キリスト教/コプト正教会首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下が、エリトリア正教会首座/エリトリア総主教“アブネ”・ケルロス1世聖下と会見(2022年7月)

 2022年7月9日、キリスト教/オリエント正教会/コプト正教会の首座/アレクサンドリア教皇タワドロス2世聖下(His Holiness Pope Tawadros II of Alexandria)は、エジプト・アラブ共和国を訪問した、キリスト教/オリエント正教会/エリトリア正教会の首座/エリトリア総主教“アブネ”・ケルロス1世聖下(His Holiness Abune KerlosQerlos】 I, Patriarch of Eritrea)と会見しました。

 アブネ・ケルロス1世聖下の着座については、オリエント正教会の各教会は、エリトリア政府が“廃位”したアブネ・アントニオス聖下を正統(そして政府の弾圧を受けている)としていたため、各教会には認められていませんでした。

 しかし、アブネ・アントニオス聖下は2月9日に永眠、後継も特に指名・選出されていませんので、アブネ・ケルロス1世聖下以外にエリトリア総主教は現在存在せず、また別の人物が選出される見込みもありません。
(アントニオス聖下を支持していたほうの北米教区は、マカリオス主教座下という人物が率いているようですが……)

 よって、コプト正教会はエリトリア正教会との関係改善に乗り出した、のではないかと思われます(オリエント正教会の他教会との事前合意があるかについては不明)。
 ただ動画から見ると、共同での礼拝がおこなわれていないため、コミュニオンに関してどう扱われているかはよくわかりません。

 コプト正教会側のサイトによると、スピーチをした人物として、エリトリア正教会のバシリオス主教(Bishop Abouna Basilios)という人物の名前が挙げられています。

 

 (英語)H.H. Pope Tawadros II Receives H.H. Abouna Kirolos, Patriarch of the Eritrean Orthodox Church – Coptic Orthodox Church

 

Coptic Orthodox Church:
قداسة البابا تواضروس الثاني يستقبل قداسة أبونا كيرلس بطريرك الكنيسة الإريترية الأرثوذكسية 09-07-2022 – YouTube

 

Lisan Tewahdo:
lisan tewahdo web TV፦ ዜና ቤተ ክርስቲያን ወርኀ ሐምሌ 2014 ዓ.ም. (1ይ) – YouTube

 

Lisan Tewahdo:
lisan tewahdo web TV፦ዜና ቤተ ክርስቲያን ወርኀ ሐምሌ 2014 ዓ.ም. (2ይ) – YouTube

訃報(2022年3月4日):キリスト教/エチオピア正教会第4代総主教“アブネ”・メルコリオス聖下が永眠(1938~2022)

 2022年3月4日、第4代のキリスト教/オリエント正教会/エチオピア正教会の首座/エチオピア総主教・カトリコス“アブネ”・メルコリオス聖下(His Holiness Abune Merkorios, Patriarch and Catholicos of Ethiopia)が永眠したようです。
 1938年6月14日生まれの83歳。
 3月14日に葬儀がおこなわれました。

※永眠の日付を3月3日としているところもあります。

 アブネ・メルコリオス聖下は、1991年にエチオピアを離れ、エチオピア人民革命民主戦線(EPRDF)の政権によって退位を強要されたとして、1991年~2018年までアメリカ合衆国で亡命シノドを擁していました。
 2018年に和解が成立し、エチオピアに帰国、本国で活動していた第6代“アブネ”・マティアス1世聖下(His Holiness Abune Mathias I, Patriarch and Catholicos of Ethiopia)と二人の総主教が存在する体制となっていました。
関連:
 キリスト教/亡命中のエチオピア正教会第4代総主教メルコリオス聖下と、本国の第6代総主教マティアス聖下の和解が成立。単一の教会が二人の総主教を戴く模様(2018年7月~8月)

 永眠に伴い、アブネ・マティアス1世聖下が単独の総主教・カトリコスとなります。

 

africanews:
Ethiopia bids farewell to Patriarch Abune Merkorios – YouTube

 

 (英語)Ethiopia: EOTC Patriarch Abune Merkorios Passes Away – allAfrica.com
 (英語)Patriarch Abune Merkorios Laid to Rest – Walta Media and Communication Corporate
 (英語)Ethiopia bids farewell to Patriarch Abune Merkorios | Africanews

