キリスト教/シリア正教会の聖シノドが、レバノン大統領アウン大将閣下を訪問(2018年10月)

 2018年10月9日、キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)ら聖シノドのメンバーは、レバノン共和国大統領ミシェル・アウン大将閣下(His Excellency General Michel Aoun)を訪問しました。

 

 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)
The Holy Synod Visit to His Excellency President of the Republic of Lebanon | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch

 

Lebanese Presidencyさんのツイート: "الرئيس عون استقبل بطريرك انطاكيا وسائر المشرق والرئيس الاعلى للكنيسة السريانية الارثوذكسية في العالم البطريرك مار اغناطيوس افرام الثاني ووفد من المطارنة… https://t.co/98qB3KOwtG"

 

قداسة سيدنا البطريرك على رأس المجمع… – His Holiness Patriarch Mor Ignatius Aphrem II | Facebook

 

البطريرك افرام الثاني للرئيس عون: نقف… – Lebanese Presidency | Facebook

 

シスマ2018:ウクライナのメディアが、キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教庁で木曜日まで非公開のシノドが始まったと報道。議題は発表されず(2018年10月)

【シスマ2018】東方正教会大分裂: ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事及びその他のシスマ的な出来事の記事一覧

 

 ウクライナからの報道によりますと、2018年10月9日、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの全地総主教庁で木曜日まで非公開のシノドが始まったようです。

※ギリシャ系のメディアの報道が見当たらないので、万が一のフェイクニュースの可能性もありますが……。

 ともあれ、議題は発表されていませんが、ウクライナへの独立正教会設置の認定とみられています。

 

 (ウクライナ語)Розпочався Синод, який може вирішити долю української автокефалії – BBC News Україна

 

 早ければ10月11日にウクライナ正教会に独立正教会が設置されると発表されます。

 さて、ロシア正教会側は不思議なほど打てる手がありません。
 ユーカリスト・コミュニオンは解除するでしょうが、それにどれだけ意味があるかは不明で、そもそも今よりも厳しい状況ではない時期に解除がおこなわれたこともあり、これに留まるだけであるのなら敗北でしょう。
 かといって、 excommunication や anathema のような破門は他教会の理解は(ここまできてもなお)得られないでしょう。もちろんそれを覚悟で宣言する可能性はあります。

 ほかに打てる手としては、アンティオキア総主教庁になにか動いてもらうことですが、同庁自体がエルサレム総主教庁との問題が解決できておらず、シスマを加速するだけになるかもしれません(いっそ加速させようということでモスクワと合意するかもしれませんが……)。

 アレクサンドリア総主教庁の行動が極めて重要になってきています。
 もし同庁が最期までロシア正教会の味方をしてくれるならば、モスクワ総主教庁はアレクサンドリア総主教庁を新しい“first among equals”に推すだけです。
 アレクサンドリア総主教の“Pope”称号も、これまで「教皇」とするのは例外的でしたが、転換点となるかもしれません。
 エルサレム総主教庁がコンスタンティノープルの全地総主教庁と縁を切ることは極めて考えにくいため、エルサレムと対立してきたアンティオキア総主教庁の合意も得られる可能性はあり、ある程度綺麗な分裂に向かっていくかもしれません。
 とはいえ、アレクサンドリアがそこまで踏み切れるかというと、難しいかとも思われます。
「ここは耐えよう」と説得されるかもしれません。

 とはいえ、なにもしないことはモスクワの敗北を意味します。「モスクワは第三のローマ」ではなく「モスクワはモスクワ」ということになれば、ロシア連邦という国家の権威も落ちる可能性もあります。

 古代四総主教庁が現在位置する国家は、
 コンスタンティノープル = トルコ、
 アンティオキア = シリア
 エルサレム = イスラエル(実効支配)、パレスチナ
 アレクサンドリア = エジプト
 です。
 シリアはロシアとの関係は緊密で、エジプトもロシアとは友好的、トルコ・イスラエルとは政治的な駆け引きがおこなわれる可能性がある程度あります。
 舞台は政治に移るのか。

 

 いずれにせよ、全地総主教庁がウクライナに独立正教会を設置した場合、東方正教会に関連する地域への渡航や、(日本にも存在しますが)東方正教会系統の聖堂・修道院・遺跡などには近づかないほうが良いかもしれません。
 特にウクライナ。個人的には、外務省は「レベル3 渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」を全域に出すべきだと思います。

 

