キリスト教/東方正教会系統の主流でない勢力、セルビア真正教会【STOC】と、在外ロシア正教会から離脱した勢力からさらに離脱した勢力がユーカリスティック・コミュニオンの状態に入る(2020年9月)

 2020年9月18日、キリスト教/東方正教会系統の主流でない教会のうち、トゥルー・オーソドキシーと呼ばれる保守的な分類の勢力に属する、セルビア真正教会(STOC : Serbian True Orthodox Church)と、在外ロシア正教会から離脱した勢力(現在は自分たちを正統とし同じく「在外ロシア正教会」を称し“アガファンゲル・シノド”などと他からは呼ばれる)から離脱した勢力(“アンドロニク大主教”と呼ばれる人物が主導しているので以後記事にするときはアンドロニク派と呼んでおきます)が、ユーカリスティック・コミュニオンの状態に入ったようです。

 

 (英語:アンドロニク派のカナダの教区の公式サイト)ANNOUNCEMENT OF THE ESTABLISHMENT OF EUCHARISTIC COMMUNION BETWEEN STOC AND ROCA
 (セルビア語)СРБИН ИСТИНСКИ ПРАВОСЛАВАН: Обавештење о успостављању евхаристијског општења између СИПЦ и РПЦЗ

 これに関して、ここ数年、同じくトゥルー・オーソドキシーに分類されるも、この両者を批判し対立を深めていたロシア真正教会(RTOC : Russian True Orthodox Church)の公式サイトの一つが激しく批判しつつ取り上げています。

 (英語:ロシア真正教会 西欧教区 公式サイト)A New "Church Conglomeration" is Announced! "You speak an infinite deal of nothing.” ― William Shakespeare, "The Merchant of Venice". – True Orthodox Diocese of Western Europe

 

 さらに、ロシア真正教会は、同じくトゥルー・オーソドキシーおよびオールド・カレンダリスト【Old Calendarist】【旧暦主義者】に分類される、 GOC-K (Church of the Genuine Orthodox Christians of Greece : ギリシャ真正教会 : カリニコス・シノド : Kallinikos-Synod)の公式サイトの新規記事で、セルビア真正教会の首座“アカキイェ主教”(His Grace Bishop Akakije)が司祭扱いで表記されていることも伝えています。

 (英語:ロシア真正教会 西欧教区 公式サイト)Synod of GOC-Kallinikos Calls Bishop (But Here They Address Him as "Father") to Appear as "Accused" – True Orthodox Diocese of Western Europe

 カリニコス・シノドとセルビア真正教会は同じグループとみなされていますが、過去に意見相違があり、セルビア真正教会側は「セルビアは我々の管轄権下にあり、ギリシャの教会がどうこういってくるのは、“ファナリオット”(コンスタンティノープル原理主義者=ギリシャ人がしいというえを奉じる人々)だ」というようなどこかで聞いたような主張と対立の仕方をしていました。

 今回のアカキイェ主教によるギリシャ訪問は、この対立の解決のためのものかと思われますが、新型コロナウイルス感染症【COVID-19】対策のために中止となったようです。
 カリニコス・シノド側は、その(自分たちが主教と認めていたはずの)主教に対して司祭と呼んでいるということになりますが、自分たちギリシャ人に逆らった聖職者を一方的にランクダウンしたか、アカキイェ主教がギリシャ人ではないのでどうでもいいから記述が適当になっているか、どちらかでしょう。

 

 「教え」を理由に離脱したはずのトゥルー・オーソドキシー系統の教会の中には、成立当時よりさらにコンスタンティノープルが世俗化かつローマ接近を図っているにも関わらず、今回の東方正教会大分裂(コンスタンティノープル対モスクワ)でコンスタンティノープル支持に回っているところもあります。

 

続報:
 キリスト教/東方正教会系統の主流でない勢力、“アンドロニク派”がセルビア真正教会【STOC】を訪問(2020年10月)

 

キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、ポーランド大統領ドゥダ閣下と会見(2020年9月)

 2020年9月25日、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、ポーランド共和国大統領アンジェイ・ドゥダ閣下(His Excellency Mr Andrzej Duda)と会見しました。

 会談では、聖ヨハネ・パウロ2世の生誕100年、独立自主管理労働組合「連帯」40周年、大統領夫妻の結婚25周年(結婚は1994年12月)などが話題となったようです。

 また、ドゥダ大統領は、
 ローマ教皇庁国務省長官【首相 相当】ピエトロ・パロリン枢機卿座下(His Eminence Pietro Cardinal Parolin)、
 ローマ教皇庁国務省外務局局長【外務大臣 相当】ポール・リチャード・ギャラガー大司教座下(ホデルム名義大司教 : His Most Reverend Excellency Monsignor Archbishop Paul Richard Gallagher : Titular Archbishop of Hodelm)、
 らとも会談した模様。

