キリスト教/“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の“フィラレート総主教”がフジコ・ヘミングの演奏会に臨席。ウクライナ駐箚の日本国大使の招待によるもの(2019年9月)

 2019年9月5日、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”の公式サイトによりますと、“フィラレート総主教”(キーウ・全ルーシ=ウクライナ総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)は、フジコ・ヘミングゲオルギー=ヘミング・イングリッド・フジコGeorgii-Hemming Ingrid Fuzjko)の演奏会に臨席したようです。
 同庁の公式サイトによりますと、ウクライナ駐箚の日本国特命全権大使倉井高志閣下(くらい たかし : His Excellency Mr Takashi Kurai)の招待によります。

 このサイトをご覧の方はご存知でしょうが、フィラレート総主教はロシア正教会を破門(anathema)されてから現在に至るまでロシア正教会モスクワ総主教庁と激しく対立しています。
 またその破門をロシア正教会を無視して撤回したコンスタンティノープル主導で結成された OCU をも離脱。この出来事においてはポロシェンコ(前)大統領や現在 OCU の首座を務めるかつての自分の右腕“エピファニー府主教”らが自分に嘘(エピファニー府主教は対外的に代表を務めるだけであり、国内ではフィラレート総主教がトップであるとする密約)をついて騙したと主張しています。そして、 OCU 側が UOC-KP を清算して全財産を取得しようとしている動きに対し、訴訟を起こすなどの動きを見せています。また、コンスタンティノープルが OCU に与えたトモスの内容についても「モスクワと共謀しウクライナに真の独立を与えなかった」というような内容の批判を加えています。

 大使は5月に上記の( OCU 首座の)エピファニー府主教と会見しており、また駐ウクライナ大使館でおこなわれた天皇陛下(徳仁なるひと : Emperor Naruhito : His Majesty【His Imperial Majesty】 The Emperor)の即位記念の催しにそのエピファニー府主教が(コンスタンティノープルの聖職者とともに)臨席しています。

 今回、フィラレート総主教を演奏会に招待したことは、教派に対するバランス外交……ということになるのかなあと首をひねっております。 UOC-KP の宣伝に使われ、反感を招くだけでは……。しかし、ウクライナのような面倒な場所で、現地の大使が信頼できないとなると政府に出来ることはなにもないので、この招待が日本の国益につながることを期待しましょう。

 

 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Патріарх Філарет відвідав концерт відомої японської піаністки Інгрід Фудзіко Хемінг – Українська Православна Церква Київський Патріархат

 

На запрошення Посла Японії в Україні… – Київський Патріархат УПЦ | Facebook

 

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