訃報(2024年10月31日):キリスト教/ヤコブ派シリア教会の首座/インドのカトリコス/バセリオス・トマス1世座下が永眠(1929~2024)

 2024年10月31日、キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会/ヤコブ派シリア教会(Jacobite Syrian Christian Church)の首座/インドのカトリコス/“モル”・バセリオス・トマス1世座下(バゼリオス・トーマス1世 : His Beatitude Mor Baselios Thomas I, Catholicos of India)が永眠したようです。
 1929年7月22日生まれの95歳。

 同教会は、シリア正教会の管轄権下で、インドで自治的な権限を持って活動しており、またマランカラ教会の系統を汲む教会の一つです。
 トマス1世座下は、2019年に実務の大半から引退したという話もあります(マランカラ府主教としては辞任)。マランカラ府主教となっているグレゴリオス・ヨセフ座下がカトリコスとしても後継となるのかはわかりません。
(バチカンからは、クルト・コッホ枢機卿座下らから His Beatitude Mor Gregorios Joseph, Metropolitan of the Malankara Syrian Orthodox Church 宛てに弔意が送られており、同府主教の敬称がカトリコスと同じ“His Beatitude”なのがわかります)
 (英語:ローマ教皇庁 キリスト教一致推進評議会 公式ウェブサイト)2024 11 04 In memoriam Mor Baselios Thomas I

 

XユーザーのMor Aphrem IIさん: 「ܠܟܘܡܪܟ ܐܢܝܚ ܒܝܢܬ ܟܐ̈ܢܐ ܒܪܐ ܕܐܠܗܐ. نيّحه يارب مع الابرار والقديسين. His Beatitude Mor Basilios Thomas, Catholicos of India. May he rest in peace among the saints. May his memory be eternal https://t.co/rRUGFTQs48」 / X

 

シリア正教会総主教イグナティウス・アフレム2世聖下のメッセージ映像:
XユーザーのMor Aphrem IIさん: 「“Well done, good and faithful servant.. Enter into the joy of your Lord.’” Matthew 25:21 A short message to the faithful members of the church in 🇮🇳 India https://t.co/D19ioEaHcS」 / X

 

XユーザーのMor Aphrem IIさん: 「A Message of Condolences to our Church in India on the passing away of His Beatitude Mor Baselios Thomas I, Catholicos of 🇮🇳 https://t.co/2zSi5pMwKa」 / X

 

 (英語)Catholicos Baselios Thomas I, head of the Jacobite Syrian Orthodox Church, passes away, Jacobite Syrian Orthodox Church head, Catholicos Baselios Thomas 1 i, latest kerala india news

キリスト教/シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下が、同教会の管轄権下にあるインドのクナナヤ大主教区の首位府主教を停職に(2024年5月)

 キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)は、自らの管轄権に属するインドのクナナヤ大主教区の、クナナヤ大主教・クナナヤ大主教区首位府主教“モル”・セヴェリウス・クリアコス座下(His Eminence Mor Severius【Severios】 Kuriakose, Archbishop and Chief Metropolitan of the Knanaya Archdiocese)を停職にしたと報道されています。

 セヴェリウス・クリアコス座下は裁判所に停職を無効にするように申請し、裁判所側は一時的に無効にするよう裁定を出したようです(インドの司法制度と、シリア正教会の首座の権限と、これは独立したものなので、特に取り決めがなければ、シリア正教会の聖職者としては停職・現地の宗教団体のリーダーとしてはいまだその地位にある、という理解をしていますが、それで正しいかはわかりません)。

 停職の理由は、クナナヤ大主教区の憲章を総主教の権限を低下させるように変えようとする動きを起こし、総主教が反対したにも関わらず、変更のための会議を開くことを決定したことが一つ。これに対し、同大主教区に所属する、
 カリスズリー府主教“モル”・グレゴリオス・クリアコス座下(His Eminence Mor Gregorios Kuriakose, Metropolitan of Kallissery Region of the Knanaya Archdiocese)、
 ラニ府主教“モル”・イヴァニオス・クリアコス座下(His Eminence Mor Ivanios Kuriakose, Metropolitan of the Ranni Region of the Knanaya Archdiocese)、
 アメリカ・カナダ・欧州大主教“モル”・シルヴァヌス・アイユーブ座下(His Eminence Mor Silvanus Ayyub, Archbishop of America, Canada and Europe Region of the Knanaya Archdiocese)、
 らは、総主教に従う姿勢を見せているようです。
 また、セヴェリウス・クリアコス座下は、シリア正教会とは別の教会(おそらくマランカラ正教シリア教会(インド正教会))の聖職者に接近しているともみられており、これに関しても総主教が説明を求めたものの、拒否したとされています。

 平信徒らも、座下を支持し、総主教に憲章変更受諾を求めるクラウドファンディングを開始している人物から、総主教を支持している人物まで見解は割れているようです。

 

※ニュースへのリンクは、追加していくかもしれません。

 (英語)Patriarch of Antioch suspends Knanaya Jacobite metropolitan

キリスト教/シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下のインド司牧訪問関連(2024年1月~2月)

 2024年1月~2月、キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)のインド司牧訪問がおこなわれています。

 いくつか個別に記事にしますが、こちらにも直接リンクを貼っていきます。
※多忙のため断念しました。

 

XユーザーのMor Aphrem IIさん: 「Arriving in the Diocese of Malabar, Wayanad District, northern Kerala in the second part of the Apostolic Visit to India 🇮🇳 https://t.co/bh0CPiokDk」 / X

 

