シスマ2018:あくまでロシアの正教会系メディアの情報ですが、キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教庁、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁”、“ウクライナ独立正教会”で、独立正教会設置に向けた細かな計画について同意が進んでいない模様(2018年10月)

【シスマ2018】東方正教会大分裂: ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事及びその他のシスマ的な出来事の記事一覧など

 

 (英語)Ukrainian schismatic leaders disagreeing over how to unite / OrthoChristian.Com

 

 あくまでロシアの正教会系メディアが(おそらくウクライナ国内の報道から自分たちに良いものを選んで構成しているのだと思いますが)、コンスタンティノープルの全地総主教庁、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁”、“ウクライナ独立正教会”の間で、独立正教会設置に向けた細かな調整が進んでいないようだという話です。

 まず全地総主教庁ですが、新設する独立正教会の首座を府主教とし、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁のキエフ総主教フィラレート聖下”をそれにあてたい、という考えが(全体でないにせよ)出ています。
 が、フィラレート聖下は「自分はすでに総主教、これからも総主教」と、府主教への降格を受け入れるつもりはまったくないようです(下手をすれば、“キエフ・全ルーシ総主教”と言い出すかもしれません)。
 付言していえば、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁”と“ウクライナ独立正教会”、及びウクライナ国内のその他の親コンスタンティノープル派の少数グループが合流すれば、その信徒数については、ルーマニア正教会の信徒数を超えているとも考えられます。ロシア正教会が全地総主教庁とのコミュニオンから離脱した以上、東方正教会の教会法上合法な教会で最大の信徒数を誇るのは新設される「ウクライナ正教会」である、と考えれば、その首座が総主教であるのは当たり前のことで、なぜ今になって全地総主教庁が府主教にとどめたい意向を示しているのか、よくわからないところです(もちろんこのニュースが本当だとしてですが)。

 そして、“ウクライナ独立正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教マカリー座下”ですが、フィラレート聖下との話し合いで、新たな教会をどうするかについて、「一方的な合流を求められた」という話をしているそうです(しつこいようですが、ロシアの正教会系メディアが正しく報道していれば)。しっかり話し合って組織としての在り方を決めるべきだとまっとうなことを主張しているようですが……まっとうなことを考える人は今回のようなムチャな展開に関わってはいけないのでは……。
 そもそも過去にこの二教会は一時的には協調しましたが、その後の合同については失敗に終わっています。
 また、マカリー座下は、全地総主教庁がしっかりとした主導をしていないことにも不満があるようです。

 

 いろいろ問題はあるようですが、一方で全地総主教庁はおそらく近いうちに独立正教会の設置を承認するでしょう。
 設立する独立正教会がしっかり運用されるのかという現実的な問題が浮上してきています。
 まだ名前すら決まっていないということですので。

 

キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下のロンドンでの手術(肝臓切除など)が成功の模様(2018年10月)引き続き経過を見る模様

 ギリシャの正教会系メディア「ΡΟΜΦΑΙΑ(Romfea.gr)」によりますと、癌との闘病を告白したキリスト教/東方正教会/キプロス正教会の首座/ノヴァ・ユスティニアナと全キプロスの大主教クリソストモス2世座下(His Beatitude Archbishop Chrysostomos II of Nova Justiniana and all Cyprus)の手術(肝臓切除など)が英国のロンドンでおこなわれたようです。
 ICU(集中治療室)に48時間滞在した後、さらに様子を見る模様。

 

 (ギリシャ語:キプロス正教会公式サイト)Επιτυχής η επέμβαση στην οποία υποβλήθηκε ο Μακαριώτατος Αρχιεπίσκοπος Κύπρου (Τετάρτη, 17 Οκτωβρίου 2018) – Εκκλησία της Κύπρου
 (ギリシャ語:大主教庁声明:キプロス正教会公式サイト)Επιτυχής η επέμβαση στην οποία υποβλήθηκε ο Μακαριώτατος Αρχιεπίσκοπος Κύπρου (Τετάρτη, 17 Οκτωβρίου 2018) – Εκκλησία της Κύπρου

