キリスト教/アルメニア使徒教会/キリキア・カトリコスのアラム1世聖下が、スイス復古カトリック教会の聖堂を訪問(2018年10月)

 2018年10月25日、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会(アルメニア正教会)のキリキア・カトリコスアラム1世聖下(His Holiness Aram I, Catholicos of the Great House of Cilicia)は、スイス復古カトリック教会の聖ペトロ・聖パウロ聖堂(主教座)を訪問。
 晩課に臨席し、礼拝後に教会間対話についてスピーチをおこないました。

 

Cilicia TV:
ԼՈՒՐԵՐ ԿԱԹՈՂԻԿՈՍԱՐԱՆԷՆ 27.10.2018 – YouTube

※スイス復古カトリック教会首座主教ハラルト・ライン座下(Harald Rein)と会見、

 

 アラム1世聖下はスイス復古カトリック教会の招待によりスイス連邦を訪問しています。

 スイス復古カトリック教会は、近代にローマ・カトリック教会から分離した復古カトリック教会に分類され、現在でもユニオン・オブ・ユトレヒトに加盟しています。
 名称ですが、世界教会会議【WCC】は「Old-Catholic Church of Switzerland」という名称を使用し(Old-Catholic Church of Switzerland — World Council of Churches)、今回のアルメニア使徒教会キリキア・カトリコス庁系メディアの動画説明文にも「the old #Catholic #Church in #Bern, #Switzerland」と(#付きですが)されており、スイス復古カトリック教会でよさそうに思えますが、一方同教会の公式サイトでは、

 (ドイツ語)Besuch S.H. Katholikos Aram I – Christkatholische Kirche der Schweiz
※アラム1世聖下訪問予定の記事

 「Christkatholische Kirche der Schweiz」(ドイツ語)となっています(他にフランス語・イタリア語表記も)。 
 英訳すれば「Christian Catholic Church of Switzerland」となり日本語訳すれば「スイス・キリスト・カトリック教会」(“復古”にあたる“old”がない)とでもなるような名称です。
 彼らがそう称しているのであれば、そうなのでしょうが、一方で他者がまるでそれを尊重していないようにみえる状況は不思議です。
 あるいは英語表記だけは復古カトリック教会の一派とわかるものを使用しているのかもしれませんが……。

 

追記:
 キリキア・カトリコス庁公式サイトに英語版記事が出たのでリンクしておきます。

 (英語)HIS HOLINESS DELIVERS A LECTURE AT ST. PETER AND PAUL CATHEDRAL OF THE OLD CATHOLIC CHURCH IN BERN | Armenian Church Catholicosate of Cilicia

 

関連:
 キリスト教/アルメニア使徒教会/キリキア・カトリコスのアラム1世聖下が、訪問先のスイスでアルメニア大統領アルメン・サルグシャン閣下と会見(2018年10月)

 

キリスト教/ベラルーシ正教会首座パーヴェル府主教座下が、ベラルーシ駐箚のアルメニア大使と会見(2018年10月)

 2018年10月26日、キリスト教/東方正教会/ロシア正教会モスクワ総主教庁下でわずかな自治的な権限を保有するベラルーシ正教会【全ベラルーシにおける総主教代理区】首座/ミンスク・ザスラーヴリ府主教パーヴェル座下(His Eminence Metropolitan PaulPavel】of Minsk and Zaslavl, The Patriarchal Exarch of All Belarus)は、新任のベラルーシ共和国駐箚アルメニア共和国大使アルメン・ゲヴォンジャン閣下(His Excellency Mr Armen Ghevondyan)と会見しました。

 

 (ロシア語:ベラルーシ正教会公式サイト)Состоялась встреча митрополита Павла с Послом Армении в Беларуси | Межрелигиозный диалог | Белорусская Православная Церковь | Новости | Официальный портал Белорусской Православной Церкви

 

 大使からパーヴェル座下に、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会/全アルメニア人のカトリコス・最高総主教ガレギン2世聖下(His Holiness Karekin IIGaregin II】, Supreme Patriarch and Catholicos of All Armenians)からの書籍の贈り物が手渡され、パーヴェル座下からガレギン2世聖下へ返礼のイコンが贈られたようです。

 

Белорусская Православная… – Белорусская Православная Церковь | Facebook

 

キリスト教/アルメニア使徒教会/キリキア・カトリコスのアラム1世聖下が、訪問先のスイスでアルメニア大統領アルメン・サルグシャン閣下と会見(2018年10月)

