ブルガリア共和国の議会で、宗教関連の法の改定の検討が進められていますが、キリスト教/東方正教会のブルガリア正教会総主教庁は、これに反対する意見書を議会に提出し、またそれとは別に声明を公開しています。
国家への宗教への介入に反対する立場から、一言でいうとロクなことにならないからやめてくれという内容のようです(また代替シノドのようなものが分離しても困ると)。
とはいえ政府側は、最近になってブルガリア正教会への資金援助を強化しており、これに「法案に賛成しなさい」という意図があるのは間違いないでしょう。
今回の改定案は、詳細(つまりなぜこんなものが出てきたのかということとその細かな内容と問題点)はわからないのですが(外国のことはだいたいそうですが)、テロ活動の阻止と外国による内政干渉を防止するという名目から、宗教団体の活動資金の詳細なチェックや、特に少数宗派の役員(?)は外国人との面会に条件が設けられるというような内容が含まれているようです。
報道などによれば、ブルガリア正教会とイスラム教のスンナ派以外の第三宗派以降はそれぞれ全人口の1%に満たないという状況です。
同国内のローマ・カトリック教会の聖職者らの活動は他国からの資金頼みが現状らしく、その資金を絶たれるとブルガリアではローマ・カトリック教会(ブルガリア東方典礼カトリック教会を含む)は消滅するのではないかともいわれています。
欧州連合やその関連司法機関に訴えるという意見を表明している人もおり、どう落ち着くかわからない状況です。
(ブルガリア語:ブルガリア正教会総主教庁公式サイト)Изявление на Св. Синод на БПЦ-БП по повод внесените законопроекти за изменение и допълнение на Закона за вероизповеданията
(ブルガリア語:ブルガリア正教会総主教庁公式サイト)С Т А Н О В И Щ Е на Св. Синод относно законопроекти за изменение и допълнение на Закона за вероизповеданията – II част
(ブルガリア語:ブルガリア正教会総主教庁公式サイト)С Т А Н О В И Щ Е на Св. Синод относно законопроекти за изменение и допълнение на Закона за вероизповеданията – I част
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