キリスト教/ブルガリア正教会が、マケドニア正教会-オフリド大主教庁を独立正教会として承認(2022年12月)教会名は「北マケドニア共和国正教会」首座は「北マケドニア大主教ステファン座下」

 2022年12月13日、キリスト教/東方正教会/ブルガリア正教会は、聖シノド会合で、“マケドニア正教会-オフリド大主教庁”を独立正教会と認めました。
 教会名は「北マケドニア共和国正教会(Orthodox Church in the Republic of North Macedonia)」、ディプティクに加える首座名は北マケドニア大主教ステファン座下(His Beatitude Stefan, Archbishop of North Macedonia)とするようです。
 これらについて、東方正教会全体の会合がおこなわれるまでの暫定のようなものということですが、全体会合がおこなわれることはもうないであろうと全体が思っている状況では……。ともあれ、当面はこれらの名前を正式名称としてブルガリア正教会は使用し、状況によって他の言及の仕方もするでしょうし、変更もありうるでしょう。

 “マケドニア正教会-オフリド大主教庁”は、セルビア正教会の管轄権である北マケドニア共和国に存在していた、過去にセルビア正教会から離脱した教会法上合法でない集団でしたが、セルビア正教会は唐突に今年、合法な集団(自治的な権限を持つ教会)として認め、さらに唐突に独立正教会として認めました。
 また、教会名については、よそとの話し合いで決めてください、としました。
 これは、コンスタンティノープルは「マケドニアは我々に権利のある名前なのでオフリド大主教庁にせよ」と言っており、ブルガリア正教会は「オフリド大主教庁は歴史ある名前でブルガリア正教会に権利のある名前なので、別のにせよ」といっていて、要するにセルビア正教会は面倒なので投げたわけです。管轄権も含めて投げた理由はわかりませんが、政治が絡んだことなのか、それともマケドニアの管轄権に興味のある聖職者が実は少なかったのかもしれません。セルビア正教会に従ってマケドニアで活動してきた教会法上合法な集団、正教オフリド大主教庁は唐突に位置付けが微妙な集団になってしまいました。今後どうなるかも流動的、というか決まっておらず、首座が政権から弾圧を受け、牢獄に押し込まれてまで頑張ったのはなんだったのかまたひとつ、東方正教会にひどい結末が生まれているわけですが、各教会が“マケドニア正教会-オフリド大主教庁”との融和がなって良かった良かったというのが表向きの状況です。
 今のところ、“マケドニア正教会-オフリド大主教庁”は、東方正教会全体から独立正教会と認められているわけではありません。一部では教会法上合法と認めていない聖職者もいます。また、(ブルガリア正教会が独立正教会と認めている)アメリカ正教会と相互に独立正教会として承認し合うかもわかりません。

 

 (ブルガリア語:ブルガリア正教会 ブルガリア総主教庁 公式サイト)Решение на Св. Синод във връзка с дадената автокефалия на Православната църква в Северна Македония

Българска православна църква – Българска патриаршия | Facebook