キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下が、インドのシリア・マラバル東方典礼カトリック教会(シロ=マラバル東方典礼カトリック教会)首座/ラファエル・タッティル首位大司教座下ら同教会の聖職者らと会見(2024年5月)

 2024年5月13日、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下(His Holiness Pope Francis)は、インドのキリスト教/ローマ・カトリック教会/東方典礼カトリック教会/シリア・マラバル東方典礼カトリック教会(シロ=マラバル東方典礼カトリック教会)首座/エルナクラム=アンガマリー首位大司教“マル”・ラファエル・タッティル座下(His Beatitude Archbishop Mar Raphael Thattil, Major Archbishop of Ernakulam-Angamaly)ら、同教会の聖職者らと会見しました。

 同教会は、礼拝の形式などにおいて、分裂へ向かうような見解の相違があり、解決していないようです。

 

 「一致を保ち、愛と柔和の模範を」教皇、シリア・マラバル典礼関係者に – バチカン・ニュース

 (英語:ローマ教皇聖座 公式ウェブサイト)Audience with the faithful of the Syro-Malabar Church, 13.05.2024
 (英語版:バチカンニュース)Pope to Syro-Malabar faithful: Unity is a duty – Vatican News

 

 (英語)“This is where the devil creeps in:” Pope warns leaders of Syro-Malabar Church about division – Rome Reports

ROME REPORTS in English:
“This is where the devil creeps in:” Pope warns leaders of Syro-Malabar Church about division – YouTube

 

XユーザーのSyro-Malabar Media Commissionさん: 「സീറോമലബാര്‍സഭയുടെ പൈതൃകം സംരക്ഷിക്കപ്പെടണം: ഫ്രാന്‍സീസ് മാര്‍പാപ്പ https://t.co/5yT2S2mCca via @Syro-Malabar News」 / X

Blessed moments of official meeting with Pope… – Mar Raphael Thattil, Major Archbishop of the Syro-Malabar Church | Facebook

 

追記:
 フランシスコ教皇は、5月16日に、エルナクラム=アンガマリーの使徒座管理である、ボスコ・プサー司教座下と会見しているようです。
 (英語:ローマ教皇聖座 公式ウェブサイト)Audiences, 16.05.2024

– Bishop Bosco Puthur, emeritus of Saint Thomas of the Apostle of Melboure of the Syro-Malabars, Australia; apostolic administrator “sede plena” of the archeparchy of Ernakulam-Angamaly of the Syro-Malabars, India;

 

関連:
 インタビュー動画(英語):キリスト教/シリア・マラバル東方典礼カトリック教会(シロ=マラバル東方典礼カトリック教会)首座/エルナクラム=アンガマリー首位大司教ラファエル・タッティル座下へのインタビュー映像(2024年5月)

キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルの府主教が、アレクサンドリア総主教庁のジンバブエ府主教が女性輔祭を叙聖した件について猛批判したというニュースに続き、それに対する反論など(2024年5月)

既報:
 キリスト教/東方正教会アレクサンドリア総主教庁のジンバブエ府主教セラフィム座下が、女性輔祭を叙聖(2024年5月)

 上記の出来事に関して、 Romfea.gr によると(あるいは他に同様な報道をしているところによると)、府主教個人のFacebook アカウント(ギリシャ語で検索しても見つかりませんでした)でのコメントらしいのですが、キリスト教/東方正教会/コンスタンティノープルのイコニウム府主教セオレプトス座下(リカオニア全土における首座代行 : His Eminence Metropolitan Theoleptos of Iconium, Exarch of All Lycaonia)が、この叙聖を屈辱と述べ、猛批判した、というような報道が出ています。
 同・府主教は、バルソロメオス総主教や(次期総主教の有力候補である)エルピドフォロス大主教に近いと見られていますが、一方、以前の人事でコンスタンティノープルの中枢からは外されているとみる向きもあり、今回の私見がどの程度コンスタンティノープルを代表している感覚なのかはわかりません(そもそも該当アカウントを発見できていませんが……)。

 

 (ギリシャ語)Ικονίου Θεόληπτος: «Η χειροτονία αυτή είναι εξευτελισμός»

Romfea.gr – Romfaia.gr | Facebook

 

 一方、セオレプトス府主教のこの屈辱という見解に対しても、反論などが述べられており、

ジンバブエ府主教区から:
 The Metropolis of Zimbabwe offers insight into the Ordination of Deaconess Angeliki | Orthodox Times (en)

 そしてもう一つ。 

 (ギリシャ語)Απάντηση στον Μητροπολίτη Ικονίου Θεόληπτο – ΕΚΚΛΗΣΙΑ ONLINE

 こちらのほうは、アテネ大学の教授が述べているようなのですが、セオレプトス府主教を嘲笑するような内容にしか受け取れません。

 