 (英語)Archbishop Chrysostomos of Cyprus undergoes successful operation / OrthoChristian.Com

 (ギリシャ語)Ιατρικό ανακοινωθέν για την υγεία του Αρχιεπισκόπου Κύπρου
 (ギリシャ語)Με επιτυχία στέφθηκε η επέμβαση στον Κύπρου Χρυσόστομο – ΒΗΜΑ ΟΡΘΟΔΟΞΙΑΣ

 

追記:
 ニュース記事を並べなおしました。

 

関連:
 キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下が手術を受けたロンドンの病院から退院した模様(2018年10月)同地に滞在し10月30日帰国予定
 キリスト教/キプロス大主教クリソストモス2世座下が手術を受けたロンドンからキプロスに帰国(2018年10月)

 

インタビュー動画(イタリア語):キリスト教/ローマ・カトリック教会/ラテン典礼エルサレム総大司教庁使徒座管理ピエールバッティスタ・ピッツァバッラ大司教座下へのインタビュー映像(2018年10月)

 「世界代表司教会議(シノドス)第15回通常総会(テーマ:若者、信仰そして召命の識別)」のためにバチカンを訪問した、キリスト教/ローマ・カトリック教会/ラテン典礼エルサレム総大司教庁使徒座管理ピエールバッティスタ・ピッツァバッラ大司教座下(ヴェルベ名義大司教 : Archbishop Pierbattista Pizzaballa, O.F.M., Apostolic Administrator of Jerusalem, Titular Archbishop of Verbe)のインタビュー動画です。

 

Vatican News – Italiano:
Mons. Pierbattista Pizzaballa: dobbiamo rispondere alle sfide della modernità – YouTube

 

キリスト教/シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下が、同教会の系列の南ケララ・シムハサナ教会府主教らと会見(2018年10月)

 キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)は、同教会の中でインドにおいて自治的な権限を保有するヤコブ派シリア・キリスト教会の南ケララ・シムハサナ教会府主教“モル”・アタナシウス・ギーヴァルギース座下(His Eminence Mor Athanasius Geevarghese, Metropolitan of the Simhasana Churches in South Kerala and Abbot of Mor Ignatius Dayro)らシムハサナ教会の代表団と会見しました。
 シリア正教会アンティオキア総主教庁のインド教会関連担当総主教補佐“モル”・ティモセオス・マシュー座下(His Eminence Mor Timotheos Matthew, Patriarchal Secretary for Indian Affairs【the Church in India】)が同席しました。

※なお、シムハサナ教会はヤコブ派シリア・キリスト教会に含まれますが、管轄権自体はアンティオキア総主教庁直下ということになっているようです。(少なくとも)南ケララと北ケララの府主教が存在します。

 

 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)Visit of a Delegation from the Simhasana Churches in India | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch

ܩܕܝܫܘܬܗ ܕܡܪܢ ܡܪܝ ܐܝܓܢܛܝܘܣ ܐܦܪܝܡ ܬܪܝܢܐ… – His Holiness Patriarch Mor Ignatius Aphrem II | Facebook

 

キリスト教/東方正教会/アンティオキア総主教ヨウハンナ10世聖下がセルビア総主教イリネイ聖下らとモンテネグロを訪問(2018年10月)

 キリスト教/東方正教会/アンティオキア・東方全土総主教ヨウハンナ10世聖下(His Beatitude Patriarch John X of Antioch and All the East)は、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)らと共に、セルビア正教会の管轄権下にあるモンテネグロを訪問しました。

 アンティオキア総主教庁のアッカール府主教バシリオス座下(His Eminence, the Most Reverend Metropolitan Basilios of Akkar)、
 アンティオキア総主教庁下の北米アンティオキア正教キリスト者大主教庁首座/ニューヨーク・全北米大主教ジョセフ座下(His Eminence the Most Reverend Metropolitan Joseph of New York and All North America)、
 セルビア正教会のザグレブ=リュブリャナ府主教ポルフィリエ座下(His Eminence Metropolitan Porfirije of Zagreb-Ljubljana)、
 らが同行。