 

 教皇、ポーランド大統領と会見 – バチカン・ニュース
 (英語)Pope Francis receives Polish president in the Vatican – Vatican News

 (ポーランド語:ポーランド大統領府公式サイト)Oficjalna strona Prezydenta Rzeczypospolitej Polskiej / Aktualności / Wizyty zagraniczne / Para Prezydencka w Watykanie. Audiencja u Papieża Franciszka

 

Prezydent.pl(ポーランド大統領府公式チャンネル):
Para Prezydencka u Papieża Franciszka – YouTube

 

 (英語)The pope gives a gift to the Polish President and his wife for their wedding anniversary | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
The pope gives a gift to the Polish President and his wife for their wedding anniversary – YouTube

 

Kancelaria PrezydentaさんはTwitterを使っています 「Watykan | Prezydent @AndrzejDuda z Małżonką Agatą Kornhauser-Dudą na audiencji u papieża Franciszka. Spotkanie, odbywające się w ostatnim dniu wizyty w Rzymie, jest związane z przypadającym w tym roku stuleciem urodzin św. Jana Pawła II. https://t.co/bRotJbdKGc https://t.co/147iRsO48G」 / Twitter

 

Kancelaria PrezydentaさんはTwitterを使っています 「Watykan | @AndrzejDuda jest pierwszym prezydentem, którego Papież Franciszek przyjął na audiencji odkąd w marcu również w Watykanie wprowadzono restrykcje w związku z pandemią koronawirusa. Relacja: https://t.co/bRotJbdKGc https://t.co/BfTmFCnQnU」 / Twitter

 

Kancelaria Prezydenta RP – Audiencja u Papieża Franciszka | Facebook

 

Prezydent RP Andrzej Duda(@prezydent_pl) • Instagram写真と動画

 

キリスト教/ローマ教皇庁列聖省長官ジョヴァンニ・アンジェロ・ベーチュ枢機卿座下が長官および「枢機卿としての権利」から辞任(2020年9月)

 2020年9月24日、キリスト教/ローマ・カトリック教会のローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、ローマ教皇庁列聖省長官ジョヴァンニ・アンジェロ・ベーチュ枢機卿座下(His Eminence Giovanni Angelo Cardinal Becciu)の列聖省長官の地位および「枢機卿としての権利(rights connected with the cardinalate)」からの辞任を承認しました。

 これは予想されていなかった動きのようで、また、枢機卿としての権利云々が具体的に何を示すのかもよくわかっていません。

 辞任理由として、バチカン国務省の財務関連の不法行為に関連するのではないかという観測が挙がっています。

 

 (英語)Pope accepts Cardinal Becciu's resignation – Vatican News
 (英語)Vatican Cardinal Angelo Becciu resigns from office and 'rights' of cardinals

 

 ベーチュ枢機卿は、フランシスコ教皇よりマルタ騎士団を抑えるための特別代理に叙任されていましたが、今回の件を受けて、総長不在のマルタ騎士団内部での親フランシスコ派と反フランシスコ派の駆け引きも起こるかもしれません。

 

追加リンクなど:

 (英語)Angelo Becciu, prefect of the Causes of Saints, resigns from his cardinalate and his position | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Angelo Becciu, prefect of the Causes of Saints, resigns from his cardinalate and his position – YouTube

 

 (英語)Cardinal Angelo Becciu: I am innocent. I hope the error is clarified | ROME REPORTS

ROME REPORTS in English:
Cardinal Angelo Becciu: I am innocent. I hope the error is clarified – YouTube

 

続報:
 国際刑事警察機構【ICPO】が、“辞任”したベーチュ枢機卿座下に6000万円以上の金を送らせた女を逮捕(2020年10月)2000万円以上がシャネルなどに使われたとのこと

 

東方正教会シスマ2020:北マケドニア大統領ペンダロフスキ閣下が、キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教バルソロメオス聖下に対し、同国の教会法上合法でない“マケドニア正教会-オフリド大主教庁”を独立正教会として認めるよう要請したと報道(2020年9月)

 北マケドニア共和国大統領ステヴォ・ペンダロフスキ閣下(Stevo Pendarovski)が、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープル=新ローマ大主教・全地総主教バルソロメオス聖下(バーソロミュー1世世界総主教バルトロマイ1世ヴァルソロメオス1世 : His All-Holiness Bartholomew, Archbishop of Constantinople-New Rome and Ecumenical Patriarch)に対し、同国の教会法上合法でない集団“マケドニア正教会-オフリド大主教庁(Macedonian Orthodox Church – Ohrid Archdiocese : MOC-OA)”を独立正教会として認めるよう要請したという報道が出ています。

 