 2018年10月25日、キリスト教/オリエント正教会/アルメニア使徒教会(アルメニア正教会)のキリキア・カトリコスアラム1世聖下(His Holiness Aram I, Catholicos of the Great House of Cilicia)は、訪問先のスイス連邦ジュネーヴで、同じく同地を訪問中のアルメニア共和国大統領アルメン・サルグシャン閣下(サルキシャン元首相 : His Excellency Mr Armen Sargsyan【Sarkissian】)と会見しました。
 

Cilicia TV:
Ն.Ս.Օ.Տ.Տ. ԱՐԱՄ Ա. ԿԱԹՈՂԻԿՈՍ ԵՒ ՀԱՅԱՍՏԱՆԻ ՆԱԽԱԳԱՀ ԱՐՄԷՆ ՍԱՐԳԻՍԵԱՆ ՀԱՆԴԻՊԵՑԱՆ ԺԸՆԵՒԻ ՄԷՋ – YouTube

 

 (英語:アルメニア使徒教会キリキア・カトリコス庁公式サイト)HIS HOLINESS ARAM I AND THE PRESIDENT OF THE REPUBLIC OF ARMENIA MEET IN GENEVA | Armenian Church Catholicosate of Cilicia

 

 アラム1世聖下は、復古カトリック教会のスイス復古カトリック教会の招待を受けての訪問のようです。

 

関連:
 キリスト教/アルメニア使徒教会/キリキア・カトリコスのアラム1世聖下が、スイス復古カトリック教会の聖堂を訪問(2018年10月)

 

映像(アラビア語・英語字幕):キリスト教/コプト正教会の修道士がイスラエル警察に“暴力”を受けた件でアレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下がそもそもの問題を説明する動画(2018年10月)イスラエル政府とエチオピア正教会を批判

 エルサレムのスルタン修道院問題で、イスラエル警察の対応に抗議していたコプト正教会の修道士が手錠をかけられ地べたに押しつけられひきずられた件で、キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会の首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下(His Holiness Pope Tawadros II of Alexandria)による状況を説明する動画がアップロードされています。

 

アラビア語・英語字幕(なお、ざっと聞いただけですが、字幕の字句は多少単語が削られている気がします)/
Christian Youth Channel:
H H Pope Tawadros II Word regarding the Incident of attacking the Coptic Monks in Al Sultan Monaste – YouTube

 

 タワドロス2世教皇聖下によりますと、そもそもの問題は、1970年にエチオピア正教会側がスルタン修道院を“占拠”したことにあるとのこと。

 その後、イスラエル最高裁判所が、コプト正教会の所有であると判決を出したものの、イスラエル政府がそれを実行せず、という状況が延々と続いてきた模様。

 そして、(なぜかはよくわかりませんが)キリスト教/東方正教会/エルサレム・全パレスチナ総主教セオフィロス3世聖下(His Beatitude Theophilos III, Patriarch of Jerusalem and All Palestine)が話し合いをお膳立てして、すべてはまるくおさまったと思っていた(教皇・談)が、2016年にコプト正教会側が修道院の修復作業をおこなおうとしたところ、イスラエル当局が拒否。
(注意:2016年において、どちらが修道院を占有していたのかいまいちわからないところですが……)

 そして、その後、キリスト教/オリエント正教会/エチオピア正教会の首座/エチオピア総主教・カトリコス“アブネ”・マティアス1世聖下(His Holiness Abune Mathias I, Patriarch and Catholicos of Ethiopia)との対話もおこなわれたようです。

 が、今年【2018年】10月に修道院の修復作業はイスラエル政府がおこなうとの通知が来て、23日にイスラエル警察が修道院に入るようになり、そして修道士は(平和的に抗議活動をしていたにもかかわらず)警察に過剰な制圧を受けた……というのがコプト正教会側の主張のようです。

 

制圧の様子:
CopticMediaUKさんのツイート: "Video footage emerging online/on twitter re excessive violence by Israeli police against #Coptic monks in #Jerusalem latest tweet @BishopAngaelos for related news @SkyNews @CNN @Reuters @BBCNews @FrankRGardner @Telegraph @camanpour @ChristianToday @theipaper @PremierNewsDesk… https://t.co/IMuX1xxI39"

 

Christian Youth Channel:
CYC Breaking News 26 Oct 2018 – YouTube

 