 そもそも、古代の Deaconess の役割についても議論があるわけです。一番厳しい見方は、アレクサンドリアがおこなったことは古代にあったことの再現ではなく、別のことをおこなっている、すなわち単なる異端な行為であるとする立場です(当方にはその是非は判別できませんが)。この立場をとる人々は、東方正教会の教会法上合法な教会の中に、アレクサンドリア総主教庁はもはや存在しない、ということになるでしょう(アレクサンドリアは引く気がまったくなさそうなので)。
 Deaconess に(東方正教会の中で)賛成している人々は、古代の Deaconess は、明確に廃止されたものではないため、今回の件は、教えとして問題はない、というようなことが(古代と絡める議論に関しては)だいたいの認識のようです。
 セオレプトス府主教(一番上にリンクした記事の文章)は、古代の例について、アレクサンドリアが今回やったことと同じとみたうえで、もう必要がないままずっと来ているものを、雑に唐突におこなうのは無価値で屈辱としているようで、これを一貫性がある認識と受け取れるかどうかは人によると思います。

 なお、カトリックのローマ教皇フランシスコ聖下は古代の例は現代の議論とは関係ないとしています(詳細まで確認していませんが)。
 カトリックでは、 Deaconess に関する検討を進める委員会(?)があるはずで、そちらの検討がどうなるかによるでしょうか。

 いずれにせよ、セオレプトス府主教の見解とされるものが、本当に正式な府主教の見解なのかがまず問われたうえで(なにせ個人のアカウントで、記事からリンクもされていないので)、コンスタンティノープルとしてなにか見解を出すのかどうかというのが、次の注目になるでしょうか。

キリスト教/ウォルシンガムの聖母の属人裁治区の裁治権者であるキース・ニュートン司祭が裁治権者を辞任(2024年4月)デービッド・アーサー・ウォーラー司祭が新たに裁治権者に

 2024年4月29日、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下は、ウォルシンガムの聖母の属人裁治区裁治権者キース・ニュートン司祭(The Right Reverend Monsignor Keith Newton, Ordinary of the Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham)の裁治権者としての辞任を承認しました。

 フランシスコ教皇は、同・属人裁治区の裁治権者代理(Vicar General : 補佐職)であるデービッド・アーサー・ウォーラー司祭(The Right Reverend Monsignor David Arthur Waller)を新たな裁治権者に叙任しました。
 また、同司祭は、 Bishop Ordinary に叙任されているので、司教としても叙任されており、司教叙階がおこなわれる予定です。

 ウォルシンガムの聖母の属人裁治区は、アングリカン・コミュニオンを離脱してカトリックに合流した人々を受け入れる属人裁治区(Personal Ordinariate)の一つで、グレートブリテン島(イングランド・スコットランド・ウェールズ)を管轄しています。

 属人裁治区の裁治権者は、司教である必要はありませんが、北米に設置されている聖ペトロ座の属人裁治区(Personal Ordinariate of the Chair of Saint Peter)に続き裁治権者が司教になることになりそうです。

 

 (英語:ローマ教皇聖座 公式ウェブサイト)Resignations and Appointments, 29.04.2024

Resignation of the Ordinary of the Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham, Great Britain, and appointment of the Bishop Ordinary

The Holy Father has accepted the resignation from the pastoral care of the Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham (Great Britain), presented by Reverend Msgr. Keith Newton.

His Holiness has appointed Reverend David Arthur Waller, until now Vicar General of the Ordinariate and Pastor of Christ the King Parish in Chingford, as Bishop Ordinary of the Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham (Great Britain)

 (英語:ウォルシンガムの聖母の属人裁治区 公式ウェブサイト)Latest News – Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham
 (英語:ウォルシンガムの聖母の属人裁治区 公式ウェブサイト)Latest News – Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham

 (英語)Pope appoints new Bishop Ordinary for the Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham – Catholic Bishops' Conference
 (英語)‘Momentous’ day for Ordinariate of Our Lady of Walsingham as it gets first Bishop Ordinary – Catholic Herald

 

XユーザーのCatholic Churchさん: 「His Holiness, Pope Francis, has appointed the Reverend David Waller as the next Ordinary and the first Bishop Ordinary of the Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham. Read More: https://t.co/AwTAFM7xH5 https://t.co/PSKgTQJyVY」 / X

 

With… – The Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham | Facebook

 

追記:
 (英語)Former Anglican Vicar Becomes First Bishop of UK Ordinariate| National Catholic Register

Msgr. Newton said the date and place of Father Waller’s episcopal ordination have yet to be confirmed but that he expected it to take place “towards the end of June.”