キリスト教/シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下が、キリスト教/アルメニア使徒教会/キリキア・カトリコス庁のレバノン教区長ナレグ・アレメジャン大主教座下と会見(2018年10月)

 2018年10月8日、キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)は、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会/キリキア・カトリコス庁のレバノン教区長ナレグ・アレメジャン大主教座下(His Eminence Archbishop Dr Nareg Alemezian)と会見しました。

 アレメジャン座下は、キリキア・カトリコスアラム1世聖下(His Holiness Aram I, Catholicos of Cilicia)の司祭叙聖50周年式典に、イグナティウス・アフレム2世聖下を招待したようです。

 

 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)<Meeting with Archbishop Nareg Alyemezian | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch

 

قداسة سيدنا البطريرك يستقبل نيافة… – His Holiness Patriarch Mor Ignatius Aphrem II | Facebook

 

 会談にはシリア正教会の、
 スウェーデン・スカンジナビア府主教“モル”・ユリウス・アブデラハド・シャボ座下(His Eminence Mor Julius Abdelahad Shabo, Metropolitan of Sweden and Scandinavia)、
 米国西部における総主教代理“モル”・クレーミス・エウゲン・カプラン座下(Mor Clemis Eugene Kaplan, Patriarchal Vicar for the Western USA)、
 モル・マタイ修道院大主教区大主教【聖マタイ区大主教】“モル”・ティモセオス・ムーサ・アル・シャマニ座下(Mor Timotheos Moussa Al-Shamani, Archbishop of the Archdiocese of Mor Mattai Monastery【Archbishop of St Matthew’s】)、
 “モル”・ティトゥス・ブーロス・トゥーザ座下(Mor Titus Boulos Touza, Apostolic Nuncio to the Evangelical Churches in Brazil)、
 アル=ジャジーラ・ユーフラテス大主教“モル”・マウリス・アムシフ座下(Mor Maurice Amsih, Archbishop of Al-Jazeerah and Euphrates)、
 らが同席した模様。

 

スウェーデン王カール16世グスタフ陛下とスウェーデン皇太子ヴィクトリア殿下が、同国を訪問中のキリスト教/シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下と会見(2018年10月)

 2018年10月2日、スウェーデン王カール16世グスタフ陛下(Carl XVI Gustaf of Sweden : His Majesty The King)とスウェーデン皇太子ヴィクトリア殿下(ヴェステルイェートランド女公爵 : Victoria : Her Royal Highness The Crown Princess of Sweden, Duchess of Västergötland)は、同王国を訪問中のキリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)と会見しました。

 スウェーデン国教会総シノドの開会に関連してのことです。
 イグナティウス・アフレム2世聖下は、スウェーデン国教会から、開会の臨席に招待されていました。

 

 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)Meeting with His Majesty King of Sweden and Her Royal Highness Crown Princess | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch

 

قداسة سيدنا البطريرك يلتقي جلالة ملك… – His Holiness Patriarch Mor Ignatius Aphrem II | Facebook

 

シスマ2018:キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下がウクライナ正教会首座/キエフ府主教オヌフリー座下と共同礼拝(2018年9月)アガファンゲル府主教座下の80歳を祝う

【シスマ2018~】 ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事の記事一覧

 

訪問関連:
 キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下が、ロシア正教会系のウクライナ正教会のオデッサ教区を訪問、教会法上合法である同教会とその首座のキエフ府主教オヌフリー座下への支持をあらためて表明(2018年9月)
 キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア総主教セオドロス2世聖下によるウクライナ正教会オデッサ教区訪問2日目(2018年9月)ロシア正教会系のウクライナ正教会及びモルドバ正教会の主教らと共同礼拝

 

 2018年9月29日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の管轄下で自治的な権限を行使するウクライナ正教会のオデッサ教区を訪問中のキリスト教/東方正教会/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下(His Beatitude Theodoros II, Pope and Patriarch of Alexandria and All Africa)は、ウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)と共同で礼拝をおこないました。
 また、ウクライナ正教会のオデッサ・イズマイル府主教アガファンゲル座下(アハファンヘル府主教 : His Eminence Agafangel, Metropolitan of Odessa and Izmail)の80歳が祝われたようです。
 モルドバ正教会の首座/キシナウ・全モルドバ府主教ヴラジミール座下(His Eminence Metropolitan Vladimir of Chişinău and All Moldova)、ウンゲニ・ニスポレニ主教ペトル座下(His Grace Petru, Bishop of Ungheni and Nisporeni)らが参列。

