キリスト教/東方正教会系統の主流でない勢力、“アンドロニク派”がセルビア真正教会【STOC】を訪問(2020年10月)

 2020年10月9日、キリスト教/東方正教会系統の主流でない教会、在外ロシア正教会から離脱した勢力のうちアンドロニク派の“アンドロニク大主教”(Archbishop of New York and North America Andronik)らが、セルビア真正教会(STOC : Serbian True Orthodox Church)を訪問、 STOC の首座“アカキイェ主教”(His Grace Bishop Akakije)らが出迎えたようです。

 両者は9月18日にユーカリスティック・コミュニオンの状態に入っています。

 

 (英語:アンドロニク派のカナダの教区の公式サイト)Serbian True Orthodox Church Welcomes The Russian Orthodox Church Abroad

ROCA North America:
Приветсвенное Слово Епископа Акакия Делегации РПЦЗ/ Bishop Akakije Greets the Delegation of the ROCA – YouTube

 

キリスト教/東方正教会系統の主流でない勢力、セルビア真正教会【STOC】と、在外ロシア正教会から離脱した勢力からさらに離脱した勢力がユーカリスティック・コミュニオンの状態に入る(2020年9月)

 2020年9月18日、キリスト教/東方正教会系統の主流でない教会のうち、トゥルー・オーソドキシーと呼ばれる保守的な分類の勢力に属する、セルビア真正教会(STOC : Serbian True Orthodox Church)と、在外ロシア正教会から離脱した勢力(現在は自分たちを正統とし同じく「在外ロシア正教会」を称し“アガファンゲル・シノド”などと他からは呼ばれる)から離脱した勢力(“アンドロニク大主教”と呼ばれる人物が主導しているので以後記事にするときはアンドロニク派と呼んでおきます)が、ユーカリスティック・コミュニオンの状態に入ったようです。

 

 (英語:アンドロニク派のカナダの教区の公式サイト)ANNOUNCEMENT OF THE ESTABLISHMENT OF EUCHARISTIC COMMUNION BETWEEN STOC AND ROCA
 (セルビア語)СРБИН ИСТИНСКИ ПРАВОСЛАВАН: Обавештење о успостављању евхаристијског општења између СИПЦ и РПЦЗ

 これに関して、ここ数年、同じくトゥルー・オーソドキシーに分類されるも、この両者を批判し対立を深めていたロシア真正教会(RTOC : Russian True Orthodox Church)の公式サイトの一つが激しく批判しつつ取り上げています。

 (英語:ロシア真正教会 西欧教区 公式サイト)A New "Church Conglomeration" is Announced! "You speak an infinite deal of nothing.” ― William Shakespeare, "The Merchant of Venice". – True Orthodox Diocese of Western Europe

 

 さらに、ロシア真正教会は、同じくトゥルー・オーソドキシーおよびオールド・カレンダリスト【Old Calendarist】【旧暦主義者】に分類される、 GOC-K (Church of the Genuine Orthodox Christians of Greece : ギリシャ真正教会 : カリニコス・シノド : Kallinikos-Synod)の公式サイトの新規記事で、セルビア真正教会の首座“アカキイェ主教”(His Grace Bishop Akakije)が司祭扱いで表記されていることも伝えています。

 (英語:ロシア真正教会 西欧教区 公式サイト)Synod of GOC-Kallinikos Calls Bishop (But Here They Address Him as "Father") to Appear as "Accused" – True Orthodox Diocese of Western Europe

 カリニコス・シノドとセルビア真正教会は同じグループとみなされていますが、過去に意見相違があり、セルビア真正教会側は「セルビアは我々の管轄権下にあり、ギリシャの教会がどうこういってくるのは、“ファナリオット”(コンスタンティノープル原理主義者=ギリシャ人がしいというえを奉じる人々)だ」というようなどこかで聞いたような主張と対立の仕方をしていました。

 今回のアカキイェ主教によるギリシャ訪問は、この対立の解決のためのものかと思われますが、新型コロナウイルス感染症【COVID-19】対策のために中止となったようです。
 カリニコス・シノド側は、その(自分たちが主教と認めていたはずの)主教に対して司祭と呼んでいるということになりますが、自分たちギリシャ人に逆らった聖職者を一方的にランクダウンしたか、アカキイェ主教がギリシャ人ではないのでどうでもいいから記述が適当になっているか、どちらかでしょう。

 

 「教え」を理由に離脱したはずのトゥルー・オーソドキシー系統の教会の中には、成立当時よりさらにコンスタンティノープルが世俗化かつローマ接近を図っているにも関わらず、今回の東方正教会大分裂(コンスタンティノープル対モスクワ)でコンスタンティノープル支持に回っているところもあります。

 

続報:
 キリスト教/東方正教会系統の主流でない勢力、“アンドロニク派”がセルビア真正教会【STOC】を訪問(2020年10月)