訃報(2023年8月10日):キリスト教/日本正教会首座/全日本府主教ダニイル座下(主代郁夫)が永眠(1938~2023)

 2023年8月10日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁の管轄権下で自治正教会として活動する日本正教会【日本ハリストス正教会】の首座/東京大主教・全日本府主教ダニイル座下(His Eminence Daniel【Daniil】, Archbishop of Tokyo, Metropolitan of All Japan : 主代郁夫ぬしろ いくおIkuo Nushiro)が永眠しました。
 1938年9月5日生まれの84歳。

 

日本正教会 公式サイト:
 訃報 - 日本正教会|ハリストス正教会 The Orthodox Church in Japan
 ダニイル府主教 主教埋葬式 2023年8月17日 - 日本正教会|ハリストス正教会 The Orthodox Church in Japan

 

中外日報おくやみ:
 ダニイル・主代郁夫氏(日本正教会首座主教):中外日報

 

 20年以上にわたり、日本正教会の首座であった人物の永眠です。
 最後の数年は、文字通り激動の時代に入ってしまいました。

 

 今回、訃報の文書がそのまま画像で掲示されていますが、上記、日本正教会の公式サイトでは、教会名を、

 日本語:聖自治日本正教会

 英語:HOLY AUTONOMOUS ORTHODOX CHURCH IN JAPAN

 としています。
 一方、宗教法人名を「日本ハリストス正教会教団」としています。
 日本正教会の呼称には混乱が見られますが、日本ハリストス正教会(教団)は宗教法人名で、教会名としては(聖自治)日本正教会ということのように思われます。

※が、正確なことをお知りになりたい事情がある方は、直接、日本正教会にお尋ね下さい。

 

 また、永眠に伴い、仙台大主教・東京副主教セラフィム座下(His Eminence Archbishop Seraphim of Sendai : 辻永昇つじえ のぼるNoboru Tsujie)が、「日本ハリストス正教会憲法第九条に則り」「聖自治日本正教会首座代理に就任します」としています。
追記:
 ここからの文章を訂正しています。誤解を招いて申し訳ありません。
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁 公式サイト)His Holiness Patriarch Kirill invoked God’s blessing upon the work of the Locum Tenens of the Metropolitan See of the Japanese Orthodox Church / News / Patriarchate.ru

On August 11, 2023, in connection with the demise of Metropolitan Daniel of Tokyo and All Japan, Archbishop Seraphim of Sendai was elected as Locum Tenens of the Metropolitan’s See of the Japanese Orthodox Church in accordance with the Statute of this Church.

 キリル総主教から祝福の書簡がセラフィム大主教に送られたという記事ですが、「in accordance with the Statute of this Church」(この教会の憲章に従い)「Archbishop Seraphim of Sendai was elected as Locum Tenens of the Metropolitan’s See of the Japanese Orthodox Church」(仙台大主教セラフィムが日本正教会の府主教座(首座)代行に選出された)と書いています。
 日本正教会の発表と同内容と見て良さそうです(条文詳細はわかりませんが)。

※が、これもまた、正確なことをお知りになりたい事情がある方は、直接、日本正教会にお尋ね下さい。

 

 日本正教会には主教がひとりになってしまいましたが、いずれ、新たな主教を、という声が挙がる(あるいは府主教の生前からすでに挙がっていた)ものと思われます。

 

 座下の永眠に伴い、モスクワ総主教庁が記事を出しています。

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁 公式サイト)Patriarchal condolences over the passing away of Metropolitan Daniel of Tokyo / Patriarch / Patriarchate.ru

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局 公式サイト)Metropolitan Daniel of Tokyo and All Japan passes away in the Lord
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局 公式サイト:キリル総主教からの弔意)Patriarchal condolences over the passing away of Metropolitan Daniel of Tokyo
 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局 公式サイト:アントニー府主教からの弔意)DECR chairman sends condolences over the death of Metropolitan Daniel of Tokyo and All Japan

 (英語)Metropolitan Daniel of Japan reposes in the Lord / OrthoChristian.Com

 