 ポドゴリツァ空港では、
 モンテネグロ・プリモルスカ府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)、
 ブディムリャ・ニクシッチ主教ヨアニキイェ座下(His Grace Bishop Joanikije of Budimlja and Nikšić)、
 らが出迎えました。
 ツェティニェ修道院、オストログ修道院訪問や、ポドゴリツァのハリストス復活大聖堂で礼拝がおこなわれたようです。

 アンティオキア総主教のモンテネグロ来訪は、モンテネグロ王ニコラ1世とモンテネグロ府主教ミトロファン(Metropolitan Mitrofan of Montenegro : ミトロファン・バンMitrofan Ban)の時代以来だそうです(総主教のほうは誰だかわかりませんでした)。

 

Greek Orthodox Patriarchate of Antioch and all the East(東方正教会アンティオキア・東方全土総主教庁公式チャンネル):
البطريرك يوحنا يزور ديري تسيتينيا وأوستروغ في مونتينيغرو – YouTube

 

Greek Orthodox Patriarchate of Antioch and all the East(東方正教会アンティオキア・東方全土総主教庁公式チャンネル):
البطريرك يوحنا العاشر يزور كاتدرائيّة القيامة في العاصمة بدغوريتسا – مونتينيغرو – YouTube

 

Телевизија Храм:
Патријарх Јован Х и Патријарх Иринеј боравили у Црној Гори – YouTube

 

Острог Тв Студио:
Антиохијски патријарх Јован X и српски Иринеј у посјети Цетињу (15.10.2018.љ.Г.) – YouTube

 

Острог Тв Студио:
Посјета патријараха Јована X и Иринеја манастиру Острогу (15.10.2018.љ.Г.) – YouTube

 

Острог Тв Студио:
Патријарси антиохијски и српски у посјети Подгорици (15.10.2018.љ.Г.) – YouTube

 

 (英語:セルビア正教会総主教庁公式サイト)Patriarchs John and Irinej arrive in Podgorica, Montenegro | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (英語:セルビア正教会総主教庁公式サイト)Serbian Patriarch: I am delighted to be in Montenegro together with the Patriarch of Antioch | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (英語:セルビア正教会総主教庁公式サイト)Patriarchs John and Irinej arrive in Podgorica, Montenegro | Serbian Orthodox Church [Official web site]

 (セルビア語:モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Патријарх антихијски Јован допутовао у Црну Гору | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)
 (セルビア語:モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Патријарси Јован и Иринеј у 16 часова долазе у подгорички Саборни храм Христовог васкрсења | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)
 (セルビア語:モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Предстојатељи Антиохијске и Српске православне цркве у Цетињском манастиру | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)
 (セルビア語:モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Патријарх српски Иринеј: Радује ме што сам Патријархом антиохијским у Црној Гори | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)
 (セルビア語:モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Патријарси антиохијски Јован X и српски Иринеј посјетили манастир Острог | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)
 (セルビア語:モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Патријарси антиохијски Јован и српски Иринеј посјетили Саборни храм Христовог Васкрсења | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)
 (セルビア語:モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Посјета Патријарха Јована из објектива Антиохијске патријаршије | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 

 そのほか、
 シュマディヤ主教ヨヴァン座下(His Grace Bishop Jovan of Šumadija)、
 ヴァリェヴォ主教ミルティン座下(His Grace Bishop Milutin of Valjevo)、
 ドゥクリャ主教メトディイェ座下(His Grace Vicar Bishop Metodije of Dioclea)、
 ザフムリェ・ヘルツェゴビナ・プリモルスカ主教ディミトリイェ座下(His Grace Bishop Dimitrije of Zahumlje-Herzegovina and the Littoral)、
 らが同行・参列。