
「私はいつも楽園はここにはないと言っている。修道院も楽園ではない。地上には天国はない」
「もし我々がもっとも理想的な教会を求めてもそんなものはない。無人島で一人で過ごすしかない」

 インタビューの中で質問されていながらはっきりと答えられていないように思うのは、大主教区が教会法上合法な教会の中にあるべきなのか(つまり「完全に独立した宗教組織になってはいけないの?」)ということと、現在の状況で東方正教会の教会法上合法な教会とはなにか(モスクワがコンスタンティノープルとのフル・コミュニオンを解除している現状で、コンスタンティノープルがモスクワとのフル・コミュニオンを解除する可能性はあるわけですが、そうなってもモスクワは教会法上合法な教会なのか)というあたりでしょうか。

 

キリスト教/コンスタンティノープル管轄下で一方的に総主教代理区としては廃止され、事実上の離脱を決定した西欧ロシア正教会大主教区は、すでにロシア正教会モスクワ総主教庁との話を進めている模様(2019年2月)

 2019年2月23日に臨時総会がおこなわれ、事実上、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルからの離脱を決定した西欧ロシア正教会大主教区ですが、報道によりますと、同大主教区の首位大主教ジャン座下(イオアン大主教 : ハリオポリス大主教)は、臨時総会の投票でコンスタンティノープルに従わないという結果が出た後にキリスト教/東方正教会/ロシア正教会のウィーン・ブダペスト大主教アントニー座下(His Eminence Archbishop Anthony【Antoniy】 of Vienna and Budapest)からの書簡を読み上げたということです。

 

 (フランス語)Les propositions du Patriarcat de Moscou à l'Archevêché ⋆ Orthodoxie.com
 (英語)Propositions made by the Moscow Patriarchate to the Archdiocese ⋆ Orthodoxie.com
※ロシア語原文の PDF ファイル(画像)へのリンクあり。

※アントニー座下はモスクワ総主教庁の中で、海外の組織(?)について扱う部署の長ですが、これまでそこまで目立つ活動の記事を見たことがないので権能や役割はよくわかりません(なお、他の教会組織などとの折衝や対話をおこなう渉外局長とは違います)。

 

 すでにかなりの事項が「大丈夫ですよ」というように並べられていますが、前回の記事で触れた独自の聖人の認定(列聖)に関する項目がなく、もしかしたらその辺りがメルクマールというかこれからの交渉のラインになるのかもしれません。

 

関連:
 キリスト教/コンスタンティノープル管轄下で一方的に総主教代理区としては廃止された西欧ロシア正教会大主教区の臨時総会が開催、集団としての解体を認めないと決定(2019年2月)
 インタビュー記事(ロシア語):キリスト教/コンスタンティノープル管轄権下からの事実上の離脱を決めた西欧ロシア正教会大主教区のジャン【イオアン】大主教座下「理想的な教会は無い。ローマ・カトリック教会の現状を見るがいい」(2019年2月)

 

キリスト教/コンスタンティノープル管轄下で一方的に総主教代理区としては廃止された西欧ロシア正教会大主教区の臨時総会が開催、集団としての解体を認めないと決定(2019年2月)

 2019年2月23日、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの管轄権下にあり、2018年11月にコンスタンティノープルから一方的に総主教代理区としては廃止された、西欧ロシア正教会大主教区の臨時総会が開催されました。
 まだ正式発表はありませんが、 Orthodoxie.com によりますと、組織としての解体の拒否が投票により決定した模様。ただし、この後、どの教会に所属するかについては 6月 にあらたに総会を開いて決めるそうです。

 

 (英語)"Today, we need to choose between life and death" ⋆ Orthodoxie.com
 (英語)The Extraordinary General Assembly of the Archdiocese refused the dissolution ⋆ Orthodoxie.com

 

Orthodoxie.comさんのツイート: "The Extraordinary General Assembly of the Archdiocese refused the dissolution https://t.co/rimEduTWfG… "

 

Orthodoxie.comさんのツイート: "“Today, we need to choose between life and death” https://t.co/ci0CpOFbDC… "

 

 同大主教区の首位大主教ジャン座下(イオアン大主教 : ハリオポリス大主教)は「生か死かを決める日」と述べたようです。
 206人の投票者のうち、191人が組織の解体を拒否。
 大主教区の解体を拒否することがコンスタンティノープルに逆らうこととイコールになるのか(理屈がムチャクチャに振りかざされている現在では)微妙ですが、コンスタンティノープル側も組織の切り崩しを図っているとの話もあり、コンスタンティノープルの管轄権から離脱することになるとは思いますが……それに関する決定は今年【2019年】6月の総会でおこなわれるということで、またもかなり先の話となります。

 今年の前半中に、独立正教会のいくつかがウクライナに関する情勢に関して結論を出す可能性があるため、それを見極めて、ということになると思いますが、これはもうどこにもいけなくなるのではないかという気もします。

 すでにイタリア司祭長区のフィレンツェの聖堂が在外ロシア正教会に移動するなどの動きは起きています。モスクワの管轄権下に移るべきだとする考えの人々は6月を待たずに同様の行動を取る可能性があります。ロシア正教会は昨年12月に「西欧における総主教代理区」を設置(1990年に廃止されたものを再設置)しており、在外ロシア正教会に移るほかに、この総主教代理区に移ることも可能です。また、ある程度大きなグループを形成するなら、これらとは別の、自治的な権限を持つ集団として認めてもらう要請をすることも可能でしょう。
 また、投票で大主教区の解体に賛成した15人が代表を務める小教区は今後大主教区から離脱しコンスタンティノープルの各府主教区の直下の小教区へと移行する可能性もあります。

