シスマ2018:キリスト教/現在のロシア正教会にとって重要なのはエルサレム総主教庁との関係、すなわち「エルサレムの聖火」を受け取ることが可能かどうかか(2018年10月)

【シスマ2018】東方正教会大分裂: ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立とそれに端を発した出来事及びその他のシスマ的な出来事の記事一覧など

 

 キリスト教/東方正教会/エルサレム総主教庁の声明待ちですが、ロシア正教会側からは、「エルサレムの聖火」を受け取れるかどうかが重要問題となっているようです。
 エルサレム総主教庁がロシア正教会とのコミュニオンを継続する(少なくとも解除しない)意思を表明すれば、「エルサレムの聖火」を受け取ることができますが、一方でエルサレム総主教庁がコンスタンティノープルの全地総主教庁に従う判断を示した場合、モスクワ総主教庁側からコミュニオンを解除する可能性もあります。
 「エルサレムの聖火」は、東方正教会のエルサレム総主教が「復活教会【聖墳墓教会】」で使用したものを持ち帰るのですが、ロシア正教会側はコミュニオンが解除された場合(エルサレム側が「持ってってもいいよ」といっても)持っていかないつもりのようです。

 いずれにせよ、エルサレム総主教庁の発表待ちですが……。

 

シスマ2018:コンスタンティノープルの全地総主教庁管轄権下の自治正教会フィンランド正教会が「ロシア正教会との対話の準備がある」。一方「全地総主教庁のやったことは正しく、ロシア正教会のやったことは一方的で悲しいことだ」(2018年10月)……対話する気はゼロ

2018年~ ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立関連の記事一覧

 

 キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの全地総主教庁の管轄権下で自治正教会として認められているフィンランド正教会が、ロシア正教会との対話の用意があるとの談話を発表しています。
 一方で、全地総主教庁がウクライナでおこなったことは正しいと全面的に肯定し、ロシア正教会が全地総主教庁とのコミュニオンを解除したことは一方的であり悲しいことだと述べており、対話をする気はゼロにしか見えません。
 こんな文章なら、出さないほうがマシなのでは(出さないとコンスタンティノープルから「寝返るのでは……?」と疑惑を持たれるのでしょうか?)。

 

 (英語)TASS: Society & Culture – Finnish Orthodox Church hopes to maintain ties with Moscow Patriarchate

 (フィンランド語:フィンランド正教会公式サイト)”Yksipuolinen, surullinen ja valitettava päätös” | Suomen ortodoksinen kirkko

Ortodoksit Suomessaさんがリンクをシェアしました。 – Ortodoksit Suomessa | Facebook

 

 上記記事に記載されているフィンランド正教会の聖職者の名前は、
 フィンランド正教会の首座/ヘルシンキ・全フィンランド大主教レオ座下(His Eminence Archbishop Leo of Helsinki and All Finland)、
 オウル府主教エリア座下(His Eminence Metropolitan Elia of Oulu)、
 ヨエンスー主教アルセニ座下(His Grace Bishop Arseni of Joensuu)、
 となっています。

 

 フィンランドには、ロシア正教会の小教区が存在するらしいですが、全地総主教庁とのコミュニオンを解除したロシア正教会にとってフィンランドは今、どの独立正教会の管轄権下にもない場所なので、確保に動くかもしれません。でも信徒自体が少ないので……。

 

 にわかにロシア政府との緊張案件が出現してしまったフィンランド政府も大変ですが、万が一「フィンランド正教会モスクワ総主教庁系」の設立届出がされたらどう対応するのでしょう。

 

シスマ2018:キリスト教/ギリシャ正教会のキティラ府主教セラフィム座下がウクライナ問題について同教会聖シノドの臨時会合を求めていた模様(2018年10月)今のところ続報なし

2018年~ ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立関連の記事一覧

 

