キリスト教/セルビア総主教イリネイ聖下が、ジョージア【グルジア】国会議長イラクリ・コバヒゼ閣下らと会見(2019年3月)

 2019年3月29日、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)は、セルビア共和国を訪問中のジョージア【グルジア】国会議長イラクリ・コバヒゼ閣下(Irakli Kobakhidze)と総主教庁にて会見しました。
 ジョージア側から、セルビア共和国駐箚ジョージア特命全権大使ヨセフ・ナノバシヴィリ閣下(Joseb Nanobashvili)や、議会の議員らが同行。

 

 (英語:セルビア正教会総主教庁公式サイト)President of the Parliament of Georgia visits Serbian Patriarch | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (セルビア語:セルビア正教会総主教庁公式サイト)Председник Парламента Грузије код Патријарха српског | Српскa Православнa Црквa [Званични сајт]

 

🇬🇪🇷🇸 ირაკლი კობახიძე სერბეთის პატრიარქს… – საქართველოს პარლამენტი | Facebook

 

キリスト教/セルビア総主教イリネイ聖下がセルビア大統領・首相・外相の三人と会見、コソボ情勢に関して説明を受ける(2019年3月)三者との同時会見は異例か

 2019年3月10日、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)は、セルビア共和国ベオグラードの総主教庁にて、
 セルビア共和国大統領アレクサンダル・ブチッチ閣下(ヴチッチ大統領 : His Excellency Mr Aleksandar Vučić)、
 セルビア共和国首相アナ・ブルナビッチ閣下(Her Excellency Ms Ana Brnabić)、
 セルビア共和国外務大臣イビツァ・ダチッチ閣下(イヴィツァ・ダチッチ外相・元首相 : Ivica Dačić)、
 と会見、コソボ共和国【コソボ・メトヒヤ】に関する情勢についてセルビア側の立場に関する説明(コソボ政府は2013年のブリュッセル合意に違反している、など)を受けたようです(細かいことを確認していませんが、コソボにいるセルビア人への犯罪について、コソボ政府側が正しい対応をしていない、とされる事件があったとのセルビア側の報道をちらりと見た気がします)。
 また、イリネイ聖下は、国と宗教がこの問題について見解を共有することは重要だと述べたようです。

 大統領や首相・大臣らが単独で総主教を訪問したりするのはたまにあることですし、礼拝などに集合することもありますが、政治的・外交的な問題について三者が同時に訪問して会談するのは異例かと思います。

 

 (英語:セルビア正教会公式サイト)Serbian State leadership received in audience by the Serbian Patriarch | Serbian Orthodox Church [Official web site]
 (英語:セルビア政府公式サイト)Unity of state, church about Kosovo-Metohija important
 (英語)Meeting between Patriarch Irenej of Serbia with president Vucic on Kosovo – Romfea News

 (セルビア語:セルビア正教会公式サイト)Државно руководство код Патријарха српског | Српскa Православнa Црквa [Званични сајт]
 (セルビア語:モンテネグロ・プリモルスカ府主教庁公式サイト)Државно руководство Србије код Патријарха Иринеја | Православна Митрополија црногорско-приморска (Званични сајт)

 (セルビア語:セルビア大統領府公式サイト)Састанак са Његовом светости патријархом српским г. Иринејом и члановима Светог архијеријског Синода Српске православне цркве | Председник Републике Србије
 (セルビア語:セルビア政府公式サイト)Важно јединство државе и цркве о Косову и Метохији

 

Александар Вучићさんのツイート: "Захавалан сам патријарху и члановима Синода СПЦ, који су имали воље да нас саслушају. Ми смо донели патријарху и осталима текст палтформе коју су косовски Албанци усвојили за потребе прекида дијалога са Београдом и рекли колико је тешка ситуација у којој се Србија налази.… https://t.co/UyRTPWnWny"

 

追記:
 セルビア正教会側から、
 ザグレブ=リュブリャナ府主教ポルフィリエ座下(His Eminence Metropolitan Porfirije of Zagreb-Ljubljana)、
 バチュカ主教イリネイ座下(His Grace Bishop Irinej of Bačka)、
 シュマディヤ主教ヨヴァン座下(His Grace Bishop Jovan of Šumadija)、
 ヴァリェヴォ主教ミルティン座下(His Grace Bishop Milutin of Valjevo)、
 が同席の模様。