訃報(2022年2月9日):キリスト教/エリトリア正教会首座/エリトリア総主教アントニオス聖下が永眠(1927~2022)

 2022年2月9日、キリスト教/オリエント正教会/エリトリア総主教“アブネ”・アントニオス聖下(His Holiness Abune Antonios, Patriarch of the Eritrean Orthodox Tewahedo Church)が永眠したようです。
 1927年7月12日生まれの94歳。

 

 (英語:エリトリア正教会 アントニオス聖下を支持してきたほうの北米教区 公式サイト)H.H. Abune Antonios, the Third Patriarch of the Eritrean Orthodox Church is Reposed (Press Release)

 (英語)Patriarch of the Eritrean Orthodox Church Abune Anotnios passes away – Radio Erena
 (英語)The Martyr of Dictatorship – Patriarch Abune Antonios of Eritrea Enters Eternal Rest – Orthodoxy Cognate PAGE

 

 聖下は、2007年にエリトリア国政府の意向によって廃位され軟禁され続けていました。

 政府側の聖職者(と言い切っていいかどうかわかりませんが)は、その間に総主教を二人選出しています。

関連:
 訃報(2015年12月21日):キリスト教/(地位について議論のある)エリトリア総主教ディオスコロス聖下が永眠との報道(1935~2015)
 キリスト教/エリトリア正教会が新たな首座・総主教を選出(2021年6月)他のオリエント正教会の独立教会は承認せず。世界教会協議会【WCC】は祝福

選出・着座(2021年10月):キリスト教/マランカラ正教シリア教会【インド正教会】の首座にマシューズ・マル・セヴェリオス府主教座下が選出、バセリオス・マルトマ・マシューズ3世に

 2021年10月14日、2021年7月12日に永眠したキリスト教/オリエント正教会/マランカラ正教シリア教会【インド正教会】首座/東方カトリコス・マランカラ府主教“モラン”・“マル”・バセリオス・マルトマ・パウロス2世聖下(シロ・マランカル典礼カトリコスモラン・バゼリオス・マルトマ・パウロス2世 : His Holiness Moran Mar Baselios Marthoma【Mar Thoma】 Paulose II, the Catholicos of the East and Malankara Metropolitan, the Supreme Head of the Malankara Orthodox Syrian Church of India)の次の首座にマシューズ・マル・セヴェリオス府主教座下(His Grace Metropolitan Mathews Mar Severios)が選出。
 翌10月15日に着座式がおこなわれ、バセリオス・マルトマ・マシューズ3世Baselios Marthoma【Mar Thoma】 Mathews III)となりました。

 

 (英語)His Grace Dr. Mathew Mar Severios elected as Catholicos and Malankara Metropolitan
 (英語)Mathews Mar Severios Metropolitan ordained as Orthodox head | Kochi News – Times of India

キリスト教/マランカラ正教シリア教会【インド正教会】の次の首座の選出は10月14日予定(2021年8月)

 2021年7月12日に永眠したキリスト教/オリエント正教会/マランカラ正教シリア教会【インド正教会】首座/東方カトリコス・マランカラ府主教“モラン”・“マル”・バセリオス・マルトマ・パウロス2世聖下(シロ・マランカル典礼カトリコスモラン・バゼリオス・マルトマ・パウロス2世 : His Holiness Moran Mar Baselios Marthoma【Mar Thoma】 Paulose II, the Catholicos of the East and Malankara Metropolitan, the Supreme Head of the Malankara Orthodox Syrian Church of India)の次の首座を選出する会合が10月14日に予定されているようです。

 

 (英語)Orthodox synod in session in Kottayam – The Hindu

The Malankara Syrian Christian Association, the apex body comprising priests and laity representatives from all parishes under the Orthodox Church, is slated to meet at Parumala on October 14 to elect the next head of the Church.

 

続報:
 選出・着座(2021年10月):キリスト教/マランカラ正教シリア教会【インド正教会】の首座にマシューズ・マル・セヴェリオス府主教座下が選出、バセリオス・マルトマ・マシューズ3世に