 2018年10月15日のロシア正教会の聖シノド会合より前の時間のようですが、キリスト教/東方正教会/ギリシャ正教会のキティラ府主教セラフィム座下(His Eminence Metropolitan SeraphimSerapheim】 of Kythira【Kythera】)がウクライナ問題について同教会聖シノドの臨時会合を求めていた模様です。
 セラフィム座下は現在(2018年~2019年)、同教会の聖シノドのメンバー。

 

 (英語)Greek metropolitan calls for extraordinary session of Holy Synod to address Ukrainian crisis / OrthoChristian.Com

 (ギリシャ語)Σύγκληση Ιεραρχίας για το Ουκρανικό ζητά ο Κυθήρων Σεραφείμ

Praktoreio Ekklisiastikon… – Praktoreio Ekklisiastikon Eidiseon | Facebook

 

 すでに時間が経過しているのに続報がないようなので、廃案とあいなったのかもしれません。

 

シスマ2018:キリスト教/ロシア正教会ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下「東方正教会はもはや調和のための中心が存在しない」(2018年10月)

2018年~ ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立関連の記事一覧

 

 2018年10月15日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))は、テレビのインタビューにて、「東方正教会はもはや調和のための中心が存在しない」「コンスタンティノープルの全地総主教庁はみずからの行動により、その資格を消した」と語ったようです。

 

 (英語:ロシア正教会モスクワ総主教庁渉外局公式サイト)Metropolitan Hilarion: the Patriarchate of Constantinople has lost the right to be called the coordinating center for the Orthodox Church | The Russian Orthodox Church

 (英語)TASS: Society & Culture – Constantinople Patriarchate no longer Orthodox Church’s coordinating center — Hilarion

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Митрополит Волоколамский Иларион: Константинопольский Патриархат утратил право именоваться координирующим центром для Православной Церкви / Новости / Патриархия.ru

 

関連:
 シスマ2018:キリスト教/ロシア正教会がベラルーシでの聖シノド会合で、コンスタンティノープルの全地総主教庁との「ユーカリスティック・コミュニオンの継続は不可能」と判断(2018年10月)

 

シスマ2018:キリスト教/ロシア正教会広報:「ロシア正教会の信徒はもはやアトス山では機密を受けられない」(2018年10月)コンスタンティノープルの全地総主教庁管轄下のため

2018年~ ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立関連の記事一覧

 

 2018年10月16日の、ロシア正教会聖シノドによるコンスタンティノープルの全地総主教庁とのユーカリスティック・コミュニオンの解除に伴い、全地総主教庁の管轄権下にある聖地アトス山(ギリシャ共和国内自治領域)では、ロシア正教会の信徒は機密を受けられないという主旨の記事(?)のようです。

 

 (英語)TASS: Society & Culture – Russian Orthodox Church believers not to be allowed to worship on Mount Athos

 

 一般の信徒がアトス山がコンスタンティノープルの管轄下であることを知らないだろうということで出されたのか、なんなのかはよくわかりませんが、ギリシャへの旅行はお勧めしないということなんでしょうか?

※なお、アトス山は男しか入れません(動物の雌でもダメなケースがあるはずです)。

 ともあれ、ここでロシア正教会というのは、もちろんロシア正教会モスクワ総主教庁管轄下で自治的権限を保有する教会などを含みますので、
 ウクライナ正教会、
 ベラルーシ正教会(全ベラルーシ総主教代理区)、
 モルドバ正教会、
 エストニア正教会モスクワ総主教庁系、
 ラトビア正教会、
 日本正教会【日本ハリストス正教会】、
 在外ロシア正教会、
 の信徒らも同じ扱いになるでしょう(教会がモスクワ総主教庁とのコミュニオンを離脱して全地総主教庁とのコミュニオンに入れば別ですが)。

 

追記:
 もう一つ記事が出ました。

 (英語)TASS: Society & Culture – Russian Orthodox believers not barred from venerating Christian shrines on Mount Athos

 アトス山で不朽体やイコンを崇敬するのは構わないけど、機密はダメだよ、ということでしょうか。