キリスト教/アルメニア使徒教会カトリコスのガレギン2世聖下が、アルメニア首相・アルメニア国会議長らとエラブルルで献花(2019年12月)

 2019年12月28日、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会/全アルメニア人のカトリコス・最高総主教ガレギン2世聖下(His Holiness Karekin IIGaregin II】, Supreme Patriarch and Catholicos of All Armenians)は、
 アルメニア共和国首相ニコル・パシニャン閣下(His Excellency Mr Nikol Pashinyan)、
 アルメニア共和国国会議長【国民議会議長】アララト・ミルゾヤン閣下(Ararat Mirzoyan)、
 らと、アルメニア独立やナゴルノ=カラバフ紛争で命を落としたアルメニア人が葬られているエラブルルで献花をおこないました。

 アルメニア共和国外務大臣ゾーラブ・ムナツァカニャン閣下(Zohrab Mnatsakanyan)も同行していますが、外相は三人より後ということで、同国の席次の一つをあらわすものではないかということで紹介しておきます。

 

Armenian Church(アルメニア使徒教会 聖エチミアジン母座 公式チャンネル):
Catholicos of All Armenians and State Officials Visited the "Erablur" Pantheon – YouTube

 

Government of Armenia(アルメニア行政府公式チャンネル):
Վարչապետը այցելել է «Եռաբլուր» – YouTube

 

 (英語:アルメニア共和国首相公式サイト)PM visits Yerablur Military Pantheon – Press releases – Updates – The Prime Minister of the Republic of Armenia

 

Մայր Աթոռ Սուրբ Էջմիածին/ Mother See of Holy Etchmiadzin – Վահափառ Հայրապետը եւ պետական պաշտոնյաներն այցելեցին «Եռաբլուր» պանթեոն | Facebook

 

キリスト教/東方正教会/アンティオキア総主教ヨウハンナ10世聖下が、エルサレム総主教の呼びかけによる東方正教会首座会合に関するメッセージを届けに来たフリストフォロス大主教座下と会見(2019年12月)

 2019年12月28日、キリスト教/東方正教会/アンティオキア・東方全土総主教ヨウハンナ10世聖下(His Beatitude Patriarch John X of Antioch and All the East)は、キリスト教/東方正教会/エルサレム総主教庁のキリアクーポリ大主教フリストフォロス座下(His Eminence【The Most Reverend】 Archbishop Christophoros of Kyriakoupolis)と会見しました。

※なお、アンティオキア総主教庁公式サイトなどでは、アンマン府主教【Metropolitan of Amman】となっていますが、ヨルダンのアンマンでの役割もありますが、キリアクーポリ大主教なのではないかと思います(当方が人違いをしていなければ)。

 

 フリストフォロス座下は、キリスト教/東方正教会/エルサレム・全パレスチナ総主教セオフィロス3世聖下(His Beatitude Theophilos III, Patriarch of Jerusalem and All Palestine)が呼びかけた東方正教会首座全体会合に関するメッセージを届けたようで、ヨウハンナ10世聖下はおそらく参加するでしょう。

 

 (英語:東方正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)His Beatitude Patriarch John X received His Eminence Christophoros, the Metropolitan of Amman delegated by His Beatitude Patriarch Theophilus III, – Greek Orthodox Patriarchate of Antioch and All the East

(English translation below – Traduction… – Antioch Patriarchate | Facebook

 

 一方で、エルサレム総主教庁とアンティオキア総主教庁は、エルサレム側のカタール大主教庁設置の結果、相互にフル・コミュニオンを解除したままです。

 今回のニュースを報じているロシアの正教会系メディア「ORTHODOX CHRISTIANITY(OrthoChristian.Com)」によりますと、

 (英語)Patriarch of Jerusalem invites Patriarch of Antioch to Synaxis of Primates in Jordan / OrthoChristian.Com

At present, Pat. John does not commemorate Pat. Theophilos in the Divine services, though Pat. Theophilos commemorates Pat. John.