 

総主教称号の使用へ:キリスト教/英国正教会【イギリス正教会】【ブリテン正教会】首座/グラストンベリー府主教セラフィム座下が、2019年1月1日より“第7代”英国総主教【イギリス総主教】【ブリテン総主教】の称号を使用しているとのこと(2019年2月)

 英国正教会【イギリス正教会】【ブリテン正教会】(British Orthodox Church)はキリスト教/オリエント正教会/シリア正教会に関連した源流を持ち、一時期コプト正教会の管轄下に入りましたが、近年離脱

 公式サイトによりますと、2019年1月1日より、キリスト教/英国正教会首座/グラストンベリー府主教“アバ”・セラフィム座下(His Eminence Abba Seraphim, Metropolitan of Glastonbury)は、グラストンベリー府主教/第7代英国総主教【イギリス総主教】【ブリテン総主教】“マル”・セラフィム1世聖下(His Beatitude Mar Seraphim I, Metropolitan of Glastonbury and Seventh British Patriarch)の称号を用いているようです。
 また、(あくまで)同記事によれば、同教会は使徒時代に源流を持つものであり、総主教庁としても19世紀から存在することと、今回の件は新しく称し始めたのではなくもともとの状態に戻したとのことです。

 

 (英語:英国正教会公式サイト)The British Patriarchate Restored After 24 Years In Commission – The British Orthodox Church

[4] “An Act of the Holy Governing Synod proclaiming the Lawful & Canonical Succession of His Beatitude Mar Seraphim I to the Apostolic Throne of Glastonbury”, Glastonbury Chartulary, Vol. I, 1. (3 March 1979); “Memorial concerning the Solemn Enthronement of His Beatitude Mar Seraphim I as Metropolitan of Glastonbury & Seventh British Patriarch”, Glastonbury Chartulary, AS Vol. I, 14 (11 August 1979).

 

 上記によれば 1979 年に既にそうであったということになりますが……。

 今回の称号に関する件がコプト正教会離脱時に決められていたのかどうかはわかりません。
 今回の記事にもロシア、ルーマニア、セルビア、ブルガリアが総主教を称していることが書かれていますが、これらはいずれも東方正教会であり、オリエント正教会の総主教ではないので、東方正教会側のシスマの影響を受けたものかもしれません。

 2015年までコプト正教会に属していた英国正教会ですが、今回、外国の権威や管轄権をすべて拒否するとしています。

 

キリスト教/セルビア総主教イリネイ聖下の南アフリカ/プレトリアでの映像(2018年10月?)

 キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)が南アフリカ共和国を訪問していますが、(なぜか)プレトリアでの映像だけセルビア正教会系のメディアで動画が公開されていたのでリンクしておきます。

 

Телевизија Храм:
Доксологија у част Патријарха српског Иринеја у Преторији – YouTube

 

ロシア国営タス通信記事(英語):キリスト教/セルビア総主教イリネイ聖下「コンスタンティノープルの行動は東方正教会に長期に渡る亀裂を生み出す」(2018年10月)

 ロシア国営タス通信の記事ですが、キリスト教/東方正教会/セルビア正教会の首座/セルビア総主教イリネイ聖下(ペーチ大主教 : ベオグラード・カルロヴツィ府主教 : His Holiness Irinej, Serbian Patriarch, Archbishop of Peć, Metropolitan of Belgrade and Karlovci)が、現在進行中の事態について「コンスタンティノープルの行動は長期に渡る亀裂を生み出す」とコメントしているようです。

 

 (英語)TASS: Society & Culture – Constantinople’s actions in Ukraine to trigger long-term rift, warns Serb patriarch

 

 もっとも、具体的な行動はというと、アンティオキア・東方全土総主教ヨウハンナ10世聖下(His Beatitude Patriarch John X of Antioch and All the East)とともに、「東方正教会の全体会合を呼びかける」声明を出すというなんの意味もないことくらいしかしていないので、これからも自分たちの教会に直接関係が出てこない限り何もしないと思われます。

 

関連:
 2018年~ ウクライナへの独立正教会設置を巡るコンスタンティノープルの全地総主教庁とロシア正教会モスクワ総主教庁の対立関連の記事一覧