関連:
 キリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教アントニー座下が、日本正教会首座代行/仙台大主教セラフィム座下を訪問(2023年9月)
 キリスト教/日本正教会の新たな首座に、仙台大主教セラフィム座下が選出(2023年9月)
 着座式(2023年10月22日):キリスト教/日本正教会首座/全日本府主教セラフィム座下の着座式

書籍形式PDFファイル(2022年11月 アラビア語・一部英語):キリスト教/コプト正教会首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下のスピーチを集めたもの。掲載写真のうちキリスト教指導者では、ローマ教皇フランシスコ聖下、ロシア正教会モスクワ総主教庁キリル聖下、エチオピア総主教“アブネ”・マティアス1世聖下、ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教アントニー座下を重要視か

 キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会の首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下(His Holiness Pope Tawadros II of Alexandria)のスピーチ内容を集めた書籍形式の PDF ファイル「Their words to the end of the World」(アラビア語・一部英語)が公開されています。

 

 (英語版サイト)"Their words to the end of the World" .. An Online Book for H.H. Pope Tawadros II – Coptic Orthodox Church
※↑のページから PDF をダウンロードできます。

 

 掲載文章の中に写真が織り交ぜられているのですが、キリスト教指導者の他に、イスラム教指導者や世俗の要人などの写真も当然あります。
 キリスト教指導者で、コプト正教会以外、かつ集団で並んでいるわけではなく、二人で写っている写真が掲載されている方に限定すると、

  • (顔写真を並べたもの)ローマ・カトリック教会/ローマ名誉教皇ベネディクト16世聖下(His Holiness Benedict XVI, Pope Emeritus)
  • ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis
  • (故)オリエント正教会/シリア正教会首座/第122代アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・ザッカー1世イワス聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Zakka I Iwas, the Patriarch of Antioch and All the East, The Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)
  • 東方正教会/ロシア正教会首座/モスクワ・ロシア全土【ルーシ全土】総主教キリル聖下(キリール総主教キリイル総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)
  • オリエント正教会/エチオピア正教会首座/エチオピア総主教・カトリコス“アブネ”・マティアス1世聖下(His Holiness Abune Mathias I, Patriarch and Catholicos of Ethiopia)
  • クリストフ・シェーンボルン枢機卿座下(His Eminence Christoph Cardinal Schönborn, O.P., Archbishop of Vienna)>
  • 東方正教会/ギリシャ正教会首座/アテネ・ギリシャ全土大主教イエロニモス2世座下(His Beatitude Hieronymos II, Archbishop of Athens and All Greece and Primate of the Autocephalous Orthodox Church of Greece)
  • (二人ではありませんが)オリエント正教会/シリア正教会首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)とオリエント正教会/アルメニア使徒教会(アルメニア正教会)キリキア・カトリコスアラム1世聖下(His Holiness Aram I, Catholicos of the Great House of Cilicia【Catholicos of the Holy See of Cilicia】)
  • ↑の“イグナティウス”・アフレム2世と二人の写真
  • 東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教アントニー座下(His Eminence Metropolitan Anthony of Volokolamsk, Chairman of the Department for External Church Relations of the Moscow Patriarchate)

※なお、周囲に人はいますが、ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/マロン東方典礼カトリック教会【マロン派】のアンティオキア・全レバント総大司教ベカラ・ブートロス・ライ枢機卿座下(His Beatitude and Eminence Moran Mor Béchara Boutros Cardinal Raï, O.M.M. , Patriarch of Antioch【Antiochia】 and the Whole Levant (Maronite))との写真もあります。

 訪問国の都合上ウィーン大司教とアテネ大主教は当然程度の扱い。
 また、シリア正教会とアルメニア使徒教会キリキア・カトリコス庁は同じオリエント正教会で近場=準・身内=重要なのは前提のようなものです。

 残りの方々のうち、フランシスコ教皇の取り扱いが一番多いです。
 続いて、エチオピア総主教、モスクワ総主教、ヴォロコラムスク府主教。
 カトリックに、ロシア正教会、エチオピア正教会、と、この辺りは当然のことでしょうか。