 現在、ヨウハンナ10世聖下はセオフィロス3世聖下の名前を礼拝で挙げていませんが、セオフィロス3世聖下はヨウハンナ10世聖下の名を挙げているようです。エルサレム側が歩み寄るつもりなのか、あるいはそう見せかけているだけなのか。
 セオフィロス3世聖下の首座全体会合開催の呼びかけの目的も、表面上は「ウクライナ問題」の解決ですが解決するわけがないのであって、いったい何が目的なのか。
 無理に予想しようとして出てくるのは、「これだけやってもダメでした」という言い訳作りか、コンスタンティノープルを引きずりおろして自らが首位に立つことくらいですが、どちらも現実味を感じさせないところです。
 とりあえず集まったけれど、何も良い知恵は出ず、問題は先送りというオチになるのでは……。

 

キリスト教/“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”が新たに三人の主教を選出(2019年12月)コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】は「無効で反教会法」と批判

 2019年12月27日、“ウクライナ正教会キエフ総主教庁【UOC-KP】”は、“フィラレート総主教”(キーウ・全ルーシ=ウクライナ総主教フィラレート聖下 : His Holiness Patriarch Filaret of Kyiv and All Rus’-Ukraine)臨席のもと、他五名の府主教・主教らが出席する主教協議会を開きました。
 決定項目のうちに、三人の主教が新たに選出されるというものが含まれています。

 これに対し、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】は、「無効で反教会法」と批判しています。

※フィラレート総主教は、反 OCU の活動を続ける現在でも、 OCU の名誉総主教であり、もちろん主教の一人です。

 

 (ウクライナ語: UOC-KP 公式サイト)Відбувся Архієрейський собор Української Православної Церкви Київського Патріархату – Українська Православна Церква Київський Патріархат

27 грудня 2019 року у Київській… – УПЦ Київський Патріархат | Facebook

 

 (ウクライナ語: OCU サイト)ПЦУ | Щодо антиканонічних дій Почесного Патріарха Філарета і його оточення – PCU

 (英語)OCU: Ordinations of Filaret are void and anti-canonical – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

  OCU の主張は彼らが教会法上合法な存在だとすれば筋が通らないわけではないものの、 OCU の教会法上合法な主教はフィラレート総主教だけじゃないのかという根本的な疑問が解決されていない状況では、失笑する元気も出ません。ロシア系の UOJ もツッコミを入れる気もないようです(何回も書いてて疲れたんでしょう)。
 東方正教会の教会法は、この世界にあるもののうち、この二年で価値が大暴落したもののひとつですが、まだまだ滑り落ちる気配が濃厚です。

 

関連:
 キリスト教/コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】首座“エピファニー府主教”「フィラレート名誉総主教は OCU の主教の一人」(2020年1月)

 

東方正教会大分裂:キリスト教/ロシア正教会の聖シノド会合がアレクサンドリア総主教とのコミュニオン解除を決定(2019年12月)

 キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の聖シノド会合は、キリスト教/東方正教会/アレクサンドリア・全アフリカ総主教セオドロス2世聖下(His Beatitude Theodoros II, Pope and Patriarch of Alexandria and All Africa)とのコミュニオン解除を決定しました。
 これは、セオドロス2世が、前言を翻し、コンスタンティノープル系ウクライナ正教会【OCU】を承認したことによる対抗措置です。

関連記事:
 東方正教会大分裂:キリスト教/ロシア正教会が、アレクサンドリア総主教庁の駐モスクワ・メトヒオン【ポドヴォリエ】(正教会の大使館的聖堂)の権能を停止する予定との報道(2019年11月)

 報道によれば、決定は八項目にまとめられるようです。

  1. 教会分裂勢力(コンスタンティノープル系ウクライナ正教会)とコミュニオンに入ったアレクサンドリア総主教セオドロスの反教会法的行為に対し、深い悲しみを表明すること
  2. それはこれまでの彼の意見表明とまったく反するものであることを強調すること
  3. この行動は、アレクサンドリア総主教庁聖シノド会合では審議されておらず、独断のものであること
  4. 彼の名を挙げて礼拝することが不可能であることと、彼とユーカリスティック・コミュニオンを継続することが不可能であることを確認すること
  5. アレクサンドリア総主教に追随しないアレクサンドリア総主教庁の聖職者とはコミュニオンを継続すること
  6. アレクサンドリア総主教庁の駐モスクワ・メトヒオン【ポドヴォリエ】(正教会の大使館的聖堂)の権能を停止すること
  7. アレクサンドリア総主教庁に向けて置かれていたエジプト・カイロのモスクワ総主教庁の代表団は、ロシア正教会の小教区に変更されること
  8. アフリカに置かれていたロシア正教会の小教区はアレクサンドリア総主教庁の管轄権下から撤退し、モスクワ総主教庁直轄に移ること

 ここからの展開ですが、アフリカ大陸において、ギリシャ系人種の主教らに“二級市民”として扱われているアフリカ系聖職者(アフリカ系のみならずギリシャ系人種以外は東方正教会では二級市民ですが)らがどう行動するかということになるでしょう。
 ロシア正教会側は、「全アフリカにおける総主教代理区」のようなものを設置し、彼らをアレクサンドリアから切り崩して取り込んでいくのではないでしょうか。