 

Одесская епархия(ウクライナ正教会オデッサ教区公式チャンネル):
Проповедь в день памяти прп. Кукши Одесского – YouTube

 

Одесская епархия(ウクライナ正教会オデッサ教区公式チャンネル):
День памяти преподобного Кукши Одесского – YouTube

 

Одесская епархия(ウクライナ正教会オデッサ教区公式チャンネル):
Патриаршее богослужение в Измаиле – YouTube

 

Одесская епархия(ウクライナ正教会オデッサ教区公式チャンネル):
Слова и приветствия после Богослужений в Измаиле – YouTube

 

Одесская епархия(ウクライナ正教会オデッサ教区公式チャンネル):
Встреча Патриарха Александрийского и Блаженнейшего митрополита Киевского и всея Украины в Измаиле – YouTube

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)His Beatitude Patriarch Theodore II of Alexandria and His Beatitude Metropolitan Onufry of Kiev celebrate Liturgy at the Monastery of the Holy Dormition in Odessa | The Russian Orthodox Church

 (英語:モルドバ正教会公式サイト)Orthodox Church of Moldova – Metropolis of Chişinău and all Moldova | H.E. Vladimir, Metropolitan of Chisinau and Moldova, participated in the Divine Liturgy on the celebration of the 80th anniversary of Metropolitan Agafangel of Odesa and Ismail

 (記事の掲載が終了しています)(ロシア語:ウクライナ正教会オデッサ教区公式サイト)Православная Одесса | Блаженнейший Патриарх Александрийский Феодор II и Блаженнейший митрополит Киевский и всея Украины Онуфрий совершили Божественную литургию в Свято-Успенском Одесском мужском монастыре
掲載時URL:http://eparhiya.od.ua/sobyitiya/sobyitiya/4867-blajenneyshiy-patriarh-aleksandriyskiy-feodor-ii-i-blajenneyshiy-mitropolit-kievskiy-i-vseya-ukrainyi-onufriy-sovershili-bojestvennuyu-liturgiyu-v-svyato-uspenskom-odesskom-mujskom-monastyire

 (ウクライナ語:ウクライナ正教会公式サイト)Блаженніший Патріарх Феодор II та Блаженніший Митрополит Онуфрій звершили святкове богослужіння в Одесі
 (ウクライナ語:ウクライナ正教会公式サイト)Предстоятель: Добрими справами слід не «піаритися», а робити їх потаємно (+відео) – Українська Православна Церква
 (ウクライナ語:ウクライナ正教会公式サイト)Предстоятель Олександрійської Церкви: Молімося на колінах, щоб був мир в Україні – Українська Православна Церква
 (ウクライナ語:ウクライナ正教会公式サイト)Блаженніший Патріарх Феодор і Блаженніший Митрополит Онуфрій очолили всенічне бдіння у Свято-Покровському соборі Ізмаїла (+відео) – Українська Православна Церква

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Блаженнейший Патриарх Феодор II и Блаженнейший митрополит Онуфрий совершили Литургию в Успенском монастыре Одессы / Новости / Патриархия.ru
 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Блаженнейший Патриарх Александрийский Феодор II и Блаженнейший митрополит Киевский Онуфрий совершили Литургию в Успенском монастыре Одессы | Русская Православная Церковь

 (ルーマニア語:モルドバ正教会公式サイト)ÎPS Părinte Mitropolit Vladimir a participat la Slujba praznicală prilejuită de cea de a 80-a aniversare a ÎPS Părinte Agafanghel, Mitropolit de Odesa și Ismail | Mitropolia Chişinăului şi a Întregii Moldove
 (ルーマニア語:モルドバ正教会ウンゲニ・ニスポレニ教区公式サイト)În ziua pomenirii cuviosului Cucșa al Odessei Preasfințitul PETRU, Episcop de Ungheni și Nisporeni a participat la Sfânta Liturghie în mănăstirea „Adormirea Maicii Domnului” din orașul Odessa
 (ルーマニア語:モルドバ正教会ウンゲニ・ニスポレニ教区公式サイト)Preasfintitul episcop PETRU a luat parte la Slujba privegherii in Catedrala din Ismail
 (ルーマニア語)ÎPS Părinte Mitropolit Vladimir a participat la Slujba praznicală prilejuită de cea de a 80-a aniversare a ÎPS Părinte Agafanghel, Mitropolit de Odesa și Ismail – Portalul "Moldova Ortodoxă" | Portalul "Moldova Ortodoxă"