Arrival of His Holiness Mor Ignatius Aphrem II to Meenangadi – February 1st, 2024 وصول قداسة سيدنا البطريرك مار إغناطيوس أفرام الثاني إلى مينانغادي – ١… | By His Holiness Patriarch Mor Ignatius Aphrem II | Facebook

キリスト教/シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下が、同教会の管轄権下にあるインドのクナナヤ大主教区の大主教らと会見(2019年3月)

 2019年3月23日、キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)は、自らの管轄権に属するインドのクナナヤ大主教区の大主教ら四人及び総主教庁の府主教らとともに会談に臨席しました。場所はレバノン共和国の総主教邸。

 クナナヤ大主教区は、アンティオキア総主教庁下のインドの教会であるヤコブ派シリア・キリスト教会のシノドにも参加しているようですが、一方でアンティオキア総主教庁の直接の管轄権下にあるようです(ややこしいですが他にも同様の例はあります。)。

 

 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)Meeting for the the Knanaya Archdiocese | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch

 

إجتماع حول أبرشية الكناعنة – العطشانة… – His Holiness Patriarch Mor Ignatius Aphrem II | Facebook

 

Knanaya Archbishop and Bishops @ Mor… – Syriac Orthodox Knanaya Archdiocese | Facebook

 

 会談では、同大主教区の統一や共同について話されたようです。内部で何か問題があるのか、カトリックとの争いが継続しているのか、その辺りはわかりませんが……それにしても出席した主教らの人数が多いですね。

 クナナヤ大主教区側から、
 クナナヤ大主教・クナナヤ大主教区首位府主教“モル”・セヴェリウス・クリアコス座下(His Eminence Mor Severius Kuriakose, Archbishop and Chief Metropolitan of the Knanaya Archdiocese)、
 カリスズリー府主教“モル”・グレゴリオス・クリアコス座下(His Eminence Mor Gregorios Kuriakose, Metropolitan of Kallissery Region of the Knanaya Archdiocese)、
 ラニ府主教“モル”・イヴァニオス・クリアコス座下(His Eminence Mor Ivanios Kuriakose, Metropolitan of the Ranni Region of the Knanaya Archdiocese)、
 アメリカ・カナダ・欧州大主教“モル”・シルヴァヌス・アイユーブ座下(His Eminence Mor Silvanus Ayyub, Archbishop of America, Canada and Europe Region of the Knanaya Archdiocese)、

 シリア正教会アンティオキア総主教庁側から、
 レバノン山脈・トリポリ大主教“モル”・セオフィルス・ゲオルゲス・サリバ座下(His Eminence Mor Theophilus Georges Saliba, Archbishop of Mount Lebanon and Tripoli)、
 ホムス・ハマ・タルトゥース及び近郊大主教“モル”・セルワノス・ブートロス・アル・ネメ座下(His Eminence Mor Selwanos Boutros Al-Nemeh, Archbishop of Homs, Hama, Tartous and Environs)、
 ザーレ・ベッカーにおける総主教代理“モル”・ユスティノス・ブーロス・サファル座下(His Eminence Mor Justinos Boulos Safar, Patriarchal Vicar in Zahleh and Bekaa)、
 “モル”・クリュソストモス・ミカエル・シェムーン座下(His Eminence Mor Chrysostomos Mikhael Shemoun, Patriarchal Vicar for the Patriarchal Benevolent Institutions in Atchaneh)、
 総主教管轄ダマスカス大主教区総主教代理“モル”・ティモセオス・マッタ・アル・クーリー座下(His Eminence Mor Timotheos Matta Al-Khoury, Patriarchal Vicar of the Patriarchal Archdiocese of Damascus)、
 “モル”・アンティモス・ジャック・ヤコブ座下(His Eminence Mor Anthimos Jack Yakoub, Patriarchal Vicar for Youth Affairs and Religious Education)、
 らが出席。

 

キリスト教/シリア正教会アンティオキア総主教イグナティウス・アフレム2世聖下が、同教会の系列の南ケララ・シムハサナ教会府主教らと会見(2018年10月)

 キリスト教/オリエント正教会/シリア正教会の首座/アンティオキア・東方全土総主教“モラン”・“モル”・“イグナティウス”・アフレム2世聖下(His Holiness Moran Mor Ignatius Aphrem II, the Patriarch of Antioch and All the East, the Supreme Head of the Universal Syriac Orthodox Church)は、同教会の中でインドにおいて自治的な権限を保有するヤコブ派シリア・キリスト教会の南ケララ・シムハサナ教会府主教“モル”・アタナシウス・ギーヴァルギース座下(His Eminence Mor Athanasius Geevarghese, Metropolitan of the Simhasana Churches in South Kerala and Abbot of Mor Ignatius Dayro)らシムハサナ教会の代表団と会見しました。
 シリア正教会アンティオキア総主教庁のインド教会関連担当総主教補佐“モル”・ティモセオス・マシュー座下(His Eminence Mor Timotheos Matthew, Patriarchal Secretary for Indian Affairs【the Church in India】)が同席しました。

※なお、シムハサナ教会はヤコブ派シリア・キリスト教会に含まれますが、管轄権自体はアンティオキア総主教庁直下ということになっているようです。(少なくとも)南ケララと北ケララの府主教が存在します。

 

 (英語:シリア正教会アンティオキア総主教庁公式サイト)Visit of a Delegation from the Simhasana Churches in India | Syrian Orthodox Patriarchate of Antioch

ܩܕܝܫܘܬܗ ܕܡܪܢ ܡܪܝ ܐܝܓܢܛܝܘܣ ܐܦܪܝܡ ܬܪܝܢܐ… – His Holiness Patriarch Mor Ignatius Aphrem II | Facebook