 ウォーラー司祭の叙階の時期や場所は決まっていませんが、6月末ごろとなりそうだとのことです。

XユーザーのNational Catholic Registerさん: 「Former Anglican Priest Becomes First Bishop of UK Ordinariate Msgr. Newton said that he was ‘delighted’ with Father Waller’s appointment, adding that he has been ‘unwaveringly loyal’ to the Ordinariate.⤵️ via @edwardpentin https://t.co/O5PnNTZgt7」 / X

 

追記2:
 ウォーラー司祭の司教叙階は 6月22日 となったようです。
 主叙階者は、ローマ教皇庁教理省長官ビクトル・マヌエル・フェルナンデス枢機卿座下(His Eminence Victor Manuel Cardinal Fernández, Prefect of the Dicastery for the Doctrine of the Faith)。

 (英語:ウォルシンガムの聖母の属人裁治区 公式ウェブサイト)EPISCOPAL ORDINATION OF BISHOP-ELECT DAVID WALLER – Latest News – Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham

The episcopal Ordination of Bishop Elect David Waller will take place at Westminster Cathedral at 11.00am on Saturday 22nd June, the Feast of St John Fisher and St Thomas More. The principal consecrator will be His Eminence Cardinal Víctor Manuel Fernández, Prefect of the Dicastery for the Doctrine of the Faith.

📣 We… – The Personal Ordinariate of Our Lady of Walsingham | Facebook

 

追記3:
 ウォーラー司祭の叙任について、他の二つの属人裁治区の裁治権者・使徒座管理から声明が出ています。

(北米)聖ペトロ座の属人裁治区 裁治権者スティーヴン・ジョセフ・ロペス司教座下(Bishop Steven Joseph Lopes, Ordinary of the Personal Ordinariate of the Chair of Saint Peter):
Today, April 29,… – Ordinariate of the Chair of Saint Peter | Facebook

 

(オーストラリアなど)南十字星の聖母の属人裁治区 使徒座管理/ブロークン湾司教アンソニー・ランダッツォ座下(Bishop Anthony Randazzo, Bishop of Broken Bay, Apostolic Administrator of the Personal Ordinariate of Our Lady of the Southern Cross):
St… – Personal Ordinariate of Our Lady of the Southern Cross | Facebook

ローマ教皇庁年鑑(バチカン年鑑)2024で、ローマ教皇の称号に西方総大司教が復活している模様(2024年4月)

 ローマ教皇庁年鑑(バチカン年鑑)2024で、ローマ教皇の称号の一つに西方総大司教(Patriarch of the West)が復活している模様です。

 この称号は、ベネディクト16世の時代の 2006年 に、教皇の称号としては使用されなくなっていました。
 復活した理由については、今のところ公式の説明はありません。

 

 (英語)Why is Pope Francis embracing the patriarchy (of the West)?
 (英語)'Patriarch of the West' reappears as papal title in Vatican yearbook | National Catholic Reporter

 

 (英語)Pope Francis recovers the title “Patriarch of the West” as an ecumenical gesture – Rome Reports

ROME REPORTS in English:
🚨BREAKING NEWS | Pope Francis recovers the title “Patriarch of the West” as an ecumenical gesture – YouTube

 

キリスト教/ブルガリア東方典礼カトリック教会の司教にペトコ・ヴァロフ司祭が叙任される(2024年4月)

 2024年4月8日、キリスト教/ローマ教皇フランシスコ聖下は、東方典礼カトリック教会/ブルガリア東方典礼カトリック教会/聖ヨハネ23世ブルガリア東方典礼教区司教クリスト・プロイコフ司教座下(Bishop Christo Proykov, Bishop of the Eparchy of Saint John XXIII for Catholic faithful of Byzantine rite in Bulgaria)の辞任を承認、新たな司教にペトコ・ヴァロフ司祭(Father Petko Valov)を叙任しました(叙階はまだ)。

 同教区(東方典礼教区)は、ブルガリア東方典礼カトリック教会の唯一の教区です。
※正式名称がよくわかりませんが、ローマ教皇聖座の告知ページの名前にしておきます。

 クリスト・プロイコフ司教は、 2021年3月 にフランシスコ教皇に辞意を伝えていたようですが、後任の決定とともに受理されたようです。

 

 (英語:ローマ教皇聖座 公式ウェブサイト)Resignations and Appointments, 08.04.2024

The Holy Father has accepted the resignation from the pastoral care of the eparchy of Saint John XXIII for Catholic faithful of Byzantine rite in Bulgaria presented by Bishop Christo Proykov.

The Holy Father has appointed the Reverend Petko Valov, of the clergy of the eparchy of Saint John XXIII for Catholic faithful of Byzantine rite in Bulgaria, until now parish priest of Dormitio Virginis in Novo Delchevo and eparchial chancellor as bishop of the same eparchy.

 (ブルガリア語:ブルガリ東方典礼カトリック教会 聖ヨハネ23世ブルガリア東方典礼教区 公式ウェブサイト)Католическа Апостолическа Екзархия София – ОТЕЦ ПЕТКО ВЪЛОВ Е НОВИЯТ ЕПИСКОП ЗА КАТОЛИЦИТЕ ОТ ИЗТОЧЕН ОБРЕД В БЪЛГАРИЯ

 (英語)Pope appoints new head of Roman Catholic church in Bulgaria – The Sofia Globe

The Sofia Globe – https://sofiaglobe.com/2024/04/08/pope-ap… | Facebook