 

追記:
 OrthoChristian.Com も Orthodoxie.com の記事によりつつ、関係者の声などを加えて記事にしています。

 (英語)Archdiocese of Russian Churches in Western Europe votes against dissolution, discussions continue on which jurisdiction to join / OrthoChristian.Com

 これによりますと、同大主教区が管轄権下に入る先として、ロシア正教会モスクワ総主教庁、(ロシア正教会の管轄権下で自治的な権限を有する)在外ロシア正教会、ルーマニア正教会、アメリカ正教会【OCA】の名前が挙がっています。

 モスクワ総主教庁の管轄権下に入る場合は、独自の聖人の認定(列聖)が可能となる権限を与えられることが必要との認識も示されています(これはモスクワ総主教庁系のウクライナ正教会にはある権利ですが、コンスタンティノープルに独立正教会として承認されたほうの「ウクライナ正教会」には無い権利です)。

 なお、今回の決議に対し、コンスタンティノープル側からジャン大主教座下に神品(聖職者)としての務めの停止を含むような措置がおこなわれた場合、(もちろんその処断は無視して)ジャン大主教座下は礼拝中にキリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・全ロシア【全ルーシ】総主教キリル聖下(キリール総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)の名前で祈りを捧げることになるともされています(独立正教会の首座以外の主教らは礼拝の中でそれぞれの独立正教会の首座の名を挙げて祈りを捧げます。現在、ジャン大主教座下は、コンスタンティノープルの管轄権下にあるため、キリスト教/東方正教会首席/コンスタンティノープル=新ローマ大主教・全地総主教バルソロメオス聖下(バーソロミュー1世世界総主教バルトロマイ1世ヴァルソロメオス1世 : His All-Holiness Bartholomew, Archbishop of Constantinople-New Rome and Ecumenical Patriarch)の名前を挙げるわけですが、“処分”があった場合、もはやトップとして扱わないということです)。

 これらの状況を鑑みると、モスクワ総主教庁の交渉を平和裏に(つまり大主教区側の望む条件が通るように)成立させ、 6月 の総会でその承認をおこない、モスクワ総主教庁の管轄権下で高度な自治的権限を持つ教会となるのが一番良く、またほかの選択肢は厳しい(ルーマニア正教会やアメリカ正教会が自らの管轄権下に受け入れたり、ましてやそのような高度な権限を認めたりする可能性は極めて薄いと思います)と考えられているのではないかと思いますが……。
 しかし、先ほども書きましたが 4月ごろまでに ウクライナの件について結論を出すつもりの独立正教会もあります。それ以外にも、ロシア連邦を巡る政治的情勢によって、場合によってはモスクワを選択できないような状況になってしまう可能性もあります。
 とはいえ、条件はともかくとして、モスクワ側も「はい、いいですよ」と即日で見解を回答できるものでもなく、調整期間が相当程度は必要なのでしょう。

 

追記2:
 公式サイトで発表文が出ました。

 (英語:西欧ロシア正教会大主教区公式サイト)Archevêché des églises russes en Europe occidentale – Communiqué of the Archdiocese – 23 February 2019
 (フランス語:西欧ロシア正教会大主教区公式サイト)Archevêché des églises russes en Europe occidentale – Communiqué de l’Archevêché – 23 février 2019
 (ドイツ:西欧ロシア正教会大主教区公式サイト)Archevêché des églises russes en Europe occidentale – Kommuniqué des Erzbistums – 23. Februar 2019
 (ロシア語:西欧ロシア正教会大主教区公式サイト)Archevêché des églises russes en Europe occidentale – Коммюнике Архиепископии от 23 февраля 2019 года !
 (イタリア語:西欧ロシア正教会大主教区公式サイト)Archevêché des églises russes en Europe occidentale – Comunicato dell’Arcivescovado – 23 febbraio 2019

 (英語:西欧ロシア正教会大主教区グレートブリテン・アイルランド司祭長区公式サイト)Communiqué of the Archdiocese – 23 February 2019 | Deanery of Great Britain and Ireland

 最初の Orthodoxie.com の報道通りです。

 また、文末に、教会法通りに、ジャン大主教座下は礼拝中に全地総主教(バルソロメオス聖下)の名を挙げて祈りをおこない、大主教区の(他の)神品(聖職者)たちはジャン大主教座下の名を挙げて祈りをおこなうことが記されています。
 これは書いてある通り、教会法通りですが、あくまで現時点で離脱したわけではないことを示しています。
 そして、上記の OrthoChristian.Com の記事によれば、もしコンスタンティノープルの全地総主教庁よりジャン大主教座下へのなんらかの処分などがおこなわれた場合には、モスクワ総主教キリル聖下の名を挙げるように切り替えるということですが……公式文章にはない以上、その時の状況次第となるかもしれません。

 

関連:
 キリスト教/コンスタンティノープル管轄下で一方的に総主教代理区としては廃止され、事実上の離脱を決定した西欧ロシア正教会大主教区は、すでにロシア正教会モスクワ総主教庁との話を進めている模様(2019年2月)
 インタビュー記事(ロシア語):キリスト教/コンスタンティノープル管轄権下からの事実上の離脱を決めた西欧ロシア正教会大主教区のジャン【イオアン】大主教座下「理想的な教会は無い。ローマ・カトリック教会の現状を見るがいい」(2019年2月)
 キリスト教/コンスタンティノープル管轄権下で一方的に総主教代理区の地位を廃止され大主教区としても解体されそうなことにより事実上の離脱を決定したとみられていた西欧ロシア正教会大主教区の司祭らが、コンスタンティノープルを訪問(2019年3月)色々な駆け引きの途中か