 

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Священный Синод принял меры в связи с признанием Предстоятелем Александрийского Патриархата раскольнической структуры на Украине / Новости / Патриархия.ru
 (ロシア語:ベラルーシ正教会公式サイト)Митрополит Павел принял участие в заседании Священного Синода Русской Православной Церкви | Митрополит | Белорусская Православная Церковь | Новости | Официальный портал Белорусской Православной Церкви

 (英語)Interfax-Religion: Patriarch Kirill ceases liturgical commemoration of patriarch of Alexandria for recognizing new church of Ukraine
 (英語)Russian Synod removes Russian parishes in Africa from jurisdiction of Patriarchate of Alexandria / OrthoChristian.Com
 (英語)ROC Synod evaluates the recognition of OCU by Alexandrian Patriarchate – UOJ – the Union of Orthodox Journalists

 

キリスト教/ロシア正教会の今年最後の聖シノド会合はじまる(2019年12月)アレクサンドリア総主教庁とのコミュニオン解除があるかどうかが注目

 2019年最後となる、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会の聖シノド会合が始まりました。
 アレクサンドリア総主教庁とのコミュニオン解除があるかどうかが注目です。

関連記事:
 東方正教会大分裂:キリスト教/ロシア正教会が、アレクサンドリア総主教庁の駐モスクワ・メトヒオン【ポドヴォリエ】(正教会の大使館的聖堂)の権能を停止する予定との報道(2019年11月)

 

russianchurch(ロシア正教会モスクワ総主教庁公式チャンネル):
Началось последнее в 2019 году заседание Священного Синода Русской Православной Церкви – YouTube

 

 (ロシア語:ロシア正教会モスクワ総主教庁公式サイト)Святейший Патриарх Кирилл возглавил последнее в 2019 году заседание Священного Синода Русской Православной Церкви / Новости / Патриархия.ru

 

 ロシア正教会聖シノドのメンバーは、

  • ロシア正教会の首座/モスクワ・全ロシア【ルーシ】総主教キリル聖下(キリール総主教 : His Holiness Kirill, Patriarch of Moscow and all Russia【Rus’】)
  • ウクライナ正教会の首座/キエフ・全ウクライナ府主教オヌフリー座下(His Beatitude Metropolitan Onufriy of Kiev and All Ukraine)
  • クルチツィ・コロムナ府主教ユヴェナリー座下(His Eminence Metropolitan Juvenaly of Krutitsy and Kolomna)
  • モルドバ正教会の首座/キシナウ・全モルドバ府主教ヴラジミール座下(His Eminence Metropolitan Vladimir of Chişinău and All Moldova)
  • アスタナ・カザフスタン府主教アレクサンドル座下(His Eminence Metropolitan Alexander of Astana and Kazakhstan)
  • タシケント・ウズベキスタン府主教ヴィケンティー座下(His Eminence Metropolitan Vikentiy of Tashkent and Uzbekistan)
  • サンクトペテルブルク・ラドガ府主教ヴァルソノフィー座下(His Eminence Metropolitan Varsonofy of St. Petersburg and Ladoga)
  • ベラルーシにおける総主教代理【ベラルーシ正教会首座】/ミンスク・ザスラーヴリ府主教パーヴェル座下(His Eminence Metropolitan PaulPavel】of Minsk and Zaslavl, The Patriarchal Exarch of All Belarus)
  • モスクワ総主教庁渉外局長ヴォロコラムスク府主教イラリオン座下(ヒラリオン府主教 : His Eminence Metropolitan Hilarion of Volokolamsk, chairman of the Moscow Patriarchate’s Department for External Church Relations (DECR))
  • ヴォスクレセンスク府主教ディオニシー座下(His Eminence Metropolitan Dionisiy of Voskresensk)

 上記が固定メンバーで、さらに五名が半年間の任期で参加します。

 

追記:
 会合前の話ですが、イラリオン府主教座下は、アフリカへの小教区設置の可能性についてコメントしたようです。

 (英語)Interfax-Religion: Russian Orthodox Church could open parishes in Africa if Patriarchate of Alexandria sides with Ukrainian schism – Metropolitan Hilarion (updated)

 

続報:
 東方正教会大分裂:キリスト教/ロシア正教会の聖シノド会合がアレクサンドリア総主教とのコミュニオン解除を決定(2019年12月)