 エチオピア正教会は同じオリエント正教会で、コプト正教会側から20世紀に独立正教会と認められたとはいえ、信徒数はエチオピア正教会の方が多く、またエルサレムのスルタン修道院の件では争いも続いています。なかなか身内と言い切れない、そのような状況もあります。
 三者会合による声明からすると、シリア正教会およびアルメニア使徒教会キリキア・カトリコス庁はこの件においてコプト正教会側を支持しているようなので、この二教会のほうが立場が近い。
 また、オリエント正教会と東方正教会全体の会合はもう止まって終わったようなものですが、コプト正教会とシリア正教会はそれぞれロシア正教会と神学的対話を続けています。その観点からは、コプト正教会と一番近い立場にいる教会はシリア正教会となるでしょう。

 それにしても、アラビア語部分の最後が、ロシア正教会のアントニー府主教の来訪、ロシア正教会側からのメダルの授与、となっているのは示唆的ではあります。
 というか、率直に言って、驚きました。

関連:
 キリスト教/コプト正教会首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下が、ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教アントニー座下と会見(2022年11月)
 キリスト教/東方正教会シスマ2022:アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下が、モスクワ総主教キリル聖下の名を礼拝で挙げることを停止(2022年11月)ロシア側からは2019年に停止済み。相互に関係停止へ

 

 なお、 PDF の 89 ページは、タワドロス教皇の日本訪問時のものとなっています。

関連:
 キリスト教/コプト正教会首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下の来日、日本国外相 河野太郎 閣下と会見(2017年8月)

キリスト教/セルビア総主教ポルフィリイェ聖下が、日本大使と会見(2021年9月)

 2021年9月7日、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会は、セルビア総主教ポルフィリイェ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Porfirije, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)は、セルビア共和国駐箚日本国特命全権大使勝亦孝彦閣下(かつまた たかひこ : His Excellency Takahiko Katsumata : モンテネグロ兼轄)と会見しました。

 マルカ主教に選出されているサワ掌院(Archimandrite Sava, elected Bishop of Marca)が同席。

 

 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)Serbian Patriarch received the Ambassador of Japan to Serbia | Serbian Orthodox Church [Official web site]

訃報(2020年12月18日):キリスト教/東京名誉大司教 ペトロ岡田武夫 座下が帰天(1941~2020)

 2020年12月18日、キリスト教/ローマ・カトリック教会/日本国の東京名誉大司教ペトロ岡田武夫座下(Archbishop Peter Takeo Okada, Archbishop Emeritus of Tōkyō)が帰天したと発表されています。
 1941年10月24日生まれの79歳。

 浦和司教、東京大司教、埼玉使徒座管理、などを務めました。

 

 訃報:ペトロ岡田武夫名誉大司教 | カトリック東京大司教区 ウェブサイト

カトリック東京大司教区広報さんはTwitterを使っています 「前東京大司教、ペトロ岡田武夫名誉大司教は、12月18日(金)午後1時22分、頸部食道がんに伴う出血性ショックのため東京医科歯科大学付属病院にて帰天されました。享年79歳でした。お祈りください。葬儀・告別式等の詳細に関しては、追ってご連絡いたします。https://t.co/eAvH6YC1f4」 / Twitter

 

前東京大司教、ペトロ岡田 武夫名誉大司教は、12月18日(金)午後1時22分、頸部… – カトリック東京大司教区 Catholic Archdiocese of Tokyo | Facebook

 

 岡田武夫・前東京大司教死去、79歳 司教協議会会長など歴任 : 訃報 : クリスチャントゥデイ

 

 

キリスト教/日本正教会首座/全日本府主教ダニイル(主代郁夫)座下らが、日本国駐箚ロシア連邦大使を訪問(2020年11月)

 2020年11月24日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会下で自治的な権限を持つ日本正教会【日本ハリストス正教会】の首座/東京大主教・全日本府主教ダニイル座下(His Eminence Daniel【Daniil】, Archbishop of Tokyo, Metropolitan of All Japan : 主代郁夫ぬしろ いくおIkuo Nushiro)、仙台大主教・東京副主教セラフィム座下(His Eminence Archbishop Seraphim of Sendai : 辻永昇つじえ のぼるNoboru Tsujie)は、日本国駐箚ロシア連邦特命全権大使ミハイル・ユーリエヴィチ・ガルージン閣下(His Excellency Mikhail Yurievich Galuzin)を訪問しました。

 

 日本正教会|ハリストス正教会 The Orthodox Church in Japanより:
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