 (英語)Media: North Macedonia requests autocephaly for their "church" from Phanar – UOJ – the Union of Orthodox Journalists
 (英語)North Macedonia asks Constantinople for autocephaly for its schismatic church / OrthoChristian.Com
 (英語)North Macedonia asks for recognition of its Church from the Ecumenical Patriarch – Orthodox Times

 

 北マケドニア共和国(の領域)は、セルビア正教会の管轄権下であるとコンスタンティノープルは何度も何度も繰り返していますが、(彼らにとっては)彼らの気分次第でそんなものはいつどうにでも変えていいものだということが明らかになっているため、承認する可能性はあるでしょう(今回なくても常にありえます)。

 もし承認すれば、セルビア正教会側との衝突、というか教会分裂は避けられないものと思われますが……。
 しかし、もはや引くことができないのはどのプレイヤーも同じなので承認するかもしれません。

 ロシアとの友好関係を維持しつつ、欧州連合との接近やコソボとの関係改善をはかっているセルビア政府ですが、セルビア正教会ははっきりいってこの動き(コソボに関して)に反対しています。
 セルビア政府とセルビア正教会の足並みが乱れる可能性もあります。

 セルビア政府が教会と歩調を合わせる場合、ギリシャ政府とセルビア政府の間も緊張し、最近ギリシャへの配慮(?)を見せているロシア連邦の姿勢も再転換というか本音というかに戻るかもしれません。
 トルコ政府との対立のために味方を多く確保したいギリシャ政府ですが、北マケドニアやそれを支援するブルガリアなどとっくの昔からギリシャの経済的植民地であり、たいして役に立ちません(ブルガリアは親ロシア派を抱えていますし)。

 

東方正教会シスマ2020:モンテネグロ議会選挙でジュカノヴィッチ大統領与党敗北(2020年8月)野党連合の代表の一人は、キリスト教/セルビア正教会の重鎮モンテネグロ府主教アンフィロヒイェ座下に報告

 モンテネグロ議会選挙は野党連合の勝利に終わりましたが、ジュカノヴィッチ大統領はまだまだゴネており余談を許さない状況ではあります。
 ここでは、東方正教会の方面から事態を見ていきます。

 

 もともとモンテネグロは、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の管轄権下にあります。
 一方、同国には、教会法上合法でない勢力が結成したモンテネグロ正教会が存在します。
 ジュカノヴィッチ大統領はこの集団を利用し、コンスタンティノープルから独立正教会として認めるトモスを得て政治に役立てようとしましたが(いわゆるウクライナモデル)、この集団の首座“ミハイロ府主教”がコンスタンティノープルの不興を買っている人物であったこともあり、こちらの計画は進んでいませんでした(ミハイロ府主教は承認に自信を見せたりしていましたが……)。

 一方、ジュカノヴィッチ大統領は、同国のセルビア正教会モンテネグロ府主教庁【モンテネグロおよび沿海の府主教庁】の教会財産を強制接収する法案を通しました。
 これに対する抗議行動は、他の多数の抗議行動と結ぶ付き、今回の選挙結果につながっています。

 選挙後、野党連合の代表の一人ズドラヴコ・クリヴォカピッチ氏(Zdravko Krivokapić)は、モンテネグロおよび沿海の府主教アンフィロヒイェ座下(His Eminence Metropolitan Amfilohije of Montenegro and the Littoral)を選挙後訪問、祝福を求めたようです。

 

Susret Amfilohija i Krivokapića posle izbornog trijumfa opozicije – YouTube

 

 同府主教庁の公式サイトでは、「キリスト復活! モンテネグロ復活!【ハリストス復活! ツルナ・ゴーラ復活!】」などの文字が踊り、ジュカノヴィッチ政権の弾圧終了に向けた選挙結果を祝っていました。
 ただし、組閣は10月予定であり、ジュカノヴィッチ大統領がおとなしくしているとも思われていません。
 まだまだ予断を許さない状況の中、(あとで記事にしますが)北マケドニア共和国の大統領がコンスタンティノープルに対し自国の教会法上合法でない集団を独立正教会として認めるよう要請したというニュースが出てきました。
 どちらもセルビア正教会の管轄権下にある領域である以上、片方の状況がもう片方に強く影響することは言うまでもありません。
 「シスマはシスマは呼ぶ」とは有名な言葉ですが、モンテネグロが落ち着くかどうかはまったく見通せません。

 

関連:
 東方正教会シスマ2020:北マケドニア大統領ペンダロフスキ閣下が、キリスト教/コンスタンティノープルの全地総主教バルソロメオス聖下に対し、同国の教会法上合法でない“マケドニア正教会-オフリド大主教庁”を独立正教会として認めるよう要請したと報道(2020年9月)

 訃報(2020年10月30日):キリスト教/セルビア正教会の重鎮/モンテネグロおよび沿海の府主教アンフィロヒイェ座下が永眠(1938~2020)新型コロナウイルス感染症【COVID-19】の治療で入院との既報