中華人民共和国の地元当局が、ローマ教皇聖座が承認していない“江西教区”の補佐司教に、余江司教 彭卫照 座下を叙任したとの報道。聖座は「司教任命に関する暫定合意」に反するとして驚き反発し説明を求めている模様(2022年11月)

 (英語:バチカンニュース)Holy See: regret for installation ceremony of Bishop in China – Vatican News

 

 報道によりますと、中華人民共和国の地元当局が、2022年11月24日に、ローマ教皇聖座が承認していない「江西教区」の補佐司教に、余江司教彭卫照座下(His Excellency Bishop Giovanni Peng Weizhao, Bishop of Yujiang)を叙任したとの報道。聖座は「司教任命に関する暫定合意」(先月に二年延長が合意されたばかり)に反するとして驚き反発し説明を求めているようです。

 この、「江西教区」というのがどういうものなのかよくわかりませんが……。「補佐司教」に「叙任」ということは「教区長」に擬されている人物が聖座の承認を受けていないということなんでしょうか。

 

 (英語)Vatican criticizes Chinese government's decision ''as not in line with 2018 agreements" | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Vatican criticizes Chinese government's decision ''as not in line with 2018 agreements" – YouTube

ローマ教皇聖座と中華人民共和国の司教任命に関する暫定合意がさらに2年間延長(2022年10月)

 2022年10月22日、ローマ教皇聖座と中華人民共和国は、キリスト教/ローマ・カトリック教会の同国内での司教任命についての暫定合意をさらに延長することで合意したようです。

 

 (英語:ローマ教皇聖座 公式サイト)Communiqué on the extension of the Provisional Agreement between the Holy See and the People’s Republic of China regarding the appointment of Bishops, 22.10.2022

 教皇庁と中国間の司教任命めぐる暫定合意延長を発表 – バチカン・ニュース
 パロリン枢機卿:教皇と中国間の暫定合意延長について – バチカン・ニュース

 (英語)Holy See-China: Provisional Agreement on nomination of Bishops renewed for second time – Vatican News
 (英語)Parolin: ‘An Agreement on aspects essential to daily life of Church in China’ – Vatican News

 (英語)Cardinal Tagle: A decision to safeguard apostolic succession for Chinese Catholics – Vatican News

 

続報:
 中華人民共和国の地元当局が、ローマ教皇聖座が承認していない“江西教区”の補佐司教に、余江司教 彭卫照 座下を叙任したとの報道。聖座は「司教任命に関する暫定合意」に反するとして驚き反発し説明を求めている模様(2022年11月)

セルビア大統領ブチッチ閣下が、キリスト教/ロシア正教会モスクワ総主教キリル聖下にセルビア共和国勲章の第一等(国家元首を想定)を授与(2021年2月)プーチン大統領、習近平国家主席、ナザルバエフ(前)大統領に次いで四人目

 2021年2月15日、セルビア共和国大統領アレクサンダル・ブチッチ閣下(ヴチッチ大統領 : His Excellency Mr Aleksandar Vučić)は、セルビア共和国国祭日に際して、勲章の授与者を発表しました。

 キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の首座/モスクワ・ロシア全土【ルーシ全土】総主教キリル聖下(キリール総主教キリイル総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)への、同共和国最高位のセルビア共和国勲章第一等(ネックレス)の授与が含まれているようです。
 この勲章の第一等は外国の国家元首への授与が想定されているもので、これまでロシア大統領プーチン閣下、中華人民共和国国家主席習近平閣下、カザフスタン初代大統領ヌルスルタン・ナザルバエフ閣下の三人にしか授与されていません。
 また、この勲章の第二等(リボン)は国家元首または行政府代表(主に首相)が想定されているもので、他の大統領や元スペイン首相、モナコ公アルベール2世殿下はこちらを授与されています(なお、ナザルバエフ前大統領は最初はこちらの第二等を授与されています)。
 そういったことを考えると、今回のキリル総主教への第一等の授与はやや不思議な気がします。誤報ではないとは思いますが……。
 また、今週はイリネイ総主教の永眠を受けた新たなセルビア総主教の選出がおこなわれる(2月18日~)ことを考えると、大統領から教会への親ロシア路線継承の要求とも思われます(要求しなくてもそうなるような気もします)。

 

 (英語:セルビア正教会 総主教庁 公式サイト)The highest dinstinction of Republic of Serbia to Patriarch Kirill of Moscow and All Russia | Serbian Orthodox Church [Official web site]

 (英語)Patriarch Kirill receives highest Serbian state award / OrthoChristian.Com

 

80歳(2019年7月31日):キリスト教/香港使徒座管理 ジョン湯漢 枢機卿座下が80歳を迎え、ローマ教皇選挙権を喪失。選挙権を持つ枢機卿の人数は119人に減少

 2019年7月31日、キリスト教/ローマ・カトリック教会の香港使徒座管理ジョン湯漢枢機卿座下(His Eminence John Cardinal Tong Hon, Apostolic Administrator of Hong Kong : 香港名誉司教 : Bishop Emeritus of Hong Kong)が80歳を迎え、ローマ教皇選挙権を喪失しました。
 これに伴い、選挙権を持つ枢機卿の人数は 119 人に減少しました。

 

 (英語)Chinese Cardinal John Tong Hon turns 80, can't vote in potential conclave | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Chinese Cardinal John Tong Hon turns 80, can't vote in potential conclave – YouTube

 

キリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下「アメリカのトランプ政権による中国製品への課税でアメリカや英語圏でのキリスト教布教は難しくなる」(2019年7月)聖書の多くは中国で印刷されるため

 キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))が、アメリカ合衆国のトランプ政権による中国製品への課税で、アメリカや英語圏でのキリスト教布教は難しくなるとコメントしたそうです。

 

 (英語)Interfax-Religion: The Russian Church warns that Trump’s taxes on Chinese goods may lead to crisis of Christian mission in the USA

 

 (英語の)聖書のほとんどが中国で印刷されているそうですが……。
 なるほどねえ!
 いや本当かどうかはわかりませんが……。初めて聞いた話ですので。

 

 それはともかく、トランプ大統領に「おまえもキリスト者なら聖書だけは貿易戦争から除外しろ」と要求してみたらいいんじゃないでしょうか。
 そしてトランプ大統領の保有する聖書もメイド・イン・チャイナの可能性があります。