 このスルタン修道院の経緯については、いまいちはっきりしないこともあるのですが、上記に加えていくつかのことは指摘できると思います。

 エチオピア正教会はその活動については、きわめて古くからのものとされますが、いっぽうで管轄権としては、コプト正教会の一部であり、1959年にいたるまで独立した教会ではありません。
 このスルタン修道院は、エチオピア系聖職者が関わってきたという情報もありますが、正直このことについては正否はこちらではわかりません。
 しかし、上記のアレクサンドリア教皇によるスルタン修道院がコプト正教会のものだとする根拠として、「イスラエル最高裁判所の判断」などを挙げているのみで、「そもそもエチオピア人は関係ないじゃないか」などとは発言していないところから、少なくともかなりの程度エチオピア人が関わってきたのではないか、と思えます。

 また、イスラエル政府が裁判所の判断を無視してまでなぜエチオピア正教会に肩入れするかですが、一つの可能性として、コプト正教会はエジプトでは少数派にすぎず、彼らのためにエジプト政府が本気でイスラエルと争う可能性はあまりないのに対して、エチオピアではエチオピア正教会は多数派であり(オリエント正教会で最大の信徒数の教会)、エチオピア政府はそのためにイスラエルと争う可能性は十分にあるからではないか、ということが考えられます。

 

 なお、コプト正教会の英国での代表者であるキリスト教/オリエント正教会/コプト正教会/ロンドン大主教【ロンドン大司教】アンゲロス座下(His Eminence Archbishop Angaelos of London)も声明を出しています。

 (英語)The Coptic Orthodox Church UK | Statement from His Eminence Archbishop Angaelos, Coptic Orthodox Archbishop of London on alarming images and videos emerging from Jerusalem of the treatment of Coptic clergy
 (英語)Statement from Archbishop Angaelos on alarming images and videos emerging from Jerusalem of the treatment of Coptic clergy | Bishop Angaelos.org

 

関連:
 キリスト教/コプト正教会の修道士がイスラエル警察に手錠をかけられるなどした件について、エチオピア正教会の聖シノドはコプト正教会を全面的に批判する声明を発表した模様(2018年10月)

 

 以下、余談です。

 東方正教会のエルサレム総主教が調停をおこなったということですが、なぜそれをおこなったおのか、なぜそれを受けたのか、というところがよくわからないところです。もちろんエルサレムのキリスト教関係者で有力、ということはありますが。
 エルサレム総主教自体が、ルーマニア正教会とフル・コミュニオンを解除し(修復済み)、アンティオキア総主教庁からフル・コミュニオンを解除されています(現在も継続)。そして現在のシスマに突入。よその世話をしている暇などなかったのでは……。
 また、東方正教会のシスマに関連していえば、この件もそれと近い構図があるように思えます。伝統的立場は強いものの信徒数では負けており国家の支援も少ないコプト正教会やコンスタンティノープルの全地総主教庁に対し、信徒数と国家の強力な支援を受けているエチオピア正教会やロシア正教会。ただ、東方正教会の因習(ギリシャ系人種が偉い)はまだかなり強いのに対し、コプト正教会の信者については何人と呼べばよいのかもよくわかりません

 

キリスト教/エルサレムのスルタン修道院問題で、イスラエル警察の対応に抗議していたコプト正教会の修道士が手錠をかけられ地べたに押しつけられひきずられる(2018年10月)

 キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会とエチオピア正教会の間で所有争いが続いているスルタン修道院ですが、一方的に修復を開始しようとした警察に抗議をしていたコプト正教会の修道士が、警察に手錠をかけられ、地べたに押しつけられ、ひきずられる、ということがあったようです。

 

CopticMediaUKさんのツイート: "Video footage emerging online/on twitter re excessive violence by Israeli police against #Coptic monks in #Jerusalem latest tweet @BishopAngaelos for related news @SkyNews @CNN @Reuters @BBCNews @FrankRGardner @Telegraph @camanpour @ChristianToday @theipaper @PremierNewsDesk… https://t.co/IMuX1xxI39"

 

Christian Youth Channel:
CYC Breaking News 26 Oct 2018 – YouTube

※「RT」の表記がありますが、元の映像は見つけられませんでした。

 

関連:
 映像(アラビア語・英語字幕):キリスト教/コプト正教会の修道士がイスラエル警察に“暴力”を受けた件でアレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下がそもそもの問題を説明する動画(2018年10月)イスラエル政府とエチオピア正教会を批判
 キリスト教/コプト正教会の修道士がイスラエル警察に手錠をかけられるなどした件について、エチオピア正教会の聖シノドはコプト正教会を全面的に批判する声明を発表した模様(2018年10月)